全日本プロレス観戦記

2004年

2004.4.10(後楽園ホール『チャンピオン・カーニバル2004〜PLEASURE6〜』開幕戦)

 チャンピオン・カーニバルの季節だ。今回は東京でのみの興行。テレビ東京での放送も始まったことだし、追い風が吹き続けて欲しいもの。
 なんと言っても4年ぶり参戦の大森が見たかった。健介まで登場でにぎやかになったが、北斗がちょっかいを出しすぎなければいいが。
(試合時間、決まり手は、全日本プロレス公式ホームページで公開されているものによる)

 会場にはいると、北側に、スポンサーの旗がぶら下がっている。
 リングのエプロンは青地に白く「コムロ美容外科」」と書かれたもの。
 客の入りはよさそう。

 明るい曲が流れて、第1試合開始で坊主頭の4人組登場と思ったら入団挨拶。
 諏訪間27歳、レスリング経験者の和田山22歳、スピードスケート経験者小沢24歳、栗栖ジム出身のカワバタ25歳。
 それぞれ四方に礼。場内拍手。みんないい体している。
 いい雰囲気。

 4人が退場すると、RODのテーマが流れてTAKAが旗を持ち、ジャマール、ケアを引き連れて登場。
 手拍子も起こり、すっかり定着した感がある。

TAKA「本字は全日本プロレスチャンピオン・カーニバル開幕戦にたくさんの来場ありがとうございます。今日はやたらとのりがいじゃねえかよう。俺たちの名前言って盛り上がろうぜ」(会場から「R・O・D」の声)。
TAKA「恒例のメンバー紹介いってみようか、と思ったけど、今シリーズ少ないからやめておこう。(会場から「えー」と不満の声)今日はネタ考えてねえんだよ。(ジャマール、ケアをハワイタッグ・チャンピオンと紹介)そして外人チームなのに日本人、通訳なのに英語まだよくわかりません、TAKAみちのく。俺らもRODの新人紹介しちゃおうかな。新人カモン!……(誰も入ってこない)どうやらまだ来てないようだな。密かにねらってる選手がいる。でかいよ、でぶだよ。(場内から「嵐」の声)そうだよ、嵐……さん。嵐なんて名前はかっこわるいから、RODに入ったら「ストーム」って名前にしてやるよ。(そこに嵐が通路に登場)あんた、最近でかいけどパッとしないよな。RODに入ればおいしいから。今日返事くれとはいわないけど、返事待ってるからな、ストーム……さん。(嵐が消え、TAKAは会場に向かって)Are You Ready? We Are R・O・D!」
 退場するとき、子供がノートを持っていてジャマールにサインを求めると、ジャマールは書くものがなかったためか、子供を奥へ連れて行った。

第1試合 8人タッグマッチ 30分1本勝負
平井伸和
土方隆司
保坂秀樹
○ 石狩太一

08分31秒
ジャーマン・
スープレックスホールド

十島くにお
旭 志織
ジョー赤山
稲松三郎 ●
 村山レフェリー。
 旭を先頭に、K−DOJOの4人が入場。
 そろいの黒いTシャツを着ている。体はあまり大きくない。

 石狩、保坂、土方、平井の順に登場し、リングインするや、いきなり乱闘。石狩は髪が白っぽく脱色してある。
 村山レフェリーがゴングを要請し、青いテープが投げ込まれる。
 リング内外で乱闘になり、リングに残ったのは、平井と十島。
 体格が違う。平井が大きい。両軍それぞれコーナーに戻ると、平井はボディスラムで投げ捨てて石狩にタッチ。すると十島は石狩を自軍コーナーに押していって旭にタッチ。
 旭と石狩で張り手、エルボーの打ち合い。
 旭は投げられても、倒れたまま体を回転させて石狩の足をすくい、赤山にタッチ。
 赤山は石狩を首投げで投げて、エルボー連発。
 ロープに飛んでエルボー、さらにエルボーを続けざまに放ち、石狩を投げ捨てて稲松にタッチ。
 稲松のキック。石狩は受けながら立ち上がり、エルボーでおかえし。稲松もエルボーを打つが、石狩の方が威力がある。
 稲松が胸を張っても石狩にはきかないので、稲松はロープに飛んでエルボーで倒して旭にタッチ。
 旭は「どうした、おら!」と挑発。元気はいい。
 石狩の背中を蹴り、ボディスラムで投げて十島にタッチ。
 ほかの三人入って4人で石狩を踏みつける。
 十島は石狩をコーナーに振って蹴りつけ、反対側に振って顔面キック。
 膝をついた石狩の顔を蹴り、石狩が下を向くと、膝で蹴り上げる。
 赤山にタッチし、石狩をコーナーに押しつけて、三人で顔に足を押し当てる。
 赤山は石狩をボディスラムで投げて十島にタッチ。石狩はやられながらも目はしっかりしていて、キック連発で反撃してから土方にタッチ。
 腰を落とした十島に、土方のキック連発。大きな音が場内に響く。土方が、十島をコーナーに振ってハイキックから「フィッシャーマン」と叫ぶと、残りの三人が飛び出して土方をカット。旭にタッチ。
 旭のっ突進を、土方は回し蹴りで側頭部を蹴って迎撃。保坂にタッチ。旭は保坂を押していき、十島がはいって旭が保坂を羽交い締めにしているのに突進するが、保坂が直前でかわして同士討ち。
 旭はドロップキックから赤山にタッチ。
 赤山の串刺しニー。さらにロープに飛ぶと、保坂はスピアーで迎撃して平井にタッチ。
 平井は首投げからコーナートップからのエルボードロップ。
 十島がカバーをカット。
 平井のパワーボム。カバーは3人が出てきてカット。
 石狩にタッチ。顔を張り、コーナーに振られるが、突進してきた赤山をのをカニばさみで迎え撃ち、石狩が倒れた相手の顔にドロップキック連発。
 立ち上がった赤山はフロントキックを放ってから稲松にタッチ。
 稲松のドロップキック。ニーを落としてカバーはカウント2。
 石狩は稲松をコーナーに振ってロープを駆け上がって側頭部へキックから、投げ捨ててカバー。
 両軍入り乱れて、石狩のジャーマンで3カウント。
 試合が終わっても土方はリング下で赤山を蹴りまくっていた。

 K−DOJOの選手が初々しく見えるほど、全日勢は安定していた。全日の若手中堅が若い選手に胸を貸したというところか。さわやかな印象を残した。

 ところで、K−DOJOの選手、旭以外は初めて見たので誰が何というのかわからない。コール前に試合が始まってしまうのは困る。観戦記の都合があるので、ゼッケンをつけてきてくれるとありがたい。

第2試合 リベンジ・オブ・HOC〜本間&宮本 試練の6番勝負〜 30分1本勝負
本間朋晃
● 宮本和志

04分05秒
飛びつき
腕ひしぎ逆十字固め

ケンドー・カシン ○
グラン浜田
 中止になってしまったHOCでいろいろ問題を残したターメリックを鍛え直す6番勝負の第1戦。
 試合発表時は「ケンドー・カシン」ではなく「Blue−K」だったが……。

 宮本、本間が登場。
 リングインすると、コーナーに立ってTシャツを脱いで投げる。
 続いてカラーボール投げ。今日はいつもよりボールが多いように思われる。
 リングサイドに子供がいると、優先して投げてやっていた。

 浜田、K登場。Kは海賊男姿。
 宮本と本間が、リングの上から二人を挑発していると、南側からカシンが椅子を持ってリングインし、椅子でターメリックの二人を殴る殴る。場内から「カシン」コール。
 カシンと本間がリングに残り、カシンが椅子でさんざん本間をたたき、その椅子を投げ捨て、「お前も使え」というそぶりを見せるが、本間が椅子を取ろうとすると、その椅子を踏みつけ、取らせない。
 続いて本間をコーナーに押しつけ、椅子でノドをおさえつける。
 村山レフェリーが止めようとするが、カシンはそれをリング下に突き落とす。
 本間がカシンを突き飛ばして椅子を振り上げると、その時になって和田京平が現れて、エプロンから本間の手にした椅子をつかみ、「使うな」といって取り上げる。カシンは自分が椅子でやられていたようなふり。
 浜田にタッチ。
 腰を落とした本間に浜田がらラリアット。胸の張り合い、から、浜田のヘッドバット。
 本間が腰を落とすと、和田京平がリング下から、「いけ、本間!」と叱咤激励。
 浜田は反対コーナーに振って串刺しラリアットから雪崩式ウラカン。本間の体が飛ぶ。カバーは宮本がカット。
 浜田のラリアットを本間は腕を取ってかえし、延髄キックから宮本にタッチ。宮本がロープに振ってドロップキック。浜田のラリアット。宮本がパワースラム。カバーはカウント2。
 宮本が浜田をコーナーに振って突進すると、浜田は膝で迎え撃ってDDT。
 カシンにタッチ。宮本はコブラクラッチ式ジャイアントスイングでカシンを回すが、カシンはさっと宮本の足を取って丸め込む。カウント2。
 さらにすすっと宮本の腕を取って腕ひしぎをかけ、本間がカットにはいるが、宮本はタップした後。
 浜田のテーマが流れると、北斗が登場。ターメリックと浜田は消える。
北斗「おいカシン。北斗晶だ。お前つまんない試合ばっかりしてないで、あたしと試合するのか、はっきりしろ」
 カシンがマイクを持つとカシンコール。
「やってやろうじゃねえか。全日本を代表して渕正信がお相手する」。

