独り言


2015.08.22  あてにならない予想
休みが明けて初めての土曜日で、心なしかいつもより忙しかったような。
ちょっと重症っぽい患者さんもいて、この方は近隣の病院へご紹介できました。
外来で点滴治療でもよかったかなあ?とも思いましたが、明日は日曜日ですし、夜に急変したら大変でしたから・・・。

そういえば、あと2か月もしないうちにインフルエンザワクチンの接種が始まります。
今年はワクチンに関して大きな変更点があります。

従来(昨年度まで)のワクチンはA型に対して2種類、B型に対して1種類のワクチンが含まれて合計3タイプ(3価と言います)のワクチンを接種していました。
しかし、今年度はA型、B型とも2種類ずつで合計4タイプ(4価と言います)のワクチンになります。
これに伴い、インフルエンザへの高い予防効果が期待されるわけですね。
ただ、これまでも予防接種をやったにも関わらず、インフルエンザにかかってしまうこともあったわけで、打っていれば確実に予防できるわけではないというのが定説です。
打っていたから比較的軽く済んだという慰めもありますが、折角痛い思いをしたのに・・・というボヤキも生まれるのは毎年のことです。

で、今年は4価のワクチンになったことから、ワクチンの納入価格が一気に上がってしまいました。なんと昨年の1.5倍以上。
メーカーの価格表を見たときは「えっ!!」

予防接種は保険の利かないものですから、それなりの負担となります。
高齢者は自治体からの補助もありますが、昨年より確実に自己負担額が増えることになります。
補助のない方々はフレンチの安めのディナーコース分くらいの負担になるかも。

個人的には医療は社会的なインフラであると考えていますので経済的な要因が絡んでくるのは好ましくないと思っています。
「高いから打たないよ」
「罹ったらタミフルとかイナビルで治療すればいいじゃん」

といって、周囲に感染を広げる羽目にならなければいいと思っていますけど。
現時点で、接種を希望する方は昨年比6-7割と予想しておきます。
僕の予想は外れるのが常ですが、どうなりますことやら。

2015.08.20  プレミアム商品券
帰省した時にうちの親が持っていまして、「すごくお得なのよ」などと話してくれましたが・・・。(1万円で1万2千円分の商品券)
うちの市でも販売してたのかな?
一人当たりの購入限度額が決まっていて、朝早くから並んでやっと買えたようでして、大型店舗で使用できるものと小規模店でしか使えないものが半分ずつ入っていたそうです。
平日の朝に並んで買える層っていうのは自ずから決まってくるわけでして、サラリーマンには買えないですよね。
公平性という面から抽選式にしたりする地域もありますが、この商品券って本当に地域振興につながるんでしょうか?
全国規模のチェーン店や普段の生鮮食品、ガソリンスタンド、ガス代にも使えるそうで、消費の先食いはあっても消費の拡大にはつながっていないように感じました。

もしも、僕が商品券の取り扱い店だとしたら、家族や親族をかき集めて最大限まで購入して(例えば100万円分)、あとで120万円に換金しちゃうかも・・・。(濡れ手で粟)

もし、この商品券で普段買わないようなものを買うという行動様式をとる人が多ければ、この政策は成功なんでしょうが、是非検証してもらいたいですね。
うちの親に限っては、生活必需品の購入にだけ使っていて、単純に喜んでおりました。

2015.08.16  夏休みも終わって
夏休み期間は数多くの、「今日、診療していますか?」という問い合わせの電話を頂戴しました。
流石に131415日は少なくなりましたが、多い日だと15件くらいはあったかな?

今年の夏休みもだらだらと高校野球を見て、読書をして(単行本5冊)、ドライブに行って・・・、といういつものような過ごし方をしておりました。
しかし、今回は初めて「親の病院受診の付き添い」なるものを経験しました。
これまでは、「一人で行っておいで」という感じでしたが、まあそれなりに年も取っていますし、症状もよくわからないものでしたので(問診上、整形外科的なものと考えられたのですが)、
念のため内臓のチェックをしてもらうべきとの妹からの強い勧め、それも「お兄ちゃんが付いて行かんと」ということもあって、一緒に行ってきました。

問診票は自分で書いてもらって、僕は待合室で東海大相模の試合を見ながら名前を呼ばれるのを待っておりましたが、ほどなく診察室へ。
認知症もないので親の診察を最初から最後までずっと見る必要もないし、先生も息子(僕の事)は医者だとご存知ですのでじっと見られているのは嫌だろうなということで、
ご挨拶だけして僕は待合室に戻り試合の続きを見ておりました。


血液検査に腹部CT検査までやってくださり、結果説明も親一人で大丈夫だろうと思っていましたら、「ちょっと来て」と呼ばれましたので診察室で一緒にお話を伺うことになりました。

