独り言


2019.12.27  拍子抜けの最終日
今年も無事終わりました。
午前の外来は予想に反して暇で、拍子抜けしてしまいました。
インフルエンザの患者さんもちらほらいましたが、今週初めのころの混雑ぶりと打って変わってとても静かなものでした。
そのため、スタッフの店仕舞いの仕事も順調に進みます。洗濯、棚卸、書類作成、レセプト出しなどは診察終了前から始められました。

院内の掃除が終わり、注文していたお弁当を食べながらみんなのお正月の予定などを聞き、早々と「良いお年を」の挨拶を交わすこととなりました。
一人残された僕はデータの整理やレセプトチェックをしていたのですが、やはり数件の電話がかかってきました。

「高熱が出ていてインフルエンザかもしれないんですが、診てもらえますか?」 

「今日は午前で終了したんですよ、ゴメンナサイ」 

病気は時と場所を選ばずに襲ってきます。
たまたまこんな時期に具合が悪くなったのは誰のせいでもないんですね。
今週、帰省の予定を入れていたのにインフルエンザに罹ってしまって飛行機をキャンセルしなくてはならないっていう患者さんがいて、何ともお気の毒としか言いようのないケースもありました。
以前、「多少具合が悪いけれど、検査をするとインフルエンザと診断されて旅行に行けなくなるから薬だけもらいたい」っていう患者さんがいましたが…。 

この一年を振り返ると、良いことも悪いことも、凄く嬉しいこともちょっぴり悲しいこともありました。
しかし、時は皆平等に与えられ、そして平等に少なくなっていきます。
僕の場合、人生という砂時計に残っている砂は半分以上なくなってしまっていますが、そこにキラキラした星砂みたいなものが混ざっているといいですね。

   やたらマジメな夜 なぜだか泣きそうになる
   幸せは
途切れながらも 続くのです             「スピカ」 by スピッツ

明日から長いお休みに入ります。
いつものように両親の安否確認目的です。生きている間に何度会えるかわからないものですからね。 

来年も皆様にとって良い年でありますよう、お祈りしております。

2019.12.25  墓碑銘2019
開業してしまうと自分でお看取りすることもなくなります。
大体は入院先の病院でお亡くなりになり、後日そのことを知ることになります。
今年も何人もの元患者さんとお別れすることとなりました。(親族の方以外には個人が特定できないように配慮しています)

1人目
膵臓癌の高齢女性。

糖尿病や高血圧で通院していたのですが、データが増悪してきて、ずいぶんちっちゃくなって。
エコーをあててみたら、なにやら怪しげなものが見つかりました。
腹痛がなかったのがせめてもの幸いでしたが、最終的には食事が摂れず、黄疸も強くなり入院後まもなくお亡くなりになりました。
病識に乏しかったのか、元々楽天的だったのかはわかりませんが、辛そうな素振りをあまり見せなかったのは不思議でした。
いつもニコニコ、「なかなか痩せられないんだよ」って仰ってたのが思い出されます。

 2人目
ご家族からの報告で亡くなったことを知らされましたが、とても印象的な元気なお婆ちゃん。
開院当初から通院してくれていましたが、認知機能の低下のため施設に入所され、ここ何年かはお目にかかっていませんでした。
神出鬼没な受診の仕方で、大きな声で同じ話をするんですね。
以前は畑で取れた作物を持ってきてくれていたんですが、それも叶わなくなってしまいました。。 

3人目
この方も長く通院されていたお洒落なお婆さん。
90歳を超えてもハイカラなスカーフを巻き、ブローチをつけ、お化粧をして通院されていました。
耳は遠いのですが、いつもニコニコ。
最終的には心不全でお亡くなりになりました。 

最後
この方も開院以来通院されてくれていた患者さんです。
糖尿病、高血圧や消化器系疾患に加え、整形外科的疾患、心療内科系疾患もありましたので服薬数も多くなっていました。
「私の体のことは芳賀先生が一番知ってるから」というのが口癖で、14年間、ずっと通院していたんですね。
最後の方は疼痛のコントロールできず、抑うつ的な状態となってしまいました。
「痛みが強い」、「血圧が上がった」、「動悸がする」と外来や電話で相談されたりしましたが、なかなかよい解決策を提示できず(除痛、精神的なサポートなど)、
ご本人の不満も蓄積していたと思います。


月に一度の通院に来られないと思っていたところ、弟さんから、
「姉は亡くなったよ、心不全だったって。」
と知らされました。
クリニックへの行き来の途中、ご自宅を目にするたびに心が痛みます。

2019.12.21  流行期へ
今週は予想通りインフルエンザが流行ってまいりました。
近隣の小学校では学級閉鎖も出ております。このため高熱で受診される患者さんにはインフルエンザの検査を受けていただいております。

今のところインフルエンザのヒット率はそれ程高くはないのですが、今日の打率は3割位だったでしょうか?


