独り言


2008.11.27
今日は一日中冷たい雨がしとしと降っていまして、最近では最も寒い一日だったのではないでしょうか。

今日の新聞に、介護報酬をアップするという記事がでていました。かつては福祉関係の職業は人気があって、介護福祉士になる人も多かったように記憶しています。しかし、製造業の期間社員さんの健康診断をすると、前の職業欄に介護関係の仕事を書いてある方が数多く見られます。
「どうして辞めたんですか?」って聞くと、
「給料が安くて食っていけないんですよ。」っていう答えが返ってきます。
常勤を辞めてまでも期間工がいいのかなあ、って思っていましたが、結婚して子供さんがいると介護職では暮らしていけないっていう現実があるんですね。
今回、介護報酬がアップされますが、その分が給料に反映されるかはちょっと疑問です。それに、いろいろな制限をつけて、基準を設けて、それをクリアした施設だけに報酬アップを認めるっていう厚労省のいつものやり方では底辺を支えている弱小介護施設では全く恩恵に与れません。社会的入院を減らして在宅医療を支援しようとするなら小手先の診療報酬の点数をちょこちょこといじるんではなくて国がもっと財政支援をしなくては介護の世界から逃げ出した人たちは戻ってこないように思います。
また、看護師不足を補うために外国から看護師さんを輸入するより、辞めてしまった日本人の看護師さんを呼び戻すほうがより効果的だと思うんだけどね。これは医師不足にも同じことが言えるけど、辞めてしまった女医さんや勤務医を呼び戻す方法は、どうして辞めざるを得なかったかをきちんと考察して辞めなくても良いような労働条件を整えることが大事で、新しく医師を作っても辞めてしまえば元も子もないわけで・・・。労働基準法なんて完全に無視した状態で働かせて、やれ、モラルが足りないだの、やれ、社会的常識に欠けるなんていわれたら、「もう、やってられないね」って言いたくなるんでしょうね。

2008.11.24
久々の連休でした。というのも、いつもは何やかやと外出することが多く、休みでも全然休めないという状態が続いていたものですから・・・。
先週からの首や肩の凝りが大分良くなってきた感じです。
買って積んでおいていた本も読んで、家の掃除や、書類の整理なんかも出来て、まずまずの休日だったかな。

クリニックも来月に入ってすぐに大掃除をしてもらう予定です。そんなこんなですぐに暮れを迎えていくわけで、昨日行ったお店では早くもクリスマスソングが流れていました。

2008.11.20
寒くなりまして、早起きするのが辛いです。
最近、外来が込み合っていて、ちょっとストレスが溜まってきてるのか、ホームページを更新する頻度も少なくなってきています。
予防接種の人は注射だけ打ちに来てるんだから打ってすぐに帰りたいんでしょうが、なかなかそういうわけに行かないところが心苦しいですね。
きちんと診察して、大丈夫っていう確認をしなくてはダメっていうことになっていますから・・・。問診表を出したら、スタッフがすぐに打てればそれにこしたことはないんですけどねえ。一応、医師の診察が必要なのでご勘弁を。
嫌がる子供の場合はなおさら時間がかかるし・・・、そんな場面を多く経験してみると、小児科の先生っていうのは余程広い心を持っていないとやっていけないなあ、と感じる今日この頃です。うちの場合は、大人が殆どで、時々子供さんの相手をするのはちょっとした気分転換にもなりますし、年に一回、この時期に予防接種を受けにくる子供たちを見て、その成長を確認するのも楽しみではあります。

麻生さんのお言葉で医療界はちょっとした騒ぎになっていますが、本音では思っていても言わないのが大人なんですけどねえ。
どこの世界にも常識のない人っていると思いますよ。医療界は常識人ばっかりっていうことはありませんし、また、他の業界よりも多いとも思いませんがねえ。弁護士にも常識の通じない人はいるでしょうし、官僚にも変な人はいるでしょう。なんと言っても政治家の先生たちほど世間の常識が通用しない業界はないと個人的には思っていますけど。(あ、言っちゃった)
総理は発言を撤回しましたが、総理の言うところの「常識」って一体なんだったんでしょう?