 カシンのテーマが流れてカシン退場。


第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○ 小島 聡
渕 正信

13分44秒
体固め
(ラリアット)

TAKAみちのく ●
ジャマール
 TAKA、ジャマールが入場。
 TAKAは旗を持ってリングの周りを半周してリングインし、コーナーに立ってTシャツを投げる振り。

 小島のテーマで渕、小島が入場。

 TAKAに青いテープ。
 渕に白いテープ。今日は少ない。
 小島にオレンジと白のテープ。
 レフェリーはボンバー斉藤。「ボンバー」コール。

 ジャマールの胸に大きく「3」と書いてあるが何だろう。長島ファン?
 ゴング前、場内からフッチー・コール。
 渕が先発になり、TAKAを指名。TAKAと渕でゴング。
 TAKAは低い勢からタックルをねらうが渕はかるくいなし、組んでTAKAをボディスラムで投げると、TAKAは大げさに痛がってすぐにジャマールにタッチ。困る渕。
 渕は下がるが、小島が「いけいけ」と、客席と一緒になってフッチー・コール。
 渕はジャマールと四つに組むが、すぐにボディスラムをくらう。それでも拳を握って立ちあがるが、腰が痛そう。渕の体当たりははねとばされる。渕はロープに飛んで四方から体当たり。まったくきかない。
 渕のドロップキックでジャマールは少しさがるが、倒れない。ドロップキック連発。
 また渕は四方に飛んで体当たり。全くきかない。小島がはいって渕をジャマールに投げつけると、ラリアットのようになって少しはきいた様子。
 ジャマールはちょっと意外そう。渕はかえって苦しそう。
 渕の張り手。きかない。ジャマールの逆水平。渕が倒れる。
 ジャマールが「打ってこい」という態度を見せると、渕が顔を張る。ジャマールの口からつばが客席にとんで行った。
 ジャマールは渕をコーナーに投げ捨て、小島に代わらせようとするが、渕が出て行って、ジャマールに向かっていく。これを繰り返してから、小島がタッチしてリングに入る。
 ジャマールはすぐTAKAにタッチ。
 胸の張り合い。TAKAはやられても向かっていく。小島のブレーンバスター。カウント2。
 小島のスリーパー。
 TAKAが体を起こして、ブレーンバスターの投げ合いは小島の勝ち。
 小島のDDT。カバーはジャマールがカット。
 小島はコーナーに下がったジャマールに向かって行くが、TAKAと二人がかりでやられる。
 TAKAがハンマーを打ち下ろしてカバーはカウント2。
 小島がTAKAを押していって渕にタッチ。
 渕は拳を握ってTAKAの頭を殴りつける。連発。
 さらに顔を蹴りつけ、ロープに振ろうとしたところをTAKAが脇固め。渕悶絶。場内フッチー・コール。
 渕がロープに這っていってブレイク。ジャマールにタッチ。
 ジャマールは立ったまま渕の左手をひねりあげる。
 渕のパンチ。しかりひねられると痛い。
 ジャマールは腕を取ったまま倒れ込み、足で渕の首を挟んで攻める。
 小島がカットに入り、ジャマールはTAKAにタッチ。
 渕は小島に「入ってくれ」というジェスチャーを見せるが、小島は離れて見ている。
 渕の左手を痛めつけるTAKA。
 渕は「小島」と助けを求めるが、小島は入らない。
 エプロンのジャマールが後ろ向きになって渕の腕をアームブリーカーで痛めつける。後ろを向いたままだったので、渕がうまくTAKAといれかわると、ジャマールはそれに気づかず、TAKAの腕にアームブリーカーを連続してかける。
 その間に渕は小島にタッチ。
 小島とTAKAのチョップの打ち合い。TAKAの低空ドロップキック。ジャマールにタッチ。ジャマールのボディスラムからボディプレス。
 カウント2。
 カットに入りかけた渕はジャマールが体を起こしたのでそのまま下がる。
 TAKAにタッチ。小島はドラゴン・スクリューをかけて渕にタッチ。
 渕のパンチ。TAKAの張り手。
 渕は疲れが見える。
 ジャマールにタッチ。TAKAが渕を押さえて、ジャマールの張り手。倒れた渕ののどを踏みつけてジャマールがロープをつかんで体を浮かす。悶絶する渕。
 場内から「死んじゃう」の声。
 TAKAが入って、渕とブレーンバスターの打ち合いは渕がかわしてバックドロップ。渕はふらふらしながら小島にタッチ。
 小島はTAKAをコーナーにおしつけ、逆水平連発から反対側に振ってエルボー、そして「いっちゃうぞ、バカヤロー」とそへジャマールがカットにはいるが、小島はジャマールをTAKAの上に投げつけ、ジャマールはTAKAの上になったまま小島のエルボードロップを食らう。
 ジャマールに守られた形になったTAKAはダメージは少なく、小島に反撃。
 小島をコーナーに振ってジャマールがヒップアタック。カウント2。
 ジャマールが小島を抱え上げてTAKAがキック。渕がカットにはいると、ジャマールが遮って、ジャマールと渕はリング下へ。
 リング内では小島がTAKAにコジコジ・カッター。しかしジャマールが戻って小島にチョークスラム。
 ジャマールが小島を押さえたところへTAKAのトラースキックが飛ぶが、小島がかわしてジャマールがそれをくらい、リング下へ。
 小島はサポーターをはずしてラリアット。
 TAKAの体が1回転して3カウント。
 小島は渕と握手し、機嫌良くリングで四方に礼をしてから退場。
 ジャマールはTAKAに文句を言いながら退場。


 トロフィーが運び込まれ、「チャンピオン・カーニバル」のセレモニーの準備が始まる。
 木原アナが指示して、斉藤レフェリーがトロフィーをリング中央におく。
 木原アナ「ただいまより2004チャンピオン・カーニバル、入場セレモニーをおこないます」
 スターウォーズのテーマ曲が流れ、ライトが点滅して、場内手拍子。
 AリーグとBリーグが交互に登場。
 ケア。カズ。嵐。荒谷、ジャマール。大森が姿を現すと、ひときわ大きな声援。
 佐々木健介にも拍手。
 川田には大きな声援と拍手。
 武藤。
 最後は前年度優勝者の小島。
 選手がトロフィーを中央にVの字形に並ぶ。

