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ゼロ・グラビティ

<ウィキペディア>


レヴィ笑み「アルフォンソ・キュアロン監督の映画『ゼロ・グラビティ』見ました」
ネムコ笑み「宇宙空間に取り残された女性研究者が生還しようと奮闘する映画ですね」
レヴィ笑み「名監督の小さくまとまった力作です」

ネムコ笑み「この映画について事前知識はどのくらいありましたか」
レヴィ笑み「宇宙の話だということくらいですかね。あと、邦題が『ゼロ・グラビティ』とゼロがついているのですけど、原題は『Gravity』で、あえて重力を示すグラビティとしてあるのにゼロをつけるのは邦題をつけた人はセンスがないんじゃないか、という評判を聞いていました。そういう評判を聞いて興味を持ちましたね」
ネムコ笑み「悪邦題を笑うという」
レヴィ笑み「そうじゃなくて、宇宙空間の話に<重力>という題をつけるセンスですね。逆説的に、宇宙と地上を感じさせるタイトルになっていると思います。確かにゼロをつけるのは良くないとは思いますけどね」

ネムコ笑み「小さな作品ですか」
レヴィ笑み「上映時間が一時間三十分なのと、主な登場人物が二人だけなことからそう表現しました。映像、CGなんですかね、宇宙船なんかの映像が凄まじいまでの作りこみなので、力が入っていないとは思いません。今の映画って、すごいですね。ああいうレベルの映像が気軽に楽しめるのは、すごい時代だなと思います」
ネムコ笑み「登場するのもほとんど二人だけ」
レヴィ笑み「それも一人は主人公を勇気づけ導く役割なので、ほとんどは一人劇です。とはいえクルーニーの存在感はすごいですね。この人がいると大丈夫だなと思わせるものがある。もちろん孤独に奮闘するブロックさんもすごく魅力的です」
ネムコ笑み「時間も二時間を切っています」
レヴィ笑み「気軽に見ようと思えるのでいいですね。二時間を超えると億劫で。短いけどその分、テーマがはっきりしています。大河的なドラマを描くのは難しいでしょうけど、テーマを絞ってしまえば、このくらいの時間の方がいいんじゃないかと思います」

ネムコ笑み「内容は、次々と女性研究者に困難が襲ってきます」
レヴィ笑み「パニック映画的といえるのでしょうけど、宇宙飛行士でない人間が宇宙空間で孤独な戦いを強いられるという状況で、困難にリアリティが感じられます。視聴者が主人公に感情移入するように作られていると思うのですけど、私だったら何回諦めていたかわかりませんね。非日常的な状況を自分に置き換えて考えることも、映画の魅力の一つなんじゃないかと思います」
ネムコ笑み「主人公は何とか生にしがみついていきます」
レヴィ笑み「決して強い人ではないので、視聴者が自分に置き換えて考えやすいんでしょうね。一般的な人間の持つ生命力の強さなんかが感じられるかもしれません。誰だって極限状態では何とか生き延びようとするでしょう」

ネムコ笑み「短い分ドラマ性は強くないですね」
レヴィ笑み「ロマンスもないですしね。主人公のバックグラウンドも、娘について少し触れられるくらいで大きくはわからない。だから何が彼女を生に繋ぎ止めているのかはちょっとわからないところがあるのですけど、逆に一般人の代表として捉えることができます。生命が本質的に持つ力強さの表れでしょう」
ネムコ笑み「キャラクターに特異性がなくても、宇宙空間に一人取り残されるという状況が特異なので、映画としての迫力は充分ありますね」
レヴィ笑み「一般的な主人公だからこそ、視聴者は自分の身に置き換えてハラハラドキドキすることができるんじゃないでしょうか」

ネムコ笑み「短いですけど、面白い映画ですね」
レヴィ笑み「映像美、パニック映画的なドキドキ、メッセージ性、楽しい映画でした。グルグルしてちょっと酔うのが難点ですかね。あと、ブロックさんの引き締まった肉体がエロいかっこいい」
ネムコ困り「締めの言葉がそれですか……」

2021年11月3日作成

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