クラシック ピアノ Debussy Preludes Book 1/2 (Krystian Zimerman) (Deutsche Grammophon) ツィマーマンのドビュッシー前奏曲集1・2です。 ツィマーマンはピアニシモを実に美しく弾くピアニストですがピアニシモとフォルテシモの対比が見事な演奏です。 この演奏の広大なダイナミックレンジを録音が支えています。 ピアノはスタインウェイだと思います。 演奏、ピアノ、響きのよい会場、録音のすべてが揃わないとこんなCDはできないでしょう。 ツィマーマン自身、自宅に録音設備を持っているくらい、音にはこだわりを持っている人なのでこういうCDができたのかもしれません。 残響はすごく多めなのですが、決してボケていないところがこの録音のすごさです。音の立ち上がりのシャープさと残響のきれいさが見事に両立しています。 ワンポイント録音なのか??マルチマイクなのか??すごく気になるところです。この残響の自然さ、音の立ち上がりのシャープさはマルチマイクでは難しいと思うのですが。 私自身はどちらかというと残響控えめの録音を好むのですがこれだけきれいだと圧倒されて何も言えません。 ピアノ録音のひとつの理想でしょう。 このCDの評価については以下のホームぺ-ジもご参照ください。 私以外にも、このCDのファンは多いようです。 http://www2u.biglobe.ne.jp/~y-koba/bangai.htm http://www.twin.ne.jp/~naopon/zimcd.htm Ugorski Piano Recital (Anatol Ugorski) (Deutsche Grammophon) ウゴルスキもピアニシモの美しいピアニストです。 私はピアニシモの美しいピアニストが好みです。 生で展覧会の絵を聞きに行ったことがありますが、人柄がにじみ出た暖かい演奏会でした。 このCDもどれもすばらしいのですが、”月の光”などタッチの美しいゆったりとした演奏でうっとりします。 楽譜と異なるアクセントのつけ方がよく話題になりますがこれだけ美しいとなんでも許せちゃう感じです 教会での録音でこれも残響多めですがきれいです。 これはマルチマイクの録音のような気がします。 ピアノはやはりスタインウェイだと思います。 Robert Schumann Kinderszenen/Kreisleriana (Martha Argerich) (Deutsche Grammophon) アルゲリッチの子供の情景、クライスレリアーナです。 クールな感じのツィマーマンに対し情熱的に音楽するアルゲリッチおばさんの演奏も私は好きです。 子供の情景では曲が曲ですから、もちろんそんなに情熱的というわけではありませんが聞かせる演奏です。 1983年の録音なので新しいものではありませんがダイナミックレンジ、周波数レンジの広い録音でピアノの音をきれいに捉えています。これもピアノはスタインウェイだと思います。 Gershwin From "Porgy and Bess" and etc. (Fazil Say/New York Phil./Kurt Masur) (Teldec) トルコ出身の奇才ファジル・サイのガーシュイン。ニューヨークフィルのメンバーとクルト・マズア指揮のニューヨークフィルが一部の曲に加わります。 便宜上、クラシックのピアノのところに入れましたが、ジャズのところに入れたいところです。 ムチャクチャ楽しめる演奏。ジャズファンの方にこそ聞いていただきたいCDです。 ガーシュインはジャズのリズム、ブルースの乗りを体に持ってないととんでもない変な演奏になってしまいますが、ファジル・サイの演奏は不思議なほど違和感がありません。バーンスタインに影響を受けたことが大きく効いているのかもしれません。 バーンスタインが自分でピアノを弾いてニューヨークフィルを指揮したラプソディー・イン・ブルーのLPが私のかつての愛聴盤だったのでそう感じるのでしょうか? ニューヨークフィルのメンバーの演奏もすばらしいものです。 録音はダイナミックレンジ、周波数レンジの広い気持ちのよいもので小編成の曲の定位もバッチリ。 使用しているピアノはなぜかドイツ ハンブルグ製のスタインウェイ。 アメリカで使用されているスタインウェイの多くはニューヨーク製だと思いますのでちょっと変わっています。 