独り言


2014.06.28  あっと言う間の9年
今日は開院祝いと称し、ささやかな食事会をしていました。
開院当初からいる古参のメンバー、そして新参のメンバー、それぞれ思うところはあると思いますが、労いの言葉をかけつつ会は始まりました。
当初は給料も少なく、ボーナスを出すのも汲々としていましたが、ここまでついてきてくれたことに感謝しつつ、酒を酌み交わしておりました。
もう、かれこれ9年になるのですが、寝ている時間を省くと、家族と過ごすよりも長い時間をクリニックで過ごすようになり、もう、みんなが家族のようなものに感じています。(自分の片思いでしょうが)
こちらの性格も考えていることもわかっている(わかってほしい)と思いますが、なんだかなあ・・・、と悲しくなることもしばしば。

乾杯の挨拶として院長からありがたいお言葉が発せられるはずでしたが、思っていることが1割も言えず、
「取り敢えず、お疲れ、乾杯!」
でした。

また、来週からはいつもと同じ一日が始まります。

2014.06.24  珍事
今日は胃カメラが1件もない珍しい日となりました。
多分、ここ5年間で1度もなかったことだと思いますが、非常に寂しくもあり、しかしちょっと嬉しかったかも。

巷ではW杯が盛り上がっている(?)ようですが、明日の朝には日本の運命が決まりますね。
結局3試合とも1秒たりとも見ないことになるのですが、戦前のスポーツマスコミの論調は日本のグループリーグ突破は当然、
やれ、ベストエイトだ、ベストフォーだ、はたまた優勝も夢じゃない、なんて事を言っていまして・・・。
その自信は一体どこから湧いてくるんだよ、と冷ややかな目で見ておりました。

サッカー経験者(元代表選手)でありながら、日本はもう世界の強豪と肩を並べるくらいの力がついたと本気で思っていたんだろうか?
現時点で1分1敗でグループリーグ敗退濃厚だから言ってるわけではないけれど。
FIFAのランキングがグループ内で最も下の日本が、そう易々と突破できるわけないよって予想していた評論家を寡聞にして存じません。
テレビのゲストに呼ばれて、ちょっと威勢のいいことを言っておかないと・・・、と空気を読んだのかもしれません。
ワールドカップで盛り上がっているところで、「日本はそれほど強くない」、「負けるかもしれない」なんて言おうものなら、
「どうして、そんな勢いを削ぐような否定的なことを言うんだ」、「国民と一体になって応援しなきゃ」
なんてことを、テレビ側から言われてしまうんだろうな?と少し同情しますけど。

例えば解説者が、「日本も持てる力を存分に発揮できれば互角の戦いができると思います。」、「対戦国は主力に故障者が出ましたので戦力ダウンしています。」
「直前の親善試合で仮想○○に勝ち、一方、対戦国は直前に負けているので勢いは日本にあります。」、「気候も日本の梅雨を経験しているので、順応できるでしょう。」
なんてことを次々に言うと、聞いている方も、もう凄い高揚感、勝ち上がるのが当然、みたいな気分になってしまうのでしょうか。
そこには否定的な、弱気なコメントは入り込む余地がなくなってしまうんでしょう。

こういうのって、何だか非常に危険な匂いを感じてしまいます。

で、あっけなく負けてしまうと、戦犯探し、そして一斉に叩く。
現実や実情を正確に見ずに、その場の空気で判断する、その空気を醸成するのがマスコミという図式はW杯だけではないと思います。
オリンピックでもそう、国際的なスポーツ競技ではよくあることですが、前の戦争でもこういうことってなかったんだろうか?

2014.06.21  株式会社的思想の国家運営で僕らは幸せになれるか?
いきなりなタイトルですが、結論から申し上げると、
ごく一部の人々(たかだか1%くらい)は幸せになれるでしょう。多分。
この厳選された人々は、
大企業のオーナー、それに近い人、国家の中枢にいる人、安倍さんのお友達、官僚・・・、あたりでしょうか。
残りの下々の者ども(99%)は、負担ばかり押し付けられ、あまり幸せとは言えない人生を送ることになると予想しておきます。
まあ、幸せの感じ方は人それぞれだから、幸せの尺度を画一的に評価することはできませんが。

国:「国民の皆様の生活のため」に成長力を付けましょう。
  そのためには企業の法人税を下げましょう。復興税も企業からの分は前倒しで終了です。
  でも、国民の皆様の分はこの先もずっと続きます。
  消費税は10%の予定ですよ。もっと上がるかもしれません。
  だって、企業がつぶれたら皆さんの雇用もなくなるし、賃金も払えないでしょ。
  国は国際的に儲かる企業を応援します。儲かれば皆さんにもおこぼれが来ますよ。それまでの辛抱です。