 セレモニーが終わり、トロフィーを片づけるのにもたついている所に、甲高い男の声がして、どこかで見た男がリングに入る。首にはコルセット。ジャンパー姿で、チャンピオン・カーニバル参加選手のようなたすきを掛けていて、そのたすきに「島田」と書いてある。
 ハッスルの島田祐二参謀長だ。場内ブーイング。「帰れ」の声も飛ぶ。
島田「イッツ・ハッスル・タイム。全日本ファンの皆さん、ハッスルしてますか。高田モンスターズ参謀長の島田です。皆さん、行きますよ、せーの、ドゥー・ユー・ハッスル。ノリが悪いなあ」
 場内「帰れ」コールが起こるが意に介しない。
島田「えー、今日はですね、このリングに重大な用があってやってきました。重大な用というのは、3冠チャンピオン川田さん。川田さん出でてきてください。せっかく参謀長きてるのに川田さん無視ですか、では、あたなたが無視できない人が来ています。おやじ、じこれもっていいけ(と、木原アナにカセットを渡す。木原アナは音響スタッフにそれを渡す)」
 場内に荘厳な曲が流れ、「高田だ」の声が客席から起こる。
島田「あのお方の登場です」
 デスラー総統とヒトラーをあわせたような軍帽、サングラス、マント姿の高田が現れる。これには拍手も起こる。
 リングに上がった高田は、自分でブーイングのポーズ。場内「帰れ」コール。「森下が泣いているぞ」の声も。
高田「ありがとう。ありがとう。ちょっとだけ時間をもらおうかな。全日本プロレス・ファンの諸君。私が高田モンスター軍総統、高田だ。よろしく。(ブーイングに)ありがとう、土曜の春めいた夜に、わざわざこの小さな小さな後楽園くんだりまでやってきたのは、ほかでもない、わが高田モンスター軍は必ず日本プロレス界をぶちこわす。約束する。あの川田くんは『俺だけの王道』っていうフレーズが気に入っているようだね。俺にはさっぱりわからない。あのベルトはしょせんひきこもりのしょうちょうだろ。出てこないじゃないか。川田君、川田君。姿を見せなさい。私が怖くて出ないのか」
 通路奥に川田の姿。
高田「やっと姿をみせたね、川田君。君はハッスル1、ハッスル2にゲスト気分でノコノコやってきた自称王道川田君だな。はじめまして。一つ言っておく。次のハッスル3、君はゲスト気取りでノコノコ出るらしい。それを俺はゆるさない。川田君、一つ問題提起しておこう。君の王道と、我々の王道とどちらが本物かはりあおうじゃないか。君が受けるなら、わがモンスター軍最強の挑戦者を用意しておくよ。君のそのベルトを私の骨董品リストに入れてやるよ。君には迷う必要がないんだ。理由を挙げよう。
 一つ。自称王道をまもる
 二つ。ひきこもりの象徴である3冠ベルトを守る。
 三つ。風前の灯である全日本の看板を守る。
 ゴーバーが5月8日のハッスル3で待ってるよ。」
 島田がジャンパーを脱いで、胸のマークを誇示。
 川田がリングに向かうと、和田レフェリーや石狩がとめる。
 高田が降りると、川田はエプロンに立ってにらむ。
 島田が川田にマイクを真渡す。
川田「高田、じゃなくて総統。(場内から拍手)お前な、バカにしてるけどな、そいうバカにしてるプロレス、お前も少しはかじったんじゃないのか。だったら最後まで責任持ってプロレス大事にしろよ。(拍手)しかもゴールドバーグなんて、誰も知らねえよ」
島田「川田さんが今挑戦絵を受けた富まします。ゴールドバーグは世界のスーパースター、わがモンスターズのスーパースターです。5月8日、ゴールドバーグと3冠戦やらせてもらいます」
 和田レフェリーが入って「京平」コール。島田を外にだすと、島田が和田レフェリーの胸をとついたので、和田レフェリーが蹴り、島田は走って逃げ、和田レフェリーが追いかけて奥へ。

第4試合 チャンピオン・カーニバルBブロック公式戦 30分1本勝負
● 太陽ケア

14分02秒
片エビ固め
(アックス・ボンバー)

大森隆男 ○

 木原アナ。
 大森入場。銀色のガウン。
 ケア入場。
 ケアは、リングインすると、大森の胸をどついた。
 大森に白いテープ。ケアにはテープなし。ボンバー・コール。
 場内から大森コール。ケアはおもしろくなさそう。
 ゴングが鳴っても、ケアは客席の様子が気になる。
 四つに組んで大森が押しつけ、ブレイク。離れ際、大森がケアの顔を張る。また組んでケアが大森をコーナーに押しつけ、ケアが両手を広げるが、大森はなかなか離さない。離れ際、ケアは両手で大森の顔を張る。
 ケアのカニばさみ、立ち上がってバックの取り合い、腕の取り合い、大森は首投げからヘッドロックのまま押さえ込む。ケアは両足で大森の頭を挟んで体を反転させ、大森の顔に膝を落として立ち上がる。
 ブレーンバスターの打ち合いは両者譲らず、ケアは脇固めをねらうが決まらない。
 ケアは大森の左腕を極めようとするが、離れ、大森のドロップキック。ケアはリング下にエスケープ。大森に「追って行け」と声が飛ぶ。
 ケアが戻ると、大森がバックを取るが、ケアが急所を蹴り上げ、対角線に走って大森の顔にニーリフト。
 大森はリング下へエスケープ。ケアが後を追って、逆水平。パンチ。
 さらに大森を担ぎ上げて、鉄柵にギロチン・ホイップ。
 ケアはさらに大森を鉄柱に打ち付け、てからリングに戻す。
 腰を落とす大森、その頭にケアのパンチ。
 五分経過。
 ケアの逆水平。大森のエルボー。
 大森のエルボーの方がきいていたが、ケアの大振りの逆水平で大森はリング下へ。ケアが後を追う。
 リング下でケアのエルボー。ケアはすぐにリングに戻し、カバー。カウント2。
 ケアはボディスラムから体をエルボーを落とし、カバーするが、大森の足がロープに。 ケアのブレーンバスター。大森大の字。カバーはカウント2。
 大森やられる一方。
 起きあがってケアがバックを取る。大森は交わし切れず、ジャーマンを食らう。カウント2。
 たちあがった大森のエルボー、ケアの逆水平の打ち合い。大森がケアをロープに振って巻き投げで投げようとするが、ケアが体をあびせて上になって倒れ、カバーはカウント2。
 ケアのパワーボムを大森は足をばたつかせてかのがれる。ロープに振られた大森はキックを返し、自分がロープに飛ぶが、ケアがラリアットで迎撃。カウント2。
 ブレーンバスターの打ち合いは大森の勝ち。10分経過。
 大森は反撃に出てフライング・ニール・キック。カウント2。
 ケアの顔をコーナーに打ち付け、反対側へ振ると、ケアがキックで迎撃して膝蹴り。次は大森がかわしてフルネルソンで持ち上げてマットに打ち付け、大森は膝のサポーターをはずして、コーナートップからニー・ドロップ。カウント2。
 大森は客席をみて、アックス・ボンバーのポーズ。
 腕を回して打っていくが、ケアがその腕を捕まえ、腕を首にからめてうしろになげる。腰を落とした大森の後ろから、ケアが腕を首にからみつけていって、大森を起こし、さらに後ろへ投げる。大森、脳天から落ちる。
 カバーはカウント2。
 ケアが大森を担ぎ上げて前へ落とす。カウント2
 場内拍手。大森コール。
 さらにケアが担ぎあえようとするが、大森はロープをつかむ。ケアがボディへパンチ連発。大森はキックを入れて飛ぶ。戻ってくるところへケアがキックを出すが、大森は交わしながらアックスボンバー。
 しかしカバーせず、ケアを担ぎ上げて後ろに脳天から落とし、その胸に座り込んでカバーするが、カウント1。
 大森がロープに走るが、ケアは膝をつき、大森は技を出せない。しかし、すれ違い、ケアが振り向いたところに大森のアックスボンバーが炸裂してカウント3。
 場内から拍手。
 大森は一礼してリングを降りた。

第5試合 チャンピオン・カーニバルAブロック公式戦 30分1本勝負
○ 佐々木健介

05分41秒
体固め
(ノーザンライト・ボム)

嵐 ●

 健介が北斗を従えて登場。テーマ曲にあわせて、場内手拍子。
 健介がリングにはいると、北斗も木刀を持ったままリングに入り、両手をあげる。和田レフェリーは憮然とした表情。
 嵐はいつものように登場。
 選手コールの時、健介にテープなし。アナウンサーは、なんと「セコンド、北斗晶」とセコンドもコール。
 嵐にもテープなし。
 京平コール。

 健介は四股を踏むポーズで嵐を挑発。ゴングがなると健介はいきなり突っ張りでコーナーへ押していく。
 嵐も本物のつっぱりでお返し。健介をコーナーに振って嵐の串刺しラリアット、嵐落としとたたみかける。
 嵐がさらラリアットをうつと、健介もラリアットでおかえし。
 立ち上がった嵐の後頭部に、健介がさらにラリアット。嵐がリング下に落ちると、健介も追って、嵐の頭を鉄柱に打ち付け、さらに本部席に。健介は椅子を持って嵐を突き、頭を殴りつける。
 嵐は膝をついて動きを止める。
 健介は嵐をリングに戻し、ストンピング。
 嵐は出血。左耳のあたりから。ドクターも心配して見に行く。
 エルボーの打ち合い。嵐ののどから胸のあたりが真っ赤。健介のラリアット。健介の右腕も赤くなる。健介のストラングル・ホールド。
 場内嵐コール。
 ギブアップしないので健介がほどき、ブレーンバスターをうとうとするが、嵐が逆に投げ返す。
 嵐の体当たり、嵐のバックドロップ。健介を軽々と抱え上げて投げた。
 嵐のパワーボム、投げっぱなし。コーナーにあがってフロッグ・スプラッシュ。カウント2。
 嵐は左側頭部を押さえ、ロープに飛ぶと健介がパワースラム。
 両者立ち上がり、突進してラリアット相打ち。健介が嵐をリング下に落とすと、北斗が殴りつけておささえ、胃健介がロープに飛んでトペ。
 嵐をリングに戻して5分経過。
 健介は逆一本背負いで投げてからロープに飛んでラリアット。カウント1で返して場内拍手。
 しかし、健介のノーザンライト・ボムでカウント3。
 健介がコーナーに立って両手を突き上げると、同調する客も少なからずいた。
 ドクターは試合が終わるとすぐに嵐の様子を見に行った。
 嵐はリングで一礼。場内拍手。出血は止まらない。
 斉藤レフェリーがぞうきんを持ってきて、和田レフェリー、本間がマットやロープを拭く。ロープを拭く本間の手のぞうきんが真っ赤に染まるのがすごい。

