独り言


2022.12.28  今年のニュース
今日が今年最後の診療日。
最終日は半日で終了して、掃除に洗濯に書類の整理を終えたらみんなでお弁当を食べて今年一年を振り返る、というのが恒例となっています。
最終日っていうのは患者さんも少なく、のんびりムードで終わるのを常としています。
僕は皆さんが帰った後で納品書を仕分けしたり、1年分のデータをファイリングしたり一人寂しく仕事をしていましたらあっという間に夕方になってしまいました。 

ここで今年を振り返るとしましょう。
コロナも3年目で、特に大きなイベントも催すこともなく、淡々と時が過ぎて行きました。
職員旅行も納涼会もなし、何かあったかなあ? 

まずは当院でもコロナワクチンの接種を始めたり、発熱外来を本格始動したり、僕も含めスタッフが忙しくなるようなことをやりましたね。
守りから一気にカウンター攻撃を仕掛けた感じ?

これによるダメージも受けましたが、それなりの成果は出ました。 

他には産休・育休のスタッフが無事に戻ってこられたことは良いニュースかな。
全くブランクを感じさせず、それにも増して責任感を身に纏った姿で働いてくれています。  

個人的には体が痛みやすくなったことは悪いニュースでしょうか。
五十肩にテニス肘に指の腱断裂もあったし。
全て整形外科的な疾患で、年を取るというのはこういうことなんでしょうか。
内科的な疾患は今のところ重篤なものはないみたい。 

そうそう、自分が年を取るだけではなく、スタッフもそしてその家族、親も同時に年齢を重ねていくわけで。 
これからは介護や看病のために休職、退職せざるを得ないケースもでてくるんだと思っています。 

そして、今年一番大きなニュースは父を亡くしたことでしょうね。 
18で実家を離れて40年。
30歳くらいまでは殆ど帰省もせず、その後も年に12回ほんのちょっと戻るだけ。
開業してからは盆と正月に1週間の休みを取って顔を見るくらいにはなりましたが。
こちらとしては同居するという選択肢は全くなく、親も案外ドライな考え方をしていた様子でした。 

いよいよ具合が悪くなって、面会に行こうにも週末しか日程の都合がつかず、入院して亡くなるまでに会ったのは2度だけ。
そのうち1度はオンライン面会というものでした。

当然ながら臨終の場に立ち会うことはできませんで、これは最初から覚悟していましたが、看取ったのは母一人。
お通夜は省略し葬儀は家族葬、それも日曜日にしてもらい、土曜の午前診療を終わらせてから帰省するというものでした。
そして月曜日には通常診療を行っていました。 

親と一緒に暮らすのはほんの一時です。うちの家族は妹も東京で暮らしているので両親はずっと田舎で2人きりで80過ぎまで過ごしてきたんですね。
親不孝なのかもしれないけれど、自分たち子供も両親も何だか知らないけれど「そんなものだ」と割り切っていました。
「こういう仕事していれば仕方ないよ」とお互いが分かり合えていたみたい。
両親からは「子供たちに迷惑をかけないように準備をしておくね」とよく言われたものでした。 

僕は喪主にはなりましたが、全てお膳立てされていて、確かに全く迷惑をかけられなかったし、死後の手続きで何度も役場に行くこともありませんでした。
母一人で全て完結していました。 

恨み言、泣き言一つでもあれば…。
また違った人生もあったのかなあ。  

♪♪キャッチボールをしたり 海で泳いだり
     アルバムにだって貼り付けてあるんだもの
     ちゃんと覚えてるんだ ちゃんと覚えてるんだ
     ちゃんと覚えてるんだ こんなに
     ドライブに出かけたり お小遣いをくれたり
     たまに口喧嘩したり すぐに仲直りしたり
     ちゃんと覚えてるんだ ちゃんと覚えてるんだ
     ちゃんと覚えてるんだ こんなに  ♪♪      「あんまり覚えてないや」 by Mr.Children 

僕はこの歌を聞くと決まって若かりし日の父を思い出し、しんみりとなります。 

それでは、また来年。

2022.12.25  墓碑銘2022
今年も何人もの思い出深い方々を失いました。
ご遺族の方でなければ個人が特定できないように配慮して書きます。 

B型肝炎の方でデータは正常をキープしていたのですが、肝臓癌ではなく胆管癌を発症してしまいました。
凄くアグレッシブで常々健康管理には気を使っていました。
外来では、「先生、私ね、○○しているのよ、今度△△しようと思うの」
なんて元気な声でお話ししていたことが思い出されます。 

