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 | 「アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』一期と二期見たよ」 |
 | 「はいはい。とりあえず総評」 |
 | 「久しぶりに何かに熱狂しました。私は時々何かに熱狂したりするんですけど、大体日常っていうのは平たんに過ぎていくので、そうですね、ちょっと日常から外れた日々を過ごすことができました」 |
 | 「何点?」 |
 | 「こういうのは点数をつけるものじゃないですね。満点って何点? って話だし、減点方式だと、実際“粗”みたいなものはある。設定ですかね、近未来を舞台にしているわけだけど、こうなるかなあ、と疑問に思わないでもない。でもまあ、そんなことはどうでもいいんです。楽しかった! ドキドキハラハラした! 終わり! エンタテインメントなんて、それでいいんです。それ以外必要ないんです」 |
 | 「じゃあこの文章は何だよ」 |
 | 「熱を冷ますための何かです。感想なんてそんなものです。人の思いなんて感じたその瞬間のそのそのものがすべてで、言葉に変換しようとした瞬間何か別のものに変貌して捉えることができないものです。感想文なんてものは祭りの後の静かな夜道で星空を眺めるようなものです」 |
 | 「何言ってんだ。大丈夫か?」 |
 | 「一期もいいけど、二期だよね。美少女が様々な事象に翻弄されながらも敢然と立ち向かっていくさまがいい。格好いい。防御率的なことをいうと、冷静に考えると惨憺たる有様なんだけど、設定的に仕方のないこともあるし、そんなことは関係ないですね。世界の秘密をたった一人で抱えながら、世界のシステムに立ち向かう敵役を追いかけるヒロイン」 |
 | 「朱ちゃん、無能とも思わないですけど。防ぎうる犠牲を未然に防ぐという観点からは疑問がないでもない」 |
 | 「結局誰も殺してないんですかね。綺麗ごと、と思わないでもないですけど、自らの手を汚しながらも人間を信じる、とかいう話ではないということなんですね。これはいい悪いとかではない。朱ちゃんは人を殺しちゃ駄目なんです。物語の構造的に、人を殺してはいけないヒロインだった、ということです。終わってみて初めてわかることですが」 |
 | 「とか言って三期で人を殺してたらどうしよう」 |
 | 「三期でも出るんですかね。出てるんならそりゃ見なくちゃいけないんだけど、どっちにしろ見るか。見るしかねーよな」 |
 | 「手を汚すヒロインというとナウシカですかね」 |
 | 「感想であんまり他の作品と比較とかすべきではないと思うんですけどねー。まあでも何かの作品に接するときに、前に見たり読んだりしたものの影響は必ず受けるので、仕方ないか。朱ちゃんが犯罪者を殺して、殺して、それでも私は人を信じるんだ! って叫んだら、ナウシカになるなあ、と思いました。ああ、映画版じゃなくて漫画版の話をしています。朱ちゃんは、綺麗ごとをいう人間の手が綺麗だったら、という話でしょう。朱ちゃんは天使なんでしょうね」 |
 | 「朱ちゃんは傍観者なんですね」 |
 | 「あるいは審判者……審判してないか。そもそもカムイの行動はシビュラに対してのものなので、話の筋としてはカムイ対シビュラで完結してるんですよ。朱ちゃんは話の本筋には乗っていない。本筋に乗っていない割には完全な傍観者かといわれると、そういう印象もない。三つ巴っぽい感じがなくもない。三つ巴とすれば、孤立無援で頑張っている朱ちゃんを応援したくもなる」 |
 | 「一係とは何だったのか」 |
 | 「そうなんだよな。朱ちゃんにはチームがあるはずなんだけど、なんかあんまり存在感がないんだよなあ。そもそも約二名味方とは言えない人間がいるし、その他の人間もあんまり目立った活躍をしないんですよね。よく考えればそうでもなかったりするんだけど。秘密の問題かな」 |
 | 「二期では朱ちゃんしか知らないことがある」 |
 | 「誰かに言える類のことでもないからね。そこも含めて、二期の朱ちゃんは本当に重たい荷物を頑張って背負っているって感じがある。それが二期なんだよね。一期は暴走する主人公とそれを止めようとするヒロイン。二期は一期の経験を踏まえて、孤立無援のヒロインが、世界及び世界に挑戦する犯罪者に立ち向かっていく話なんだよ」 |
 | 「はい」 |
 | 「というかね、私はずっと一期の話をするつもりだったんだよね。一期を見た感想をいおうと思っていて、社会の統治のことを考えさせられるよねー、とかって、言おうと思っていた」 |
 | 「二期を見る前に」 |
 | 「でも二期をちょっと見ちゃったら、なんか一気に見ちゃった。二期のほうが短いし、事件というか、犯人は一人(一集団)しかいないし、流れが切れないんだよね。一期は一話完結ではないんだけど、事件があって犯人が見つかって一応落着、でまた次、って流れの切れがあるんだけど、二期は11話分ずっと一つの話」 |
