独り言


2014.02.23  肝炎の話
久々に医療関連で。
C型慢性肝炎の治療は日々進歩していまして、つい3年ほど前までは2剤併用療法(※)がスタンダードでした。(1型高ウイルスのケース)
(※2剤併用療法とは週1回のインターフェロン注射と内服薬1剤を服用する治療法のこと)

もともと1型高ウイルス量の患者さんは日本人に多いタイプで難治例が多いとされていて、2剤併用療法を1年間受けても治癒率は50%行くかどうかというレベルでした。
しかし、平成
2311月より内服薬のテラプレビルを加えた3剤併用療法が始まり、治療効果も格段に向上しましたが、これには難点がありました。
それは、皮膚症状の副作用が強く、肝臓専門医と皮膚科専門医の連携の取れる施設でなければ治療が行えないというもので、開業医レベルで扱える代物ではなかったわけです。

それに、そのうちもっと良い薬も出てくるよという話もありましたので治療をペンディングしている患者さんもいらっしゃいまして。

そこに、昨年12月にシメプレビルという薬が保険適応となりました。
これは従来のテラプレビルのような重篤な皮膚症状の副作用が殆どなく、皮膚科専門医の監視がなくても使えるということで、
現在はこれが
C型慢性肝炎の第一選択薬としてガイドラインでも推奨されることとなりました。
うちにも過去にインターフェロン治療を行ってウイルスの消えた方、一度消えたけれど治療終了後に再燃してしまった方、全く効果のなかった方といらっしゃいます。

再燃してしまった方や無効だった方は、定期的に血液検査を行うとともに内服治療、注射(強ミノC)を行っています。
これは肝硬変や肝がんを発症しないということが目的の治療を行っているわけですが、不幸にも病状が進行してしまうこともあるため今回の治療には非常に期待が持てます。
しかし、一度治療を受けた方は、やはり治療中の副作用がトラウマになっていることもあり、再治療に踏み切る事に躊躇されています。
それに年齢も重ね、
70歳を過ぎてきますと、「もう今更だよなあ」という感情も出てきます。
今回の
3剤併用療法は再燃した方に対しても6ヶ月の治療(以前より短縮)で約90%の治癒率という結果が出ています。
初回治療の方に対しても同じくらいの効果がありますが、前回無効だった方への効果はやはり50%を切るようです。

さて、現在ウルソや強ミノCで治療している方が再チャレンジされるかどうか、今、外来で少しずつお話をしているところです。

先日も、是非やりたいという方がいらっしゃいましたが、それはご本人より連れ合いの方が背中を強く押しているようでした。
男性の場合は仕事をしている関係でなかなか治療に専念できないというケース、女性の場合は比較的データが安定しているため、
「もう少し先でもいいんじゃないですか」と言われるケースが多いですね。

やるなら「今でしょ!」(古い)
と言いたいところですが、治療決定権は患者さん本人ですからね。


因みに、3剤併用の後にはインターフェロンを使わない経口2剤の治療も出る予定です。
しかし、これを待っていると肝硬変へ進行する可能性もあるし、年もとっちゃうし、なかなか頭を悩ませるところです。


先週まで、医療事務の学生さんが2週間にわたって実習を行っていました。
例年、夏休みか春休みに、専門学校の1、2年生が2週間くらいクリニックや病院で体験学習をすることになっていて、うちでも受け入れています。
19や20歳くらいというのは、うちのアラフォースタッフにとってはまるで自分の娘のような感じで接していたようです。
いつもならみんなで食事に連れて行ったりしていましたが、今回はなかなか時間が取れず、相手をしてあげることができず残念でした。

2014.02.16  オリンピック
日頃テレビを見ない生活を送っていますが、オリンピック期間中ということもあって比較的よく見ています。
フィギュアは興味ないので見ませんでしたが、カーリングやアイスホッケーは面白いです。
他にもアルペン(スーパー複合)やスキー、スノーボードのスロープスタイルも良かったです。
ジャンプやスピードスケートは見るチャンスに恵まれませんでしたが、これまでのところ結構楽しんでいます。
個人的にはスキーでもスノーボードでも回転、滑降、パラレルといった競技が好きで、表現力や演技点を競うような競技はどうも性に合いません。
そういったことでフィギュアは見ないのかもしれません。(同じ理由で水泳のシンクロも興味なし)

個人的におすすめなのがスノーボードクロスという競技で、スケートのショートトラックよりはるかに面白いと思います。

ここまで日本のメダルは当初の予想(目標)より少ないようですが、どうも日本のマスコミはメダルの数にこだわりますね。
競技の事より日本人の成績ばかりに注目しているように感じます。
優秀な成績を収めた日本人選手を称賛することは当然のこととして、世界の一流選手のどこが素晴らしいのかを伝えたり、成績の劣る日本人選手はどのあたりが足りないのか、
どうすればいいのかを指摘する姿勢に欠けるように思えます。