第6試合 チャンピオン・カーニバルBブロック公式戦 30分1本勝負
○ 川田利明 04分02秒
片エビ固め
(顔面蹴り)

荒谷望誉 ●


 荒谷入場。
 川田入場。川田コール。
 荒谷にピンクのテープ。荒谷は赤いタイツ。
 川田に黄色のテープが四方から飛ぶ。
 ゴング前に荒谷がえるエルボーを打っていってゴング。
 荒谷はエルボー連発で川田をコーナーに押しつけら、串刺しラリアット。
 リング下に降りた川田を追っていくが、逆水平を連発でくらい、鉄柵に振られる。しかし荒谷はパンチで反撃し、川田が口を押さえる。
 リングに戻ると、倒れた川田をにつっかかっていくが、川田は寝たまま足で荒谷の顔を連続してけり、たちまち荒谷の動きが止まる。
 立ち上がった川田のキック。胸へ。音が響く。
 エルボーの打ち合い。
 しかし、川田のローキック、ミドルキック。続いてのフロントキックを荒谷は捕まえてドラゴン・スクリュー。
 荒谷が垂直落下ぎみのブレーンバスター。カウント2。川田、ちょっと危なかった。
 荒谷のボディスラムからコーナーにあがってムーンサルト。カウント2。
 起きあがった川田はグーパンチを出すが、自分の拳も痛かった。
 荒谷は蹴られながらも立ち上がり、川田のフロントキックを受け止める。
 荒谷がロープに飛んでラリアット。川田もラリアットを放って相打ち。しかし荒谷がまたラリアット。カウント2。
 エルボーの打ち合い。荒谷も奮戦。
 川田が左右のエルボー連発から側頭部へのキック。カウント2。
 あわや3つ入りかけるがかろうじて肩をあげる。荒谷が体を起こしたところへ川田の側頭部へのキック。これでカウント3。
 川田は荒谷を殴った時に拳にけがをしたらしく、右手を気にしていた。
 荒谷がなかなか起きあがらないのでレフェリーやセコンドがのぞき込む。荒谷がおきあがると、和田レフェリーは心配そうに顔をのぞき込んでいた。荒谷はやっと起きあがり、一礼して退場。平井や本間、宮本が心配して付き添い、送っていった。
 荒谷は花道でもリングの方へ一礼。
 荒谷としては精一杯だったのだろうが、まだまだ差が大きすぎる。

第7試合 チャンピオン・カーニバルAブロック公式戦 30分1本勝負
○ 武藤敬司

13分31秒
体固め
(シャイニング・ウィザード)

カズ・ハヤシ ●

 カズ入場。
 リングインするとコーナーに立って場内にアピール。
 カズは、武藤のテーマが流れてからTシャツを客席に投げ入れた。
 カズに赤と白のテープ。
 武藤に白いテープ。四方から。
 京平コール。
 ゴングでいきなりカズがドロップキック連発。リング下の武藤へプランチャ。
 カズが武藤をリングに戻してコーナートップからミサイルキック。
 武藤をコーナーへ振って側転エルボーからフェイスクラッシャーと、カズは武藤のお株を奪う。
 武藤はリング下に降りて呼吸を整える。
 カズはロープの間をあけて迎え入れようとするが、武藤は違うところからリングに戻る。
 手のさぐり合いから武藤がバックを取り、カズを押さえつける。
 カズが逃れようとすると、武藤は左腕をとって腕ひしぎへ。
 ブレイクして両者立ち上がり、さぐり合い。武藤はカズをすくい上げて投げ、マウントポジションに。
 武藤はカズの左腕をきめにかかる。カズは体を起こすが、武藤は腕を離さず、下から三角締め、
 カズはロープに腕を伸ばし、ブレイクすると、急いでリング下へ。左肘を押さえていた。
 カズが戻って、武藤がバックを取る。カズを押し倒して上になり、顔をしめあげるが、カズは体をかわして逆に腕ひしぎをきめてみせる。
 武藤がロープをつかむが、カズはなかなか放さない。
 やっとブレイクして、武藤は無理矢理ドラゴン・スクリュー。
 カズが起きあがると、武藤は胸を蹴り、後頭部にエルボーを落とし、ロープに振るが、カズはその股下をくぐり抜け、「ファック・ユー」から後ろ回し蹴り。
 カズは武藤の頭を抱えて押さえつける。カズはヘッドロックのまま立ち上がり、武藤がバックドロップで投げようとすると足をばたつかせてこらえて首投げで武藤を投げる。
 カズはヘッドロックを放さず、締め上げ、立ち上がる。武藤がロープにカズを押しつけてブレイク。
 武藤はキックからカズを投げてフラッシング・エルボーを出すが、カズがかわして自爆。カズはキックからまた武藤の頭を抱えて押さえこむ。
 そのまま立ち上がり、武藤がロープに振ると、カズが体当たり。カズがロープに飛ぶと、武藤が巻き投げ。カズは武藤を投げ、トップロープからムーンサルト。武藤はすぐに立つが、カズはまた武藤の頭を捕まえる。
 場内から「社長」の声が飛ぶ。
 立ち上がった武藤がカズをバックドロップで投げ、カズが立ち上がるところに、武藤が膝へ低空ドロップキック。さらにドラゴン・スクリュー。カズは低空ドロップキックで反撃し、さらにドラゴン・スクリューでお返し。
 10分経。
 カズが武藤を抱え上げ、後ろで頭を抱えて後ろへ落とす(WA4)がカウント2。
 さらにファイナルカット。カウント2。
 カズが先に立ち上がり、武藤を起こして、膝へ落としてから、コーナートップからムーンサルト。しかし、武藤はすぐに立ち上がってシャイニング・ウィザード。
 やっとカズが体を起こすと、またシャイニング・ウィザードを放つが、カズが身を低くしてかわし、反撃して武藤を丸め込むがカウント2。
 また武藤がシャイニング・ウィザードを出すが、カズは両手でブロック。武藤の頭をつかんで押さえ込むとあわやカウント3かというところ。カズはロープの反動を利用して回転エビ固めをねらうが武藤はさらに回転して逃れ、シャイニング・ウィザード。さらにもう一発放ってカウント3。
 カズのセンスの良さ、頭の良さが発揮された試合。
 武藤は手を挙げてもらってから客席にLOVEポーズをして退場。
 リングでは、うつぶせのカズの後頭部を宮本が冷やしてやっていた。
 カズが体を起こすと場内から拍手。カズは立ち上がると深々と礼をしてリングを降り、退場。女性ファンが群がった。

総括

 ひさびさに見た大森は変にヒールぶらず、普通に試合をしていた。
 声援が飛んで本人もとまどったのでは。
 新入団の紹介、初々しい第1試合、カシン劇場、渕の奮闘と、いい雰囲気の試合が続いたが、島田と高田が雰囲気をぶちこわした。
 非常に不愉快で、心底腹が立ったが、それが高田のねらいであるわけだ。ここまでプロレス・ファンを敵に回すというのは見事ではある。演じきっている。島田の声は聞き取りやすかったが、高田はあまり滑舌がよくなかった。もう少し修行が必要だ。
 ハッスルの評判が悪くて客が入りそうにないものだから、全日に泣きついて川田の3冠戦をやらせてもらうことにしたのだろう。
 迷惑な飛び入りもあったが、全体としては面白かった。こんなに面白いものを東京でしかやらないのはもったいない。


2004.5.22(後楽園ホール『RISE UP TOUR 2004』最終戦)

 会場にはいると、ロビーで健介がサイン会。
 ニコニコして握手もしている。
 外敵じゃないのか。これでいいのか。
 どうせなら鬼嫁グッズも売って北斗がサイン会すれば、いかにも夫婦で稼いでるという感じが出るのに。
 トイレの入り口前ではK−DOJOの選手たちが、声を張り上げてチケットを売っていた。

 前回の後楽園で紹介された、大柄の練習生が四人、リングサイドにいて試合開始を待っている。それだけでもにぎにぎしくていいね。早い試合にはセコンドもつかなかった時期もあったのが嘘のよう。
 練習生の一人(諏訪間?)は、最前列の客に挨拶している。相手はスーツの二人連れ。相手の方が若そうに見えるが先輩か何か?

