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セブン

<ウィキペディア>


レヴィ笑み「デビッド・フィンチャー監督『セブン』見ました」
ネムコ笑み「ブラッド・ピット演ずるミルズ刑事とモーガン・フリーマン演ずるサマセット刑事が連続猟奇殺人鬼を追います」
レヴィ笑み「これは強烈な映画です。見終わった後得も言われぬ余韻が体内に残ります」

ネムコ笑み「さて、なにを話しましょう。強烈な印象でしたね。何がこう強い印象を引き起こしたのだと思いますか」
レヴィ笑み「猟奇殺人ですからね。ある程度耐性を持った人でないのなら、強く迫るものがあるのは当然なのですけど。うーん、ホラー的な、おぞましさ、不気味さ、サスペンスのハラハラする感じ…。グロテスクな死体も一応出てきますし……。といって、ホラー映画のように、死体でびっくりしてくださいなんてことはなくて、画面の端に映るくらいであまり見せないようにしていましたけど」
ネムコ笑み「怖さが強烈だったと」
レヴィ笑み「いえ、違います。結局演出力としか言いようのないものだと思いますね。ホラー的なものもあるのですけど、びっくりさせるのではなく、じわじわと這い寄ってくるような怖さ、でしょうか。怖さというよりじりじりと不気味な気持ち悪さに絡められているような感じですね」
ネムコ笑み「ホラー映画ではないですね」
レヴィ笑み「ホラーではないと思います。怖いですけど、サスペンスが見れるのなら充分見られると思います。私もホラーは見られませんけど、サスペンスなら何とか。怖いもの見たさは私にもありますから」
ネムコ笑み「とにかく演出がすごいですね」
レヴィ笑み「何か不気味でよくわからない感じがずっと続いているんですよね。画面も薄暗く、おそらく視聴者が見たいものをはっきりと映さないようなカメラワークをしていると思うんです。交わされる会話も、わかるようなわからないような。主人公の一人ミルズ刑事が、赴任してきたばかりで、街にまだ馴染めていないのも、そうした居心地の悪さを感じさせる一因かもしれません。猟奇殺人というテーマの、嫌な感じをよく演出できていると思います」
ネムコ笑み「とにかくずっとスッキリしませんね」
レヴィ笑み「怖いもの見たさも人間にはありますから、こういうのもエンタテインメントとしてありなんですよね。というかやっぱりすごいものが見たい。それで『セブン』はすごい映画ですから、それで十分なわけですね」
ネムコ困り「よくわかりませんけど」

ネムコ笑み「とにかくラストシーンですね」
レヴィ笑み「いや、ラスト以外もすごいですけどね。画面にずっと緊張感がみなぎっていますから。とはいえあのラストの独白は、あれ以上のラストシーンというのもそうないだろうと思うような、最高の独白ですね。映画関係なく、あの独白だけ、人生の中で時として思い出したりします」
ネムコ困り「ん、この映画以前に見たことあったんですか?」
レヴィ笑み「えと、確か最後の部分だけなぜか見たことがあったんですね。多分テレビでやってたのを、最後だけチャンネル回してみたことがあったと思います」
ネムコ汗「じゃあラストの展開も」
レヴィ汗「知ってました」
ネムコ困り「ネタバレ…」
レヴィ笑み「だから見たかったというのもありますけどね。でも、良い映画はネタバレなんて関係ないですから」

ネムコ笑み「俳優の演技はすごいですね」
レヴィ笑み「ピットもフリーマンも最高ですね。かっこいいし重みがある。そしてなんといってもケヴィン・スペイシーですよ。もう最高の演技ですね。彼がいいから映画もいいんです」
ネムコ笑み「パルトローもかわいかったですね」
レヴィ笑み「彼女が愛されないと映画が成立しないですから。視聴者に愛されるヒロインしてたと思います」

レヴィ困り「テーマの一つである七つの大罪については、あまりピンときませんでした。英語圏の人なら良くわかるんでしょうか」
ネムコ汗「七つの大罪に絡めならが殺人が行われていくわけですけど、宗教的なテーマは薄かったように思います」
レヴィ汗「キリスト教が身近にある人なら違う感覚になるのでしょうか。私にはよくわかりませんでしたね。むしろ都会に生きる人というのがテーマになっていたように思いますけど」
ネムコ笑み「ミルズは都会になじめていない新参者ですし、サマセットも都会人に疲れているか愛想をつかしているかしているように見えます」
レヴィ笑み「主要なテーマではないですけどね。殺人鬼も、都会に住む人々へ何らかの主張がしたかったあるいは彼らからの注目を浴びたかったかのようにも描かれます。ただ彼の思惑もはっきりとは描かれません。わからないから不気味なわけですけどね」

レヴィ笑み「とにかくすごい映画です。世の中にサスペンス作品は数ありますが、こうも迫力のある、猟奇殺人をテーマにした作品はそうないのではないかと思います」
ネムコ笑み「有名な作品ですしね。有名なのは伊達じゃないということらしいですね」
レヴィ笑み「死ぬ前に見といてよかった、というところでしょうか」

2021年11月5日作成

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