独り言


2014.08.28  コミュニケーション能力
先日、本屋さんでの店員さんと小学校低学年の男の子とのやり取り。僕はレジで順番を待っていたときのことです。
その子は図書カードと現金を利用して支払いを行っていました。
店員「図書カードはこちらで処分されますか?」
子供「?」
店員「それとも図書カードはお持ち帰りですか?」
子供「??」
店員「処分しても良いですか?」
子供「???」
男の子は店員さんの言葉が理解できなかったようで、固まってしまいました。
店員もどうしてよいものか、黙ったまま。
そこに漸くその男の子の父親と思われる男性がやってきて、
「ああ、処分してください」

店員さんにしてみればマニュアル通りの対応だと思いますが、この男の子には通じてないわけで、そういう時にどういう言い方をすれば通じるのかの工夫がされず、
コミュニケーション不能な状況に陥ってしまったわけですね。
この店員さんはどのお客さんに対しても同じ口調で接しておりまして、マニュアルに即したきちんとしたものでした。
しかし、ちっちゃな子供に対しても同じ調子で、・・・、そして思いもよらぬトラブルに巻き込まれた時の臨機応変な対処ができない様を見せられると、
「この人、コミュニケーション能力がないのかな」と感じてしまいました。

せめて、「ねえ、ぼく、この図書カードにはお金が残ってないから、これ以上使えないの。だからもう捨てちゃっていいかな?それとも、お家に持って帰る?」
とでも子供の顔の高さまで腰をかがめて話してあげれば少しは解ってくれたんじゃないかと思ったんですけどねえ。

店側としては店員はお客様に対してマニュアル通りに言ったり、行ったりするように指導していて、店員の裁量で接客すること嫌っているんでしょうね。
店員がそんなことをすると指揮系統の乱れにつながると思っているんでしょう。
トラブルへの対応マニュアルも家電やパソコンの取り扱い説明書並にしっかり作られていることが予想されます。
色々なトラブルが予想され、それに対して現場の人間は適切な処置を忠実にこなしていく。
予測可能なトラブルであれば用意された対処をするのですが、予期できない事態が起こった時に、「何とかする」、「何とかしようとする」能力を持っている人が
「コミュニケーション能力に長けた人」と言うのではないのかな、と思った日曜日の事でした。

2014.08.23  夏の終わり
まだまだ暑いのですが、個人的には夏の終わりを感じております。
その壱:朝、新聞を取りに行くときに外が暗くなったきた点
その弐:夜、エアコンのリモコンに手が伸びなくなった点
その参:これが決定的でしょうか、高校野球のベスト8が決まった点

準々、準決、決勝は過ぎゆく夏とともに寂しさが募っていきます。
決勝戦が終わって、2校だけの行進はどうもいけません。
毎年の事ですが、僕にとっては高校野球の閉幕と同時に夏が終わります。


今週から通常診療が始まりまして、休みボケした体と頭で1週間過ごしましたらややお疲れモードです。
で、疲れを取ろうと、今日はものまね芸人(ホリ、原口)のライヴへ。
いつものように一人、ではなく、今日は娘と同伴。
非常に有意義な時間を過ごすことができて何よりでした。

最近、ネットで見かける話題として、ALS支援の「アイスバケツチャレンジ」について。
個人的には・・・、ああいうのってダメだなあ。
アングロサクソン系ならではというか。
何だか「ネズミ講」や「不幸の手紙」を彷彿とさせる手法でして。

また、ALSでうまくいったので、今度は潰瘍性大腸炎やクローン病でも、じゃあ、パーキンソン病でもやろうじゃないか、
はたまた、SLEも、ベーチェット病でも・・・、きりがないですね。
それこそやってみたらどうだろうって悪戯心で思っています。
ALSでやった人々は同じことを繰り返すでしょうか?
繰り返すべきですよね。
ALSは支援するけどほかの疾患ではやらないよ、っていうのは筋が通らないから。明白な理由付けが求められるでしょう。
このブーム、どういった形で収束するのでしょうか?

徳洲会の虎雄さんがこの疾患で療養中ですが、猪瀬さんが指名されて5000万を寄付するっていうオチがあれば最高なんですけどね。

2014.08.16  放牧
1週間の放牧でプラス3キロで戻ってまいりました。
お休み中、クリニックにも多くの電話がかかってまいりました。
生憎、電車や飛行機で移動中のため全てに対応できませんでしたが、聞き覚えのある患者さんからの元気そうなお声も聞けまして・・・、申し訳なかったですねえ。

思い返せば1週間前は、台風11号が四国、関西に上陸して多くの帰省客の足に影響を与えるだろうと報道されていました。
元々楽観的ですので、「空港まで行けば何とかなるでしょ」という心持で羽田まで行きましたが、まあ、多少の遅れはあるもののちゃんと飛んでまして。
飛んでからもかなり揺れましたが、無事に着陸。

