独り言


2020.04.28  やってる感
「スピード感」という言葉、どうももやもやします。
特に岸田さんが仰るのを聞くと、全くスピード感が感じられません。
取り敢えず「やってる感」を出すことが重要で、仕事が全然進んでないけど頑張らなくっちゃいけないっていう決意表明のように受け取っています。 

そもそも「スピード感」って変な言葉でしょ。
「スピード感を持って物事に臨む」という言葉を冷静に見つめると、
「感」というのは受け取る側の感じる相対的(抽象的)なもので、絶対的に「速い」って言ってるわけではないんですね。
本来なら「早急に」とか「素早く」進めますって言えばいいところを、「スピード感」なんて変なフレーズでごまかそうとしているんじゃないかと思うんですね。 

今週の経済紙でも医療崩壊が叫ばれているのですが、これは徹底的に無駄を排除してきた副作用がここにきて顕在化したのではないかと思っています。
行き過ぎたグローバリズムにより、無駄な病床、無駄な人材、無駄な医療費だと言って切ってしまったことが今回の医療資源不足、医療崩壊の一因となったのでは。
それと同時に医療費は常に財務省の目の敵にされていましたよね。


在庫を抱えておく、万が一のために備蓄しておく、人員に余裕を持たせておく、そのためのコストには少し目を瞑るっていう考えはグローバリズムには許せるはずもなかったのかもしれません。
医療、教育、警察、消防、電気、水道、ガスなんてものは社会インフラとして重要なものです。
しかし、これをカットしたり、民間に任せようとしていたのが新自由主義者達でした。

選択と集中だ、痛みを伴う改革だっていうのがお得意のフレーズでした。
今、元気な全国の知事さんたちもこういう考えだったと思います。
しかし、何故か今になって大きな政府待望論に趣旨替えしているように感じます。まあ、元々がポピュリスト政党だっただけにさもありなんです。


コストカットをしてスリムにしろ、海外から安いものがいくらでも入ってくるんだったら日本で生産する必要はないって言ってた人たちが、
今さら医療が大事だ、従事者を大事にしようって、「どの口がそれを言う」ってちょっと捻くれてしまいます。
 

もやもやしていること、もう一つ。

自国ファーストはもはや有名なワードになっていますが、最近では自県ファーストみたいな動きが目に付くようになっています。

確かに移動の制限をすることが感染の拡大を防ぐ一番の手立てであることは誰もが認めるものではありますが、県境に関所のようなものを設けて体温チェックをしたり、
県外ナンバーの車に嫌がらせをしたりと、とてもいやーな感じ。

他県の人は入ってくるな、迷惑だって。

そのうち、この動きが市町村にまで広がってくるのではないかと。

「〇〇市は感染者が多いから、〇〇市の人は来ないでくれ」とか言ってね。 

また、お店でも過剰反応とも思える処置を講じてくるし、とてもげんなりするんですね。 
例を挙げますと、トレーでの現金の受け渡し。
仮に僕がコロナ感染者だったとします。
財布から1000円札を出してトレーに乗せます。
店員さんはそれを手で触り、お釣りをトレーに戻します。

結局ウイルスの付いている可能性のあるお札を触るんですから、直接僕からお金を受け取ることと変わりはないと考えないんでしょうか?
 

逆に、店員さんが無症状の陽性者だった場合でも同様です。
レシートや釣銭を触ればいくらトレーでやり取りしても感染するでしょうに。

感染対策を「やってる感」を出しているだけかも。

2020.04.25  GW前
もうすぐゴールデンウイークです。今年ばかりは予定なんかあったもんじゃないっていう方が大多数だと思います。
毎年流れていたゴールデンウイーク渋滞情報が懐かしいですね。
そういえば、昨年は九州に帰省していまして、毎日のように常磐道守谷SA付近のあおり運転の映像を見ておりました。 

1年経つのは本当に早く感じられます。 

最近買い物はドラッグストアばかりで済ませておりまして、相変わらずマスク、ハンドソープなどの衛生用品は売り切れです。
先日、ボディーソープやお菓子を買ってレジに並ぼうとした時のこと。
「あっ、空いてるな」って清算しているお客さんの後ろに並ぼうとしたら、ちょっと離れたところに別のお客さんが…。
僕は横入りをしていたようで、「すみませんでした」と言ってその方の後ろに回りましたとさ。
前後の間隔を空けるように線が引いてあったんですね。知らんかったよ。
でも、自分が間隔を空けて並んでいると、僕と同じように空いているスペースに入ってきて来るお客さんはいるんですね。
何だか非常に面倒くさいルールというか、システムが構築されようとしています。 

銀行に行った時も椅子の上に障害物が置いてあって、一つ置きに座るようなシステムになっておりました。
そうなると、満席になった場合、椅子はあるのに立ってなきゃならないんですけど…。
そして、1130分から1230分までの休み時間が設けられていて、午後の始まりにはお客さんが殺到して、それこそ「密」な状態になっておりました。
お店は営業時間を短縮するのですが、来店するお客さんの数が変わらなければ、時間当たりの密度は上がると思うんですが、それでいいのかなあ?
密度を減らそうと思えば時間短縮ではなく、時間延長へ舵を切る方が理にかなっているように思った次第です。 