C型肝硬変で治療によりウイルスは排除されて経過観察をしていた患者さんです。
定期的なエコーで怪しげなものがあるので、基幹病院へ紹介したところ、肝臓癌の他に大腸癌が見つかりこれが命取りとなってしまいました。
奥様と二人三脚で治療(化学療法)に向かわれていたのですが、残念な結果に終わりました。

ウイルスが排除されてからの発癌は当院でも何例か経験していまして、その中の一人でした。
ご本人、奥様ともとても良い方でした。 

・農業に従事している方で、よく農作物の話をしてくださっていた患者さんです。
市場経済、農協、同業者との関係など農家が抱える問題点を細かく教えてくださいました。

後継者がいないため持病を抱えながらも働かなくてはならず辛そうでしたね。
呼吸器疾患もあったのですが、最終的には悪性腫瘍の再発だったそうです。 

90歳を超えた高齢男性。
認知症でしたが、いつもニコニコ。娘さんと一緒に受診されていました。
デイサービスでも可愛がられていたそうです。
しかし、認知機能の低下とともに感情の不安定さも増してきて、次第に嚥下機能の衰えも進み誤嚥性肺炎を繰り返すようになりました。
肺炎と言うより老衰という状況だったんでしょうか。
 

・アルコール性肝障害でお酒が止められない男性。
食べ物が詰まるとのことで内視鏡検査を行ったところ、食道癌。
合併症はありましたが、無事に手術も終わり再び通院されるようになったのですが、別の病気で亡くなってしまいました。
外来には奥様と同伴していて、
「先生からもお酒をやめるよう言って聞かせてください」と何度も言われてましたね。 
その時は言うことを聞いてくれるのですが、すぐに元に戻ってしまいます。 

「お酒は飲んでないよ」
「焼酎は飲んでるけど(ニヤリ)」
という返しが思い出されます。 

最後に、生死は不明ですが、とても切ない別れ方をした方を。
前の病院からのお付き合いでしたから20年以上でしょうか。
日本舞踊のお稽古に励んでおられ、ご主人を亡くされた後も隣県に住む娘のところに行って孫の面倒を一手に引き受けていた女性。
「あの子も仕事をしていて大変なのよ」と仰っていました。
「あの子」とは僕は一緒に仕事をして、食事をしたりしていましたから良く知っています。
ある夏の日の夕方、自宅の庭で倒れてしまい、誰にも発見されず、朝になって漸く救急搬送されました。 

それを知ったのは介護保険審査の資料でのことでした。
僕は介護保険審査の委員をやっていて、たまたま審査会でこの方らしき資料が回ってきたんですね。
年齢、病歴、服薬内容が合致し、彼女が外来に来なくなった理由と現状を把握することができました。 

状況からは再会することも会話することも難しいと思われます。
生涯学習センターで日本舞踊を披露している姿、覚えてますよ。

2022.12.24  クリスマスイブ
毎年この時期になると決まって耳にする定番の曲ってありますが、今年も何度も聴きました。
そして「ああ、もうそんな時期か」って改めて思い知るわけです。 

あれとそれと、そういえばあの曲もって。
皆さんそれぞれ思い浮かびますよね。
今朝はFMでワムの「ラストクリスマス」が色んなヴァージョンで流れていました。 

僕の場合、達郎のアレとまりやさんのケンタッキーのCM曲はお約束で、それに桑田さんの3曲かな。
「白い恋人たち」
「クリスマス・ラブ」
MERRY X’MAS IN SUMMER 
3番目のは季節外れではありますが、何だか幸せな気分に浸れる一曲です。 

他にもユニコーンの「雪が降る町」もいい感じ。 

今週、ある患者さんが「ちょっと早いけれど」と手作りの大きなクリスマスケーキを持ってきてくださいました。
当日いたスタッフと僕と、そして顧問税理士さん(丁度その日が訪問日だったので)で美味しく頂きました。
女性スタッフは皆さんおうちに持ち帰って食べたと思うのですが、
税理士さんは午後からの訪問だったので、中年男子二人が診察室でケーキを食べていました。
「美味しいですね」なんて言いながら。  

