平田口腔顎顔面外科・腫瘍内科
  がんヴィレッジ札幌
 ホスピスからreらいふサポートへ


平田口腔顎顔面外科 腫瘍内科 がんヴィレッジ札幌

                       平田章二

1.ホスピスの現状

ホスピス(緩和医療)の概念(WHO)は、「患者とその家族に対し、痛みなどの症状コントロール、および精神的、社会的、霊的な苦痛・問題に対する全人的なケアである。」とあります。このように他の病院で治療の手立てがないといわれて紹介されてくる患者に対し、ホスピスの目的は、苦痛の緩和であり、腫瘍に対する治療ではありません。

  しかし宗教を持たない多くの日本人がん患者は、なんとか治療の手立てはないものかと、一人で悩んでいます。日本緩和ケア学会ニューズレター兵頭によると「全人的ケアが行われているにもかかわらず、ホスピス患者の87%が、代替医療(免疫療法、食事療法、健康・機能性食品、生きがい療法、アーユルヴェーダー、ヨーガ、気功、など)を行っており、なんとか「生きたい」と願っている。さらにホスピスでの代替医療に対する主治医の対応を調査した結果、59%の医師は無関心であり、80%は効果なし、と考えている。」と報告しています。

 そのため、ホスピスでは、終末期がん患者に対し無駄な期待感を持たせるべきではない、とし、「がんばりましょう。」などの励ましの言葉は、禁句とされています。まさに患者は絶望的となりQOLは低下します。アメリカのコラムニストであるスチュアートさんは自分の体験から「死ぬに決まっている患者でも、ひょっとすると死なずにすむかもしれない、という希望の灯りを残しておいてもらえれば、より安らかな気持ちで死んでいけるだろうに。」と書いています。


2. 当がんヴィレッジのreらいふサポート

 そこで当がんヴィレッジでは、今までのホスピスの考えに、患者の「生きたい」という気持ちを大切にして、体に負担を与えない積極的がん治療を加えたがん統合医療、すなわちreらいふサポートを行っいます。当がんヴィレッジのreらいふサポートは、補完代替医療と現代医療を合わせた、統合医療を中心としています。現代医療として、患者の免疫能に影響を与えない程度の低用量抗がん剤(低用量抗がん剤は免疫修復効果が認められている。)と場合によりOK−432を使用します。併せて補完代替医療として、徹底した食事指導(@腸内環境を整える食品、A活性酸素を抑える食品、B免疫活性食品)、生活指導、生きがい療法、機能性食品(@免疫活性食品、A血管新生抑制食品など)、そしてアーユルヴェーダー、ヨーガなどを行っています。一度は、「治療の手立てがない。」と告知され、絶望の中で「何とか治療法がないのか。」という思いで当がんヴィレッジに紹介されてきた患者や家族も、reらいふサポートでは、自分自身が主治医のつもりで病気に対処するようになり、死を自然の現象と理解し、1日1日に生きる目標を持ち、最善を尽くし、家族と共に生き始める方が多くいらっしゃいます。また、がん患者会「ひまわり」による患者同士の支えをはじめ、がん患者を社会全体で支えていくことが心の大きな励みになります。

 reらいふサポートで治療で、予後1ヶ月といわれた方が、入院もせず半年近くも家族と家で過ごせた方もいらっしゃいます。人間の自然治癒力というものの素晴らしさを最近感じています。今回、当がんヴィレッジでのreらいふサポートを紹介いたしました。そして、「治すホスピス」という書籍がこのたびハート出版から出版されました。私は胸を張って、「がんばりましょう。」と言いたい。

  「治すホスピス」


「治すホスピス」
緩和医療を超える
統合医療への挑戦


平田章二/著
単行本「治すホスピス」がハート出版から出版されました。本書は、おもに末期がん患者を対象に、既存の終末期医療から 一歩進んだ医療システムを提案する健康実用書です。

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