独り言


2022.05.28  薔薇
「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」ではないのですが、
花瓶に挿した薔薇の花はあっという間に萎れてしまいました。 

今週、待合室にほんのちょっとの間だけ綺麗なお花を飾っていました。
これは患者さんがご自宅で育ててあるものをわざわざ早朝に持ってきてくださったものでした。 

診察室での何気ない会話の中で、
「今年も綺麗なお花が咲いていますか?」と尋ねたのですが…、
「今度持ってきますから」と。
決して催促したわけじゃないんですよ。 

以前、その方のお宅の庭を見に行ったことがあって、薔薇をはじめとして綺麗なお花が見事なまでに咲き誇っていました。
クリニックではほんの34日の間だけでしたが、心を和ませてくれるプレゼントでした。 

2022.05.21  マスクの外し時
さて、いつからマスクを外す生活が戻ってくるでしょうか?
先ごろお国から指針なるものが発表されていましたが、そう簡単にはいかないように感じています。
また、外国からの観光客も徐々に受け入れ人数を増やしていくそうで、このこともマスクをするしないの議論をする上で非常に重要なポイントになると思っています。 

欧米では(出羽守のようで申し訳ありません)既にマスクを外した生活が日常のものとなっています。
そういう国からの観光客が今後日本にやってくるわけです。
当然、マスクをしないであちこちを巡るんですよね。
電車やバスを使うでしょう、観光地ではおしゃべりもするでしょう、土産物屋にもレストランにも入ってくるでしょう。
彼ら、彼女らが日本人のようにこまめにマスクをつけたり外したりするのであればそれ程のトラブルも生じないと思いますが、凄く心配ですね。
(どうなるのか見ものっていうのが正直な感想です)

日本ではマスクをするのがルールだと事前にアナウンスされているでしょうが、
「ホヮイ、ジャパニーズ?」、「マスクナンテ、イミナイヨ」とはならないんでしょうかねえ。 

日本人同士、若しくは中国や韓国や東南アジア系の人が相手なら、
「お客さん、ここではマスクをしてください。しなければ入っちゃダメです。」
なんて強気に出るであろう店員さんや、
「そうだそうだ、帰れ帰れ。」と一気呵成に喚き散らす周囲の日本人も、
欧米人が相手となると、さてどうなるんでしょうか。 

マスクをしている人としていない人の小競り合いもあちこちで見られるかもしれませんね。 

日本人は自分で決めることを大層苦手にしているので、まずは政府のお墨付きをもらって、その上で外圧(外国人観光客)に頼ってマスクを外す人を増やし、最後は、
「もうみんなマスクを外していますよ」
と、テレビ(ワイドショーの類)に声掛けをしてもらってからやっとでマスクなしの生活に戻るんじゃないかと思います。(外れても責任は持てませんけど)  

今日の外来での事。
診療開始して約2時間、ひたすら男性患者さんばかりでした。
サラリーマン外来(会社員外来)と言うんでしょうか、高血圧、高脂血症、高尿酸血症、糖尿病のオンパレードでした。
初めての女性患者さんは10時半を過ぎて11時前だったような。

2022.05.14  セルフ
GWが終わり、何とも言えぬけだるさを感じているこの週末でした。
このところ雨が多く、湿度が高くてそんなことも影響しているのかもしれません。
南の方では既に梅雨入りしているのですが、今年は本州も梅雨入りが早いのかも。 

例年、5月はクリニックの窓を開け放して鳥のさえずりを聴きながら診療するというのが習わしでしたが、今年はそうもいかないようで、今日なんかはずっとエアコンのお世話になりました。
しかし、意外に梅雨って好きなんですよね。
「雨音はショパンの調べ」、「雨のウェンズディ」、「雨に唄えば」、「雨にぬれても」なんて曲を聴きながらアンニュイに過ごす午後ってなんかとても良い感じです。 

