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人生の特等席

<ウィキペディア>


レヴィ笑み「ロバート・ロレンツ監督『人生の特等席』を視ました」
ネムコ笑み「クリント・イーストウッド主演の、老年のスカウトマンとその娘が、スカウトの旅を通して心の葛藤を乗り越えていくお話です」

レヴィ笑み「たまには小品も見よう、というところですかね」
ネムコ笑み「あまり変な言い方しない」
レヴィ笑み「いえ、結構楽しめましたよ。確執のある親子がぶつかり合いながらもわかりあっていくって、ありがちだけれど、ありがちっていうのは楽しめるからありがちになるものですから」
ネムコ汗「やっぱり褒めてませんね?」
レヴィ笑み「頭カチ割られるような強烈な経験はないというだけのことですよ。それは悪いことではないでしょう。ちゃんと楽しめるものを作るって、それは結構すごいことですから」
ネムコ笑み「ちゃんと楽しめる作品でした」

レヴィ笑み「イーストウッドはいくつになってもかっこいいですね。かっこいいおじいちゃんです。あとは、あまり言うことは無いですね」
ネムコ笑み「イーストウッドのかっこいいおじいちゃんぷりを見ましょう」
レヴィ笑み「あ、あと、エイミー・アダムスさんはスイングが良かったですね。あまり女性がスイングするところを見る機会ってないので、良かったです。よく飛ばしそうでした」

レヴィ笑み「アメリカのアマチュア野球事情って、よく知らないんですけど、あんなに陳腐な野球場で試合するものなんでしょうか。もしかして日本の甲子園って、ものすごく恵まれている環境なんじゃ」
ネムコ笑み「最初の方はいかにも地方球場ですって野球場でしたね。甲子園大会でいう、地方予選だったんじゃないですか」
レヴィ笑み「地方球場なら日本でもあんなものですかね。プロの興行が日常的の行われている球場を、アマチュア大会で使用しているって、考えてみればすごいことですね。そもそも興行でないのだから観客席がそんなにあっても仕方ないですからね」
ネムコ笑み「高校野球は大人気ですから…。いえ、日本の野球の話はやめましょう」
レヴィ汗「全米選手権って、行われているかどうか知りませんけど、やるとしたら日本の比ではないくらい大変でしょうね。国土の広さが段違いですから、移動だけでもとんでもないことです。ああ、だからスカウトも大変なんですね」
ネムコ笑み「情報を得るのも大変そうですね。地方ごとに担当がいるのでしょうか」
レヴィ笑み「メジャーリーグのスカウト事情について、この映画ではそんなに描かれませんでしたが、ちょっと残念です」

ネムコ汗「作中のスカウト事情、ちょっと違和感を抱きますね」
レヴィ困り「一位指名を結果的に出し抜いたっていう描写が、変に思います。順番に指名してくんじゃないですか? ブレーブスが指名しなかったとしても、どこか別の球団が指名しそうなものですけど…」
ネムコ汗「出し抜かれたからクビっていうのも変ですよね」
レヴィ困り「指名の成果って、数年経たないとわからないものだと思うんですけど。実際のスカウトもその場で評価が決まるのでしょうか。流石にそれはないか。スカウティングしている選手への評価も、将来性はわからないが、と言われるんですけど、そこもちょっと引っ掛かります。若い選手への評価って、将来への投資じゃないんですかね」
ネムコ汗「あくまで、全米一位にしては、ということらしいですけど」
レヴィ汗「日本よりむしろメジャーリーグの方が、若い選手には将来性を買うイメージがあるんですけど、どうなんですかね。下部リーグで鍛えて、二十代半ばくらいから出てきてくれれば、という感じだと思うんですけど」
ネムコ笑み「この辺は詳しくないので、私たちのイメージが間違っているのならごめんなさい」

レヴィ汗「昔ながらのスカウトマンの話、ということは分かるんですが、やっぱり昨今のデータを駆使したスカウティングが、半ば否定される展開は、ちょっとなあというものがありますね」
ネムコ汗「金属打ちだとか、カーブが打てないだとか」
レヴィ困り「データ分析って、当然そういう要素も加味して行われると思うんですけど。仮に金属バットで泳いで打った本塁打がメジャーの成績に反映されないのであれば、そういう結果が蓄積されていき、だからアマチュア時代の本塁打数は当てにしてはいけないという結論が導き出されているはずです。そうやって要素と結果の相関関係を明らかにしていくのが、データ野球なのだと思うんですけどね」
ネムコ汗「この感想を書いている時点より、だいぶ前の映画ですから」
レヴィ困り「映画が撮られたころには既に、データ野球についての考え方自体は、確立していたと思うんですけど。どうもテーマについての踏み込みが甘いように感じます」

レヴィ笑み「途中まではともかく、終盤の展開は茶番ですね」
ネムコ困り「ああ、まあ、はい」
レヴィ笑み「さすがにちょっと、終盤については評価できません。ご都合主義の連続です」
ネムコ笑み「一応、まとまってはいます」
レヴィ笑み「まとめたからなんだ、という感じですけどね」
ネムコ笑み「まあ、気分良く終わりたいじゃないですか」
レヴィ笑み「ああいうのがエンタテインメントです、ではないと思うんですけどね。気概がないところにクリエイティブはありません」

レヴィ笑み「ま、悪くはなかったですよ。イーストウッドが見たいときの暇つぶしにはなります」
ネムコ笑み「イーストウッドという個性には、リスペクトするだけの価値がありますね」
レヴィ笑み「もう少しメジャーリーグのスカウト事情について詳しく描いてくれればなあ、ということだけ言っておきます」

2021年11月19日記述

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