　八右衛門家の役替・褒美などの記録　　玄関へ戻る

　四番町歴史資料館に所蔵されている原胤昭関連文書の中に仁杉家の「覚書」と題した冊子があり、この中に鳥居甲斐守が南町奉行だった天保14年（１８４３）から新政府に引き渡した慶應４年（１８６８）まで、約２５年間の仁杉家当主に関する役替、褒美などの申渡を綴った史料がある。
　八右衛門家２代目幸雄から４代目幸英（後の英）までが対象になっていると考えられる。　　　　

諸役役替・褒美言渡

　　表紙

　天保十四年　鳥居時代より
　　　　　　　　　慶應四年幕末まで

　　　　覚　　　書

　　　　　　　諸役役替褒美言渡

　　　　　　　　　　　　　仁　杉　蔵

与力ノ役替へノ氏名
嘉永弘化安政年間
調べ必要

　　　　　　　後に貼付けたものか

天保１４年から慶應４年まで八右衛門家の
２代、３代、４代が奉行所から申渡を受けた
役替、褒美などを書き留めたもの

　　

　　　　覚　書

　　　仁杉五郎八、后八右衛門様

　　　諸役辞令・役替・褒美
　　　言渡

　　天保十四年鳥居甲斐守時代より
　　慶応四年五月二至る

ー朱書ー

天保十四卯年十一月廿五日、於御内座、御頭鳥居甲斐守殿被仰渡

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎江　

　　　　　　　　　　　　　八右衛門伜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎

　右は、父八右衛門儀年来出精相勤候ニ付
　無足ニて御番諸役見習申付之

　　卯十一月

　以下、下表の通り。

年月日	記事
天保十五辰年二月三日	右同断　　　仁杉五郎八郎右本勤並申付、御手当並之通被下之　　　　　辰二月
弘化二巳年四月廿一日	御頭遠山左衛門尉殿、被仰渡申渡　　　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎古銅吹所見廻、佐久間彦太夫当分代り申付之　　巳四月
同年六月九日	申渡　　　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎古銅吹所見廻当分代、差免　　　　　　　　　　　　　　巳六月
同年十一月十四日	申渡　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎人足役増掛申付之　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　巳十一月
同年十二月廿四日	申渡　　　　　　　　　　　　　稲沢縫右衛門、稲沢弥一兵衛、仁杉五郎八郎、藤田六郎左衛門、金子兵七郎右は、去ル十一日坂本町壱町目より出火之節、一同罷出町火消人足共消防指揮致侯、格別出精骨折候二付、為御褒美銀壱枚ツツ被下之　　　　　　　巳十二月
弘化三午閏五月朔日	申渡　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎人足役増掛り差免、尤骨折相勤候二付、為御褒美金千疋被下之　　　午閏五月
弘化二巳年正月十七日	申渡　　　　　　　　　　　　　小原小十郎、仁杉五郎八郎此度智恩院御門跡至着、且逗留中出役可被致侯、尤勤方之儀は、諸事去ル寅年之通、御勘定方可被談候　　　　　　　　　　　　　　　巳正月
同年七月四日	申渡　　　　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎当分之内人足役、赦帳・撰要方兼、可被相勤候　　　　　　　午七月
同年七月十一日	皆勤御褒美銀壱枚頂戴
同年八月廿四日	申渡.　　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎赦帳・撰要方井人足改当分代、差免　　　　　　　午八月