2014.02.11  大雪の後遺症
前回の続き
昨日は開院して初めて、臨時休診となりました。
これまでの当院の休診の決め方というのは、1ヶ月以上前から掲示して関係各所に事前連絡をして休診にしていたのですが、今回は朝、急遽決定しました。
患者さんには非常に申し訳なかったのですが・・・。
日曜に一人で除雪作業するのは難しかったのは事実ですが、翌朝には溶けてるだろうと淡い期待を抱いていたのも甘かったですね。
いつものようにヴィレッジに行くと、そこは一面の雪化粧。そして整形外科の清掃を担当しているおばさんと薬局の先生が佇んでいました。

「駐車場に入れないんですが・・・」

これがすべてでした。

雪は固く、金属製のスコップも全く歯が立たず。
整形外科の先生にも連絡して、休診を決定。

それからが大変でした。
スタッフへ連絡、予約患者さんへの謝罪と予約日の振り替え、出入りの業者さんへの連絡等々。
知らずに来院される方へは即席の張り紙で告知したり(これは薬局さんが作ってくれました)。

日中は数多くの患者さんからの電話を受けまして・・・、自然が相手とはいえ、さすがにこちらの都合での突然の休診でしたので非常に心苦しかったですね。

今日、見に行くと、すっかり綺麗に除雪されておりました。
昨日、ヴィレッジのオーナーの会社の方に除雪のお願いをしてありましたので機械を入れてやってくださったそうです。
これで明日からは通常通りに診療できそうです。

2014.02.09  大雪
なんでも20年ぶりの大雪だそうで、前日からテレビやラジオで煽りに煽られまくって土曜日を迎えました。
朝から少しずつ積もってはいましたが、昼を過ぎてからは本降りとなってきました。
午前中から患者さんはいつもの
7割程度しか来られず、それも11時くらいでほぼ打ち止め。午後からはほんの数名が受診されたのみで久々の閑散とした土曜でした。

スタッフはご主人に送迎してもらったり、スタッドレスタイヤで万全な雪対策をしていましたが、僕はというと、以前にも書いたようにノーマルタイヤのFR車ですので半分諦めムード。
午後
5時の時点では駐車場は一面の銀世界、大通りに出れば走れないことはないんでしょうが、万が一立ち往生した場合、他の車両にも迷惑がかかるのでクリニックに一泊することに決めました。
一応、クリニックにはスタッフ休憩室があり、暖を取ることも、カップ麺のお湯を沸かすことも可能で、院長室には簡単なシャワー室もありますので、泊まる事はできます。
夜はソチのオリンピックでも見ながら長い夜を楽しもう、心はウキウキです。
お酒があればなおさら良かったのですが・・・。
 

久々にテレビを見ていると、東京の雪情報がやけに多い気がしてなりません。19時のNHKは関東ローカルではないはずですが、大雪のニュースにかなりの時間を割いているようでした。
大雪と言っても日本海側の地方に住んでいる人にとっては屁でもない量だと思われますが、あたかも大きな災害に襲われたかのような報道ぶりです。
土曜日の夜から日曜日の明け方には低気圧も通り過ぎて東北方面に移動するのですが、東北地方が大雪になっても報道はごくわずかか完全無視。これは台風のときも同じ構図ですね。

「首都直撃」なんて大騒ぎしてくれるくせに、一旦通り過ぎて、東北、北海道に行ったらもう知らん顔。「東北の皆さん、お気をつけて」ってな具合に。
全国ネットを展開している局が関東(特に東京)中心と言うのには何だか釈然としないものを感じてしまいます。
東京都は日本の1割以上の人が住んでいる大都市で、首都であることは十分存じ上げていますが、東京中心で物事を考え、報道する姿勢には甚だ疑問を抱いてしまいます。
都知事選のことについてもやけに仰々しく連日報道されています。
まあ、これは田舎者の僻み、戯言なんでしょうけどね。


で、雪も止んだ翌日(今日)。駐車場は前日にも増して凄い積雪。
本格推理小説に出てくるような閉ざされた一軒家というシチュエーション。
よくある話が、ここで殺人事件が起こって、足跡が云々。「密室だぁ」というお決まりのストーリーですわ。

天気は良く、そのうち溶けるだろうと高をくくっていたら、あに図らんや、いつまでたっても陸の孤島状態。
このままではクリニックに二晩泊まることになりまして、さすがにカップ麺にも飽きてきましたので、雪かきを強行。
クリニックからの脱出を図りました。
車の通るところだけを除雪して、上手く通りに出たまでは良かったのですが、車の通りの少ない方に出てしまう痛恨の選択ミス。
轍のないところに入ってしまいタイヤの空回り状態でにっちもさっちも行かなくなりまして・・・。
そこへ、近所の方が出てきて車を押してくださいました。「あっ、内科の先生ですよね」なんて言われて・・・。
「はっ、恥ずかしながら。」
感謝、感謝です。
そのほかに、隣の薬局の薬剤師さんご夫妻がたまたま通り合わせて手伝ってくださり、本当に助かったぁ。