そろそろ今年の三大ニュースの発表の季節となりました。

それでは第三位
完全にプライベートなことですが、
 「実家の親が倒れる」
まあ、大事には至らなかったのですが、ある日、クリニックに田舎の市外局番で始まる知らない番号からの電話がありまして。
向こうの先生から病状を説明され、「はい、お任せします」と返事。
急遽休診にしたり、GWに予定外の帰省をしたり。
もう年ですから何が起きてもしょうがないんですが、いざ自分の身に降りかかるとやはり動揺しますね。
田舎では車が必需品ですが、免許も返納する時期が来ているんでしょう。

第二位
 「大黒柱を失う」
開院以来一緒に頑張ってくれたスタッフが卒業されたこと。
辛い時も苦しい時も献身的に働いてくれ、ここまでクリニックを育ててくれました。
だから尽くしてくれたお礼も最大限行ってきたんですね。
そして、新しい人生を築くため、そして新しい医療人を教育する仕事を得てここを離れることになりました。
有給休暇も殆ど取らず、ぎりぎりまで働いてくれ、引継ぎもしてくれて、「立つ鳥跡を濁さず」の見本でした。

第一位
 「大型新人現る」
そして、代わりに入職してくれたのは、「ちっちゃいけどしっかりもの」の若手のスタッフでした。
年齢は一気に若返り、僕らと話が合うのかな?って心配しましたが、それは杞憂に終わりました。
経歴も面白いし、感性が違うっていうのも何だかいいですね。
仕事に対して価値観を共有することは大事です。
しかし、生き方とか人生観とか、そういったものの違いを世間話のなかで感じ合うことって、単調になりがちな仕事をしていく中で非常に楽しいものです。

そもそも、採用の際には一人辞める代わりに二人という形態でした。
辞めた一人を二人でカバーしようと目論んでいたんですね。
しかし、そのうちの一人が教職員に採用されてしまったことで、勤務体制に綻びがでてしまいましたが、ここで逆に結束力が固まり見事ワンチームになりました。
「トップダウン」から「ボトムアップ」へっていったところでしょうか。

そして野球で例えると、
ポスティングで山口が出て行ったために菅野に続く先発の柱がどうなるかと思っていたら、意外にも桜井が成長して、新外国人投手のサンチェスが使い物になったっていう図式(判らないだろうなあ)。


来週はクリスマスです。
子どもも大きくなって、自分には全く関係ない行事となってしまいました。
小児科ではないので、クリニックをクリスマスバージョンにすることもありません。
家への帰り道には綺麗なイルミネーションの飾りつけをしているお宅があり、毎年、「凄いなあ」って感心しながら通り過ぎています。
しかし、自分の家にいる人はあのイルミネーションって楽しめているんだろうか?っていう疑問が沸いてくるんですね。


最後に一曲。

 官僚がソンタクロース
 本当はソンタクロース 情報をかかえて
 官僚がソンタクロース
 官邸にソンタクロース 黒塗りのペーパー

2019.12.15  2週間
今年も残すところ2週間余りとなりました。
診療は28日までですから、あと2週間です。

昨日は診察の方が思いの外多くて、結構大変でした。
これまでは予防接種希望の方が多くててんてこ舞いだったのが、様相が変わってきたのもこの時期ならではの風景でした。

また、今年の予防接種については常時ワクチンが確保できていたことで皆様に迷惑をかけることもなく、こちらとしてもストレスを感じることがありませんでした。
決して供給量が多かったわけではなくて、トータルとしては昨年とそれ程変わっていません。
昨年との違いはシーズン初めに
十分な本数が確保できたことではないかと思っています。
業者さんとの連係プレーがうまくいったからだと、彼には非常に感謝しております。 

そして、先週あたりからは
「インフルエンザが流行ってきています」
というアナウンスもあり、牛久市でも局地的な流行が起こっていますが、こちらの方はまだ実感が沸きません。

実際、昨日もインフルエンザと診断された患者さんは5名にも満たない状況でした。
ただ、時間の問題かもしれませんね。 

あと2週間、自分には年賀状、大掃除という任務が残っています。
大掃除については、なんでこんなに寒い時期にやらなきゃならないのっていう疑問もありまして、11月のうちにやっておけばよかったと今更ながら後悔しています。
それよりも普段から掃除しておけば「大掃除」なんて仰々しく銘打って行事化する必要もないんですけどね。 