来るべきゴールデンウイーク、今のうちにDVDを借りたり、本を買ったり、お掃除グッズ、DIYグッズを準備しておかねば。 

最後に。
マスクレディーが来院され、「是非、使ってください」と。

ご自分は大病を患っていらっしゃるにも関わらず。万が一、コロナに罹ってしまうとイチコロなのに。

その他にも糖尿病や慢性閉塞性肺疾患などの持病を持っている方も受診されますが、十分気を付けていただきたいと思っております。

2020.04.19  マスクマン
昨日は朝からの雨で非常に閑散とした外来でした。外出自粛の影響もあるんだと思っています。
その土砂降りの朝一番に、「先生、このマスク使ってください」と言ってある男性が持ってきてくださりました。
箱入り50枚分をポンと。

今、マスクはどこにも売ってなくて、ネットで注文すると1枚当たり70円から100円くらいします。
医師会や協同組合系のルートで細々と物資は入ってきていますが、職員が毎日使えるまでは余裕がないんですね。 

そんな時に、「どうぞ、使ってください」ってわざわざ千葉県から持ってきてくれたことに感謝感激です。
 
また、受診される患者さんたちからは、「先生も大変ですね、頑張ってください」なんて声をかけられることが多くなってきました。
僕自身そんなに頑張っているつもりはなく、普通に診察しているだけなんですけどね。 

感染者に対する差別、誰が移した、どこで移されたみたいな犯人探しっていうのは見ていて非常に悲しいものです。
誰も罹りたくて罹っているわけでも、移したくて移しているわけでもないと思います。

潜伏期が短い病気であれば、最初に発症した人が1番目の患者さんとして考えることは妥当だと思います。
しかし、潜伏期が10日も2週間もあるような病気だと最初に症状が出て陽性と判明した人が必ずしも感染源とは限らないと思うんですけどね。

どういうことかと言うと、真の感染源の患者さんは潜伏期が長くて、移された2番目の患者さんはたまたま潜伏期が短くて5日くらいで発症した場合、
2番目の患者さんが感染源(犯人)だと決めつけられ非難されるっていうことになります。

非常時にはその人の本性が現れるような気がします。
寛容性が失われ、利己的な自我がむき出しの悪意となって中傷や非難の言葉が発せられているように感じられます。

未知のウイルスによる不安感がそうさせてしまうのは仕方のない事なんでしょうか。

現状では自助だけではなかなか解決することが難しい状況で、国による公助も期待したいところです。

しかし、相手はとても渋ちんで、国民から巻き上げたお金はもう全て自分のものっていうつもりなのか、国民が困っていてもなかなか返してもらえません。
だからこそ、ここは共助の精神が必要なのかと思うんですね。

いつか送られてくるであろう国からの2枚のマスクより、雨の中、千葉から車を飛ばしてきてくれたマスクマンに僕は人の優しさ、心の温かさを感じてしまうのです。

2020.04.18  注目スポット
今週、僕の地元が新聞やニュースの話題となっていました。
ファーストレディーが宇佐神宮をご訪問されたようです。

宇佐神宮は通っていた高校の目と鼻の先にあって、高校の正門から坂を下っていくと、ものの5分で着いてしまうくらいのところです。
「全国に約44000社ある八幡宮の総本社」(Wikipediaより)とされています。

高校に入学すると、そこの相撲場に連れていかれ(遠足と称して)校歌と応援歌を覚えさせられたような記憶があります。
また、美術の授業でも行かされまして、下手な絵を描いていたんですね。 

地元民としては観光地としてはそれほど面白みのある場所ではないと思っていたのですが、今度帰省した折にはちゃんと見てくるとします。
大分に行くんだったら、湯布院や地獄めぐりの方がお勧めですよ、昭恵夫人。


最近、コンビニ、スーパー、ドラッグストア等のレジには飛沫をブロックするために透明のビニールシートで
仕切りが設けられています。
うちもそれを見習って受付さんのカウンターに急ごしらえですが、ビニールシートを付けました。
個人的には色々と思うところはありますが、感染対策と割り切っています。

2020.04.12  兵站
「医療崩壊の危機」が叫ばれています。
過去にも色んなパターンがありました。

例えば、
1.医師の数が増えすぎて社会保障制度が崩壊する。(学生の時に社会医学の授業で散々聞かされました)
2.夜間外来にコンビニ受診の患者さんが押し寄せて、医師が疲弊する。
3.凄く高額の薬が保険適応になって、医療費が国の財政を押しつぶす。
4.医療訴訟によって、リスクの高い診療科を目指す医師が少なくなる。

などなど、他にも医療崩壊に繋がるような問題はあったと思います。
しかし、今回のような感染症の蔓延により日本の医療が崩壊の危機を迎えたことは過去にあったでしょうか?
SARSMARS、新型インフルエンザは幸いにも被害は軽微なものでしたけど。) 