台風の影響で夏の高校野球も2日順延となり、ほんと久しぶりに入場行進から見られました。
試合はというと、2日目を除いてほぼすべて見ていたような・・・。
今年は久々にじっくり見ていたのですが、何だか物足りない感じがしてならないのはなぜでしょう?
自分が年取ったからなのかな?
多分、以前に比べアナウンサーも解説者も優しくなったからでしょう。
特に解説者が優しくて・・・、昔はダメなプレーについて手厳しくコメントをしていたはずなんだけどなあ・・・。
戦略的な面についても時には辛辣なことを言ってた記憶もあったんだけど、
あくまで高校野球は「教育の一環」とされ、各チームに事情もあって、勝利至上主義ばかりではないのは重々承知の助です。
中には「こうすべきです」、「ああすべきではない」としっかり解説してくれる方もいらっしゃいましたが、当たり障りのないコメントばかりで白けてしまうことも多々。
厳しいこと言うと、いろんなとこからお小言が来ちゃうんだろうな、って同情しますが自分としては、その辺の空気は読まずにきちんと批評して欲しいと願っています。

ずっと家に籠っているわけにもいきませんので地元をあちこちドライブ、散歩をしてきました。
結論は一言、「深刻な過疎化」
子供がいない、見かけるのは老人ばっかり。
市の広報を見ると、小学校の児童数の少なさにびっくり。
こんなに少なければ統廃合でもするのかと思えば、廃校になる地区の子供が遠くの学校まで通わなくてはならなくなるので廃校にはできず。
各学年1クラス、10-15人くらいの小学校があちこちに残されるってな感じ。
実家の周りの住宅も子供の声など全く聞かれず、ひっそりとしたものでした。
無人の公園、錆びたブランコや滑り台、雑草の生い茂る空き地、道路はひび割れ、割れ目から雑草、トタン屋根の崩れた空き家、テナント募集中の古ぼけたビル・・・。

「今年の盆踊り、どっかでやるの?」
「どっこもやらんよ」
僕としても喜んで出かけて踊るタイプではないので別に良いのですが、盆踊りの櫓が一つも組まれず、音楽も鳴り響かないお盆というのも侘しいです。


今回の休み中にも
一人旅をちょこっとしてまいりました。

2014.08.09  夏休み
明日から夏休みに入ります。
午前中は検査の予定も入れずにのんびり診療していまして、いつもの土曜日とはちょっと違った雰囲気で過ごしておりました。

うちのスタッフに、
「夏休みはどこか行くの?」なんて聞いても、
「どこにも行きませんよぉ」とのこと。
折角1週間もお休みにしたのに・・・。
有給はあってもあまり消化しない傾向がありますので、半ば強制的な休みにしたのになあ。
生憎、台風が接近中で交通機関は混乱していまして、僕もちょっと間違えば巻き込まれるところでしたが、何とか回避できそうな感じです。
チケットを購入した時は、早い便はもう正規料金のものしか残っていませんで、仕方なく遅い便を購入していましたが、こんなところで功を奏するとは。

田舎に戻っても何も予定はありませんので、スイカやブドウを食べながら高校野球を見る夏休みになるんでしょうね。あと、読書。

2014.08.02  時間外
うちの受付時間は夕方6時(土曜日は5時)までとなっていまして、その時点で院内に入っていれば診察しています。
それ以降に来られた方については玄関が開いていてもお断りしていまして、この2、3年前から終了時間についてはちょっと厳しくしています。
これにはちょっとした理由があってのことでして。

以前、夕方に診察希望者からの電話がありました。
「6時をちょっと過ぎます」
「少しでしたらいいですよ」

着いたのが20分も30分も過ぎて・・・、それは良い方で、
待てど暮らせど来ない。
自分一人で待っているなら良いのですが、スタッフ(家庭持ちの主婦)も一緒に待たせるのは忍びないです。

また、一度そういう対処をすると、次に同じ状況になった場合、
「この前はやってくれたじゃないですか」
と言われてしまいます。

時間内に入ってくれた人からみれば、
「少しくらい遅れてきても診てくれるんだ」
と思われますね。
一人を特別扱いすると歯止めが利かなくなってしまいます。

そんなこともあって、3時になるとシャッターが閉まる銀行さんのような融通のきかない対応となってしまいました。

で、今日の事ですが、
5時になりましたので診察終了の札を下げて玄関を閉めようとしたときに、一人の老婆がやってまいりました。
いつものかかりつけの方で、シルバーカーを押しています。
もう、コンピューターの電源も落として片付けの最中でしたが、スタッフから
「どうします?」と聞かれましたので、
「いいよ」と。

93歳の彼女は夕方とはいえこの暑い中を15分以上かけて歩いてこられましたので、さすがに追い返すわけにはいきませんでした。
いつもは時間に余裕をもってこられているので、理由を聞いてみると、どうも曜日の感覚がなかったようです。認知症でもないんだけど。
平日なら6時までですので、5時にくれば余裕だと思っていたらしく、大層恐縮して丸くなった体をいっそう小さく丸くしていて・・・。
連れてきてくれる人がいないということで、5年前から毎月歩いて来られます。
「いつまで来られるかしら」
などとおっしゃっていますが、もうちょっと頑張れそうですね。
以前、訪問診療を打診しましたが、丁重にお断りされました。

でも、今日は特別かな。



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