独り言


2014.11.29  インフルエンザ到来
今週、今シーズン初のインフルエンザA型の患者さんが来られました。
翌日にもまた一人。
週末のニュース番組でも話題になったくらいですが、今年は例年より早いシーズン到来です。(「どうせ、12月後半から正月明けだろう」なんて高をくくっていました。)
インフルエンザだけでなく、RSウイルスやウイルス性胃腸炎も流行ってきているので外来は結構大変です。

今日は予防接種希望の方が多く受診されることを見越してスタッフを全員出勤させていましたが、それを上回る混雑ぶりで・・・。
スリッパが足らん、座るところがなかと。まあ、年に何度もない事ですから、今日運悪く来てくださった方はなにとぞご勘弁を。
それにかなりお待たせしたと思います。

今月は今日が最後の診療日でしたので、レセプトの締めや領収書の整理などの残務整理をして、カレンダーを1枚めくると最後の1枚、12月。
「あと1ヶ月かぁ・・・」なんて呟きながら着替えていました。
年を取ってからの1年は本当にあっという間です。来月はこの1年の総括でも。

2014.11.23  日本を取り戻す
「取り戻す」と言われましても・・・。
主権や領土を取り戻すという意味であれば、沖縄は取り戻しました。
他に取り戻すところはと言えば、ロシアから北方領土、韓国の実効支配となっている竹島あたりでしょうか?
それなら、取り戻すの頭に、「北方領土を」とつけるべきでしょう。「日本を」となっているので、別の意味でしょうね。
もしかしたら日本はアメリカに占領されていて、これを取り戻すというのなら「ああ、なるほどね」と同意することも可能ですけど。
何でもアメリカの言いなりである現状を安倍さんが憂慮しているとすればそれは非常に素晴らしい指導者だと思わざるを得ないんですが・・・。
多分そういいう意味で「取り戻す」と言ってるわけではないように思っています。

何か良き時代や精神風土がかつてはあったけれども今はなくなってしまったのでそこに立ち戻ろうという意味ではないかと勝手に思っていますが、

さて、どの時代の日本を取り戻そうとしているのでしょう?

江戸時代?明治維新の頃?日清日露戦争の頃?第二次世界大戦の頃?終戦間もない頃?高度成長期の頃?バブルの頃?
どの時代の日本が最も良い時代ととらえているのでしょうかねえ。
言っている方から明確なお答えを伺ったことはありません。
自分ももう50年生きてきましたが、少なくとも昭和40年代には戻りたくないですね。
あの時代はまだインフラが整備されておらず、おいしいものも食べられず、総じてみんな貧乏で、町は汚くて。
その後、経済成長を果たして生活は快適になっています。バブルやリーマンショックなどで経済的には波がありましたが、今はそこそこの充実感はあります。

さて、取り戻すべき理想の社会というのは一体何なのでしょうか?
恐らく安倍さんの頭の中ではその明確な理想郷、ビジョンを描いておられるとは思いますが、我々には一向に示してもらえません。
これからも人口がどんどん増えて、経済が右肩上がりになるような大量生産大量消費の時代を目指すのであればちょっと時代錯誤じゃない?って思ってしまいます。
このあたりの話は別の機会に。

何かというと、「国民の皆様」というフレーズを使いますが、彼の指している「国民」はどのような人々なのでしょう。
農業や漁業に従事している人、工場で働いている人、サービス業で日曜、祝日も仕事をしている人、また公務員やホワイトカラーのビジネスマンもいるでしょう。
無職の人、病気や障害を持っている人、生活保護の人もいるでしょう。都会に住む人、過疎の地域に住む人。
日本には1億人以上の「国民」がいるはずなのですが、彼のとらえている「国民」はあくまでも「自分を支持してくれる人たち」で、
やっている施策はその一部の仲間に対してのように見えてしまいます。そして言うこと聞かない人はほっぱらかし。
トリクルダウンは幻想であることは明白でこの先いくら待っても果実のしずくは落ちてきません。
8%の消費税はしばらくこのままになりそうでして、つい最近までは大企業のトップの人々は予定通り10%にすることが望ましいなんて仰っていました。
10%になれば法人税を下げてもらえるという算段をしていたんでしょうか。
さて、再増税賛成の面々は再増税延期についてさぞや政権の批判をするかと思いきや・・・。不思議ですね。