ファジル・サイの他のCD、ストラヴィンスキーの春の祭典やモーツァルトのトルコ行進曲も私のお気に入りです。 Beethoven: Piano Sonata.17, Choral Fantasy, Part: Credo, Etc (Helene Grimaud etc.) (Deutsche Grammophon) エレーヌ・グリモーのライブSACD。ベートーヴェンのテンペスト、パルトのクレドなどを収めたディスク。一部にオーケストラ、コーラスを含みますのでどのジャンルに分類するか迷うところですが、ピアノのジャンルに入れてみました。 オーディオ・マニアの間では既に有名なディスクなのでいまさらとも思いますが、やはり良いのであえて取り上げています。 私はSACDマルチ(4ch)で聴いていますが(2005年5月現在)、終曲のクレドは圧巻です。大音量で聴くと恐怖さえ覚えます。 テンペストはポリーニなどの男性ピアニストによる強靭な打鍵のベートーヴェンとは全く違う曲に感じられるくらいイメージが異なりますが、独特の雰囲気に魅了されます。 使用ピアノはスタインウェイ。 Liszt Piano Sonata, Piano Works (Yundi Li) (Deutsche Grammophon) 中国の新進ピアニストユンディ・リのリスト作品集。 SACD版です。 その若さあふれる演奏テクニックもさることながら実に聴かせる仕上りで、ショパン・コンクール1位は伊達だてじゃないことを思い知らされます。この若さでここまで来ちゃうとこのあとどうなるんだろうか?と心配にすらなるくらい。 どの曲もすばらしいんですが、ラ・カンパネラ特にいいです。 私の中のリストの曲に対するイメージ(あまりポジティブではなかったんです)さえも変えてしまったように思います。 録音はスタジオで行なわれたようですがグランドピアノのスケール感ある響きをとらえたすばらしいものです。ソロ・ピアノのSACDマルチ版はまだ少ないですがこれからこのような好録音がどんどん出てきて欲しいと思います。 ピアノは特に明記してませんがスタインウェイと思われます。 クラシック 協奏曲 Mozart Concert for Piano and Orchestra #20(K466)/#21(K467) (Friedrich Gulda/Wiener Phil./Claudio Abbado) (Deutsche Grammophon) (国内盤はジャケットが異なるようです。) モーツァルト ピアノ協奏曲20番、21番。グルダとウィーンフィル、アバドによる1975年のアナログ録音。 モーツァルト聞かず嫌いのK&Kが所有する珍しい(?)1枚。 出張の帰りのウィーンでたまたま寄ったモーツァルト記念館でこれを聞いてびっくりしました。記念館ではCDを売ってなかったので近くのレコード屋さんにとびこんで買ったのがこのCDです。 有名な演奏なので私ごときが演奏についてコメントするのは遠慮しますが思わずうっとりのCDです。 古いアナログ録音ですが古さを感じさせない音の良さ。LPで出たときから録音の良さでは折り紙つきだったようです。 ピアノがあの97鍵のべーゼンドルファー インペリアルであることは故 高城重躬さんの著作で後から知りました。スタインウェイの華やかな音とも異なる独特のクリヤーな美しい響きです。 ウィーン出身のグルダとウィーンフィル、そしてウィーンの名器べーゼンドルファーの究極の組合せ。 これはオーディオチェックではなく純粋に音楽を楽しむためのCDです。 J.Rodrigo / Conierto de Aranjuez (Muraji Kaori 村治佳織) (Victor Entertainment) 村治 佳織のアランフェス協奏曲です。 私が所有しているのはCDではなくDVD-A版。 サンプリング周波数は96KHzでDVD-Aのフルスペックではありませんが、Hi-bit/Hi-Sampling らしい柔らかい、レンジの広さを感じさせる音です。 おハズカシイ話ですが、このDISCを買うまでアランフェス協奏曲の第一楽章と第三楽章を知りませんでした。(^^;) 私が知っているあの有名な旋律は第二楽章だったんですね。 マイルス・デイヴィスとギル・エバンスのアランフェス協奏曲のDISCも第二楽章だけだったし。 