国:成長力をつけるために働き方を変えます。成果に応じた賃金体系にします。専門職で年収1000万以上の方の残業代はゼロです。
  企業の皆様も大賛成です。
企:対象の社員を拡大したい。みんな幹部にしてあげるからね。
民:そんないい制度ならまずは官の皆様からどうぞ、「まず隗より始めよ」って話もあるし。
官:いえいえ、とんでもない。

国:少子高齢化で社会保障費がますます増えていきます。消費税の上昇分は福祉に当てますのでご理解を。
  それで介護職に従事する人の給与は上がります。
民:給料上がったかな?職場環境って良くなったかな?
国:ちょっと遅れているだけです。

国:少子高齢化で将来の年金が危ないです。
  色んなシミュレーションをしてみました。経済成長しないとこんなに減ってしまいます。
  介護保険も厳しいです。介護度の低い人は自助努力してください。特別養護老人ホームは入所制限します。
  国の医療財政も厳しいです。ジェネリックを使いましょう、ジェネリックを使わない薬局は報酬を下げますよ。
民:昔、100年安心の年金制度って聞いたけど、あれって、僕の空耳だったのかな?
  ジェネリックって、議員さんも、国家公務員の皆さんも使ってるのかな?

国:混合診療を導入します。これが第3の矢です。今まで使えなかった薬や最新の治療が受けられます。
民:ドラッグラグを解消すればいいだけの話じゃないの?混合診療とは無関係でしょ。最新の治療はすぐに保険でできるようにすればいいだけじゃないの?
  それに保険が使えない治療って高いでしょ、金持ちしか受けられないじゃん。その治療って、いつか保険で使えるようになるの?(たぶんノーです)
  今だって、自費診療分を増やしたくてしょうがない感じでしょ。風邪薬とかうがい薬は保険の対象外にしようとしてるんだもの。
  どうにかして、患者さんの負担を増やす方向に持っていく気満々。
  保険外の治療が多くなって、アメリカの保険会社がどんどん参入するって算段でしょ。


成長か死か、これを声高に叫ぶ人を僕は支持しない。
人は成長し続けることに限界があると思うし、国も同様だと思っています。
成長が止まった時にどう維持していくか、壊れないように守っていくか、成長できなかった人をどう救っていけるかを多くの企業人、そして安倍さんは語ろうとしません。
それを語ることは負けを認めることと思っているのか、もともとそういうヴィジョンを持たずに突っ走っているのか。
多分、ずっと成長していける一握りの人にとっては今の日本の政策はとても快適なものに映っているのでしょう。
そして多くの取り残された人々はいつまでもおこぼれに与ろうと口を開けてただひたすら待ち続けているしかないのでしょうか。
その余った果実は永遠に落ちてくることはないのに。

そして、国からは、
「自己責任だよ」って。

2014.06.15  久々の
高速ドライブを満喫してまいりました。
朝、クリニックで昨日のデータ、書類整理などを終わらせて、絶好の天候のもと、いざ高速で栃木へ。
今の車で高速走行するのは、はて?何回目だろう、てくらい久々のように思えます。多分、1.5年前に所沢に行って以来かな?
カーステ(古い!)を聴きながら、渋滞のない高速を運転するのは日頃のストレスを発散するには最高のシチュエーションでした。
途中、腰痛に見舞われましたが、1時間以上同じ姿勢で運転するのはもうキツイお年頃になっています。
昼前には着いて、目的地を探索して、昼食は蕎麦屋さん、午後からもあちこち回って。
今はナビが標準装備されていますので、どこを回るにも非常に便利で、そしてあまりにも便利になりすぎている気がします。
この反動として、自分で考えるとか、勘を働かせるというようなことが疎かになっていますね。
僕の車にはロードマップを置いていますが、もはや無用の長物と化しています。

ある公園に行ったのですが、そこではなんだかヤンキーの集まりみたいな催し物をやっておりました。
大きな旗(団旗みたいな、大漁旗よりもっと大きい)を振り回して、格好は夏祭りに着るような浴衣?袴?沖縄の成人式に登場するような、と言いますか、
よさこいのダンスパフォーマンスのような感じというのが適当でしょうか。
どうも居心地が悪くて、その場をそそくさと退散しました。
昨今、ヤンキー文化(こてこてのものではなく、マイルドな、ソフトな)の台頭が指摘されておりまして、よさこいソーランなんていうのもその一つなんでしょうか。