あと、GDPがマイナス1.6%、これを予想した経済アナリストが非常に少なかったのには少々びっくり。
以前、オタク経済アナリストの講演を聞きに行ったときの予想が当たった形になりましたが、エリート経済アナリストの面々には庶民感覚が希薄だったことが実証されました。
給料の増加が伴わないのに物価が上がったら生活防衛に走るのは当然でしょう。僕も外食も控え、カスミで買うのは50円引き、100円引きのお惣菜や弁当ですから。

そして一経営者の私ですが、今年の経営状況は昨年より悪化しています。それで恨みつらみを書いているわけではありません。
自分の取り分を減らして職員に回しているというのが正直なところです。
喜びは分かち合い、苦労は背負うというスタイルは開院以来のスタンスなもので。

話題はガラッと変わりまして、ボージョレ・ヌーボー。
近くのウェルシアさんで買って飲みました。味音痴を自負する僕にとっては、「おいしかった」の一言です。
去年の味なんて覚えているわけもないので、今年は今年、赤ワインの少し苦く、渋い味を堪能しました。だれも相手してくれるわけもないので一人で1本開けましたが。
まあ、所謂一つのイベントですね。1000円くらいで手軽に味わえてほろ酔い気分になれるんですから。
明日は久々に寝坊ができる、かも。

2014.11.22  進歩とともに
連休前でしたので予想通り大変でした。時間帯によっては暇な時もありましたが、慌ただしかったですね。
ただ、個人的な感覚としては昨日(金曜日)の方がつらかったような・・・。病気の重症度とか、患者さんのキャラとか、まあ、精神的に疲れるというか。
しかし、今日は僕よりスタッフの方が参っていた様子で、いつもより僕に対する言葉がきつく感じられて・・・、でも、明日から2連休ですのでゆっくり疲れを癒してくださいな。

待合室にいるクマ(シェリーメイっていうんですか?)が今週から侍ジャパンのユニホームを着ています。
先週、子供がMLBとの試合を見に行ったときにもらってきたもので、今日、患者さんから
「日米野球、見に行ったんですか?」と聞かれました。
「あのユニホームは子供が土曜日に行ったときにもらったんですよ。僕は日曜日に行きました。」
その患者さんも日曜日に行ってたらしく、
「そうですよね、日曜なら黒でしたからね。」
などと、興味のない人には全くどーでもいい会話でしたが、わかってくれた人がいただけでもちょっと嬉しかったな。

今週の診療からちょっと目立ったこと。
普段、初診のB型肝炎の患者さんなんてめったに受診されないのに(年に2、3人程度)、今週だけで3人もいらっしゃいました。
ウイルスマーカーと肝機能の確認をして治療方針を決めるわけですが、C型肝炎に比べると幾分やりやすいですね。
C型肝炎は昨今、どんどん新しい治療薬が出ていますので、どのタイミングでどの治療を選択するかが悩ましく感じられます。

C型肝炎に対してはこれまでのインターフェロンを含む3剤併用療法からインターフェロンを使わない経口剤での治療が主流になる勢いです。
もう既に経口2剤での治療も始まっており、来年にはもっと効果が高く治療期間も短くて済むという経口薬も出ます。
そうなると、治療を「いつやるの?」、「今でしょ」ということが言えないケースが出てくるわけですね。
待っていればもっと良い薬が出るのが解っているので、自分はもう少し待ちたいと思う患者さんも当然いらっしゃいます。
でも待っている間に悪くなる、それだけならいいのですが、肝臓癌が出てこないとも限らないのでできるだけ早く治療を開始した方がいいケースもあって・・・。
そのへんのこっち側の考えと患者さん側の考え方のすり合わせが難しいですね。
また、保険の通らない重要な検査もあって、これが結構患者さんの負担となったりもしますので、なおさら患者さんとしても悩んでしまいます。