私の所有する唯一のクラシック・ギターのDISCですが、歯切れがよく若々しい演奏で気に入っています。 Rachmaninov Piano Concertos #1/#2 (Krystian Zimerman/Boston Symphony Orchestra /Seiji Ozawa) (Deutsche Grammophon) ツィマーマンのラフマニノフ ピアノ協奏曲1番2番です。 指揮は小沢 征爾、オーケストラはボストン・シンフォニー。 また、ツィマーマンかと言われそうですが、私の好みなのでしょうがないんです。 2番は有名ですが、1番を聞いたのはこれが初めて。こんなすばらしい曲だったんですね。冒頭の部分を聞いただけで、打鍵の切れ味に酔うことができます。 録音もドイツグラモフォンらしく気持ちのよい周波数レンジとダイナミックレンジ。ピアノとオーケストラのバランスも私の好み。 2番はあまりも有名で映画音楽としてとりあげられていますし、メロディックなのでムード曲的なイメージを持っていたのですが、この演奏には何か凄みを感じます。2楽章の終わり方はまさにツィマーマンならではの繊細さ。 ライナーノートのインタビューの中でツィマーマンはラフマニノフの協奏曲は演奏するものではなく”生きる”ものですと言っていますが、この演奏を聞くとそれが大げさな表現ではないことが理解できます。蛇足ですがこの”生きる”という訳はちょっと違和感を覚えますが、たぶん原語では"Live"という語を使ったのだと思います(もしかすると英語で言ったのではないかもしれませんが)。 そうだとすると、自分の人生を費やして実行するといった感じになると思います。いずれにしても、彼のラフマニノフ協奏曲に対する姿勢、思い入れが感じられる言葉です。 クラシック バイオリン Akiko Suwanai / Rachmaninoff ,Tchaikovsky, .. (諏訪内 晶子) (Philips) 諏訪内 晶子のラフマニノフ、チャイコフスキー、シマノフスキ、ヴィエニャフスキの小品集です。 若々しい思いきりのいい演奏でストラディヴァリウスの音色が楽しめます。 響きのよいホールの最前列で聞いている感じでしょうか。 直接音と残響の調合が絶妙で私の好みに合っています。 一般的なヴァイオリンの録音よりもオンマイクです。 伴奏のピアノの音もきれいです。 HS-500とサンスイB-2105の組合せでは付帯雑音も含めたバイオリンの持つ生々しい響きがさらけだされる感じです。 でも、あくまでもホールの後方で聞くような甘美なヴァイオリンの音色を好む方には生々しすぎるかも。そういう方にはやはり、球のアンプとタンノイのスピーカが必要かもしれません(???) クラシック 管弦楽曲 Stravinsky / The Firebird (Pierre Boulez / Chicago Symphony Orchestra) (Deutsche Grammophon) ブーレーズ、シカゴフィルによるストラヴィンスキーの火の鳥です。 ダイナミックレンジ、周波数レンジ共に広大で、各楽器の音も非常にクリヤーで、定位も明確。曖昧さのない録音です。 木管の魅力的な音が楽しめる前半からクライマックスへの怒涛の盛り上がりを見せる火の鳥はまさに圧巻。 オーケストラのダイナミックな響きを堪能できる1枚です。 演奏は例によってブーレーズの計算しつくされた冷徹ともとれるもので好き嫌いは分かれるかもしれませんが、私は好きです。 ストラヴィンスキーには特に合っているように思います。 Tchaikovsky Nutcracker (Gergiev / Kirov.o) (Philips Classics) ゲルギエフ、キーロフ管弦楽団によるチャイコフスキーのくるみ割り人形。 どうもゲルギエフのCDとはあまり相性のよくない私ですが、2005年5月現在一番気に入っているのがコレ。チャイコフスキーのオーケストレーションの魅力満載。 通常はCD2枚にするのが普通のこの全曲版を1枚にまとめてしまったのはゲルギエフのテンポの早さのなせるわざ。 こんな早くちゃバレエが踊れんとの批判もあるようですが、聴いている分には心地よく感じます。私の好きなコンペイトウの精の踊りもいい感じ。 録音も各楽器の音が非常にクリヤーな気持ちのよいもの。 でもちょっと注意が必要なのは"The nutcracker battles ..."