 試合発表。セミとメインにはひときわ大きな拍手。
 客の入りは悪くない。試合開始前にほぼ満席。

 今日はTAKAのRO&Dコーナーはないのかと思ったら、やっぱりあった。
 テーマ曲が流れると場内手拍子。
 TAKAがRODのメンバーを率いて入場。
 TAKA「本日も全日本プロレス最終戦、たくさんのご来場まことにありがとうございます。俺たちの名前をいってみろ、(場内「R・O・D」)。今日初めて全日本プロレス見に来た人手を挙げて。結構いるな。(斉藤レフェリーが手を挙げているのを見て)お前違うだろ。ネタがないんだけど。(一人一人紹介)この男は元WWE出身、すごいシザースキックをみせたりする身軽なのっぽ、ブキャナン。せっかくだからみんなの技を紹介しよう。こいつも空を飛ぶ。スカイハイボムを持つ、ディー・ロウ・ブラウン。すっかりおなじみ、飛べるデブ、身軽なデブ、ジャマールだ。こいつ先シリーズで武藤さん倒したぞ。でもその試合で腕と肩を壊したけど。今日もあがるけど、たいへんなことになるぞ。まだ全日本プロレスで一度もフォール負けしたことがない男、ジャマール。そしてこいつ、すっかりおなじみ、手術以来急に膝が強くなった。こいつの膝気をつけろ、太陽ケア。RODといえば俺、全日本プロレスナビゲーターTAKAみちのく」
 場内の受けがいい。
TAKA「みんなシャイニング・インパクト見てるか。なかなかいいんだけどよ、ちょとだけ不満がある。解説の渕……さん、あれはあれでいいんだけどよ、もっといい解説者いると思わねえねか。俺がやったらもっとおもしろいと思わないか。今日の収録、いつ放送か知らないけど、俺がしゃべっちゃおうかな。俺が決める、次は俺、俺がしゃべっちゃおうかな。次期シリーズ最終戦で三冠戦が組まれているらしい。しかし、武藤さんは興味がないらしい。そこで俺たちRODにふさわしい挑戦者がいると思わないか。ジャマール!」 TAKAが英語で三冠に挑戦するかと英語で聞くと、ジャマール承諾。
 TAKA「次期シリーズ、挑戦者に俺たちがジャマールを推薦する。今日は武藤さんをボコボコにすると思いますんで、最後までお楽しみください。We are R・O・D」
 すっかりおなじみのこのコーナー、客席も乗っている。

第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負
● 本間朋晃
宮本和志

05分17秒
体固め
(リストクラッチ式エクスプロイダー)

Blue−K
ライオン丸 ○

 無期限海外遠征に出る宮本の壮行試合なのだが、なぜこの二人が相手なんだろう。世の中、上には上がいるぞ、ということを思い知らせるためか?
 馳が暇ならカシン・馳組がよかったな。馳は宮本のデビュー戦の相手だし、と思っていたら……。

 テーマ曲が流れて場内手拍子。本間、宮本が入場。本間は先にリングに上がり、宮本のためにロープの間をあけてやる。リングインし、それぞれコーナーに立って、Tシャツを投げる。宮本はリングサイドの子供に投げてやった。(隣のスーツの男、諏訪間の知人が取ったけど、子供にあげた)
 本間、宮本がカラーボール投げ。場内大いに盛り上がる。

 銀色のマスクのBlue−Kと、ライオン丸入場。Blue−Kは腕立て伏せに使う木の棒を持って入場。
 ライオン丸はTシャツをぬぐと、客席に投げた。
 Blue−Kに青、緑のテープ。
 ライオン丸にはテープなし。
 宮本に黄色いテープ。
 本間に黄色と青のテープ。
 「ボンバー」コール。
 場内から「永田」の声。
 レフェリーがチェックするとき、Blue−Kは素直に棒を渡し、チェックを受ける。が、ライオン丸がチェックを受けているとレフェリーを蹴飛ばす。このあたりまではカシンらしかったのだが……。
 本間とBlue−Kでゴング。
 四つに組んで、本間がロープに押しつけ、顔を張る。エルボーの打ち合い。おいおい、カシンじゃないよ、これ。ヤス・ウラノだろう。(後半の試合でセコンドについていた) 本間はちょっとやり合って宮本にタッチ。宮本は組んで投げ捨てる。場内から宮本に声が飛ぶ。
都と「ちがうぞ、いつもとこいつ」
 宮本より小柄なBlue−K。宮本の体当たりに倒れる。宮本はBlue−Kを投げてライオン丸にタッチさせる。
 宮本がライオン丸にエルボーを打っていくが、通じない。ライオン丸は膝蹴り連発。
 宮本はロープに飛んでのエルボーでダウンを奪うが、ドラゴン・スクリューを食らう。 ライオン丸のキックにひっくり返る宮本。ライオン丸は場内を見渡してから宮本の足をとり、膝十字をきめる。本間が救出に入ってダブルのショルダーアタック。
 宮本のカニばさみに、本間のスライディングキック。二人でマスクをはぎにかかるが、ライオン丸はこらえる。
 本間と宮本、二人がかりの攻撃が続く。
 一度入ったBlue−Kはリング下に落とされたままだったが、本間と宮本がライオン丸をコーナーに座らせての摩周をかけようとすると、Blue−Kが入ってカット。
 ライオン丸が宮本にフライング・ニールキック。本間へのエクスプロイダー。
 ライオン丸が宮本をロープにとばし、Blue−Kがその足を引っ張る。
 リング内は本間とライオン丸。ライオン丸のエクスプロイダーが決まってカウント3。
 あっという間に終わった感じ。ライオン丸は同じ日に行われている新日の興行に駆けつけなくてはならないという事情もあるのだろうが。
 ライオン丸一人で本間・宮本をやっつけちゃったということで、二人がふがいない、ということではあるのだが、おいおい、もう少し宮本たちの見せ場を作ってやれよ、と言いたくなる。
 ライオン丸がマイクを手にし、「拙者ライオン丸。全日本プロレスに埋もれている宝物をいただきにきた。まずは埋もれている宝の一つ、世界タッグ。俺の正体が、このBlue−Kじゃなくて、ケンドー・カシンと組んで挑戦する。以上」
 ライオン丸が退場してから本間がマイクを持ち、「宮本、ごめん。この借りはいつか返すぞ。力つけてもう一回、この全日本のマットでいっしょにやろう」
 宮本は握手して、「全日本プロレスでデビューして3年。もっともっと強くなるために海外に行きます。(場内拍手)本間さん、俺が帰ってきたらあんたがチャンピオンになって待っててくださいよ。俺が帰るところはここしかないんだよ、全日本プロレスしかないんだよ。いいかみんま、待っててくれよな。俺はもっとでかくなって帰ってくるからまっててくれよな。ありがとうございました」
 二人はニーーパットを交換し握手し、抱き合って場内拍手。本間が宮本の手を挙げ、リングから降りて退場。
第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○ 保坂秀樹

08分53秒
エビ固め
(ビルディング・ボム)

