当院で可能な検査は以下のものです。
1.血液・尿・喀痰・便検査
一般的な血算や生化学検査は翌日に結果がわかります。特殊検査につきましては数日から1週間程度の時間を頂いております。喀痰・便検査についても結果は数日後となります。
2.レントゲン検査
胸部・腹部単純撮影を行います。
3.心電図検査
高血圧、胸痛、不整脈などの方に対し、安静時12誘導心電図を行います。
4.腹部超音波検査
肝臓・胆のう・膵臓・腎臓などを見ます。腹痛の診断、肝疾患の精密検査には必須の検査です。当日、食事をせずに来院されればベッドサイドですぐに行えます。
5.上部内視鏡検査
食道・胃・十二指腸の検査です。健診でのバリウム検査で再検査となった方は胃カメラが必要となります。また、毎年バリウム検査でひっかかってしまう方にとりましては最初から胃カメラを行うことをお勧めします。
当院では細径のカメラ(但し、経鼻用ではありません)を導入しておりますので、従来のものより比較的のみやすいと思われます。
検査の予約は電話で可能です。また、朝食をとってこなければ受診当日に検査することも可能な場合もありますが、事前に電話でご確認してください。
経鼻内視鏡検査について
このたび平成20年7月24日より当院でも経鼻内視鏡を導入しました。オリンパス社のXP260Nという機種で、先端部は約5mmと鉛筆よりも細いものです。最大の利点は、検査に伴う苦痛が少なくなることでしょう。従来の経口内視鏡ですと舌の付け根を通過する時に、吐き気をもよおしてしまい、検査中もげーげーしてしまうことがこれまでもよくありました。しかし、経鼻ですと、それがないので非常に楽に検査が受けられます。「以前に受けた内視鏡検査が凄く辛かった」なんていう方は一度経鼻を試してみるのもいいかも。他には、開口障害がある方(うちに通院している患者さんにもいらっしゃいますが)も鼻からのほうがいいでしょう。
その一方で、経鼻でやらないほうが良いというケースもあります。鼻腔が狭い、変形しているなどで、挿入不可能な場合や鼻の疾患で耳鼻科で治療中の方、鼻出血をよく起こす方、食道、胃や十二指腸に病変の存在が強く疑われる方は経口のほうが良いと思われます。また、緊急時(吐下血している)や治療目的の場合も経鼻は不向きだと思われます。
以前、眠っている間に検査を受けたいと申し出る患者さんがいて、点滴を入れて麻酔薬を使って行っていましたが、本当はあまりやりたくないっていうのが本音でした。理由は、鎮静剤を使うことで意識を落とし、それに伴い血圧の低下や呼吸抑制などの合併症が起こって怖いからです。しかし、鼻からの内視鏡ですと、寝かせる必要性は全くないので安心です。
6.血圧脈波検査(PWV/ABI)
動脈硬化を客観的に評価することのできる非侵襲的な検査です。
PWV(脈波伝播速度)について
心臓から押し出された血液により生じた拍動(脈波)の伝わる速度(腕から足首まで)を測定する検査です。
健常者は血管がしなやかであり、ゴムチューブのように弾力性があるため、拍動(脈波)が血管で吸収されてスピード(PWV)が遅くなります。
これに対し、動脈硬化の起こっている血管は、土管のように血管壁が硬くなっているために拍動(脈波)が血管壁で吸収されず、スピード(PWV)が速くなります。
動脈硬化が強くなるほど脈波伝播速度(PWV)が速くなるという現象に基づいて、血管のしなやかさを評価する検査です。PWVは年齢とともに増加します。血管年齢が分かるという検査です。
ABI(足関節/上腕血圧比)とは足関節収縮期血圧/上腕収縮期血圧のことです。
通常は下肢(足関節)の血圧は上肢(腕)の血圧と同じか少し高いのですが、この比が0.9以下の時は、
下肢の動脈に狭窄または閉塞が疑われます。両側足関節と両側上腕の血圧を同時に測ることによって
ABIを算出し、下肢動脈の狭窄・閉塞を評価しようとする検査です。また血圧の左右差を知ることも重要です。
動脈硬化の危険因子には次のようなものがあります。
1)高血圧
2)糖尿病
3)高脂血症
4)喫煙
5)肥満
動脈硬化の進行を放置すると、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・脳出血・閉塞性動脈硬化症などを引き起こす原因となります。