今さらながらなんですが、今週セルフレジっていうものを初めて体験しました。
セブンイレブンでは支払いを機械で行うことが一般的になりました。
以前ナナコカードをもらったので持っていますが、使うことはまずありません。
ファミリーマートでは店員さんに現金で支払っているし、本屋さんもそうですね。
どこでも現金払いで、今手元にあるお金しか使わないを徹底しているからでしょうか。  

今回、久々にカスミでお買い物をしたのですが、完全なるセルフレジになっていました。
訪れた時間帯が遅かったので店員さんのレジが終わっていたからかもしれませんけど。
自分でバーコードを読み取らせて、最後に現金を入れるというシステムでして。 

僕はアナログ人間を自負していますので、このセルフレジって本当に苦手というか、嫌なんですね。
だからできるだけセブンは利用せずにファミマで買い物をするし、未来屋書店でも店員さんのいるレジに並んでいます。 

何が嫌かって?
多分、笑われると思いますが。
消費者って、欲しいものがあるからお店に行ってお金を払って商品を購入するわけですよね。
買い物をして、支払いをして、最後に、
「お買い上げありがとうございました」
という流れがあるわけで。 

陳列している商品を購入して、誰もいないレジで自分で清算して、そのまま店をあとにする。
まあ、合理的でスマートな消費活動ですよね。 

個人の考え方だからどっちが良いとか悪いとか言うつもりはありませんが、好きか嫌いかの違いだけでしょう。
商品と金銭の交換だけであればそこにお店の人の介入は不要なんでしょうね。
お客さんがそれでいいって言うんなら何の問題もありませんが、今どきの消費行動と言えばその通りでしょう。 

ガソリンスタンドでも今はセルフが大多数です。
店員さんが入れてくれるスタンドは滅多にありません。
違いはガソリンの値段ですよね。人が入れてくれるスタンドはセルフのスタンドより幾分高く設定されています。 

もし値段が一緒ならば店員さんの人件費はゼロっていうことになりますから。 

さて、スーパーのセルフレジ。
お客にバーコードを読み取らせて、お客に機械を操作させて、どうして割引はないんだろうって不思議に思わないんでしょうかねえ?
だって、レジ担当の人件費を削減するために導入した機械でしょ。 

僕が古い人間だからでしょうか、
こういったシステムを導入する行為って、店が商品を「売ってやってる」という感じがしてならないんですね。
店を出る際に、「ありがとうございました」も「またのご来店お待ちしております」もなく、機械で全てを完了させるシステムに嫌悪感を抱いてしまいます。 

そんなうるさいお客に向けては、機械から「またのご来店を心よりお待ちしております」って音声が出てくるかもしれません。 

必要な時に必要なものを手に入れることができれば何の不満もないし、相手からの感謝の言葉なんて必要ないし、
自分も感謝の気持ちを表すこともしないっていう関係性が普通になってくる社会がもうすぐそこに来ているんじゃないかと、夜8時過ぎに訪れたスーパーで感じたことでした。

2022.05.07  若葉の頃
家を出る時には曇っているだけの空から突然激しい雨が降ったり、日差しが差し込んだり。
そして、今日は一年に一度あるかどうかの暇な土曜日。
そのおかげでサンデルさんの難しい本もじっくりと読む事ができました。

5月のこんな雨の日にはこんな歌を。
  ♪♪思い出せる すみずみまで
  若葉の繁る頃に 予測できない雨に とまどってた♪♪  「若葉」 by スピッツ

  

岸田さんが英国で凄く雄弁に経済政策を発表したというニュースを目にしました。
ミスター遣唐(検討)使かと思っていましたが、流石、やる時はやる男の面目躍如でしょうか。 

日本に投資して欲しいとか、新しい資本主義についても言及したとか…。
それを何故国内で言わないんだろう? 

