独り言


2009.02.26
先日、「子どもを花粉症にしないための9か条」なんていうニュースが出ていました。
1.生後早期にBCGを接種させる。
2.乳児期から乳酸菌飲食物を接摂取させる。
3.小児期にはなるべき抗生物質を使わない。
4.犬・猫を家の中で飼う。
5.早期に託児所に預け、細菌感染の機会を増やす。
6.適度に不衛生な環境を維持する。
7.狭い家で子だくさんの状態で育てる。
8.農家で育てる。
9.手や顔を洗う回数を少なくする。
僕ら、またはそれ以前の子ども時代の環境に戻せば花粉症になるリスクが減るっていうことなんでしょうね。
幸い、僕はあまり花粉症の症状はないみたいで、振り返ってみるとこれは小児期の環境の賜物だったのでしょうか。
該当しないのは4番だけですから。

世間では受験シーズンです。県立高校の受験が来週に迫っていますし、国公立大学の二次試験も既に始まっていますし、学生さん、親御さんとも非常に大事な時期ですね。他の子たちも学年末のテストをやっていて、うちでもテスト期間なので早々と帰ってきてそこらじゅうプリントやらノートを散在させていますね。これが終わればあとは春休みですから、あと一踏ん張りでしょう。
たまに、「教えて」と聞いてきますが、もはや無理です。1年前までだったら余裕でしたけど、今の内容だと一緒に参考書を見ながら、「ああでもない、こうでもない」なんて悩みながら解いています。約30年前はこんなことやってたんだなあ、と感慨に耽りながら問題を眺めている(お手上げ状態で)だけです。親が子どもに勉強を教えてやれるのは中学生までですかね、自分が教師ならもう少し上までいけるでしょうが、高校の範囲は全くわかりません。この先できるのは経済的なサポートと精神的なサポートだけですね。精神的なサポートはかえってプレッシャーを与えてしまう危険性も孕んでいますが・・・。
小さい頃はわからない問題は親に聞けば教えてくれたけど、これからは親には頼れない、自分で解決するしかないって感づいてくれればそれでいいでしょう。

2009.02.19
インフルエンザも一頃のピークは過ぎたようです。代わりに先週末から花粉症になっている患者さんが増えてきています。
花粉症の専門家はやはり耳鼻科の先生ということになりますので、この時期は耳鼻科の先生(それに待っている患者さんも)は大変だと思います。内科で出来ることといえば、花粉症と診断して(これがまた、普通の風邪と区別がつかない場合もあり難しかったりするんですが)お薬を出すこと位です。スギやヒノキのアレルゲン検査を血液で調べることも出来ますが、毎年この時期に花粉症の症状が出てる人にとっては、今更血液検査もないでしょうから、内服薬に点眼薬や点鼻薬を処方して終わりということになります。
この前、花粉症の注射をやってますか?という問い合わせがきましたが、これは流石にやってないですね。ステロイドの注射ですが、内科の立場で言うとあまりお勧めしない治療法ですから・・・。リスクを充分理解して、それでも尚且つやりたいという方でないとね。糖尿病や高血圧が悪化したり、骨粗しょう症や生理不順なんかにもなるし。
花粉症の薬は眠くなるのが難点です。ただ、昔の薬に比べると格段に眠気の副作用は軽減されているとは思いますが、それでも眠気はつきものです。個人によっても効果や副作用の発現に差は見られまして、他の人に効いた薬が自分にも効くかというと必ずしもそうとは言えません。また、その年の、またその日の飛散花粉量によっても症状が変わってくるので薬の使い方も難しいです。それは人間一人一人が違うからで、万人に一様に一定の効果のある薬っていうのはないわけでしてこれが医療の不確実性の一例でしょうか。医療に携わる人々はそれをいかに克服していくかに心血を注いで、試行錯誤を繰り返しているのですが、なかなかそういう努力が報われないというか、理解されないのが現在の日本の現状ではありますね。