クリスマスが終われば今年もカウントダウンとなります。
今週、コロナワクチンも終了しました。
そしてインフルエンザワクチンも冷蔵庫の中にはあと数本を残すのみ。
今年も終わりが近づいてきました。

2022.12.18  大掃除
大掃除の季節です。
何もこんなに寒い時に冷たい水を使ってやることもなかろうに。
と思ったのですが、窓ガラスの掃除は僕の分担ですから仕方ないです。
休みの時にやるしかないので。

今週、院内の掃除をやってもらい、凄く綺麗になりました。
掃除をしてもらっている間に買い物に行ったり食事をしたり、全てが終わる頃はすっかり日も沈んで…、
と思ったら思いのほか早く終了。
「何で?」って聞いたら
「今日は3人でやったから」だそうです。
手持ち無沙汰で本を読んだりテレビを見たりして夕方にご帰宅。 

新型コロナワクチンの値段は財務省の発表だと一人当たり約9600円だそうです。
通常の時間帯にクリニックで接種した場合、自治体からは一人当たり2070円プラス消費税分を頂けます。
僕の仕事は患者さんへの問診、診察くらいで、事務さんがカルテを作り、看護師さんが薬を詰めて、接種をしている一連の作業の手数料がその値段なんですね。
当然、自治体の職員の膨大な作業(予診票の作成、送付、予約管理、システムの構築、運用など)には多くの費用がかかったことでしょう。
それに大規模接種会場を設置、運営していましたからここにも多くの費用が使われたと思っています。
そんなことを考えながら一人9600円って…。 

そして、コロナワクチンも国の全額負担を見直そうという話が出てきているようです。
莫大な国家予算を使いましたからねえ。防衛費も捻出しなくちゃならないらしいので。
(今回もタバコ税が標的にされたのですが、喫煙者って何一つ文句も言わずに税金を払ってくれる国思いの方々なんでしょうか) 

仮にインフルエンザワクチンと同じように一部補助が出たとしても自己負担は数千円くらいになるのかなあ。
今年だけでも3回打ったんですけど、自己負担ありでどれだけの人が接種するでしょうか。 

 

そうそう、内視鏡洗浄機と洗浄液の話題が今週の新聞に出ていました。
JJ(ジョンソンエンドジョンソン)とASP JAPAN 合同会社の件です。
どういったことかを簡単に説明すると、
内視鏡洗浄機(JJ製)本体がここに入れる洗浄液はASP JAPANの製品しか受け付けない仕様になっているということが独占禁止法に違反している疑いがあるので調査に入ったというものです。

これについて僕は今年の1月にここで言及したことがありまして、何だかモヤモヤしていたものでした。
だって、洗浄機を買ったが最後、洗浄液は1社からしか買えないってあんまりでしょう。
他のメーカーの洗浄液は入れられないから洗浄液のメーカーが値上げすると言えば従うしかないんですよ。 

以前もこのメーカー(JJ)と保守契約をするときに、「純正品を使っていない医療機関とは保守契約は結べません」と言われました。
その時は、「純正品を使わずに機械が壊れたとしてもそこまで責任が持てないって言うのもありなのかなあ」と
純真無垢な心で対応していました。
今考えるとそれも独占禁止法に抵触する事だったんでしょうか。 

消費者は泣き寝入りするしかないっていうのはとても癪ですから、この件については是非とも鉄槌を下してもらいたいものです。

2022.12.10  流行語
明日の日曜日は県議会選挙だそうです。
10月から11月には自動音声による世論調査みたいなものが何度も家の電話にかかってきました。
無作為に選んでいますと言いながら3週連続で日曜日の夕方にかかってきたのには苦笑いでした。
そして、今度はクリニックにもかかってきたんですね。
朝の割と忙しい時間帯(7時台)だったのでお相手はできませんでした。
それに牛久市民じゃないから僕の適当な回答が調査の結果に悪影響を及ぼしてはいけないだろうという配慮も働いたんですね。(本当かなあ)

元来、電話による世論調査って余程暇じゃないと相手をしたくないものです。特に自動音声っていうのは何だか馬鹿にされているような気がしてならないものですから。
何で機械相手に時間を費やさなきゃならないの?っていう気持ちになっちゃうんですね。
きちんと人間の声で電話をしてくれれば無下に断ることもしませんが、コンピューター相手に真面目に答える気にならないのは皆さんも同意してくれるのではないでしょうか。
しかし、日曜日の夕方というタイミングは3分から5分くらいなら付き合ってもいいかなっていう心の余裕があったものですから律儀にボタンを押していました。 