弘化三午年十一月廿五日	於内座被仰渡申渡　　　吉田百助、由比義三郎、中田郷左衛門、安藤源五左衛門、中村又右衛門、小原小十郎、生田澄三郎、稲沢縫右衛門、安藤源之進、稲沢弥一兵衛、仁杉五郎八郎、蜂屋新五郎、中島嘉右衛門、磯谷七五郎、高橋鉄次郎、後藤三郎兵衛、秋山久蔵、藤田六郎右衛門、嶋喜一郎、東条八太郎、服部孫九郎、中島東五郎、加藤橘三郎、金子兵七郎、三好松之助、尾崎三蔵、当秋出水之町々え出役之上、度・深更迄危キ場所助船乗廻、多人数助乗・格別骨折相勤候二付、為御褒美銀三枚ツ、被下之右は、阿部伊勢守殿被仰渡之　　　午十一月
同年　　九月晦日	申渡　　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎人足役増掛申付之　　　　　午九月
同年　　十二月廿五日	小原小十郎、稲沢縫右衛門、仁杉五郎八郎赦帳.婁方御用骨折相勤候二付、小十郎.縫右衛門え銀五枚ツツ、五郎八郎え金弐百疋被下之　午十ニ月
同日	皆勤御褒美銀壱枚頂戴致候事
同四未年四月朔日	申渡　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎人足役増掛差免ス、尤去年九月以来骨折相勤候二付、為御褒美金千疋被下之　　　　未四月
同年　　七月三日	皆勤御褒美銀壱枚頂戴致候事
同年　　九月廿二日	申渡　　　　　　　小原小十郎、安藤源之進、仁杉五郎八郎御人少之処、常々出精相勤候二付、為御褒美金弐両ツツ被下之　　　　未九月
同月　　廿四日	申渡　　　　　　　　　　本勤並　　仁杉五郎八郎格別出精相勤候二付、別段之訳ヲ以残知収納高之内ヲ以、毎年金三拾両宛被下之　　　但、本勤並御手当は上ル　　　　未九月
同年　十二月廿五日	皆勤御褒美銀壱枚、頂戴致候事
嘉永元申年正月五日	四ヶ月皆勤御褒美金弐両、頂戴致候事
同年　五月　日	四ヶ月皆勤御褒美金弐両、頂戴致候事
同年　七月十一日	皆勤御褒美金弐百疋、頂戴致候事
同年　九月　日	四ヶ月皆勤御褒美金弐両、頂戴致侯事
同年　十二月廿五日	皆勤御褒美銀壱枚、頂戴致候事
嘉永ニ酉年五月十六日	申渡　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎当分之内風烈廻、昼夜廻り申付、入念可被相勤候
同年　正月	去申九月以来四ヶ月皆勤二付、御褒美金弐両頂戴致候事
同年　七月六日	申渡　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎当分風烈廻、昼夜廻申付置候処、差免　　　　酉七月
同年　七月十日	四ヶ月皆勤二付御褒美銀壱枚、頂戴致候事
同年　九月三日	当五月より八月廿九日迄皆勤二付御褒美金弐両頂戴致候事
嘉永二酉年五月十六日	酉十一月六口被仰渡候申渡　　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎赦帳・撰要方申付、井人足役増掛申付ル　　　酉十一月
嘉永ニ酉年十二月朔日	対馬守被仰渡候　　　与力五人江　　　　　　　　　　　　　　加藤橘三郎、金子兵七郎、荻野勇蔵、安藤源五左衛門、仁杉五郎八郎去月七日、麹町平河町三町目より出火之節罷出、町火消共差配致し骨折侯二付、為御褒美銀弐枚ツ・被下之
嘉永ニ酉年十二月廿九日	被仰渡候　申渡　　　　　　吉田百助、荻野勇蔵、仁杉五郎八郎赦町.撰要方御用骨折相勤候二付、百助外壱人え金百疋、五郎八郎え同弐百疋被下之　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小原小十郎、萩野勇蔵、安藤源之進、仁杉五郎八郎風烈廻、昼夜廻骨折相勤候二付、小十郎え銀壱枚、勇蔵え金百疋、源之進え同百五拾疋、五郎八郎え同百疋被下之　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎右は、皆勤二付銀壱枚被下之　　　　　　酉十二月