2009.02.12
今日は暖かく、ジャンバーも要らないくらいでした。
昨日は医療安全研修会っていうのに出席してきました。午前・午後と座りっぱなしでおしりと背中が痛かったですね。
医療安全の講師として航空機の元パイロットの方がいらっしゃいました。お話は面白かったのですが、やっぱり何か違和感がありまして・・・。
それが何かっていうのは一言では言い表せないんですけど、うーん、機械を扱ってきた人と生身の人間を扱う人とは感性というか、考え方が違うのかなあ。
マニュアルを作るのは大事です。マニュアル通りにやっていれば大体は上手くいくものならいいんですが、人間の体なんて、100人いれば100通りの反応があるわけで、マニュアルから外れることの方が多い場合もあります。それらに全て対応するような非常時のマニュアルを作ろうものなら携帯やパソコンの取扱い説明書のような分厚いマニュアルを作る必要があります。(実際に作ってます)
一例を挙げると、「採血や点滴の前に本人確認をすることが、リスク回避になる」ということは間違いはありません。毎回、採血や点滴の前に本人に自分の名前を言わせるというのは・・・、何か変な感じ。顔なじみになって、もう間違いようのない間柄になった看護師さんに対しても毎回自分の名前を言わなくてはならなかったりするのは、もし自分が患者さんの立場ならいやだなあ。初対面の人だったり、まだ馴染みでなかったりした場合はきちんと本人確認することで間違いを防ぐことはできますけど。
2人の「鈴木さん」がいた場合、点滴する前に本人確認を怠るのはもってのほかだとは思いますけど、毎回毎回、本人に名前を言わせるのは、「ちょっと、俺をバカにしてるのかい?」と思っちゃう人だって出てきそうだなあ。マック、ファミレス、コンビニみたいなマニュアル通りの対応っていうのは医療機関にはあまり向いていないように感じるんだけど・・・。
こういったリスク回避策が全盛になってくると、たちまち「人間味を感じさせない対応だ」とか、「マニュアル医療だ」なんていう批判がマスコミから起こってくるんでしょうね。

2009.02.05
世界的な不景気で製造業は大変なようです。うちに来られている患者さんで、これまでは土曜日にしか来れなかったのに、「仕事が減っているので週休3日になって平日でも来られます。」といって月曜日に受診されましたから。
派遣さんもどんどん切られているし、どうなるんでしょう。「派遣切り」なんていう言葉で一括りにされた非正規雇用者の惨状はマスコミを通じてしかわかりませんが、これって他人事ではないように思えます。めぐりめぐって日本全体に影響を及ぼすと思うんだけど・・・。
かつて、Made in Japanといえば性能の良い日本製品の代名詞であったわけで、これを支えていたのが製造業の人々でした。今ではそれらの仕事をする人たちが非正規雇用者になったわけで、それでも責任感とか、モラルとかはきっちり保たれてきましたが、それはしっかりやればこの先も雇ってもらえる、正規雇用してもらえるかも・・・という希望があればこそのものだったんじゃないでしょうか。正社員になる希望もなく、挙句の果てに「来月からもう来なくて良いよ」なんて言われたら、普通切れるよなあ。
「もう、どうでもいいや」って、手抜きしたり、いい加減なものを作っても、「どうせ明日には辞めちゃうんだから俺には関係ないよ」ってな感じで。
昨年の秋葉原の事件がこれから起こらないとも限らないし、特に外国人労働者が真っ先に切られている現状を見ると、とても怖い気がしてなりません。仕事もない、お金もない、そして希望もない、せめてその一つでもあれば生きていけるのに・・・。
日本人がかつて誰もが持っていた日本人らしい思いやりとか、優しさなんかが失われしまったようです。失われた10年という言葉がありましたが、日本人はモノやお金だけではなく大事な心までもを失ったんですね。


秋から最近までガソリンが値下がりしていましたが、石油が原材料のものって結局値段は上がったまんまですね。ティッシュペーパーなんかは量を少なくしたりしていましたが、石油の値段が落ち着いたので元に戻しますなんてことは一切言ってません。石油が値上がりした時はすぐ反応したくせに・・・、マスコミもその辺には全く触れません。困ったね。

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