もう一点。「現代のベートーベン」にはゴーストライターがいた、という話題。彼がペテン師だったのは置いとくとして。
「騙された」と騒ぐ人、「ひどい奴だ」と言う人はどういう思いでそう発言しているんだろうと、ふと思いました。
彼の作品はとりあえず一度は大変高い評価を受けたという事になっています。
その高い評価というのは、
被爆二世という生い立ち、聴覚障害者(多分詐病)というハンデキャップを持っているというバックボーンでのかさ上げされた評価でしかないわけですよね。
広島市民賞を授与されたのは彼の作った作品が評価されたからではなかったのでしょうか?
もしかしたら曲はどんなものでもいい、弱者が苦労して作り上げたものならば何でもいいんだということだったんじゃないかと思うのは僕だけではないはず。

単に作品がすばらしいのであればどこの馬の骨かわからないような人が作ったものであっても評価されるべきであって、
何か作品以外のところで修飾されたものが評価の対象となっているように思えてなりませんでした。
 

そして真の作曲者(ゴーストライターさん)が作った作品と判ったとたん、その音楽性も地に落ちてしまうとなると、作品の評価とはいったいなんだろうと思ってしまうわけです。
彼を絶賛していた評論家はどの面さげて今後評論家を名乗るのだろうか?と少し悪趣味ですが期待しています。

「騙された」と騒げば騒ぐほど、「あなたは作品に対して正当な評価ができなかっただけじゃないの?」と。

フィギュアの高橋選手はいい迷惑で、この件での被害者として俄然注目を集める事になりましたが、頑張ってメダルを獲得してもらいたいです。
今では著作権の問題で楽曲は聞けないので高橋選手の演技の時だけ流れる貴重なものとなるみたいです。

あと、CDを購入した人々は騙された事になるんでしょうか?
これもまた、曲が良かったから購入したのなら別に誰の作品でも良いわけで、騙されたという被害意識を持つことは理論上ない事になります。
しかし、彼のファンが購入したのならば、彼の作品だと思ったのは実は偽者が作曲したものだったということで、「騙された」と言うのは妥当だと思います。
今後、「騙された」というマスコミさんたちがどのような理論武装でこの件を検証していくか見ものです。
特に
NHKさんにやってもらいたいですね。

2014.02.01  生きにくい世の中
朝のNHKラジオの番組で反原発をテーマとした話題を話そうとした大学教授がNHKから難色を示されて番組を降板するというニュースがありました。
NHKの言い分としては東京都知事選の期間中だとまずいということだそうですが、もしこれがその通りだとすると、
1.    今年の沖縄県知事選の期間中は沖縄の米軍基地の話題はNGなのか?
2.    原発施設のある県で選挙がある場合、原発の話はタブーなのか?
3.    もしこの教授が原発推進派だったとしてもやはり同じ状況になったのか?
4.    都知事選では災害対策、オリンピック、福祉対策なども争点となっているはずで、この話題もダメなのか?

賛成論者と反対論者が議論を戦わせるスタイルならば問題ないということでしょうけど、一人で持論を述べる番組はやっちゃいけないとなると、
夜の報道
なんちゃらという番組は彼の意見に異を唱えるひとなんていましたっけ?

もっと言うと、国政選挙で消費税が争点になれば消費税反対を唱えることもできなくなるんだろうか?
憲法改正が争点になれば改憲派も護憲派も何も言えなくなるんじゃないのかな?
この件は
NHKによる言論統制と言われても仕方がないように思えます。

もう一点。
派遣労働者に関する法律が改正になるらしいのですが、これまでの3年という期間を撤廃して、すべての仕事で、3年ごとに派遣労働者を代えれば、
派遣に仕事を任せ続けられるようになるというものです。

これは果たして「改正」法なんだろうか?

一生涯派遣労働者になることを強いるようなものではないのかなあ・・・って思ってしまいます。
経営者側の立場からすれは正社員なんて雇わずに3年ごとに派遣社員をとっかえひっかえできるとても便利な仕組みになりますよね。
昇給もしなくて済むし、社会保険も雇用保険も払う必要ないし、経営側からすれば改正法であることは間違いありません。
しかし、労働者側からすれば正社員になるルートは限りなく細くなってしまいます。3年働いたら違う職場に行かされて、また仕事を覚えて、人間関係を築いて。
スキルアップ?派遣のプロ?ちゃんちゃら可笑しいですね。
通訳、デザイナー、開発者などは別でしょうが、ライン工や事務職員が永遠と派遣として低賃金で働かされることになるでしょう。
なまじスキルを持った時給の高い派遣さんより若くて元気で時給の安い派遣さんの方がいいという経営者が多いのではないでしょうか。

えっ、うちは
どうかって?
扶養範囲内での就業を希望されている職員もいますので、100%には絶対なりませんが、正社員率は高いですね。





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