嘉永三戌年正月十九日	去九月中より四ケ月皆勤二付、御褒美金弐両頂戴致し侯事
嘉永二酉年十二月廿四日	於内座被仰渡申渡　　　荻野勇蔵、安藤源五左衛門、仁杉五郎八郎、中島東五郎、金子兵七郎、三好松之助右は、去ル九日富沢町より出火之節一同罷出、町火消人足共消防指揮致シ、格別出精骨折候二付、為御褒美銀弐枚ツ・被下之　　酉十二月
嘉永三戌年正月廿四日	同麻上下二て罷出申渡　　　　吉田百助、荻野勇蔵、仁杉五郎八郎右は、分恭院様七回・最樹院様廿一回御忌御法事之御赦二御免之者、去酉十二月廿五日御下知有之候処、今般之儀は格別手繰致し申渡候様、別段之被仰渡有之二付、一同厚申合、急速之取調行届、纏之日間二遠島者、其外手限もの迄不残相済、出精骨折候二付、為御褒美銀三枚ツツ別段一封ツ・被下之　　　　　戌正月
	申渡　　　　荻野政七、安藤源五左衛門、仁杉五郎八郎、中島東五郎、金子兵七郎、三好松之助右は、去月五日麹町五丁目表より出火之節、足共消防指揮いたし、格別出精骨折候二付、段同壱枚宛被下之　　　戌三月申渡　　　　荻野政七、安藤源五左衛門、徳岡五三郎、小原小十郎、中村源四郎、仁杉五郎八郎、　　　　　　　　安藤武左衛門右は、当正月以来皆勤二付、為御褒美銀壱枚ツ・被下之　　　戌七月
同年九月三日	四ヶ月皆勤二付、為御手当金弐両被下置候事
嘉永四亥年五月七日	対馬守殿被仰渡之　　　　与力四人え　　　　　　　　　　　　　　　　　　小原小十郎、仁杉五郎八郎、松原晋次郎、下村弥助当春参向之公家衆到着、且逗留中致出役、褒美白銀弐枚宛被下之右は、阿部伊勢守殿被仰渡之　　　　　　　　五月
嘉永六丑年六月七日	申渡　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎定橋掛申付ル、但例繰方差免、赦帳・撰要方是迄之通
嘉永五子年七月九日	播磨守殿被仰渡申渡　　　徳岡五三郎、小原小十郎、中村又蔵、仁杉五郎八郎、安藤武左衛門、由比万太郎、東条保太郎右は、当正月以来皆勤二付、為御褒美銀壱枚ツ・、武左衛門え金百疋被下之　　　　子七月^
嘉永六年丑五月朔日	与力四人え　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎、東条保太郎、中山源右衛門、中村又右衛門先達て公家衆参向之節、伝奏屋敷え出役いたし、骨折相勤候二付、為御褒美銀弐枚ツツ被下之　　　　　　　右は、阿部伊勢守殿被仰渡之　　　　丑五月
嘉永七寅年六月廿七日	池田播磨守殿被仰渡之申渡月番続二て公事吟味物多端相成候間、当分之内吟味方手伝申付ル但定橋掛差免　　　赦帳・撰要方、是迄之通、寅六月
安政三辰年七月六日	池田播磨守殿被仰渡之申渡　　　　　　　　　　　　　　仁杉五郎八郎吟味方助申付ル　但外掛役、是迄之通　　　.辰七月
安政四巳年七月十日	跡部甲斐守殿被仰渡申渡　　　　東条八太夫、荻野政七、東条次郎八、東条八太郎、中田郷左衛門、安藤源五左衛門、蜂屋新五郎、稲沢弥一兵衛、仁杉五郎八郎市中火之元取締方等之義、格別骨折相勤候二付、為御褒美銀七枚ツツ被下之　　　　右は、堀田備中守殿被仰渡之　　　　巳七月右為御礼、備中守殿・久世大和守殿罷出候事
安政六未年正月十八日	播磨守殿被仰渡之申渡仁杉八右衛門、佐久間弥太吉、蜂屋熊之助近来番方動向、殊之外相崩、其上振付を始、其外都て鹿漏相見粗間、旧冬委細書取を以相違候ニ付ては、此上各え取締心付方申付候間、諸事厚被申合、常々当番方惣体被心付、諸触口諸訴・下知振、其外取計向共、成丈ヶ古例を用、近頃相崩候振合二不泥、古格二復候様被心得、帳面類ハ従来之見合二も相成侯丈、如何二も鹿漏二無之様、以後一ヶ月ツ・各諸帳面被見改心付候儀は為直置、若又物書共等之内等閑之もの有之候ハ・、其段も無遠慮申聞、際立勤方改り候様可被心付候、尤委細之義は、年番与力え可被談候　　　未正月