12月は忘年会のシーズンでもあります。
今年も近くの日本料理屋さんでささやかな忘年会を行いました。
ビンゴ大会もかくし芸大会もなく、全員で集まって飲み食いをするだけですが、職員全員が同時に集まることって年に1度か2度だけなんですね。
(常に誰かが休みを取る勤務体制のため)

今年、メンバーは少し変わりましたが、また来年も同じ顔ぶれで過ごせればいいなと思っています。

2019.12.08  個人情報
寒いけれど晴天だった日曜日、物干し竿の水滴は凍っていました。
洗濯物は乾くかな?
部屋も風通しをよくして、布団も外に出しましょう、ってことでちょこっとの時間だけでしたがベランダへ。
あまり遅くまで干していると、布団が冷たくなっちゃうので、早々に取り込むことにしましょう。

朝のうちに仕事を終わらせて、いつものように達郎さんのサンデーソングブックを聴きながら過ごしておりました。
シーズンオフだからでしょうか、こんな日曜日の午後は本を読んだりゆっくりお酒を飲んだりするのにもってこいです。 


市民の皆様にはあんまり関係ないことですが、今年、牛久市の医師会が分離独立しました。
どこから?
これまでは竜ケ崎市と牛久市の連合軍で医師会を運営していました。
古い歴史的なことは全くわからない新参者ですが、当時の状況は竜ケ崎市が主体で牛久市はこれにくっつく形だったようです。
市の伝統とか歴史の古さとか、それに会員の人数でも竜ケ崎市の方が優勢であったのは確かですね。

しかし、最近では牛久市も人口が増えてきて、医師会に所属する会員数も多くなってきて、竜ケ崎市の会員とほぼ同等となっています。
市からの委託業務や保健業務などは両市で微妙に違っていたりして、行政との関わり合いで分離独立した方がフットワークも軽くなるし、
メリットが大きいんではないかということで、牛久市単独での医師会運営となりました。


これまで属していたところから独立する過程において、イギリスがEUから離脱するような、カタルーニャがスペインから独立するような、
そんな大げさなことではないんですが、ちょっとしたいざこざがあったりして

なぜかその場に居合わせていまして、「大人げないなあ」って感じたものでした。 

で、牛久市医師会独自でホームページを作るという話題。(これまでは竜ケ崎市・牛久市医師会ホームページ)
業者の方を交えての説明会にも参加して、「より良いものを作りましょう」というコンセプトには大いに賛同しています。
しかし、内容に関しては色んな問題が出てくるんですね。

病院のホームページでもよくあることですが、医師の個人情報、プライバシーっていう問題がどうしてもつきまといます。
どこまで開示するか、写真を載せるか、経歴や年齢を公表するのか、諸々ってことです。

公表したいこと、したくないこと、それは各先生によって大きく違っていまして、統一するのは非常に難しいです。
業者の方は統一したフォームで作った方が良いとアドバイスしてくれましたが、なかなか難しいものがあります。
実際、フォーマットに記入しようとしましたが、結局当たり障りのない内容になってしまうんですね。
何だかつまらない。 

だからといって、ラーメン屋の店主みたいに斜に構えて腕を組んでニッコリっていう写真を撮るっていうのもなんだかなあって思ったりして。
自分もその委員に名を連ねているので頭を悩ませています。

個人情報だから公表できませんっていう公文書があると最近知りました。
何かの功績があって招待されても公表されないのは悲しいんじゃないのかな?

2019.12.07  斜塔じゃないよ
12月に入り何だか落ち着かない毎日が続いております。
今週は恒例の院内清掃にワクチン接種の出張だったり、買い物やら支払いに追われたりして。
それに地震が頻繁に起きていることも原因でしょうか。 

今週、PISAの調査結果が話題となっていました。
日本人の読解力が低下している(前回の8位から15位へ)っていうものです。
そもそも「読解力」とは何か?というところから見ていきましょう。

PISAの定める読解力の定義とは、

自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するためにテキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと」
とされています。

そしてここで測定する能力は、

1
)情報を探し出す
・テキスト中の情報にアクセスし、取り出す。
・関連するテキストを探索し、選び出す。

2)理解する
・字句の意味を理解する。
・統合し、推論を創出する。

3)評価し、熟考する
・質と信憑性を評価する。
・内容と形式について熟考する。
・矛盾を見つけて対処する。
とされています。

今回、日本人で低スコアだったのは、3)の中の「質と信憑性を評価する」、「矛盾を見つけて対処する」の点だったようです。
 

これを読んだときに、ある本が思い出されました。
それは
AI vs.教科書が読めない子どもたち」
AIに負けない子どもを育てる」
いずれも新井紀子氏の著書です。

この中で「リーディングスキルテスト」の問題が一部掲載されていまして、今回のPISAの読解力の定義に非常に親和性がありました。
興味のある方はお読みください。
ただ「読む」だけなら誰でもできます。しかし、「読み取る」、「理解する」、「推論する」、「同義なのか違うのかを判断する」という作業はなかなか難しいと思います。