具体的な中身としては、国民の貯蓄を吐き出させて投資に向かわせるとか、原子力を活用するとか。
総理の言う新しい資本主義って「成長と分配」というのが目玉だったように記憶しているんですが、いつの間にか「分配」はどこへやら。
何だかアベノミクスの焼き直しみたいになっています。 

前の政策をきちんと総括しないから同じような政策を出してくるんじゃないのかなあ。
前の政策はここがダメでしたって言うと、前任者を否定することになるから言いにくいのはわかりますが、個人のメンツよりも国の行方を大事にしてほしいものです。 

今週は俳優の渡辺裕之さん死亡のニュースが大きかったですね。
やっぱり「愛の嵐」ですかね。
大学時代だったんですが、何故か昼ドラを見ていたんですね。(不思議だなあ)
田中美佐子さんが綺麗で、彼女を見るためにドラマを見ていたのかも。

2022.05.05  立夏
GWが終わりました。
連休の後半は天気が良く、皆さん時間を有効に使ったのではないでしょうか。
僕は少しばかりの庭の草取り、読書、保存期間を過ぎた書類の裁断の作業などに充てまして、今年のGWが有意義だったのかどうかはちょっと懐疑的ではありますね。
そうそう、診療もたっぷりと行いました。
そして、海の日まで連休がないかと思うと少し寂しくなります。 

今日は子供の日だったのですが、日本はコロナの影響だけではなく、一貫して少子化が進行しています。
政府は少子化対策として色々と手を打っているのですがどうも的外れというか、その対策の効果が出ていないように感じています。

根本的に若い時は低収入であることは今も昔もそう変わらないと思うんですね。
しかしこれに加えて、結婚をすること、子供を産むこと、子育てをすることといった一連の流れが若い人にとっては非常に辛く、困難を伴い、
そしてコストパフォーマンスが悪いことのように感じられているのが原因ではないかと思います。

特に最近の若い方たちは非常に損得を重要視する傾向があるように感じています。
今どき「損して得とれ」なんて言葉は通用しませんから。 

僕らが決してそうでなかったとは言いませんが、愛とか恋よりも「その人と結婚して自分は今より幸せになれるの?経済的に裕福になれるの?」
という心情が強いように感じています。

結婚についてがそうであるように、子供を持つことに対しても非常にハードルが高くて、特にキャリアのある女性は出産、
子育てにより自己実現が中断、途絶する危険性がありますから愛情の有無だけで結論付けられるものではないんですね。

そこに経済的な補助政策も重要ですが、全て金で解決するものでもなくて、社会のシステムや世間の目(親世代、男社会からの)が変わらなければ
若い人たちが結婚や子育てに対する希望を抱くことは難しいのではないかと思います。
 

話が横道に逸れますが、コスパを重視する傾向っていうのはいつごろからなんだろう。
僕はバブルが終わって、日本が本格的な低成長時代になってからのような気がしています。
心にも時間にも、そして懐にも余裕がある時にはコスパが良い悪いなんて、せこいことは言わなかったと思います。
しかし、その3つのうちどれかが欠けてくると、途端にコスパ、コスパと言い出すんですね。
時間の経過が非常に早くなって、短期で成果を出す、投資したものを回収する必要に迫られると、最小の努力や投資で最大のリターンを生み出すことに躍起になります。
少し長い目で物事を見よう、今は損していても将来儲かる(役立つことがある)かもしれないなんてことを誰も許してくれはしません。
だから、若い人もすぐに身に付いてすぐに役立つ学問、技術、研究へとシフトしていくのは無理からぬことです。

人材の育成についても、早熟で、コミュニケーションに長けた、何事にも聡い、合理的な考え方をするような若者が「使える」と称され、
少し鈍重で、能力の成長スピードが遅めの若者は、最初から能力不足の烙印を押されてしまうんではないかと思います。

即ち、今の時代「大器晩成」の若者は殆どいないということになります。 

若者もその辺をちゃんと察知していて、コスパの良い人生を選ぶことになります。
買い物は当然のこととして、仕事を選ぶ時も、教育を受ける時にしても、そして結婚に至ってもやはりコスパの良い相手を選ぶのは当然ですよね。 

できるだけ若い人が楽しく、人生に希望を持っていけるような未来になればいいんですけどね。
そうすればもう少し子供が増えてくるんじゃないかと思っています。



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