2008.11.13
日本シリーズも終わり、次はWBCです。星野氏の言っていた「火中の栗」を拾わされたのはやっぱりというべきか原監督でした。個人的には星野氏以外ならどなたでも良かったわけで、原ジャパンは大歓迎です。しかし、ネーミングが「侍ジャパン」だそうで・・・、はぁ〜。○○ジャパンっていう言い方じゃなくて、ただ単に日本代表でいいんじゃないかな?プレーをするのはあくまでも選手なんだから、監督が前面に出るのってあまり良いものではないと思うんだけどなあ。ちなみにコーチ陣も発表になっていましたが、北京の時は一体なんだったんだっていうくらいの本気モードですね。
アメリカもメジャーの有名どころが参加の意思を表明しているようですし、来春は面白くなりそうです。

胃腸炎、風邪が流行ってきつつあります。また、相変わらずマイコプラズマや溶連菌もいたりして・・・、インフルエンザも出たという情報も流れてきていますし、発熱の患者さんの見極めが非常に難しいです。

インフルエンザのワクチン接種の患者さんも多く、一般の診察の人の待ち時間が長くなっていて大変心苦しく思っています。

2008.11.06
今年も残り2ヶ月となってしまいました。学校に行ってる時は、1時間の授業が終わるのがとても長く感じられたのに、今では9時にはじめた診療があっという間に12時になってしまっています。
最近は昼間は暖かいんですが、3時を過ぎる頃から急に寒くなってきて、いよいよ晩秋から初冬に向ってきました。しかし、自分の子供の頃もこんなんだったかなあ?って思い出したりもしますが、やっぱり真冬でももう少し遅くまで明るかったですね。(西の方だから当然、日の出、日の入りは約1時間遅い)だからこっちに来て、冬の夕方の寂しさっていうのを凄く感じますし、20年以上経っているのにまだ慣れません。

医師不足対策として医学部の定員を増やすそうです。700人ほどだそうですが、さて、この増加分がきちんと機能するまでには少なくとも10年ほど(外科や脳外科なんかではもっと)かかるわけですが、それにすべてが地域(僻地)医療に回るわけではなく、美容やマイナー科に行ってしまう人もいるわけで、効果の程は如何なものでしょう?しかし、今のままでいいわけではないので、医師不足対策の一つとしては有効な手段なんでしょう。とりあえずはじわりじわり効いてくる漢方薬のようなもの?(漢方薬にも即効性のものはあるよ、というお叱りがきそうですが)
もっと即効性のある手段はないのか?というと・・・、まず、今の「臨床研修制度」をやめることかなあ。しかし、一度医局という組織をぶっ壊しておいて、再生するのはもう無理かも。民間病院で「自由」を手に入れてしまったらもう大学病院には戻れない身体になってます、多分。
医師不足の多くは指導医(中堅どころ)レベルがどんどん辞めていることで、外来も検査も手術もそして当直もきちんとこなせる人たちをいかに大事にするかが重要だと思われます。若い医師をいくら増やしてもそれを教える人がいなければ、優秀な人材は育ってこないわけで、特に外科では技術の伝承ということが重要です。術式を教科書で読むのも勿論大事ですが、先輩医師から怒鳴られ、蹴られながら教わることの方がもっと大事です。人間の身体なんて、一人一人違って、術後経過も同じではありません。マニュアルどおりに手術をやれば全てうまくいって、そうすれば合併症なんて起こるわけがないんですが、時に不幸にも死に至るような合併症が起こります。その対処方法なんかは何度も失敗をしながら経験を積んできたベテラン医師がそばにいて初めて知ることもあります。
若手医師の僻地への強制勤務なんていう意見もありますが、とんでもないことだと思います。医師を作ることも重要、それ以上に燃え尽きてしまう前のベテランを重用することがより重要だと思っています。そのためには、いまいる勤務医の労働条件の改善、報酬アップ、訴訟リスクの軽減っていうところでしょうか。それが社会保障の充実につながるでしょう、同時に財源をもっとつぎ込んで。


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