平田口腔顎顔面外科・腫瘍内科
  がんヴィレッジ札幌

 がん統合医療






初診時舌全体に舌癌

統合医療により舌癌が消滅


写真左は、46歳女性、舌癌頚部転移StageW患者の当院初診時MRI像です。言葉があまり聞き取れない状態で、夫と共に当院を訪れました。夫は「何とか助けてほしい。 どこの病院に行っても、強力な抗癌剤や放射線治療以外に方法はない、あとはホスピス、といわれる。舌癌の免疫療法を専門にやっているのはここだけです。」その夫の妻への熱い想いと強い愛情が、とても感じられました。 「何とかなるかもしれない、」と直感しました。「いっしょに、がんばりましょう。」と私は二人の手をしっかり握あいました。気強そうな夫の目に、涙がいっぱいあふれていました。自然と私の目にも涙がいっぱいになりました。

大学病院で、舌全部摘+RND+永久気管孔形成手術+術後放射線治療を勧められ、そして根治率は10%といわれました。しかし本人は、術後の口腔機能障害の食べられない、声も出ない、そして治る確立が10%ということは、 治らない確立の方がはるかに高いと思い、手術はしない、残りの時間を受験を控えた子供と最愛の夫のために使うことを決心しました。2ヵ月後には新居も完成するという。家族、親戚はその10%に賭けろ、と手術を勧めました。 言葉にならない声で、夫に泣きながら「手術はいやだ。」と訴えたといいます。夫だけがわかってくれました。「残された時間を一緒に生きよう。」と力強く言いました。そして担当医から、余命3ヶ月といわれました。 どこか、もっと違う治療はないか?がんがなくならなくとも、少しでも進行を抑えてくれる病院はないか?少しでも家族と一緒にいたい。

 当がんヴィレッジでの統合医療が始まりました。目的は、彼女の「自然治癒力」を引き出し、少しでもいい状態で、新居で母としてそして妻として家族の面倒を見られることとしました。 統合医療は、現代西洋医療と、それに現代西洋医療に欠けている免疫を補うため代替医療を併せた方法を取りました。彼女の場合、現代西洋医療として免疫能に影響を与えない程度の低用量抗癌剤とOK-432を使いました。代替医療は、いかに「心」によって、 精神、神経、免疫機構を働かせるか、に重点をおきました。心と体は常に一体であり、体の不調は「心」に影響を与えますが、それ以上に「心」は体に大きな影響を与えます。生きがい療法、瞑想(治ると信じる心)、1日1つの笑いなどを中心に指導しました。さらに自然食による食事療法とあわせて日常生活を整えさせました。こうした上で、我々が研究開発してきている機能性食品(サプリメント)を取ってもらいました。

 彼女の統合医療が始まって、余命3ヶ月といわれた3ヶ月を超えるあたりから会話がとてもよくわかってきました。経口摂取も出来るようになってきました。生きることに一生懸命だ。 彼女も家族も、一生懸命だ。1年が過ぎました。写真右が現在の状態です。舌から舌根部にあったおおきな腫瘍は今はまったく見られません。4cmと1cmのL/N転移も消失していました。 人間の「自然治癒力、免疫力」に驚かされました。体の中にあるなにかににスイッチが入り「治す力」が働いてくれたと思います。現代西洋医学は、物質論から発生しているため、非物質的な働きは否定されます。 しかし彼女の「心」が彼女の精神、神経、免疫機構を働かせ、「自然治癒力、免疫力」を動かせました。でんぷんでも「鎮痛剤」といって、看護士からもらうと、痛みがなくなった、という話ははよくあります。 プラセボといって、「本当は痛みなどなかった。」といって、患者の精神的なもの、と決め付けられる場合が多いのですが、実際そうでしょうか。「痛みが止まる。」ことを信じ、内服すると、そこに「心」と精神、 神経、免疫機構が働き、なにかのメカニズムが開始されるのではないでしょうか?「心」と体の不思議な関係を感じます。

 すべてが、こうして腫瘍が消えていく患者ばかりではありませんが、実際、人間の「自然治癒力、免疫力」を目のあたりにすると、一人一人をあきらめず、大事にし、そして大切にかかわっていきたいと思っています。
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