結論としては何もなかったので一安心でしたが、向こうの先生としてもやりにくかったんだろうなあ。
CTの説明が終了したときに「専門は何科ですか?」と聞かれましたので、「消化器です」とお答えしたら、「はっはっはっ、説明はいらんかったなあ」

今回、黒川温泉という九州ではちょこっと有名な温泉に行ってまいりました。
温泉の泉質やら効能なんかはさっぱりわからんのですが、川のせせらぎや宿の佇まいなど、温泉旅館としての雰囲気が良かったです。また、夕食が良かった。
家族連れも多くみられましたが、子供が楽しめるような施設はなく、食事もどちらかというと高齢者向けのメニューだったんだけどなあ・・・。子供は楽しめたんやろうか?



高校野球も沢山のゲームを見たり聞いたりしていました。ここまでで印象に残るもの2つ。
一つ目は石見智翠館のキャプテン田中君。興南戦での孤軍奮闘の末の逆転サヨナラ負け、何とも言えない彼の表情は印象的でした。
もう一つはハイテンションなラジオ実況アナ。淡々としゃべる方の多いNHKのアナウンサーの中では珍しいタイプで非常に楽しい方でした。
関東一高と高岡商のゲームは車の中で聞いていましたが、躍動感、リズム感に富み、映像が目に浮かぶようなアナウンスで非常に良かったですね。
民放でも野球中継をしていますが、どうも演出がくさいというか、感動を押し付けようとしたりとか、あざとさが目について好きになれんとです。
今日でベスト8が決まりましたが、もう興味は薄らいでいます。どこが優勝しようとどうでもいい感じになっています。
やはり1、2回戦の必死さが笑い(失礼)や感動を呼ぶのかな?

最後にこんなところにも行ってまいりました。





昭和30年代から40年代の町で、ノスタルジックではありますが、決して戻りたいとは思わない時代です。

2015.08.08  A Long Vacation
今週はずっと暑い日が続いておりましたが、今朝は昨日までとは少し違う感じの風が吹いておりました。
それに今週は朝、新聞を取りに行くときの外の明るさが今までより暗くなっており、個人的にはちと寂しく感じていたものです。
夏至もとっくに過ぎていますので、日の出は遅く日の入りは早くなるのは当然ですね。(そういえば今日は立秋です)
今年はクリニック内のエアコンの設定温度は国の推奨より1度だけ低めにしておりました。
朝から夕方までずっと室内にいる我々にとってはまあ快適(約一名を除いて)でしたが、エアコン嫌いの高齢の患者さんや暑がりの若い患者さんもおりましたので頭を悩ませるところですね。
また、北側の診察室と南側の待合室はどうも室温が違うように感じております。
そんなこんなで今日、夏前半が終わりました。

1週間のブレイクを経て後半戦に向かいます。

開業して数年間の夏休みはお盆を中心とした3〜5日くらいにしておりました。
そして職員には別に夏季休暇を何日か与えてトータル1週間くらいの夏休みとしていましたが、これだと職員同士が気兼ねしてしまって連続した休みが取り辛いという弊害もありましたので、
一斉に1週間の連続休暇にしたわけです。
僕はパスポートも持っていませんので海外旅行に行くわけもありませんが、精々高校野球を見て県内をドライブしてくる程度のものになりそうです。
うちの職員に、「ねえねえ、夏休みはどこ行くの?」なんて聞いても、「別に」なんてそっけないものです。
そんなことなら、診療しちゃえば良かった、なんてね。
患者さんには、「7月にも休んで、8月は1週間も休んで、9月も連休だよなあ」なんて皮肉を言われる始末ですから。

ただ、9月は休みたくて休むわけじゃないんですけど・・・、文句はカレンダーに言ってもらいたいです。

久々に土曜の午後の休診を利用して恐竜映画を見てまいりました。
映画館の中で何度かクリニックからの電話が鳴りましたが、出られるべくもなく・・・、すまんかったです。

で、夜はタイトルにもあるように、「A Long Vacation」を夕方ウェルシアさんで買ってきた安価なワインを飲みながら聴いております。


先週、僕の住んでいるところでは住民投票がありました。予想通りの結果でしたが、反対票があれだけ多かったのは予想外でした。
僕は木曜日の午後に期日前投票をしていましたが、投票所は結構にぎわっておりました。
TBSの2度に渡る報道が投票行動に影響を及ぼしたのかは不明ですが、これで計画は白紙撤回になったようです。