今回、これまでの「医療崩壊の危機」なんて、屁でもないくらいのとてつもなく大きな危機が迫りつつあります。
 
現状では病院で一人でもコロナ陽性の患者さんが発生すると、ひとたまりもありません。
濃厚接触者の洗い出し、外来や救急の受け入れ中止、病棟閉鎖、医療スタッフの自宅待機などで病院本来の機能が低下してしまいます。
既に病院では手術や検査が延期になったりしていまして、コロナじゃない普通の病気(変な言い方ですが)の患者さんにも影響が出ているようですね。

先週、いつも患者さんを紹介している医療機関から、
「不要不急の患者さんの紹介はお断りです」、「新型コロナウイルス感染症が疑われる患者さんは診れません」というようなお知らせが来ました。

これは病院にとっても深刻な問題で、
「誤嚥性肺炎だと思ってた患者さんが実はコロナでした」とか、
「心筋梗塞や脳梗塞で救急搬送された患者さんが肺炎を合併していて、コロナ陽性でした」というケースあり得るわけで。

他の病気で治療している患者さんの事もあり、地域の医療を担っている中核病院としてはできるだけリスクを低減させなくてはなりませんから。 

しかしクリニックとしても非常に困ったもので、いつもは気軽に紹介の依頼を受けてくれる救急病院に断られるケースも出てくるのではないかと思っています。
「熱は出ていませんか?」、「コロナの可能性はありませんか?」、「帰国者・接触者外来を通しましたか?」とか。 

どこの医療機関でもマスクもフェイスシールドも防護服もなく、丸腰でウイルスに立ち向かわざるを得ないのが現状ではないでしょうか。
まずは戦う(防御する)武器をくれっていうのが、前線で戦う兵士としての切実な願いです。
 

これまでで最もシビアな「医療崩壊の危機」を目の当たりにしているのではないかと感じています。

2020.04.05  サクラ
朝、家を出る時、公園の桜が自然と目に入ります。その多くは散ってしまっているもののまだまだ綺麗に咲いています。
大勢での花見は自粛要請されていますが、一人で眺める花見まで制約されているわけでもないでしょうから、今朝散歩のついでに撮ってまいりました。



週末の自粛、そろそろ飽きてきてませんか?
職場と家との往復の毎日、休日も外出を避けろって言われていまして、ストレスを発散する術を持っている人はいいのですが。
学校に行けず、遊びにも行けない子供たちも大変だけど大人も困っちゃっています。 

僕の場合、3月から4月にかけてグンと読書量が増えています。
オープン戦から公式戦にかけて既に4試合分のチケットの払い戻しも済ませ、これから残りの3試合分も払い戻しになります。
ホテルもキャンセルしたし、一層、勉強に勤しむことになりますね。

3月からは学会や講演会も軒並み中止となっています。
これを機に学会は全てウェブで配信してくれればわざわざ遠くまで時間とお金をかけて出張しなくて済みます。

多くの会社もテレワークやテレビでの会議を取り入れてきていまして、これまでの働き方が変化してきている様子です。
わざわざオフィスに行かなくてもいいから、朝はゆっくりできるし、上司の目を気にしてサービス残業しなくてもいいじゃないかとか。
上半身だけちゃんとワイシャツ着ていれば下はパジャマでもスウェットでも構わないよねとか、いいことづくめじゃないかな?
ただ、家族に迷惑がられるというデメリットは覚悟しておかなくてはなりません。

「えー、パパ今日もいるのぉ」
「あなたたち、パパのお仕事の邪魔しちゃダメよ」
「ママ、テレビ見ちゃダメなの?」
「パパのお昼ごはんも用意しなくっちゃ、困ったわ」
なあんてね。

在宅での仕事ができる業種もあれば絶対できない業種もあります。
医療業界もオンライン診療というものが俄然注目を浴びてきています。
ただ、オンライン診察に向いている病気もあればそうでない病気もありますので一筋縄ではいかない面もあるんですね。
だって、本人からのお話(問診)と視診だけで病状がわかる疾患ってそんなにあるのかなあ?
血液検査が重要だったり、聴診や触診、それにレントゲンや心電図が必須っていう病気もあるでしょうから。

残念ながら当院ではオンライン診療はやっておりません。院長がアナログ人間だからでしょうか。
但し、今のご時世を鑑みて、安定している病状の場合においては電話再診をやっています。

2020.04.03  粋な計らい
凄いプレゼントを頂くことになるようです。嬉しくて涙がちょちょぎれそうです。
布マスクが2枚。これには全世界が驚いたことでしょう。

同日、医師会から使い捨てマスクが箱入り(70枚)で届いただけに、その格差は殊更でした。
医師会経由のマスクは全てスタッフに使ってもらうようにしたのは言うまでもありません。

そのうち届くであろう、総理からの布マスク。
洗って何度も使える布マスク。給食当番の時に着けていたような、洗うと縮んじゃう布マスク。
もし、僕が外来でしているのを見かけたら声を掛けてくださいね。

「先生、それはもしかして、アベノマスクですか?」って。



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