 | 「一気見しちゃったんだ」 |
 | 「一日で見たわけではないんだけど。なんか、もう一話だけ、もう一話だけって。で、見終わった後、天井を見上げてふーっと息を吐くという。すげえなあ、すげえなあって言ってる感じ。あと思ったんだけど」 |
 | 「はい」 |
 | 「アマプラで見たわけなんだけど、一気に見れる立場で本当に良かったと思う。見た、終わった、一週間お預け! とか、生殺しにもほどがあるだろうと。私は基本的に流行には疎いので、どんないい作品もリアルタイムで経験することは少ないんだけど、だから見たければその気になったら最後まで見られることがほとんどなんだけど、これは幸せなんだろうか」 |
 | 「んー、友達がいないなら?」 |
 | 「なるほど」 |
 | 「でも、作る側としたら、リアルタイムで流行ってもらわないと、お金が儲からない。儲からないと、じゃあ次作りましょう、とはならなくなるよね。最悪、途中で打ち切りとか」 |
 | 「そうなんだよね。『psycho-pass』でいうと、二期があって三期があって、映画化してたりするのも、全部リアルタイムで見ていてくれた人がいるおかげなわけで、私が一気見できる立場でいるのも、その人たちのおかげなので、本当に感謝しかないのです」 |
 | 「まあ作り手でもないのに視聴者に感謝というのも変ですけどね」 |
 | 「だからたまには私もリアルタイムで金を落とさなきゃなあ、とは思うんだけどね」 |
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 | 「つかちょっと調べたんですけど」 |
 | 「どうしました?」 |
 | 「映画って、どうやら二期の後に作ったみたいですね。三期の後もあるのか? とにかく二期の次は映画(劇場版psycho-pass)。で、じゃあ三期の前に映画かなあ、と思うわけじゃないですか」 |
 | 「順番から言って」 |
 | 「アマプラに映画ないんですけど。どうも配信はFODにしかないみたいなんですけど。なんだそりゃおいおい。なんだそりゃおいおいおい」 |
 | 「落ち着け」 |
 | 「だったら一期二期見放題配信とか、やめろよと。どうすりゃいいんだ。しかもね、どうも三期の後の映画、アマプラで独占配信してるんですよ。いやいや、だったら他の映画も配信しろと。見放題にしろとは言わないよ。でも配信くらいしてくれよ。してくださいよ。もうなんだ、どうしよう」 |
 | 「落ち着け」 |
 | 「まあ、ね。ちょっと本気でDVD買うかとか検討したんですけど、無理ですね。どう考えても手に余る。見た後タンスに入れて一生出てこない可能性がある。というか、どうせ買うんならPremium Editionかとか、いやいやいや、そもそもちょっと興味本位で見始めたものですからね。そこまで、熱狂的なファンのようなムーブは、できない。レンタルくらいはする。千円くらいなら出す。でも五千円とか、それ以上とか、出せないし、保管とか、手に余る」 |
 | 「ケチだねえ」 |
 | 「ケチだよ。ケチなんだよ。お金をなるべく使わないのが好きだから。で、仕方ないんで、最悪FODに登録するんでしょうね。すぐ解約するだろうけど。登録なしで、見れそうならそれが一番。ちょっと調べてみたんだけど、よくわからない。もう全然わかりづらい。そのうち何とか見ます」 |
 | 「まあ、勝手に見ればいいよ」 |
 | 「さっさと見ないとね、ネタバレが怖いんだよ。おちおち検索もできない。二期とか、そりゃ狡噛さんが出てくるの期待して見始めたんだから。途中から、出なくていいや、ってなるんだけどね。あれは朱ちゃんの物語だから。あの辺、ほんと上手いなあ。そのくせ、存在感はむしろ大きく感じられるんだから、すごい。まぁあの辺は朱ちゃんのキャラ付けでしょうが。映画を作るのは、二期を作る段階で決定だったのかな」 |
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 | 「とまあ、あんまり触れられてないことも多いけど、もう満足したからいいや」 |
 | 「感想、だからね」 |
 | 「感想なんてものは熱を冷ますためにあるもので、熱が冷めればそれで十分なんですよ。世界観とか、すごいなあって思ったんだけど、もういいです。朱ちゃん萌えです」 |
 | 「そのうち劇場版もみましょう」 |
 | 「最後に、門外漢なんでよくわかっていなかった、『psycho-pass』シリーズの公開順を、調べた感じでメモしときましょう。間違っているかもしれないので、鵜呑みにしないように。作中の時系列ではないです。それは知りません。漫画と小説も知りません」 |
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