ゴジラ生誕から60年――核の恐怖の象徴、ダイナミックな巨大ヒーロー、子供たちのアイドルとして半世紀以上も映画史に君臨してきたゴジラ。その歴史をたどり、ともに歩んだわれわれの60年を回顧し再検証しながら、この不思議な怪獣の魅力を存分に考察する。



著者プロフィール

八本 正幸(ヤモト マサユキ)

1958年、千葉県生まれ。東京デザイナー学院中退。『新青年』研究会会員。「失われた街」で第6回小説新潮新人賞を受賞。著書『怪獣神話論』『世界の果てのアニメ』(いずれも青弓社)など。

目次

序章 ゴジラを感じた日

第1章 水爆大怪獣の誕生
 核の時代を象徴する怪獣
 栄光丸と第五福竜丸
 伊福部音楽の重要性
 自衛隊は『七人の侍』の夢を見るか?
 怪獣実況中継事始
 二人の人間ゴジラ
 怪獣王、その名はGODZILLA

第2章 ゴジラのライバルたち
 怪獣対決と飛行士たちの系譜
 怪獣映画としての『生きものの記録』
 ラドン、モスラ、その他の怪獣たち
 変身人間たちの憂愁
 侵略と滅亡の大パノラマ

第3章 日米怪獣王対決
 KINGとGODの出会い
 怪獣プロレス実況中継
 ゴジラと力道山
 ピーター・ミュソッフ『ゴジラとは何か』をめぐって

第4章 高度成長と怪獣ブームのなかで
 悪役ゴジラ
 怪獣オリンピックと『幻魔大戦』
 怪獣ブーム到来とビートルズ来日
 オールスター怪獣絵巻

第5章 公害と割腹と沈没と滅亡と
 異色作『ゴジラ対ヘドラ』
 ゴジラになりたかった男・三島由紀夫
 沈没と滅亡の間で
 沖縄返還と『ゴジラ対メカゴジラ』

第6章 水爆怪獣から原発怪獣へ
 ゴジラがいない東京で太陽を盗んだ男
 原発という名の大怪獣
 怪獣映画は国境を越える

第7章 G細胞と巫女をめぐる物語
 昭和が終わった日
 ゴジラと対峙する少女
 混沌のパラレルワールド
 影との戦い
 ゴジラの死、あるいは東京メルトダウン

第8章 エメリッヒ版『GODZILLA』をめぐって
 平成ガメラ三部作
 マンハッタンのゴジラ
 ゴジラ=アメリカ説
 さらなるゴジラの復活

第9章 無敵の怪獣王
 戦うヒロイン
 護国聖獣対怨念の集合体、あるいはなぜゴジラは東京を襲うのか
 骨肉の戦い
 オペレーション・ファイナルウォーズ

第10章 新たな時代へ
 三丁目のゴジラ
 東日本大震災と見えざるゴジラ
 『パシフィック・リム』は怪獣映画か?
 新たなゴジラ伝説のはじまり

終章 ゴジラよ永遠なれ

参考文献

あとがき
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ゴジラの時代

八本 正幸 著
四六判 240ページ 並製
定価:1600円+税
ISBN978-4-7872-7361-1 C0074
奥付の初版発行年月:2014年09月/書店発売日:2014年09月25日