しかし、今回の結果から昔の子供(我々大人)は読解力が優れていたのに、最近の子供だけ読解力が低下してきたという意見にはすぐに同意できないんですね。
今の大人だって胸を張って、「自分は読解力がある」って言える人ってそれ程いないんじゃないかと思っています。 

順位を下げた原因として、スマホやゲーム、SNSの弊害が指摘されていましたが、他の上位国の子供もスマホは持ってるでしょうしゲームもやるでしょう。
解答方式がパソコンを用いたものだったので、その扱いに慣れてないせいだというコメントも見ましたが、それ本当? 

スマホが悪い、SNSが悪い、LINEが悪いって言っても説得力に欠けるんですね。
自分は幼少時からの教育環境、家庭環境、そして小学校の国語教育の影響が大きいと思っています。
 

中曽根さんが亡くなったというニュースもありました。
新聞では挙って昭和の名宰相と持ち上げておりましたが、現役時代はそれ程評価が高かったわけではないように覚えております。
まあ、亡くなった方を貶めるような記事を書くほど非常識なメディアはないんでしょうが、毀誉褒貶の激しい方だったんではないでしょうか。 

「風見鶏」、「不沈空母」発言、「アメリカは知的水準が低い」発言、「リクルート事件への関与」なんてこともあって、あまり良いイメージはないんですね。
小泉さんが政界引退への鈴を付けに行った時も拒否されたようですし。

当時、子供心にも彼の言動は、「弱者に冷たい」というイメージが付きまとっていて、決して好きになれないタイプの政治家だったんですね。
「保守」と謳っていてもどこか違うって。

日米関係を安定させた?というより隷属化させたような気がしてね。

2019.12.01  カード社会に取り残されるでござるよ
このところ冷たい雨が降り、晴れても凄く寒かったり、晩秋は否が応でもこれから来るべき冬を感じさせてくれます。
だからでしょうか、体調を崩す方々が多くいらっしゃいます。幸い、自分は何てことなく毎日を過ごしているわけで。

そして、ひところに比べインフルエンザワクチンの接種も少なくなっていますが、来るもの拒まずの精神で行っております。


時代はどんどん進歩していて、「何とかペイ」っていうキャッシュレスサービスを利用する方が多いそうですね。
僕はそういった類のものにはとんと疎くて、「時代遅れ」だの「負け組」だの言われております。
以前、ナナコカードをもらったのですが、チャージすることも使うこともなく財布の中で眠っています。
スイカは電車に乗る時は使いますが、買い物に使うことは殆どないんですね。

そういえば、Tカードは持ってます。ワングーくんやウェルシアさんで提示を求められるので、ポイントを貯めて、ある程度貯まったら使うっていう感じ。
決済用のカードはスポーツ観戦のチケット、航空券を購入する際に必要なので作ったものですから、お店で使うことはないんですね。
年会費を払うのが嫌なんですが、これだけは我慢して継続しているっていうのが実情です。

何とかペイっていうのも「今なら入会金、年会費無料」っていう甘い勧誘の言葉にはなかなか乗れない、というか、「そのうちに年会費を取られるんでしょ」、っていう疑心暗鬼が先に立つんですね。
キャッシュバック、消費税還元というものにもなかなか乗れません。

持ち合わせの現金で間に合わないものは買わないっていう風に育てられたからなんでしょうか、それこそ「身の丈に合った」消費を心がけているんですね。

今日もコンビニで買い物したら、「何かカードをお持ちですか?」って聞かれました。
現金で払うと損をしているんだろうな、って思いながらも756円を千円札と56円を出して、300円のお釣りをもらいました。


消費税を上げたら消費が落ち込むので還元しますよっていう政策。
何だかワケが判らん状態になっているみたいです。財源が足りなくなっているそうです。
折角10%に上げたのに?
それに2019年の税収が予定より少なくなることが判明したようで。
米中の貿易摩擦が原因?法人税が予測より少なくなった?企業の内部留保は過去最高なのに?

庶民にはようわからんです。

社会保障費にもメスが入るようです。
10%に上げる理由は社会保障の充実だったはずですが。
75歳以上の高齢者の自己負担率は2割になるかもって。

まあ、今年も残りひと月となりました。
公私ともに忙しくなるでしょうが、風邪などひかぬようご自愛ください。



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