独り言
2025.09.28 共感性と多様性
日本人は同質性が高く、共感性があると言われています。
確かにそうですね。
同調圧力とか、空気を読む力とか、モラルを大事にするところとか。
イベント会場に入る時に殆どの人たちはきちんと並び、割り込みもしません。
エスカレーターに乗る時でもいくら右側が空いていても左側に一列に並んじゃう。
右側に止まっていてはいけない、歩いて進むしかないって。
「言わなくてもわかるでしょ、日本人なら」
という暗黙のルール、阿吽の呼吸を求めてしまう。
そして、それに応じるのが良い人、常識人だとされます。
これはこれで非常に居心地が良く、譲り合いの心、惻隠の情なんていう表現で日本人の良い面として評されてきました。
これは共感ベースの社会だから成り立つものです。
しかし、多くの外国の人々が日本で暮らすようになると、これまで日本人同士では大して問題にしなくてもよかった問題が出てきます。
彼らには
「そんなの常識だろ」
といったことが通用しません。
「言わなくちゃわからないよ」
「どこにも書いてないじゃないか」
「僕らの国ではそんなことはしない」
「常識って何?」
という人たちに向かって、
「郷に入っては郷に従え」
と、言うのは容易いのですが、従わせることは非常に難しいと思っています。
多様性の重要性が叫ばれていますが、郷に従わせることと相反することにならないでしょうか。
外国人との共生のためには日本独自の「常識」よりも「ルール」を重視することが重要かも。
往々にして常識とルールには齟齬が生ずる場合があり、日本人もこれまで「常識」とされていたことを見直さなくてはならないことも出てくるでしょうね。
そして、日本人にそうするだけの社会的な成熟度が備わっているかはちょっと疑問なんですね。
そういう僕も未熟者でして、日本人同士の阿吽の呼吸が好きで、空気を読むし、色んな場面で忖度するし。
で、今の日本で行われているのは、
あなたの国のルールは捨ててください。
周りの日本人と同じようにふるまう事が大事です。
日本のルールに従ってくれる外国人だけを認めましょう。
というものなんですね。
多様性ってそんなものなんでしょうか。
国籍が違うことだけを多様性としてませんか?
生活習慣、文化、思考も含めての多様性ではないのかな?
多様性が上手くいくためには受け入れる側の社会的成熟度がとても重要だと思っていて、そうでなければ必ず外国人排斥の動きが出てきます。
僕らの生活が苦しくなったのは外国人のせいだ。
治安が悪くなったのはあいつらのせいだ。
これって、ポピュリストたちの格好の材料となってしまうのがおちで、
今の日本には多くの外国人を受け入れるだけの度量がないと思っています。
すなわち、日本には移民制度って馴染まないんじゃないか、成功しないんじゃないかって思います。
2025.09.20 単純化は危険という話
今週はいつもより診療日数が1日少なかったにも関わらず、大変疲れました。
どうしてだろう?
診察の中身だと思ってまして、ストレスがかかることが多かったですね、本当に。
「働き方改革」
労働者全員が幸せになるような魔法の言葉には以前から辟易としているんですが、やはりどこかにしわ寄せがくるんですね。
僕らの若い頃のような働き方を礼賛するわけでもなく、今の社会の方が良いと思っています。
例えば、18時から内科外科の合同カンファランス、明日の教授回診のために20時から上の先生とプレゼンの練習とか。
「君、患者さんのことが心配じゃないの?」という無言の圧力での土日の病棟回診。
患者さんに何かあったら何が何でも主治医がファーストコール、等々。
ただ、今週は
「もう少し臨機応変にやろうよ」、「もうちょっと頑張ってみない?」
ってことが多くてね。
来週は心穏やかに過ごせたらいいな。
自民党総裁選挙は5人が立つことになったようで、前回の敗者復活戦みたいな感じです。
刷新感とか、解党的出直しとか、全く感じられないものです。
別に刷新感なんて必要なくて、どんな政策が日本にとって正しく、そして必要かを論じ、実行してくれる人であればどなたでも良いんですけど。
果たしてあの5人の中にいるんでしょうか。
「日本がこうなった原因は〇〇だ、だから△△すれば全て解決する」
というようなわかりやすい話をする人はとかく人気者になります。
しかし、政治ってとても複雑なもので、些細なことで大きな変化が出てしまう例えとして、
「北京で蝶が羽ばたいたらニューヨークでハリケーンが起こる」という話があります。