ただ、今回のように何でも住民投票が横行してしまうと、「議会って何?」っていう議論が出てしまうように感じます。
間接民主主義としての議会、議員の存在意義というものがなくなってしまうのではないか?
市会議員、県会議員という人たちは狭いコミュニティーを代表しているにもかかわらず、彼ら、彼女らが一体何をしているのか、どんな政治意識を持っているのかどうもわかりません。
今回の問題では議会では賛成と反対が拮抗していたにも関わらず、住民投票では圧倒的な差が出たということは、議会は市民の意思を反映していないことになりますね。
住民生活に最も関係している議会を運営している議員のことをこれっぽちも知らないで、それこそ白紙委任をしている市民(僕も含め)は今回の事を十分反省すべきだと思っています。

ただ、田舎の議会運営はなかなか難しいと思います。
そもそも議員としての資質の有無を言い出すときりがないのですが。
議員に対するリスペクトの欠如、まあ、議員の資質が低いからリスペクトしようがないという意見もあり、鶏と卵の関係かも。
議員という職業が、「自分が食べていくための手段、若しくは名誉職<市民の生活の向上が目的」であればいいのですが、これが逆のケース非常に多い。
同情すべき点もあり、田舎では議員報酬が非常に低いですから、高邁な理想だけでは議員をやっていけません。
一般の企業に勤めていて議員に立候補するなんてまず無理ですから、議員になるのは政治屋さん、自営業、農家のおじさんなどになります。
議員の特権を利用して、何とか利益誘導したいという輩がわんさか出てくるのを防ぐのはなかなか難しいのではないかと思うんですよね。
だから会社員や主婦の苦悩など知るべくもないのは推して知るべしです。


取り敢えず、明日からはお休み。天候に恵まれますように。

2015.08.01  童話の教訓
アリとキリギリスの話。
僕の子供の頃は、冬になって食べるものがなくなり飢えたキリギリスがアリのところへ助けを求めに行くと、アリはそれを拒否してキリギリスは飢え死にするという結末でした。
しかし、最近の絵本ではアリはキリギリスに食べ物を分け与えて助けてやるという結末らしいです。
子供向けの童話には原作とは違った結末になるケースがままあるようでして、僕が子供の頃に読んだものも既に改変されたものだったりするわけで・・・。

作者の意図とか思いなんて関係なく、現代版にアレンジして新たな教訓として若い世代に受け継いでいくのも悪い事ではないと・・・、思うわけないんですが。
ディズニーのアレンジした童話なんて全く別物として捉えています。
グリム童話、イソップ童話、アンデルセン童話、かちかち山なんかは本来はもっと残酷な話なんですが、子供の教育上好ましくないなんて大人が勝手に慮って変な風に改変しているんですね。
何でもハッピーエンドにすればいいってもんじゃないし、バッドエンドなストーリーから何を感じ、何を教訓とするのかは大人が判断するのではなく、読んだ子供なりの感じ方があるわけで、
それが情操教育になるのではないかと思うんですね。
と、なにもここで教育論をぶち上げるつもりではなかったのですが。

アリさんとキリギリスさんの件に戻ります。

コツコツと老後のために貯金をしてきてたアリさんと、「こちとら江戸っ子でぃ、宵越しの金は持たねえ」とばかりに自由奔放に暮らしたキリギリスさんは貯金なんてありません。
いよいよ年老いて介護保険のお世話になることになりまして、特別養護老人ホームに入ることになりました。
両者とも要介護3以上で入所の対象となったとしますが、自己負担金がこれまでとは全然異なるんですね。
キリギリスさんは食費や住居費が補助されますが、しっかり貯金をしていたアリさんはその補助が打ち切られてしまいます。
裕福な人からはそれ相応の負担をしていただくという考えはありだと思いますし、無い袖は振れない人から取り立てることはできませんが、アリさんの立場からすれば少し納得できない面もあるかも。
「若い時に食べたいものも食べず、好きなこともせず、我慢ばかりしてきたんやで。同じところに入所して、同じ食事してるのになんでワシはこんなにお金を取られるんや?」って。
このままでは介護保険制度が持たないということでの措置であることは理解できますが、高齢者の増加とそれを支える若い世代の減少により益々財政はひっ迫するでしょう。
そうなりますと持てるものからの負担は一層増えるものと想像しています。


これって、アリさんは巡り巡ってキリギリスさんを助けるという現代版の童話の結末になっていて、イソップ童話の原作のパターンはキリギリスの自己責任ということで、アメリカの新自由主義的な考えに似ています。
日本でも「働かざる者食うべからず」という教えがありますが、日本人はそれでも結局そういう困った人でも渋々ながらも助けてきたわけで・・・。

えーっと、ということは社会福祉とか道徳といった面では子供のためには現代版の方がいいのかな?


これからの日本の将来を担っていく子供たちの思想をコントロールしようと思うのなら、今の社会を牛耳っている層のお偉方は出版社に働きかけて是非とも原作に忠実に戻すことをお勧めします。
広告費を出さないぞと脅して。(笑)



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