この調査が何の役に立つのかは分かりませんが。

そんな中、県の医師会からは何だか訳の分からない要請(FAX)があったんですが…、速攻でゴミ箱行きでした。
自動音声並みにたちが悪い、お願いするなら直接電話してくれよって。  

ユーキャンの新語流行語大賞には毎年注目していますが、今年は「村神様」だって。
流行語って、みんなが口にするような耳にするような言葉であるわけですよね。
勿論僕は「村神様」をスポーツ紙で頻繁に目にしていましたから充分認識していましたし、苦々しくも感じていました。
しかし、これを多くの国民が「流行語」と感じていたかと言えば、「うーん」となるのではないでしょうか。
かねてより野球関連が多いのは知っていますが、これはあんまりではないのかなあ。

以前も「神ってる」、「トリプルスリー」という一般人からすると「何それ?」っていう無理やり感丸出しの大賞もありました。

今年、安倍さんの件で大きくクローズアップされた「旧統一教会」が挙がらないのはやはり大人の事情ってやつなんでしょうね。
10個の中に「宗教2世」が申し訳程度に入っていましたが、これは本質ではないでしょ。

2022.12.04  師走
一気に寒くなりました。
冬に突入した感じですね。
12月は公私とも忙しくなるもので、毎週木曜日には何かしらの用事が入っていて、週末にも何かしらのお楽しみがあって。
そんな毎日を過ごしているとあっという間に冬休みに入ってしまうような感じです。 

5回目のコロナワクチンも漸く折り返しに入りました。(うちは12月一杯で終了なので)
かかりつけの患者さんから「予約が入らない」と何度も言われましたが、僕にはどうすることもできません。
市への電話は全く繋がらず、直接保健センターの窓口に赴いたりしているそうで、本当に大変な思いをしている様子を耳にします。
インフルエンザワクチン並みに、「いつ来られてもすぐに打てるよ」っていうシステム(ワクチン)になることを…、って無理でしょうね。 

そして、新型コロナも2類相当から5類に変更されることが現実味を帯びています。
ということは、どこの医療機関でも診ることが可能(というか、診なさいと言ってます)となるわけです。
5類になれば、これまで「発熱外来」と称して感染予防対策(ガウン、手袋、フェイスガード)をして駐車場で診察していたものを全て取っ払っていいよということですね。
これを国民がきちんと受け入れることができるのであればすんなりと5類に移行することも可能だと思います。
待合室でゴホゴホ咳をして、額に冷えピタを貼っているような患者さんがいても別に構わないよっていうことですから。
コロナが5類になってもこれまで通りに、「導線を分けろ、診察時間帯も分けろ」となったら、小さな診療所では
「やっぱり発熱している患者さんは診られません」となるんじゃないのかなあ。 

また、インフルエンザと同じ扱いで良いのなら病院でもコロナ病床を設けないことになりますよね。
だって、これまでインフルエンザ病床なんて設けておらず、インフルエンザで入院する場合は個室管理するくらいでしたから。
面会もOKで、職員は特別の人員配置も不要になります。
一般病棟の個室にコロナ陽性者がいる状態で良しとされるわけです。 

しかし、「コロナの患者さんは別」とするのなら医療現場の負担は今までとそんなに変わらないような。
医療費については公費の分がなくなることで財政の負担は減りますが、医療提供側はこれまでと同じやり方(スタッフの配置、設備、材料)となると、
「手間暇かけてもリスクに見合うだけの報酬が得られないのであれば発熱外来なんてやってられないよ」っていう声が出てくるかと思っています。 

2類から5類へ」って簡単なようですが、ちょっと考えただけでも結構大変だと思っていて、
いつまでもマスクを外さない国民と外させない社会(忖度にまみれた、空気が支配する日本社会ね)に対してこういった問題についての合意形成ができるとは思えません。
 

経済の専門家やら勇ましい医療の評論家の先生方は「すぐにでも5類にできる」と仰いますが、なかなか難しい問題を孕んでいるように感じています。 

で、今週はいつものところでいつものメンバーで忘年会でした。



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