だから政治家でワンフレーズ、キャッチフレーズを得意とする人は信用しちゃいかんと肝に銘じているんですね。
複雑な話は複雑なまま、あらゆる可能性を考えながら事を進めるべきだと思うんですね。
「話は簡単だ」って考えるととても楽なんです。
だって、難しく考えなくていいから。
そして、複雑な話を単純化することで「陰謀論」との親和性が非常に高くなります。
悪い奴(邪悪なもの)を設定することにより、諸悪の根源がそいつになるわけで、これを排除すれば物事は解決するっていう話は古今東西いくらでもありましたね。
ナチス、マッカーシズム、移民、外国人、財務省etc。
2025.09.13 連休、何しよう
石破さんが辞めてしまいます。
自民党の歴代首相と比べ、自分の言葉を持ち、日本語が通じるお方だったんですが。
前の安倍、菅があまりにもひどかっただけに…。
裏金議員、旧統一教会議員を一掃してくれていたら政党支持率は爆上がりだったに違いない、って。
叶わぬ夢となりました。
伊東市、兵庫県といい、政治の劣化(政治家の劣化)が甚だしくて、地元の皆様は大変です。
でも、そういう方を選んだのも地元の有権者なんですけどね。
セクハラで辞任した町長が議員として復活というところもあって、そこの町民にもあきれ返ってしまいます。
モラルとか良心とか正義とか、我々が本来大事にしていたものは、経済の衰退、国力の低下、国際社会でのプレゼンスの低下と共に失われてしまったんでしょうか。
「日本をとりもろす」と威勢の良い発言をしていた方はもういません。
結局、取り戻すべきものが何だったのかは僕らには分からずじまいでした。
ガザやウクライナを始め、世界はひどいことになっているのに、政局に明け暮れていられる日本ってなんだかとても平和なんですね。
今の政府自民党は国際的に日本国として何か発信するでもなく、国民向けに何かをやってくれるわけでもありません。
田崎さんが訳知り顔で次の自民党総裁を予想するのをこの後1か月くらい見せられるんですが。
もっと大事なことを議論してほしいって願っているのに、政治屋さん達の醜態を生暖かく観察するほど暇じゃないんですよね。
勘弁してほしいです。
それでも、夏休み以来の連休で気分はウキウキ。
少し秋の空気も感じられてきました。
ただ、特に予定もなく世界陸上でも見ることになりそうです。
今回、TBSさんが全面に立って盛り上げていますが、ここは日本人ファーストではなく、世界の凄いアスリートを中心に放送してくださることを期待しております。
2025.09.07 メール
9月に入りました。
外が暑いのは変わりないのですが、うちの待合室だけはひんやりと、閑散としています。
今週はとても暇でして、患者さんとお話しする時間も多く取れました。
昨日だって、発熱外来は時間通りに始められたくらいです。
(いつもの土曜日は一般診察の方が多いので発熱外来は後ろ倒しになってしまいます)
いつもより暇なこんな時こそ読書をするに限ります。
書店で面白そうなものをあれこれ探すことは格好の時間つぶしになるし、思いがけない出会いもありますから。
最近、前情報なしで買って面白かった2冊。
「禁忌の子」(山口未桜)
「不等辺五角形」(貫井徳郎)
その他にも村上春樹作品を読み直したりしています。
さて、以前にも増して詐欺メールがわんさかと送られてきます。
一日で100件くらいのメールの殆どが詐欺に纏わるメールでして、即ゴミ箱行きですが。
以前、県の医師会からの重要なメールを誤って消去してしまったことがありました。
後日、
「まだ届いていないんですが。」
と電話で問い合わせたところ、
「〇月〇日に送ってますよ」とのこと。
迷惑メールと一緒にゴミ箱に入れていたみたいです。
最近の迷惑メールは証券会社、ANA、銀行、宅配便、アマゾン、ETC、JR(えきねっと)等々からです。
僕は株取引はやってないしETCカードも持ってないし、えきねっとにも登録してないからなあ。
アマゾンは年に1回利用するかどうかだし、内容なんて確かめもせずに即消去しております。
そしてついに警察庁からも、「逮捕しちゃうぞ」というメールが来ました。
あなたはマネーロンダリングの疑いがあります。
保釈金として150万円を指定された口座に支払ってください。
9月5日までに送金しないと資産は凍結され、あなたは逮捕されます。
怖いですねえ、逮捕されちゃうんですって。
もし、突然の休診があった場合、僕は逮捕されたって思ってくださいな。
しかし、こんなものに騙されちゃう人もいるんですよね。
皆さんもご注意を。