のところのピストル音。よくうつらうつらしながら聴いている私はこの音で飛び起こされます。心臓にはよくないです。(^^;) これはCDなんですが、できればSACDでも出して欲しいところです。 ジャズ ピアノ LA SCALA (Keith Jarrett) (ECM) キースジャレットの一連のピアノソロライブの中では新しい1995年のミラノ、スカラ座での録音です。 これをジャズピアノと呼ぶべきかどうかはわかりません。ピアノインプロヴィゼーション(即興演奏)と呼ぶ方が正解かもしれません。 私はキースジャレットのトリオなどでの作品よりもソロピアノが好きです。ソロピアノでの即興演奏は誰にも真似できない彼の独特の世界。 ECM独特のピアノの音ではあるのですがこれは録音が新しいせいか生々しさは他のピアノソロライブより優っています。 このECMの音はプロデューサであり録音にもかかわっているマンフレート・アイヒャーの嗜好でしょうが多少好みは分かれるでしょう。 非常にきれいなのですが生の音とは感じが異なるのです。 音の立ち上がりが刺激的ではなくやや丸い感じです。 マンフレート・アイヒャー ブランドのピアノでの演奏と考えればいいのかもしれません。 マルチマイクでの録音で私の好みとは異なりますがキースジャレットの演奏とマッチして独特の世界を創りだしています。 女性ヴォーカル Unforgettable (Natalie Cole) (Electra) ナタリー・コールのアンフォーゲッタブルです。 ナット・キング・コールとの父・娘合成デュエットを含むアルバム。 アナログ録音、アナログ編集のCDですが自然な仕上がりです。 私はスピーカの周波数バランスは女性ヴォーカルで確認することが多いのですがこのCDはそれに最適の1枚。 高域にピークがあったり、低、中、高音用のスピーカのつながりに難があるとサ行が強調されたり、声がハスキーになったりします。 このCDでサ行が気になったり、ナタリーの声がハスキーに聞こえるようだと問題ありかもしれません。 それとスピーカの定位確認もヴォーカルだと簡単。 定位が悪ければ音像が大きくなるのでわかりやすいのです。 歌手の位置が不明確だったり口が巨大になってはいけません。 父・娘合成デュエットは中央付近に二人が寄り添って唄っていますが、二人の位置関係がわかりますか? もしわからなければ定位に関しては問題かも?? でも音楽的につまらないヴォーカルではチェックも退屈ですが、このCDではそんなこともありません。 私のお気に入りは"TOO YOUNG"と"NATURE BOY"でこれを聞くと涙が出そうなくらい切なくなります。 Body Guard (Whitney Houston) (Arista) ホイットニー・ヒューストン、ケヴィン・コスナーの映画ボディーガードのサントラです。 映画を見ている人にはより思い入れがあると思います。 彼女の歌唱力には圧倒されます。個人的には抑え目の"JESUS LOVES ME" が好きです。 このCDもアンフォーゲッタブルと同様、楽しみながら周波数バランス、定位の確認ができます。 でも、このCD、私にとってはホイットニー以外の後半の部分は退屈です。ホイットニーの歌だけで十分価値はあるとは思いますが。 番外編 (DVD) Terminator 2 ご存知、ターミネーター2のDVDです。 これは一種のジョークですがスピーカに気合を入れる(?)ための1枚です。 タイトルバックに流れる効果音、銃などの火器による重低音は音楽CDでは得られないものです。 まあ、チャイコフスキーの1812年の大砲効果音付のCDを楽しむのと同じようなものです。 あらかじめ周囲へ迷惑がかからないことをご確認の上、大音量でお楽しみください。 でも、くれぐれもスピーカをトバさないようご注意ください。 それと、音楽CDよりもはるかに低い音を多く含んでいるわけですから、これにはまるとスーパーウーファーが欲しくなるかもしれません。 HS-500に加えるんでしたら市販のスーパーウーファーではだめですよ。38cm x n個とか46cm、80cmなんていうはんぱでないものを選んでください。 超低音についてはストーンテクノさんのページに詳しいのでご参照ください。 |
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