石狩太一 ●

 石狩入場。左手にテーピング。
 保坂入場。こちらは右手をテープで巻いている。

 石狩に水色のテープ。
 保坂に黒と赤のテープ。

 レフェリーコールに、村山大値にも声が飛ぶ。

 両者組んで、石狩が積極的にエルボー、ドロップキックと攻めていく。
 石狩がロープに飛んでのしかかるが、体重の差はいかんともしがたい。
 しかし、石狩は身軽のところを生かして攻める。
 石狩がジャーマンで投げると、保坂はリング下にエスケープ。
 石狩が保坂を鉄柵に振り、自分はリングに戻り、戻ろうとする保坂にスライディングキックから、プランチャ。
  石狩は保坂をリングに戻し、ストンピングからスリーーパーにいくがきまらず、くずれたキャメルクラッチに。
 場内からは「秀樹」と声が飛ぶ。
 受ける保坂。
 石狩がブレーンバスターで投げようとすると、保坂はこらえ、逆に投げ返す。
 ここから保坂攻勢。
 コーナーに腰を落とした石狩の顔を踏みつけ、ボディスラムで投げる。ボディスラム連発。
 保坂の首投げからスリーパー。
 石狩の動きが止まり、「太一どうした」と声が飛ぶ。
 石狩の足がロープに届き、ブレイク。
 保坂「アメリカ帰り、この野郎」と踏みつける。
 石狩と保坂のエルボーの打ち合い。保坂の方が声が出ている。
 保坂のボディスラムからカバーはカウント2
 五分経過。
 保坂が石狩の顔を締め上げ、石狩はやっとロープに足が届く。
 石狩をコーナーに振って保坂が突進すると、石狩がカニばさみで倒して、腰を落とした保坂に「死ね、こら」と叫んで、顔面に低空ドロップキック。反対側に振って、ロープを駆け上がって側頭部へキック。さらに石狩のスイング式DDT。カウント2。
 石狩のジャーマンは保坂がエルボーで逃れる。保坂がコーナーで石狩を捕まえてパワーボムにいこうとすると石狩はフランケン・シュタイナーで返して見せ、場内が沸く。
 石狩は、コーナーを背にした保坂の後ろから頭を抱え、スイング式で顔をマットにたたきつけるがカウント2。
 保坂はエルボーからデスバレー・ボムを決めるが、石狩は声をあげて立ち上がる。
 さらに保坂のデスバレー・ボム。カウント2。場内拍手。
 今度は保坂のパワーボム。決まるがカウント2。拍手。
 保坂はのどをかききる仕草から、さらにパワーボム。しかし石狩がフランケン・シュタイナーで返そうとすると、保坂は石狩を持ち上げて許さず、前へ投げ出すようなパワーボム。これが決まってカウント3
 石狩は大の字のまましばらく動けない。起きあがってマットをたたき、保坂が手を差し出すが、それには応じず、マットを降り、退場。
 保坂は軽く四方に頭を下げて退場。

 ここで休憩の前に時期シリーズ後楽園大会の一部試合発表。
 スペシャルマッチ。「カズ・ハヤシVS川田利明」
第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
荒谷望誉
● 平井伸和

12分38秒
片エビ固め
(ロウ・ダウン)

ディー・ロウ・ブラウン ○
ブキャナン
 平井に黄色と赤のテープが大量に飛ぶ。
 荒谷にピンクのテープ。
 ボンバーコール。
 
 ブキャナンと荒谷でゴング。
 四つに組んでブキャナンがバックを取り、荒谷をうつぶせに倒すが、すぐ立ち上がる。
 腕の取り合い。ブキャナンが荒谷の腕を取り、ヘッドロック。エルボーの打ち合い。
 荒谷はよく声が出ている。
 ブキャナンの膝蹴り連発から体当たり。倒れる荒谷。次に向かってきたときには荒谷がバックドロップで投げるが、つぎは投げ返される。
 平井、ブラウンにタッチ。
 力比べいはブラウンの勝ち。膝をつく平井。
 ブラウンは平井の腕を取り肩を極めようとするが、平井が腕を取り返し、さらにブラウンにヘッドロック。
 ブラウンが平井をロープに振って体当たりするがこれは互角。
 それぞれロープに飛ぶが、平井が飛ぶとブラウンはパンチで迎え撃つ。平井は負けずにエルボーを打ち返す。平井が巻き投げを連発すると、ブラウンも負けずに投げ返す。
 場内拍手。
 ブキャナンにタッチ。
 ブキャナンは荒谷に入ってこいと要求し、平井がタッチして荒谷が入る。
 エルボーの打ち合い。荒谷が優勢でブキャナンをリング下に落とす。
 五分経過。
 荒谷がロープに振ろうとしたが振り返され、大きな音。
 ブキャナンが荒谷を捕まえているとブラウンがトペスイシーダ。
 ブキャナンが荒谷を自軍コーナーに連れて行き、ブラウンにタッチして、二人で荒谷を持ち上げてブレーンバスター。滞空時間が長い長い。
 ブラウンのカバーはカウント2。
 リング中央に投げられ、腰を落とした荒谷にブキャナンが背後からショルダーアタック。ブラウンがラリアット。ブキャナンは荒谷をコーナーに連れて行って荒谷の手をつかんでロープ渡りを見せる。
 つかまる荒谷に声が飛ぶ。
 ブキャナンはフライングラリアットなどで攻めるがカウント2。
 ブラウンにタッチ。
 場内に手拍子を要求して、ブラウンのムーンサルト。平井がカット。
 ブラウンがパンチ連発。荒谷のエルボー。ブラウンのパンチ。倒れる荒谷。
 ブラウンは逆エビにいこうとするが、荒谷がこらえ、平井がカットにはいる。
 ブラウンが荒谷をおさえると、ブキャナンが入ってボディにパンチ。
 ブレーンバスターの打ち合いは荒谷が勝って、ブキャナンを投げる。平井にタッチ。
 十分経過。
 平井のダイビングエルボー。カウント2。
 平井の裏投げはブキャナンがこらえて、ブラウンにタッチ。
 しかし、平井はブラウンを捕まえて裏投げ。
 さらに投げてカバーはブキャナンがカット。
 平井のラリアットをブラウンはかわす。乱戦になり、ブキャナンを落として、荒谷と平井でブラウンを攻める。
 平井のカバーをブキャナンがカットしたが、平井たちはひるまず攻める。
 しかし、ブキャナンと荒谷ががリング下に落とされ、二人が落ちている間に、ブラウンが平井を投げすて、コーナーからフロッグスプラッシュ。これでカウント3。
第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負
武藤敬司

● グラン浜田

21分56秒
体固め
(アウトエンドスリー)

TAKAみちのく
太陽ケア
ジャマール ○
 村山レフェリー

 TAKAに青いテープ。
 嵐に紫のテープ。
 武藤に白いテープ。

 TAKAのマイク。「おい、武藤……さん。ジャマールは怒ってる。あんたに勝ったのに、優勝できなかった」
 ジャマールのマイク「武藤、ナントカカントカ(英語なんだもん)」
 ゴングを待たず、RODの3人で武藤たちに突進してゴング。
 ケアとTAKAが武藤の左腕を押さえてロープにかけ、その左腕にジャマールがジャンプして体を落とす。
 ジャマールと武藤がリングに残り、ジャマールは武藤の左肩を攻める。
 ケアにタッチ。ケアも武藤の左腕をひねり、肘を落とし、攻めつける。
 ケアの巻き投げ、キーロック。
 受ける武藤に声が飛ぶ。
 ケアが左腕を極めたまま、TAKAにタッチ。
 TAKAも腕殺しをねらい、ジャマールがロープ越しにアームブリーカー。
 TAKAも一点集中攻撃でジャマールにタッチ。
 倒れた武藤の左肩にジャマールが体を落とす。
 五分経過。
 ケアにタッチ。ジャマールとケアが武藤をロープに振り、ケアのカニばさみ、ジャマールが武藤の左肩に膝を落とす。
 ケアのチョップ。コーナーに振って突進は武藤がかわし、ドラゴンスクリュー。
 嵐にタッチ。
 嵐のパンチにケアは受けに回り、嵐をロープに振っても、体当たりで倒され、二度目はリングに下に落とされてしまう。
 ケアが戻り、四つに組んで嵐がケアの左腕を取ってねじり上げる。
 ケアは逃れて逆に腕を取り、TAKAにタッチ。嵐のエルボーに顔をゆがめるTAKA。
 嵐はラリアットから浜田にタッチ。
 身軽な二人の攻防が続き、浜田は、TAKAを投げ、腰を落としたTAKAにラリアット。武藤にタッチ。
 武藤のキック。フラッシングエルボー。
 さらに武藤のサソリ固め、リバースのインディアン・デスロック。
 ジャマールがカットに入り、さらにコーナーの嵐にも突っかかっていく。武藤は嵐にタッチ。
 嵐がTAKAをロープに振り、エルボーから高速のブレーンバスター。
 カウント2。
 10分経過。
 嵐とジャマールになり、パワーの見せ合い。
 ジャマールの動きが止まる。
 武藤にタッチ。武藤はジャマールをリング下に落とし、ゴングの板をもつ。嵐も加わって、二人でジャマールを痛めつける。
 嵐がジャマールをリングに戻し、武藤が腕を極めにかかる。
 浜田にタッチ。浜田も左腕を攻める。武藤も一緒になって攻める。
 嵐も入り、TAKAとケアもリングに入り、混戦。
 TAKAとケアはリング下に落とされ、ジャマールが捕まる。
 嵐にタッチ。
 ジャマールの具合が心配なのか、ドクターがリングサイドにくる。
 ジャマールと嵐はそれぞれ相手の肩にヘッドバットを打ち合う。
 武藤は椅子を持ってリングに入り、ジャマールの頭に打ちつける。
 15分経過。
 場内からジャマール・コール。
 嵐が浜田にタッチ。
 浜田はコーナー・トップからダイビング・ボディプレスをねらうがジャマールは軽々と受け止め、たたきつけてTAKAにタッチ。
 TAKAのキック、後頭部へ連発。しかし浜田をラリアットを返して嵐にタッチ。
 嵐の串刺しラリアット。嵐が後ろに投げるとTAKAはバク転して着地し、さらに返し技をねらうが、嵐はそれを押しつぶす。カウント2。
 ケアにタッチ。ケアの串刺しラリアットから、今度は嵐がロープに振るが、ケアは返して投げつける。
 嵐のパワースラム。
 ケアをロープに振ってラリアット。
 ジャマールと武藤にタッチ。
 ジャマールは武藤と抱え上げてリングに落とし、カバーはカウント2。
 ジャマールがのど輪落としからカバー。カウント2。
 武藤の左肩を極めるジャマール。
 20分経過。
 ジャマールに武藤のシャイニング・ウィザードが決まるがカウント2。
 武藤はジャマールの左腕を極めるがギブアップしない。
 両軍入り乱れ、武藤は浜田にタッチし、浜田はミサイルキックで見せ場を作り、コーナーから飛んだがジャマールに受け止められたと思ったらスイングしてジャマールの顔をリングにたたきつけた。ジャマールのブレーンバスター。武藤が入ってジャマールをジャマールを倒すが、ケアが入って武藤をさえぎる
 最後はジャマールが浜田を捕まえて側頭部からリングにたたきつけ、3カウント。
 ジャマールはまだ左肩がかなり悪いようだった。
第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負
川田利明
○ 土方隆司

