ホルンの雑学部屋

 

ホルン

金管楽器の一種。「フレンチ・ホルン」ともいう。角笛から発達し、長い管を円形に巻いた中音域用の楽器で、朝顔形に開いた長いチューブの全長は約3.7m。現在交響曲用に使われているものは、1650年頃のフランスの狩猟用ラッパに由来する。基音を変化させて半音階的な演奏を可能にするように、3個のバルブがついている。  

(ブリタニカ国際大百科事典)

 

昔のホルン(ナチュラルホルン)

今から200年前のホルンは、基本的な管のフォームは現在の楽器と同じだが、ヴァルブがないシンプルな構造だった。基本的に唇の加減で出すことができる自然倍音の他、ベルに差し入れた右手の塞ぎ加減で変化する音を組み合わせて音階を奏でていた。吹き込み口には、調に応じて交換して管の長さを変えるクルークを備えている。 

(佐伯茂樹『楽器から見る吹奏楽の世界』河出書房新社、2009年、47頁)

 

ホルンの虜

もともとやらされた楽器だが、いつの間にかホルンの虜になる。

未経験者で、最初からホルンを希望する者はめったにいない。誰もが「あぁ、この地味な楽器が・・・」と落胆しながらホルン奏者になる。しかし、それこそがホルンとの愛の旅路の始まりなのである。

(吹奏楽部あるある研究会「吹奏楽部あるある」白夜書房、2012年、129頁)

 

ホルン奏者

オーケストラで一番天国に行く確率が高いと言われている人。理由は、大切なところでソロのメロディが多いため、オーケストラの全員から「音がひっくり返りませんように」といつも祈ってもっらているから。たいていは4人で1つのセクションを構成しており、アンサンブルが大事なので、とても仲が良い。いつも一緒にいるし、舞台裏でも一緒に練習している。  

(大木裕子『オーケストラの経営学』東洋経済出版社、2008年、66頁)

 

もっとも演奏が難しい楽器

アメリカ・ミュージック・カンファレンスが1977年9月に発表したところによれば、演奏がもっとも難しい楽器は、フレンチホルンとオーボエである。  (クレイグ・グレンディ編『ギネス世界記録2007』株式会社ポプラ社、2006年、171頁)

角笛に源流を持ち、「フレンチホルン」とも呼ばれる。「世界で一番難しい金管楽器」としてギネスに認定されている。柔らかい音から勇壮な音色まで出せる。その形状からつけられた愛称は「かたつむり」。

(吹奏楽部あるある研究会「吹奏楽部あるある」白夜書房、2012年、81頁)

 

ホルンの習性

拍手をする時も隣の人の裏拍で叩いてしまう。

日頃から「♪んぱんぱんぱ・・・」とマーチでさんざん裏拍を演奏させられているホルンの職業病。隣の人が「パチパチ」と拍手していると、つい「チパチパ・・・」と裏を取ってしまう。

(吹奏楽部あるある研究会『吹奏楽部あるある』白夜書房、2012年、130頁)

 

神様シリーズ・ホルン

神様はホルンを作った。神様はホルンに優しい音色、重厚な和音、美しいソロを与えた。

天使は抗議した。

「神様、これではホルンが恵まれすぎています。」

すると、神様は答えた。

「安心しなさい。奏者をみんな変人にしておいた」

(オザワ部長『あるある吹奏楽部』新紀元社、2013年、144頁)

 

ホルンあるある

・右手の使い方が実はずっと曖昧。

・他のパートが伴奏でも出しゃばっているのを見ると、「なんで自重できないの?」と思う。

・音程が揃わない時は右隣の人のせいにする。

・部屋の練習だと「ホルン聞こえない!」 ホールの練習だと「ホルンうるさい!」

 部屋ではホルンのベルが防音壁に向いているため、音が消えてしまいがち。

 逆にホールでは、ホルン奏者はしっかり反響板の位置を確かめて、そこに音をぶつけるため、必要以上に大きく聞こえるようになる。

・焦ってベルアップしたら、マウスピースがズレて何も吹けない。

・他の金管楽器と比べてマウスピースが小さいことによる謎の優越感。

・オーケストラを聞くと、ホルンの優遇振りに驚く。

・顧問「ベルが後ろに向いている分、早めに入って!」→早めに入ると「早い!」。

(吹奏楽部あるある勉強会『吹奏楽部あるある2』白夜書房、2013年、151−152頁)

  

訳もなくホルンに手を突っ込む

ホルンのベルは大きく後ろに向かって開いている。そこに手を突っ込んで音を調整するのだが、他のパートの人は内心「いつかあそこに手を突っ込んでやろう」と考えているものだ。理由はない! まるで蟻地獄にアリが吸い込まれるように、手を突っ込んでみたい衝動に駆られる。あえてもう一度言うが、理由はない!

(佐藤部長『吹奏楽部だった奴にありがちなこと』宝島社、2014年、15頁)

 

木管アンサンブルにホルンがいるとビックリする

吹奏楽の世界に長年くすぶるナゾがある。それは、ホルンは木管か? ということだ。たまに演奏会でホルンが木管アンサンブルに混ざって登場すると、ビクッとなってしまう。ホルンは木管か? でも、これはこれで画的にもアリな気がする。

(佐藤部長『吹奏楽部だった奴にありがちなこと』宝島社、2014年、156頁)