安政六未年二月十日	池田播磨守殿被仰渡申渡　　　　　　　　仁杉八右衛門、安藤駒太郎、中村八郎左衛門右は、温恭院様将軍宣下御祝儀大赦被仰出侯処、此度御赦帳え組入候もの多人数有之侯処、取調方行届、昼夜骨折出精いたし候二付、為御褒美銀弐枚ツ・、別段同壱枚ツ・、八右衛門義は別て骨折候二付、尚別段之廉二て同壱枚被下之　　　　未二月十日
安政六未年四月十一日	播磨守殿被仰渡申渡　　　　荻野政七、山崎助左衛門、中村次郎八、中田郷左衛門、稲沢弥一兵衛、仁杉八右衛門、佐久間弥太吉、由比万太郎今般於吹上公事上聴有之侯処、前広取調方等品々手数相掛、一同格別骨折、兼て之申合も行屈、諸事都合能、無滞相済候段、一段之事二侯、此度ハ御代始て之儀二付、別段之訳を以、為御褒美銀弐枚ツツ被下之　　　　　未四月
安政六年未五月十六日	播磨守殿被仰渡申渡　　　　仁杉八右衛門当分之内古銅吹所見廻兼帯申付ル　　　未五月
安政六未年十一月廿日	石谷因幡守殿被仰渡侯　　　　　与力三拾八人え小原清次郎、荻野政七、山崎助左衛門、由比義三郎、中田郷左衛門、中村次郎八、徳岡政左衛門、小原小十郎、安藤源之進、仁杉八右衛門、中村又蔵、由比万太郎、佐久間弥太吉、吉田駒次郎、蜂屋熊之助、安藤貞五郎、中田仲五郎、蜂屋助三郎、佐野八郎太郎、高橋吉右衛門、秋山久蔵、松浦安右衛門、藤田六郎右衛門、服部孫九郎、中島三郎右衛門、加藤新左衛門、金子兵七郎、三好助右衛門、尾崎三蔵、谷村官太郎、松原晋三郎、加藤九郎兵衛、中山源右衛門、島佐太郎、三村吉次郎、高橋銀十郎、松浦源次郎、谷村八之助同十月十七日御本丸炎上之節、御場所え罷出、町火消人足共消防差配、世話いたし骨折候二付、為御褒美銀三枚宛被下之　　右は、松平和泉守殿被仰渡之　　　未十一月
安政七年　申三月朔日	播磨守殿被仰渡候申渡　　　　稲沢弥一兵衛、仁杉八右衛門詮議方本役過人申付之　　申三月
万延元年閏三月三日	播磨守殿被仰渡侯申渡　　　　仁杉八右衛門、安藤駒太郎、中村八郎左衛門右は、文恭院様拾三回御忌、慎徳院様御新葬御法事之御赦二御免もの、去未十一月御下知有之侯処、今般之儀は人数高少候得共、何れも兼役有之候処、取調方行届、骨折出精いたし侯二付、為御褒美銀弐枚ツツ被下之　　　申閏三月
万延元申年四月九日	被仰渡候申渡　　　仁杉八右衛門外国懸差免ス、但外掛役、是迄之通　　　申四月
万延元申年十月七日	池田播磨守殿被仰渡候申渡　　　仁杉八右衛門、中村又蔵、吉田駒次郎、安藤貞五郎、中田潤之助、金子兵七郎、下村弥助、島佐太郎、三村吉次郎、磯貝鋭次郎右は、去ル八月廿七日御本丸大奥向御上棟二付、吹上於拾三間御門外餅蒔有之、人足とも多人数立入侯二付、為取締出役致シ、制方等一同申合、出精相勤候二付、為御褒美銀壱枚ツツ被下之　申十月
文久元酉年二月七日	池田播磨守殿被仰渡之申渡　　　仁杉八右衛門市中取締掛兼帯申付之　　　酉二月
文久元酉年八月廿三日	山崎助左衛門様、仁杉八右衛門様、中村又蔵様、由比万太郎様　　　　　　　　　　　　　　　　　　　森鉄蔵、長江淳右衛門、平田錠之進御用之儀有之候間、麻上下御着用、明廿四日四時御城御出可被成旨、紀伊守殿被仰渡候間、其段御達申侯様被申聞侯、依之得御意候、已上追て病気差合等二候ハバ、名代御差出し可被成旨、是又被申候、已上
文久元酉年八月廿四日	殿中御沙汰書之内書抜金弐拾両ツツ　　　　町奉行黒川備中守組与力　　　　　　　　　　　　　　　　山崎助左衛門、仁杉八右衛門、中村又蔵、由比万太郎大関和七郎初筆一件吟味中骨折侯二付、被下之　　右於狩之問、内藤紀伊守申渡之