17分15秒
レフェリーストップ
(腕ひしぎ逆十字固め)

佐々木健介
中嶋勝彦 ●
 セミファイナル。
 「超新星」(昔は秋山がこう呼ばれていてが)中嶋勝彦の登場だ。
 噂の若者の登場への期待と、川田・土方相手にどこまでやれるか不安。

 場内手拍子で中嶋、健介が白いタイツで入場。
 一方、川田には入場前から声が飛び、川田コール。

 川田はリングイン前に両腕を上に伸ばすストレッチ。
 中嶋に白と黄緑のテープ。
 健介に赤、黄緑、白のテープ。
 土方に赤と白のテープj
 川田に黄色いテープ。

 京平コール。

 今日の客はのりがいいぞ。

 中嶋と土方でゴング。
 川田はコーナーに足をのせてストレッチ。
 中嶋と土方は離れて様子を見合う。中嶋が散発的にローキックを出すが、きかない。土方も軽く蹴りを出して様子を見る。
 中島のハイキック。土方はしっかりガード。
 両者キックを出し合う。
 やがて土方が手を伸ばして中嶋の手をとらえ、グランドに持ち込む。
 中嶋は土方の頭を抱え込んで逃れようとするが土方は逃がさず、袈裟固めで中嶋の上体を起こす。中嶋がロープに這っていってブレイク。
 土方が中嶋をコーナーに押していって健介にタッチさせると、場内から「川田」の声が飛び、土方も川田にタッチ。場内大きな川田コール。
 四つに組んで、健介がロープに押していってブレイク。離れ際、健介がチョップを出すと川田はエルボー。二人でエルボーの打ち合い。
 川田がロープに飛んでフロントキック連発。健介はチョップ。両者繰り返す。
 川田のキックに、健介のラリアット。川田はリング下にエスケープ。健介は川田を鉄柵に振ってからリングに戻し、中嶋にタッチ。
 健介が川田を押さえて、中嶋が川田の胸にキック連発。健介が放しても、川田はあえてキックを受け続け、捕まえて倒すと、中嶋の顔にニーを落とす。
 土方にタッチ。土方のキック連発。中嶋も連発。結構いい音がする。
 中嶋が土方をロープに振ってドロップキック。さらにボディスラムで投げて健介にタッチ。
 健介のブレーンバスター。カウント2。
 健介は土方をロープ下に投げて鉄柱に打ち付け、客席の椅子を手にするが、和田レフェリーがそれを奪い取り、場内京平コール。
 健介のチョップ。土方がよろめき、客席に倒れ込む。
 健介はそれを捕まえてリングに戻し、中嶋にタッチ。
 踏みつける中嶋。
 土方を立たせてキック。胸へ膝へ。土方も一発蹴り返す。
 中嶋のボディスラムから逆エビ。
 川田がカットにはいって中嶋の背中を蹴ると、中嶋はキックと張り手連発で川田に向かっていくが、一発張り手をくらって動きが止まったところへ、膝蹴り連発をくらい、さらに背中にサッカーボールキックをくらう。川田はさらに土方と二人でサンドイッチキック。
 手をついた中嶋は頭をちょこちょこ蹴られ、動きが止まる。
 土方は自軍コーナーに中嶋を押していって川田にタッチ。
 川田は中嶋の頭を抱えて膝蹴り連発。膝をつく中嶋。
 土方と川田でいたぶるが、中嶋はキック連発で反撃。川田のバックを取るが、腕を取られて投げられ、足をロープに。しかし川田が放さないので健介が入って「ロープだ」と川田の頭を蹴る。
 土方にタッチ。
 土方のローキック連発、ハイキック。中嶋も果敢に蹴っていき、張り手を出すが、土方の張り手に動きが止まり、ブレーンバスターを食らう。
 土方が腕をとらえて極めかかると健介がカット。
 川田にタッチ。
 中嶋は川田にキック、チョップ、エルボーとうちかかる。しかし、川田のバックスピンキックが顔に命中して大の字。
 場内騒然。勝彦コール。
 川田は立ち上がった中嶋の足をとらえて、顔を踏みつけてからハーフ・ボストンクラブ。
 川田が締め上げるが、中嶋はロープへ這っていってブレイク。
 土方にタッチ。
 土方が中嶋をコーナーに振ると、中嶋は回し蹴り、ハイキックで土方を倒して健介にタッチ。
 健介のドロップキック、チョップ。さらに土方をコーナーに振って反動を利用して土方をマットにたたきつける。
 健介がロープに飛ぶと、土方はキックで迎え撃ち、自分もロープに飛ぶが、健介に捕まる。健介の逆一本背負いからストラングル・ホールド。これは川田がカットして健介の後頭部を蹴り、土方もキックを返して川田にタッチ。
 川田のキック連発。立ち上がる健介。健介のチョップ。
 川田のエルボー。川田の顔面キック。
 コーナーの健介の髪を土方がつかみ、健介の顔めがけて川田がイーヤッとフロントキック。
 川田がブレーンバスターにいこうとすると、健介がこらえる。二人とも膝蹴りを出汁、川田がエルボーから垂直落下式ブレーンバスター。しかし健介はすぐ立ち上がってラリアット。
 中嶋にタッチ。
 中嶋キック連発。川田の胸へ連発して打つが、ローキックを食らうと倒れてしまう。
 それでもハイキックからローキック、ミドルキックと果敢に蹴っていく中嶋。川田は受けるだけ受けてバックスピンキックで中嶋の顎をねらい打ち。中嶋大の字。
 15分経過。
 土方にタッチ。土方は投げから背中へのキック。さらにロープに飛んで胸へのキック。
 土方は中嶋を立たせ、コーナーに振ってハイキック。さらにフィッシャーマンにいこうとすると健介がカットに入り、川田をリング下に落とし、土方を抱え上げてマットにたたきつける。
 中嶋は息も絶え絶えだが、叱咤されて土方のバックを取り、ジャーマン。カウント2で川田がカット。
 また中嶋のジャーマン。しかしすぐに土方が左腕を取ってアームロックで極め、川田も入って健介にストレッチプラム。
 土方は左腕をつかんだまま体勢を変えて腕ひしぎ。川田に捕まったままの健介はカットに入れない。
 中嶋がタップしたようにも見えたが、「レフェリーストップ」でゴング。
 すぐにドクターと練習生が入って中嶋の左腕の具合をみる。中嶋はアイシングなどをしてもらって、健介に支えられて立ち上がると、場内から拍手。
 健介は中嶋を抱えて何か言っていた様子。中嶋がリングで四方に礼をすると、満場の拍手。さらに勝彦コール。健介に支えられて退場していく姿にも拍手。
 中嶋の、臆せず向かっていく姿勢は見ていて気持ちがよかった。
 いい試合だった。
第6試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
グレート・コスケ
● 獅龍

21分43秒
エビ固め
(バックドロップ)

天龍源一郎
渕 正信 ○
 天龍ファンの幟が立ち並ぶ。
 場内が暗くなると拍手、木原アナが、天龍組の入場を告げると、「J」と「サンダーストーム」をあわせた曲が鳴り響き、場内「鶴田、オー」のコール。
 リングインした渕は拳をあげて声援に応える。