幸い、うちには「肝炎コーディネーター」という優秀なスタッフがいますのでそのあたりの事も含めて説明できると思います。

進歩と言えば、肝炎の治療だけでなく糖尿病や喘息(COPD)なども新しい治療薬が出ていまして、雑誌やネットでの知識のアップデートが欠かせません。
従来の治療がひと昔前の治療となっていることもざらでして、そういう場合患者さんに、
「最近の知見ではこういう治療の方がいいんですよ。」と勧めて、
「じゃあ、そうしましょう。」と言ってくれる方ばかりではなく、
「これまで良かったんだからこれまで通りでいいよ。」と返されることもしばしばですね。


何の世界でも同じことが言えるんでしょうが、少年野球をやってた頃の、「練習中の飲水禁止」も今じゃもっての外ですからねえ。
顔を洗う振りして水を飲んでいましたけど。
あと、「ウサギ跳び、グランド1周」とか。

2014.11.15  ピーク
なんのピークかと言いますと、インフルエンザワクチン接種者のピークです。
毎年この時期、11月中旬から下旬に多くなってきます。特に今日は土曜日ということで、多くの方が接種に訪れてくださいました。
このため受け付けはてんてこ舞いでして、来週はちょっと対策を練ろうと思う次第です。

今週は日本の政局がやけに賑やかでした。
あんなに安定した高支持率をたたき出している安倍政権が衆議院解散、総選挙に打って出るという話。
自らアベノミクス失敗を認めているかのように思えてなりませんが、選挙ですか・・・。
消費税率の再引き上げを先送りするための信を問うという理屈だそうで、今後どのようなロジックで国民に説明(騙そうと)するんだろう?
小泉さんの郵政民営化に賛成か反対かの選挙もようわからん選挙でしたが、今回の選挙(まだ確定ではないようですが)もなんだかようわからんものになりそうです。
自民が勝てば(勝つのは確定でしょうが)、消費税率の10%への引き上げは先送りになる。国民がそう願ったからであるという理由づけですね。
自民が負けたら税率は当初の通り来年引き上げですよ、皆さん、それでもいいんですか?っていうことですね。
税金は少しでも少ない方がいいでしょ、皆さん。ここは我が党の主張する通りに先延ばししましょう。
財務省、日銀としては、「ちょっ、待てよ」ってな気持ちでしょうね。

診療の最後にワクチンが一人分余ってしまいました。
うちのスタッフは譲り合いの精神が旺盛でしたので仕方なく僕が打ちました。(本当は既にみんな接種済み)

2014.11.08  水際作戦
エボラ疑いの患者さんが普通の診療所を受診して大騒ぎ、なんてニュースがありました。
すべての38度以上の発熱患者さんに対して、「西アフリカに行っていましたか?」と聞くのはちょっとなあ・・・。
今日も何人もそんな人診たし。
うちに来られる患者さんの中には中国やベトナム、タイへの出張が多い方がいらっしゃいます。たまにインドネシアのジャングルに行ってくる方も。
帰国後に発熱、感冒症状、胃腸炎症状があればちょっと注意深く問診をしたりしますが、こんな田舎のクリニックにエボラ出血熱の患者さんが来ることはなかなか想定できないなあ。
しかし、想定外でした、なんて言い訳はなかなか通用しないのが最近の傾向でして、今後はこの一件を他山の石とすべく、頭の片隅におきつつ診療していきましょう。

