ヘリコバクター・ピロリ菌感染症


 

ここでは新しいガイドラインについてお示しいます。

「日本ヘリコバクター学会ガイドライン 2009」が、2009年1月に発表されました。

以前のガイドラインとの違いを中心に、また、新たに加わった内容についてまとめてみます。

(1)ヘリコバクター・ピロリ除菌治療の適応
      
ヘリコバクター・ピロリ感染症  
除菌することにより胃・十二指腸潰瘍の治癒だけでなく、胃癌を始めとするピロリ関連疾患の治療や予防、さらには感染経路の抑制に役立つ、との考えのもとにピロリ菌感染症全体を治療の対象としています。

<どのような疾患が対象となるか>
1.胃潰瘍・十二指腸潰瘍
2.胃MALTリンパ腫
3.特発性血小板減少性紫斑病 (わが国においてはピロリ菌陽性の患者さんでは除菌により約半数で血小板数が増加する)
4.早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃
5.萎縮性胃炎
6.胃過形成性ポリープ  (70%のケースでポリープの消失もしくは縮小が期待できる)
7.機能性ディスペプシア
8.逆流性食道炎
9.消化管以外の疾患  (これについては有効性はまだ明らかでない)
  1)鉄欠乏性貧血
  2)慢性蕁麻疹

(2)治療
二次除菌が保険適応となりました。(2007年8月より)
これまでの一次除菌では抗生剤(クラリスロマイシン)に対する耐性菌により除菌成功率は70-80%といわれてきましたが、除菌を失敗したケースに対して、二次除菌が認められました。二回目の治療にはクラリスロマイシンに代えてメトロニダゾール(商品名フラジール)を用います。これにより、一連の除菌治療により成功率は95%以上にアップしています。

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