今日はワールドカップの日本チームの初戦が行われていたようですが、そんなわけで見られませんでした。結果は嫌でも情報として入ってきます。
予想通りと言いますか、まあ、残念でした。

2014.06.14  梅雨につき
先週末から今週の前半はずっと雨、木曜日の夕方、西の空が明るくなり気分も晴れ晴れ。
金曜日にはクリニックの前の芝生を手入れしてくれたお陰で、芝刈り後のあの特有の良い香りがして、夏の到来を感じました。
梅雨っていう時期は多くの人に嫌われているようですが、個人的にはそんなに嫌ではありません。
この前みたいな土砂降りはあまりに趣がありませんが、しとしと降る6月の暖かな雨っていうのは物思いに耽るにはもってこいだと思っています。
それに農作物や山の木々の育成、日本の自然を彩るには絶対に必要な季節ですけどね。

6月は例年、来院者数も少なく、落ち着いている時期ではありますが、個人的にはなんだか忙しくしています。
学校医としての内科検診、恒例の会議、出張などが立て込んでいます。
僕の担当している学校の内科検診では生徒さんが年々増えてきておりまして、所定時間でかなりの人数をこなさなくてはならなくなっています。
1学年6、7クラスって・・・。最初の頃は4クラスくらいだったんだけど、今後ますます増える予定だとかで、ちょっと勘弁。
校舎も手狭で教室が足りなくなるのは時間の問題でしょう。
お陰で昨日、今日は聴診器を差している耳が痛かったです。

そこの生徒さんには毎年感心するのですが、非常に礼儀正しい。
廊下ですれ違う時には、「こんにちは」と挨拶をしてくれるし、診察が終わると、「ありがとうございました」と礼をするんですね。
先生から指導を受けているのでしょうが、それをきちんと実践できるというのはやはり素晴らしいです。
翻って、自分の学生時代は来校した部外者に対して挨拶をしていただろうか?絶対してないな。

明日は栃木まで。

2014.06.05  これもアベノミクス効果
景気が良くなっているようで何よりです。
以前のデフレを脱却して、「もはやデフレではない」とのたまっているようで、物の値段、賃金ともに上昇し(大企業に限る?)、経済的には上向いているようです。
もっとも、我々自営業者にはあまり感じられないのですが・・・、ただ僕が鈍感なだけなのでしょうか?

で、その恩恵を受けたのか、すき家やワタミのアルバイトが足りなくなっているようです。
時給を上げても人が集まらないそうで、ご愁傷様です。
近くのすき家もいまだに「パワーアップ工事中」です。
デフレの時は低賃金でも人は集まったでしょうが、景気が上向きになればより条件の良い職場に移動するのが人の常です。
労働者っていうのは同じ賃金であれば楽な職場を選びます。多少きつくても時給がよければ我慢もできますが、それがどの程度なのかは人それぞれでしょう。
ファストフード系、居酒屋系はブラックバイトになりがちですが、同じ牛丼屋チェーンでもすき家は「きつい」のに加え、「危険」(深夜の強盗の登竜門みたいな場所になっています)
という役が付いてしまったので、多少時給が上がっても夜のワンオペは遠慮したいと思うんでしょうね。
経営者がこの労働者の気持ちを汲み取れないならばいくら時給を上げても人手不足は解消されないと思います。

一方のワタミは「ブラック」のレッテルが張られたことが相当なダメージになっているようです。
24時間365日死ぬまで働け」
創業者様のありがたいお言葉が印象的ですね。

しかし、研修医時代はそんなこともあったよなあ・・・(遠い目)
研修医同志で、いかに自分が受け持ち患者さんで忙しいかを自慢し合ったり、当直でいかに大変な目に遭ったか自慢をしたり、
まるで奴隷が自分の鎖の重さを自慢し合うような状況でした。

たとえば、忙しい科を回った時には家で寝られるのは月に数回なんてこともありました。実際、研修医が自殺するような事件もありましたが、
「今はそんな時代じゃないよね」っていうのが医師の世界でも共通認識となっているはずです。(たぶん)

ここにきて、また悪名高き「ホワイトカラーエグゼンプション(別名残業代ゼロ法案)」がゾンビのように生き返ってまいりました。
産業競争力会議が成長戦略の一環として導入しようとしています。