 獅龍・コスケ入場。
 天龍組のセコンドは保坂と平井。
 チャンピオン・チームのセコンドは宮本と本間。

 渕に白いテープ。
 天龍に黄色いテープ。
 獅龍に青と白のテープ。
 コスケにはオレンジと白いテープ。

 ひときわ大きな京平コール。

 天龍。渕への声援が圧倒的に多い。
 渕と獅龍でゴングが鳴るとフッチー・コール。
 しばらく離れていて様子を見てから四つに組んでブレイク。また組んで渕が左腕をとらえると、獅龍は体を回転さえてかわし、逆に腕を取っていくが、渕がヘッドシザースで逃れて両者立ち上がり、場内から拍手。
 渕がバックを取るがブレイク。
 渕の強引なカニばさみから足を極めにかかる。
 STFから脇固め。
 獅龍はそれを逃れて立とうとするが、渕は腕をつかんだまま。
 ロープブレイクから腕の取り合い。
 獅龍が渕の左腕を極めようとするが、攻められても渕は余裕。
 コスケにタッチ。
 コスケのチョップ連発。これは痛そう。腰を落とす渕。
 コスケは渕をリング下に落として天龍に突っかかる。天龍がリング下に落ちるとコスケのプランチャ。さらに獅龍も渕を落としてプランチャ。
 コスケと獅龍はリング中央に戻ってポーズを取り、カメラマンに写真を撮らせる。
 渕がリングに戻ると、コスケはその頭を蹴りつけ、逆水平。渕は拳を握って耐える。胸が真っ赤。
 天龍にタッチ。
 コスケは天龍に体当たり、サマーソルト・ドロップ。しかし天龍はすぐに立って、サマーソルトドロップのお返し。
 逆水平の打ち合い。これば互角だが、天龍のパンチでコスケの動きが止まる。
 渕にタッチして五分経過。
 コスケが逆水平連発。獅龍にタッチして、二人で股裂き。
 獅龍がロープに振ってクロスチョップから渕の顔を踏みつけ、さらに背中を踏みつける。
 立ち上がった渕がパンチで反撃して天龍にタッチ。天龍の逆水平で獅龍が倒れる。獅龍をロープに振ってショルダースルーからサッカーボールキック。
 獅龍は天龍の顔を張って反撃。これはきいた。さらにもう一発張ると、天龍がたおれる。
 場内天龍コール。
 獅龍は天龍を担ぎ上げてWA4。カウント2
 コスケにタッチ。
 コスケはストンピングから、なんとWARスペシャル。
 しばらくコスケが攻勢。コーナーに追いつめてグーパンチ連発も。
 コスケには場内からブーイング。コスケは反対側に振って串刺しラリアット。
 獅龍にタッチ。
 獅龍の逆水平。いい音。獅龍がしばらく蹴りつけるが、おもむろに立ち上がってた天龍の表情の険しさに獅龍がひるむ。天龍は逆水平で獅龍を倒し、渕にタッチしてからグーパンチを見舞う。
 渕も獅龍の頭を蹴りつけ、さらにパンチ。
 獅龍のチョップ。しかし渕は余裕。
 渕のパンチ。獅龍の逆水平。
 獅龍がロープに飛んで飛んでパンチ。これには渕が倒れて10分経過。
 獅龍のボディースラムから、コスケがロープ越しにエルボードロップ、獅龍も同時にエルボーを落とす。コスケが渕を捕まえて、獅龍のミサイルキック。獅龍のエルボー、続くコスケのエルボーは渕がかわして同士討ち。
 渕はコスケをリング下に落とし、天龍はリング下の獅龍を捕まえて逆水平。
 コスケは帰ろうとしてセコンドに戻される。
 天龍が獅龍をリングに戻し、渕がボディスラム。さらに渕がボストンクラブ。
 コスケはカットに入らない。渕がハーフボストンクラブに切り替えたところでコスケがカットに入るが、ついでに獅龍も蹴りつけていく。
 天龍にタッチ。
 天龍が頭をチョコチョコ蹴る。コーナーに振って逆水平。反対側に振って逆水平からパンチ、パンチ、逆水平。くずれおちる獅龍。カバーはカウント2。
 渕はもうきめちゃえというポーズ。天龍は獅龍をロープに振って抱え上げて前に落とし、渕はタッチを求めてすぐカバーするがカウント2。
 場内フッチーコール。
 渕は獅龍の頭を殴りつけ、股裂き。体全体を使った股裂きに、獅龍が悶絶。
 コスケが入りかけると渕はやめ、獅龍の左膝の後ろに足を当てて痛めつける。さらにステップオーバーで左足を決める。
 天龍にタッチ。
 渕がボディスラムで投げ、天龍がすぐカバーするががカウント2。
 15分経過。
 天龍の延髄斬り。コスケがカットし、「返せてめーバカヤロー」と獅龍に罵声。
 ロープに振られた獅龍はドロップキックで反撃してコスケにタッチ。
 コスケはチョップ、逆水平連発。コーナーに振って串刺しエルボーから「いっちゃうぞバカヤロー」エルボードロップ。カウント2。
 コスケがチョップとパンチ。さらにロープに飛んでエルボー連発。
 天龍が、ロープに飛んだコスケを逆水平で迎え撃とうとすると、コスケはそれをくぐり抜けて逆襲。
 コスケは腕のサポーターをはずしてロープに飛ぶが、天龍がラリアットで迎撃して渕にタッチ。
 渕のドロップキック。さらにバックドロップにいこうとしたのはコスケがDDTでかわす。
 コスケのブレーンバスター。獅龍にタッチ。
 渕をコーナーに振ってエルボーから、ロープ越しにファイナルカット。さらにコーナーからダイビング・ボディアタック。さらにファイナルカット。
 天龍がカットに入り、コスケも入るが、天龍の逆水平を食らう。
 獅龍がロープの反動を利用してエルボー。
 渕と獅龍がリングに残り、獅龍にジャーマンスープレックスホールド。カウント2。
 場内フッチー・コール。
 獅龍が渕を膝に落としてから、ムーンサルトをねらってコーナーにあがると、天龍が客席の椅子をとって投げつけ、獅龍の動きが止まる。そこに渕のバックドロップ。
 渕の握り拳。渕のバックドロップ。カバーはカウント2でコスケがカット。渕はコスケをリング下に落とし、獅龍を捕まえてまたバックドロップにいくが、獅龍はバク転でかわし、後頭部へハイキックからラ・マヒストラルそれを渕が返して小包固め、さらにそれを獅龍が返して小包固めに入ったところをコスケが勘違いしてカットしてしまい、獅龍がコスケに突っかかるところへ、渕がドロップキック。天龍がコスケを投げ、渕が獅龍にバックドロップ。カウント2。
 さらに渕のバックドロップ。カバーはカウント2でコスケがカット。そのコスケに、天龍と渕がサンドイッチ延髄斬りでコスケをリング下に落とし、渕が獅龍にバックドロップ。
 しかし獅龍が立ち上がり、天龍の逆水平。渕のバックドロップ。天龍はコスケにスライディングキック。渕がまたバックドロップ。カバーはカウント3。場内爆発。

 ベルトを手に入れた天龍が、四方に向かって「オー、オー、オー」と拳を突き上げて見せた。客席もそれにあわせて拳を突き上げる。
 勝者がレフェリーに手を挙げられると、フッチー・コール。
 退場の際も、「J」と「サンダーストーム」を合体させた曲が流れ、客席からは「鶴田、オー」の声。
 おお、ここはまぎれもなく全日本プロレスの会場だ。

総括

 久々に客の入りもよく、盛り上がった興行だった。
 特にセミファイナルとメインは、いかにも「ああ、全日本プロレスの会場にいるな」という気にさせる試合だった。
 やはり天龍がいると雰囲気が違う。
 初めて見た中嶋勝彦は、期待に違わぬ威勢の良さを持っていた。
 こういうの、前にも見たことがあるぞ、と思ったのだが、一日たって思い出した。
 2001年8月26日の後楽園。全日本とWARの対抗戦にデビュー2戦目の宮本が起用されたときだ。
 一週間前にデビューしたばかりの宮本が荒谷・奥村と組んで、天龍・北原・嵐とあたるというので、当時公式サイトにあった応援ボードでは、せっかくデビューした新人をつぶすつもりかと非難囂々だったが、ふたを開けたら、宮本が臆することなくつっかかっていって(当然その分だけ自分がかられもした)大いに場内を沸かせたものだった。
 その宮本も、今では厳しい声も飛ぶようになり、海外修行へと出かけていくのだ。
 あのときは敵対していた渕と天龍が組んでアジア・タッグのベルトを巻くというのも、感慨深い。
 大梁離脱、武藤社長就任と、確かに全日本プロレスは変わった。しかし、やはりこれは全日本プロレスなのだ、という思いが残った興行だった。