また、11月に入ってからは予防接種希望の方も増えています。(うちのクリニックでは小学生以上、予約不要が基本方針です)
あと6週間ばかりは外来の混雑が続きそうです。職員とも顔を見合わせて、「11月らしくなったね」って。
予防接種をやっていて常々思うこと、それは、「今の小学生はよく泣く」。
昔のことを言って申し訳ありませんが、集団予防接種時代を生きてきた僕ら世代は、予防接種は小学校の体育館か保健室で受けていました。
クラスごとに呼ばれて、男子女子の出席番号順(うちの学校では生まれた順)に並んで次々と打っていました。(これが現在、B型肝炎の問題に繋がっているという側面もありますが)
ここで涙を見せる(泣く)ことはその後の学校生活において非常に不利に働くことは明らかでしたから、誰一人として泣かなかったと記憶しています。
泣こうものなら、「あいつ泣いたんだぜ、男のくせに」とか、「男女(おとこおんな)」なんて呼ばれて苛められることもありましたから。
男らしく、女らしくなんて言うと今では時代錯誤の問題発言でやり玉にあがりますが、「注射は痛いもの、痛いのは少しぐらい我慢する」という教えが子供ながらに身についていたように感じます。
女子が泣いても「女だから」という免罪符がありましたが、男子はやはりバカにされる風潮だったですね。

男子が「映画をみて泣くこと」も学校の中ではタブーでした。確かに感動的な映画が小学校で上映されましたが、涙を見せること、イコール、女々しいと考えられていました。
こういう時は、「ふんっ、どこが悲しんだよ、こんな映画で泣くわけないじゃないか」と強がることが、男らしいと評されていたんですね。ほんと、バカですね。

感情を素直に表しなさい、自分に正直になりなさい、嫌なことは嫌と言いなさい、嫌なことはやらなくていいんだよ
といったような時代とは対極に育った人間にとっては・・・、でもどっちが良いか悪いかの判断は保留しておきます。

ただ一つ、6歳の子が大人しく腕を出して頑張っている姿は、「美しい」と感じます。

もう一つ、ノーベル賞の話題から。
青色発光ダイオードの中村さんが日亜化学工業に対して「過去は忘れて仲直りしたい、共同研究など将来のことを話したい」と社長への面会を希望した際の日亜のコメントが秀逸でした。
「弊社歴代社長と弊社に対する深い感謝を公の場で述べておられ、それで十分と存じております。
中村教授が貴重な時間を弊社へのあいさつなどに費やすことなく、研究に打ち込まれ、物理学に大きく貢献する成果を生みだされるよう、お祈りしております。」
と、何だか就職活動をしている学生に対するお祈りメールみたいな感じがして。
はっきり、「会いたくありません」と言わずに、相手を持ち上げつつ感謝の言葉を散りばめ、まさしく「慇懃無礼」なコメントでした。
中村さん(教授)はノーベル賞ももらったし、これでずっと上に登りつめた今だからこそ、日亜への謝罪の言葉(どちらが悪いかは棚上げして)があれば多少印象も変わったと思います。
大人の対応というか、ここは自分が一歩引いて悪者になっておこうという気持ちがあればなあ・・・、と感じた出来事でした。

2014.11.02  急遽
昨日は雨でしたが、今日は暖かい日曜日、それに連休ということもあり秩父宮で今シーズンの優勝の行方を左右する大事なゲーム、帝京対早稲田、明治対慶応の試合を見てきました。
ということを書くことになっていたのですが、田舎から親族が出てくることになり、折角のチケットもふいになってしまいました。

で、その代わりに、上野の美術館で絵画を鑑賞して、その後は羽田までお見送り。スポーツの秋から芸術の秋へ急遽趣向変更となっております。
本当ならジーンズに運動靴で行く予定が、ワイシャツにジャケットなんぞを着て、ちょっと堅苦しかったですね。

美術館では入選作品を観てくることと、審査員の先生のお話(講評)を聞いてくることを仰せつかっておりましたが、これっぽちも芸術的センスのかけらもない自分にはちょっと荷の重い指令でした。
昼前にそこを出ますと、上野動物園には数多くの家族連れによってチケットを買うための長蛇の列ができておりました。
最後尾にいる係員は、「チケットをお買いになって入場まで約1時間となっております」と。
僕はそこまでしてパンダは見たくない(以前1回見たし)のでそそくさと上野公園を後にしましたが、アメ横のあたりも大賑わいでした。
田舎者がたまに東京の人込み(特に慣れないところ)を歩くと人に酔ってしまいますね。

因みにラグビーは帝京と明治が勝ったようです。




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