文久元酉年十一月五日	黒川備中守殿被仰渡之申渡　　　　中村次郎八、中田郷左衛門、稲沢弥一兵衛、仁杉八右衛門、由比万太郎、吉田忠次郎、秋山久蔵、松浦安左衛門、中島三郎右衛門、服部孫九郎、金子兵七郎右去申三月於外桜田御門外、水府浪人共乱妨およひ候節、急速之御用取扱、且死骸見分井細川越中守え引渡之節、途中警固出役致し、骨折候二付、為御褒美銀弐枚被下之　右は、内藤紀伊守殿被仰渡之　　酉十一月
戌三月十八日	於内座御直御渡　　　年番え　　　　　仁杉八右衛門慎差免　　　右之通、可被相達候　　　　戌三月
文久二戌年三月廿九日	黒川備中守殿被仰渡元治元子年三月五日、佐々木信濃守殿仰渡之　　　仁杉八右衛門江古銅吹所見廻申付之　子三月
元治ニ丑年正月晦日	根岸肥前守殿被仰渡之　　　　　仁杉八右衛門江　市中取締・諸色調掛申付之　　但古銅吹所見掛は差免す、外掛役是迄之通　　　丑正月
元治ニ丑年三月廿一日	中田郷左衛門方え官太郎持参送達す、八月廿八日、長谷川要輔を以、内願書差出候旨、郷左衛門外壱人より申来ル内願書私儀、去春已来持病之痂積（癩カ）時、差発、其都度御手前様方初・御同役方御救助二て漸・勤続居候処、次第二差募、同九月中より右足固手痛致シ、歩行不叶二付、又候御救助二て療養仕追々快方二付押て出勤仕居候得共、先達て已来不時侯故か、兎角歩行不自由二て難義仕候二付、医師えも相談仕候処、難復容体と申二は有高敷候得共、急速之程は難計と申聞、何分前文之容体二て差向候処・御用多之御場所、可相勤体二無御座候問、何一、一御詮議方-市中取締・諸色調掛とも、御免被成下置候様仕度奉内願候、此段宜御執成被仰上被下度奉願候、以上　　　仁杉八右衛門　丑三月　　中田郷左衛門様、中村次郎八様
元治二丑年四月二日	根岸肥前守殿被仰渡之　　　　仁杉八右衛門え　足痛二付内願之訴も有之、無余義相聞候問、吟味方.市中取締、諸色掛差免・猿屋町会所掛申付之丑四月
慶応元丑年閏五月三日	根岸肥前守殿被仰渡之　　　　仁杉八右衛門え五番組中村次郎八跡同心支配役申付、役料並之通被下之　丑閏五月
慶応元丑年閏五月廿五日	根岸肥前守殿被仰渡之　仁杉八右衛門え右年季方申付之　　　但当分之内猿屋町会所掛、是迄之通　　丑閏五月
慶応元丑年六月廿三日	根岸肥前守殿被仰渡之申渡　　　　中田郷左衛門、稲沢弥一郎、仁杉八右衛門、佐久間弥太吉諸色直段引下ヶ掛申付、但外掛役是迄之通　　　丑六月
慶応元丑年六月廿四日	肥前守殿被仰渡之　　仁杉八右衛門え市中取締。諸色調掛、御進発御用取扱掛、海岸御備向御用取扱掛申付之、但外掛役是迄之通　丑六月
	申渡　　　中田郷左衛門、中村次郎八、佐久間弥太吉、稲沢弥一兵衛、仁杉八右衛門　　　　　吉田駒次郎、安藤駒太郎、村井直之進、中村八郎左衛門、蜂屋新五郎右は、毛利大膳屋敷内長屋借受罷在候町人共、其外多人数御吟味もの急速取調、一同格別骨折相勤侯二付、為御褒美銀三枚宛被下之　　子十二月
卯六月十四日	被仰渡申渡江戸表外国人居留地取調之儀、取扱候様可被致候卯六月
卯九月十一日	仁杉八右衛門え町会所見廻井諸色掛兼勤共、但外懸役是迄之通　　卯九月
辰三月朔日	申渡　　　仁杉八右衛門本所見廻申付ル　　但猿屋町会所見廻、外懸役是迄之通　　　辰三月
慶応三卯年十二月廿九日	駒井相模守殿被仰渡候申渡　　　中田郷左衛門、仁杉八右衛門、佐久間弥太吉、吉田駒次郎、蜂屋熊三郎　　　　　高橋吉右衛門、秋山久蔵、松浦安右衛門、藤田五郎右衛門、三村吉兵衛町兵御取立井問屋商法取調侯二付、殊之外手数相掛、其上此程市中所々え強盗立入候二付、数ヶ所仮屯所え箱舘御抱歩兵を始、撒兵隊井諸家巡遷被仰付候二付ては、一同相掛、早朝より罷出、深更迄居残り、格別出精骨折相勤候二付、為御褒美銀拾枚ツツ被下之
辰五月七日	佐久間鑑五郎殿被仰渡侯申渡　　　稲沢弥一兵衛、仁杉八右衛門、中村八郎左衛門近年年番方御用多、別て当今多端之折柄、今般吟味方調物之儀二付、見込之次第も有之、佐久間弥太吉外両人、当分之内年番方差免、人少相成候処、一同申合格別勉励取扱向行届候ニ付、為御褒美銀七枚枚ツツ、八郎左衛門えは鋲五杖柱下之　　辰五月