C型肝炎(その4)
以前作った資料は古くなってきましたので、新しいガイドラインをアップしていきます。
1.C型慢性肝炎に対する初回治療ガイドライン
Genotype 1 | Genotype 2 | |
高ウイルス量 1 Meq/ml 5.0 Log IU/ml 以上 |
ペグインターフェロン+リバビリン(48週間) | ペグインターフェロン+リバビリン(24週間) |
低ウイルス量 1 Meq/ml 5.0 Log IU/ml 未満 |
インターフェロン単独(24週間) ペグインターフェロン(24-48週間) |
インターフェロン単独(8-24週間) ペグインターフェロン(24-48週間) |
2.C型慢性肝炎に対する再治療ガイドライン
まず、初回治療がなぜうまくいかなかったかを検討することが大事です。その上で、治癒を目的に再治療を行うのか、発癌予防(進展予防)を目指すのかを選択すべきとされています。
@初回インターフェロン無効例への再投与はペグインターフェロン+リバビリン併用療法が基本。
Aリバビリンが使えない、リバビリン併用療法で効果がないケースではインターフェロン長期投与が望ましい。
長期投与について
現在、1型で高ウイルス量の患者さんでは72週間までの投与延長が認められています。
投与開始12週後にHCVRNA量が投与前の1/100以下に低下するがHCVRNAが陽性であり、36週までに陰性化したケースではプラス24週の投与延長が望ましいとされています。
3.血清ALT正常のC型肝炎例への抗ウイルス治療ガイドライン
C型肝炎でも肝機能が正常値で推移している方がいます。
この方たちはどのように外来で診ていくのか、インターフェロンをやるのか、もしやるならいつ頃からやるのか、のガイドラインです。
血小板≧15万 | 血小板<15万 | |
ALT≦30IU/L | 2〜4ヶ月毎に血清ALT値をフォロー ALT異常を呈した時点で完治の可能性、 発癌リスクを評価し、抗ウイルス療法を考慮。 |
繊維化進展例がかなり存在する。 可能なら肝生検を施行しF2A2以上の例に抗ウイルス療法を考慮。 肝生検非施行例は2〜4ヶ月毎に血清ALT値を測定し、異常を呈した時点で抗ウイルス療法を考慮。 |
ALT 31-40IU/L | 65歳以下は抗ウイルス療法を考慮。 | 慢性肝炎治療に準じる。 |
4.インターフェロン治療に対する助成金制度
平成20年4月より助成金制度が始まりました。
所得に応じて、月に払う自己負担金限度額が決まっていて、インターフェロン治療を希望される患者さんはほぼ全員がこの制度を使っています。
外来では必ずこの制度について説明しています。申請の書類は保健所に置いてあり、手続きの仕方についても保健所で詳しく説明してくれます。