「君が代」起立・斉唱を強制する違憲条例の可決強行に抗議する
                        
                            2011.6.3 ホットライン大阪

 
 本日(6月3日)、橋下徹知事と大阪維新の会は、大阪府議会本会議において、「君が代」起立・斉唱強制条例案を可決・成立させました。私たちは、この暴挙に対して、満腔の憤りを持って抗議します。
 この「君が代」起立・斉唱強制条例は、大阪府内のすべての公立学校教職員に対して、学校行事での「君が代」斉唱時の起立・斉唱を義務付けるものです。そもそも「君が代」斉唱時の起立・斉唱強制は、「思想・良心の自由」に対する著しい侵害であり、公務員であるからといってそれを侵害できるものではありません。橋下知事は「社会常識の問題」「ルールを守れないものは辞めてもらう」などと問題をすり替えながら、大阪維新の会に、そのマニフェストにもなかった内容の条例を突如として提案させ、さらに9月府議会には「3回不起立で懲戒免職」などとする教職員への処分や解雇を義務づける条例案を提出しようとしています。しかも「不起立者の実名公表」までも検討するとしています。
 教職員に対して罰則と恫喝によって起立・斉唱を強制することは、子どもたちが社会には多様な価値観が存在することを知り、自己の人格を自由に形成すること阻害します。また、不起立の教職員に対する「犯罪者」的な扱いと「処罰」は、子どもたちの心を傷つけ、事がらが正しいのか誤っているのかの判断を行わず、意に反してでも権力者に逆らわない子どもたちを育てることにつながります。
 この条例に対しては、日本弁護士連合会、大阪弁護士会の会長声明など法律家団体が反対を表明したほか、私たちが呼びかけた反対アピールにも数多くの賛同が寄せられています。「君が代」起立斉唱強制条例による民主主義の破壊を危惧する声は、全国に広がっています。こうした中で、あえて条例の制定を強行した橋下知事と大阪維新の会の暴挙に強く抗議します。本条例を撤廃さんせ、9月府議会への教職員処分条例の上程を止めさせるために、これからも多くの人々の力を集めて、とりくみを強めていくことを表明します。

2011年6月3日
「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