「成長か、さもなければ死か」
これもどこかのえらーい経営者のお言葉ですね。

「いつまで成長しなければならないの?」
「もう疲れたよ、パトラッシュ」

続きはまたいつか。

2014.06.01  梅雨に突入?
先週末あたりからとても蒸し暑くなっています。九州の方では猛暑日になったとか。
朝はまだ風もひんやりしているので窓を全開にしているのですが、10時くらいからはもう駄目です。
湿度と同時に気温も高くなってきまして、エアコンをつけてしまいます。

そういえば、うちのスタッフも先週から勝手にクールビズを導入しています。
別に僕が指示したわけでもなく、あくまで自発的なチャレンジです。色の指定はしていませんが、患者さんからは
「一体どうしたの?」、「若く見えますね」なんて冷やかされていまして・・・。

受付でパソコンに向かって仕事をしているのと、診察室、処置室を動き回っているのでは体感温度が異なるのは当然とは思います。
僕は座っているだけですから事務さんと同じ状況ですけど。
窓を開ければ鳥の囀りが聞こえて非常に風情があって好きなんですけど、経営者としては職場環境も考えてあげなければいけませんから。

今度、受診された際は彼女たちに一声かけてやってくださいな。
「似合いますよ」って。

今日は、久しぶりに社会奉仕作業(清掃作業)に参加しました。
何週か前にたまたま回覧板を見て、「最近行ってないよなあ、たまにゃあ行かねば」と思ったからでして、実は自分が役員の時以来の参加でした。
朝の20分あまりの時間でしたが、誰にも遭遇せず、「おいおい、本当に今日やってるの?」と思い、市のホームページを見直しました。
先週の牛久の清掃活動の日には、多くの市民の方々が道に出て、空き缶やごみを拾っていましたけどねえ。

いきなり話題は変わって、最近の世論調査に思うあれこれ。
集団的自衛権や特定秘密保護法案などにまつわるマスコミの世論調査についてですが、あれって、新聞社によって結果が真っ二つに分かれます。
毎日、朝日、東京は左寄り、産経、読売は右寄りですね。
これは世論調査の選択肢が巧みに操作されているせいでして、賛成か、反対かの2者択一を取るのが毎日や朝日。
賛成か、反対か、限定的な賛成かの3者の選択肢を取るのが産経、読売ですね。

「全面的な賛成」+「限定的な賛成」が賛成票に入ることにより集団的自衛権は国民の過半数が賛成しているという結論を導くというのが安倍さんの応援団の新聞社です。

僕がまだ若かった頃、世論調査の結果を見ていた時に常々感じていたことを書きます。
円グラフには、「賛成」、「反対」、そして、「どちらでもない」や「よくわからない」と答えた人がいました。
その当時の自分としては、
「どちらでもない」とか、「よくわからない」ってどういうことだよ、よく考えろよって思っていました。
そういう自分の主張を明らかにしない人に対して、幾分苛立った評価を下していました。
難しい問題に対し、インテリジェンスの見地から本当によくわからない人も確かにいたでしょう、しかし、最近では、態度を明らかにしない人の中には、
敢えて、「この問題に対しては、判断をペンディングしておく」という選択をしていた人もいたんじゃないかと思うようになりました。

YesかNoかの2者択一の答えを要求されることの息苦しさって、年を取るにつれて多くなってきた気がしてなりません?(僕だけかな)

「私と仕事のどっちが大事なの?」
「私の料理とお義母さんの料理とどっちがおいしいの?」
「成長か、さもなければ死か」

最初と2番目の質問には、「どっちも大事だよ、どっちもおいしいよ」
と答えることは許されません。
しかし、そんなことを聞いてくる女性とは・・・(自己規制)

最後の質問はあるブラック企業のオーナーの社訓だと記憶していますが、ここではあまり関係ないですね。
成長を止めてはいけない、立ち止まってはいけない、改革を止めるな、というようなスローガンを掲げることに対しては非常に強い違和感を感じてしまいます。
この件についてはまた時期を改めて。


0か100か、YesかNoか、今すぐここで判断しろっていうのは非常に危険な発想だと思っています。
「うーん、よくわからないけど、55%くらいは賛成かな?でも、こういう考え方もあるよね」って逡巡する態度っていうのは、
現代の社会では、「優柔不断な奴」、「自己主張のない奴」といってあまり良い評価を受けないようです。
取り敢えずはったりをかましたり威勢のいいことを主張した方が受けがいいんですね。

賛成か、反対か、どちらにも理がある、メリットがあり同時にそれを選択した時のデメリットもある。
完全に反対ではないけれど賛成もしかねるなんていう、思慮深い(?)人の意見はこういった世論調査では絶対反映されないんでしょうね。



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