独り言


2015.06.25  梅雨の日のドライブ
10年経ちますとクリニックにも古くなった家具や備品(医療用のもの以外)がいろいろ出てきます。
市の粗大ごみに出すにはサイズが大きすぎますから、午後からクリーンセンターへ直接搬入してきました。
遠かったぁ。
市の南の方に居住している身としましては、南北に長い市の北の方へ行くことは滅多にないため、「国土地理院付近も変わったなあ」などとキョロキョロしながら北上するわけです。
「夏に住民投票の予定のある運動公園予定地はこのあたりかな?」、「I原市長の病院も綺麗になったなあ」
などと感慨深げになおも北へ向かい、漸くたどり着いたのが牛久を出発して40分後くらいでした。

手続きは意外と簡単で、担当の職員の方も非常に丁寧で感じが良かったですね。
ささっと捨てて家に戻るべく、大学方面へ。
こういうドライブの時、時間に余裕があるときは行きと帰りは別ルートを走るのが好きなもので、帰りは東大通りへ。
昔、よく通った定食屋のそばを走り、大学付近の自転車に乗った今どきの学生さんの姿に昔の自分を重ね合わせたり・・・。(やっぱり全然違う)

しかし、途中、ネズミ取りに危うく捕まりそうになりました。確実に制限速度をオーバーしていたと思いますが、許容範囲だったのかな?
肝を冷やしました。

他にも古くなったカラーボックスや往診用自転車なども処分しなくては。次はもっと大きな車じゃないと。

最近、急性胃腸炎が流行っています。ご注意を。

2015.06.21  一区切り
2005年6月21日早朝、僕と4人の仲間は期待と不安を一杯抱えで開院前のクリニックに集まりました。
10日間の準備期間を経て7月1日に開院したわけですが、僕と職員のスタートは6月21日でした。
そして10年の月日が流れ、昨日はスタッフ7名、僕、そして1名のゲストをお呼びしてささやかなパーティーを執り行いました。
ピアノの生演奏が流れる中で、ここまでの思い出話に花を咲かせ・・・。

ここまでクリニックを支えてくれたのは最初からいるメンバー2人と9年生の3人です。
その後入ってきたスタッフは医療事務経験は全くなかったのですが、自家栽培して何とか1人前になっています。
一番最初にいた事務さん(医療事務の資格持ち、退職してしまった)が9年生を厳しく育ててくれたお陰でして、その方には大変感謝しています。
看護師さんは大きな病気やけがもなく、(ちょっとはありましたが)働いてくれています。
途中からはパートさんにも入ってもらいながら2人とも10歳年を取りました。

10年の月日は残酷なもので、僕はおなかが出て、白髪も増え、目も悪くなり、腰や膝も痛くなったりして順調に年老いています。
この先何年続けられるかわかりませんが1年、1年積み重ねていこうと思っています。

2015.06.13  役に立つということ
大学改革として文系学部を淘汰させようという動きがあります。
理系学部は卒業後に成長産業へ貢献できるが、文学部や社会学部などは社会にでてもそれほど役に立たないという理由だそうです。
結局、金儲けのできる学部だけを育てて、それ以外は捨ててしまえ、という事みたいです。
金儲けできない分野に国費をつぎ込んで大学生を教育することは無駄だって言ってるんですね。

医歯薬、看護、獣医学、理工系、農学系などはそのまま将来の職業に直結して行くんでしょうが、文系学部は営業職のサラリーマンを養成することになるのかな?
最近は中学生、若しくは早いところだと、小学生から将来の職業観などを意識させるような教育がはびこっています。
早くから将来を意識づけることがあたかもいいことのように吹聴されているのはちょっと違うんじゃないかと思っていまして、中学生で将来の職業(進路)を決めてしまうのはあまりに短絡的です。
まあ、親が政治家だとか、歌舞伎役者だとか、俳優だとかならわからんでもないのですが・・・。

話が少し横道にそれましたが、大学で学ぶというのは企業に就職するためだけのものではなく、その学生の教養や知識を増やすためであるべきですね。
職業に就く上で必要な国家資格を取得するための学部(医歯薬、法学など)も当然ありますが、大学の4年間というのは高校までの教科書での勉強以外の深くて味わいある知識を得る場でもあります。
本来、大学は企業の下請けでもなんでもなく、純粋に学問をするところで、金にならない学問は無駄だと言わんばかりの今回の改革は愚策だと思います。
もし、企業が即戦力を取りたいというのであれば大学などは不要で、職業訓練校化すれば済む話なのではないかと。
で、大学をG型とL型に分けるというものがありますね。
G型は一部のトップ大学:グローバルな優秀な人材を育成する大学
L型はその他の大学:地域で働く職業的な人材を育成する大学

これは多くの大学関係者から反論が噴出したそうですが、最近の日本は全て企業の論理が優先されているようですね。
大学の改革やら教育の政策などは、学問の専門家より企業のトップが大きな発言権を持っているようです。
取り敢えず金儲けできることが大事。学問も市場経済論理でとらえて、市場が望まない研究は無駄な投資であると。
すぐに結果の出ない研究はやめてしまえと。

医療もそうですが、教育も凄く無駄なことが多いものです。決して市場原理主義には向かない分野なのですが、企業人や政治家の先生たちにはわからないんでしょうか。
研究なんて、一人の人間が一生かけても上手くいかず、次の世代で漸く日の目を見ることだってあり得るわけですが、最初の人の研究が全く無駄だったってことにはなりません。
これだけの金をかけたんだからそれ相応の成果をすぐに出せ、出さなければ補助金はカット、なんていう今のやり方では凄い研究(ノーベル賞もの)は生まれないと思っています。
何が役に立つのかわからないけれど、取り敢えずやってみる。何かいいものが出たらラッキー。
という姿勢こそ、自由な発想や新しい発見が生まれる素地なのではないかと思っています。

就職に際しては理工系学部の学生はすぐに役に立つ仕事に就けると思います。
しかし、文系学部の学生は果たして役に立たないんだろうか?
文学、哲学、宗教、人類学、教育、教養など、大学で学ぶことが大学卒業後の長い人生でなにかしら役立つことがあると思っています。
人生を深く楽しめるような教養、知識などは今すぐ役に立つとはいえないまでも決して無駄にはならないと思っています。
自分では役立てることができなくても自分の子供や孫に受け継がれて役立つこともありますから。

2015.06.10  高齢者は田舎へ
「日本創成会議」というお偉い方々で作る組織からこんなありがたい提言が出されました。

近い将来、東京圏では高齢者の数はどんどん増えていくことは明らかで、これに伴って今でも足りない介護施設がもっともっと必要になります。
しかし、介護施設を作るにはそんな広い土地も余ってないし土地代も高く、簡単には作れない。
それに、今の貧弱な介護保険制度の下では安い賃金で働いてくれる職員も都会では確保が難しい。

「土地の安い田舎に施設を作って、東京より人件費の安い介護職員を雇えば一挙解決」

素晴らしいお考えです。
是非、創成会議の皆様方や議員さんなどが率先して田舎暮らしを満喫していただきたい。


東京には若くて元気な若者、生産性の高い若者、沢山の税金を払ってくれる若者が残ってくれればいい。彼らはあまり病気もしないので医療費がかからないから。
高齢者はお金がかかるばかりで何も生み出さない。
魅力ある東京に大企業が集まって、これまで以上に発展しお洒落な街を作ろうではないか。所謂、「選択と集中」ってやつですね。

一方、函館や北九州など、今回、候補に挙げられた地域の方々はさぞびっくりしたことでしょう。
「えっ、東京の老人をこっちに押し付けるのかい?」って。
こっちに住民票を移されたら、こっちの自治体ですべて賄うしかないじゃない。納税額は少ないのに医療費がかかってしょうがないじゃないか。
と不満が噴出すること間違いありません。

しかし、彼らが提言することは解らないでもないんですね。
東京圏で増え続ける高齢者を今後どうするのか?
施設への入所待ちの高齢者が100人、200人はざらです。
待機児童問題も重要ですが、待機老人問題も切実です。
順番が回ってくるには、先に入所している方がいなくなる(病院へ入院するかお亡くなりになるか)ことが条件です。
だから、新しい施設が必要なことは十分理解できます。
しかし、ここにはコミュニティという視点が欠けていると思います。
「箱をつくって、物を入れておしまい」
という考えが透けて見えてしまうんですね。
高齢者にもこれまで生きてきた歴史があって、家族があって、社会があるわけで、その家族にも仕事、学校があるわけですね。
自分の親や祖父母をどこか遠くの田舎の施設に入れたら、あとは知らないっていう家族を想定しているわけではないと思うのですが・・・。
老健施設に入っても時々は面会に行くし、病状が悪化すれば駆けつけることも必要でしょうに。
東京の老人が何の縁もない九州や北海道の施設に入れられたら・・・。
そういう想像ができない人たちなのでしょうか?(創成会議メンバー)

まさか、「田舎は仕事がなくて困っているから介護施設でも作ってやれば介護職という求人も増えて田舎の人たちも喜ぶだろう」
なんて考えてはいないとは思いますが、あまりにもインパクトの大きな提言でした。

国はしきりに在宅医療を勧めていますが、現在の核家族化した都会の人々には在宅医療はまず無理ですね。
「絆」を押し付け、家族(特に嫁、娘)への負担を増やす一方、「女性が輝ける社会を目指す」といった、矛盾したスローガンを推し進めるのはあんまりです。


「東京への一極集中」
これが解消されると問題はかなりの部分で改善がみられると思っています。




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