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シン・エヴァンゲリオン劇場版

<ウィキペディア>


レヴィ笑み「庵野秀明総監督『シン・エヴァンゲリオン劇場版」
ネムコ笑み「『序』『破』『Q』に続くエヴァ新劇場版シリーズの第四作にして完結作です」

レヴィ笑み「えーとね、まず言わせてください」
ネムコ笑み「はい」
レヴィ笑み「ふざけんな!」
ネムコ笑み「いやいやいやいや」
レヴィ笑み「いい加減にしろ! ふざけんな!」
ネムコ笑み「いやいや。それはいい意味でですか?」
レヴィ笑み「悪い意味ですよ! もうなんなんですかこれは」
ネムコ笑み「第一声がそれは誤解されますよ」
レヴィ笑み「あーそうですね。じゃあいいです。最高の作品でした。アニメーション、いえアニメーションだとか国内だとかどうとか言わず、古今東西全ての創作作品における一つの到達点ともいえる、最高の作品でした。これでいいですか。じゃあ解散!」
ネムコ笑み「お疲れさまでした」

ネムコ笑み「で、なにを怒っているんですか?」
レヴィ笑み「怒ってはいないですけど、もうなんですか。モヤモヤする」
ネムコ笑み「それは?」
レヴィ笑み「ラストシーン…、まあなんだ、カップリングの話ですね。もうねえ、なんでああなるんですか」
ネムコ笑み「キモオタだ」
レヴィ笑み「だってさあ…。別に誰と誰がくっつこうがどうでもいいですけどさ、なんでわざわざ描写するんですかね」
ネムコ笑み「自分の好きなヒロインが主人公とくっつかなかったとかそういう話ですか?」
レヴィ笑み「いやいや、そんなにエヴァに思い入れないですから。でも、やっぱりストーリーラインからこうなるのが収まりがいいっていうのがあるんだから、そういうのをわざわざ崩す意味が分からない」
ネムコ笑み「エヴァなんて卒業してお前たちも前を向いて歩けよっていう、監督様からのメッセージじゃないですか?」
レヴィ笑み「そんなもん、余計なお世話ですよ。大体オタクたちは『まごころを君に』からめいめい勝手に立ち直って好き勝手やってましたよ。それを新映画作って無理やり引き戻したのはそっちじゃないですか。引き込んで取り込んで突き放して、いくら何でも勝手すぎやしないですかね」
ネムコ笑み「そうしないと、エヴァが終わらなかったんでしょう」
レヴィ笑み「それでも、描写せずに各人が勝手に想像してくれ、で良くないですかね。最後なんですから、それこそ十数年にわたるシリーズの最後なんですから、終わった! 良かった! で終わりたかったですよ。オタクのメンタルなんて脆弱なんですよ。なんで最後くらい、気持ちよく終わらせてくれないんですか。誰と誰をくっつけてくれって話じゃないですよ。そうなる必然性がわからないって話で。ああ、モヤモヤする」
ネムコ笑み「エヴァは最後までオタクの心をかき乱す存在だったということでしょう」
レヴィ笑み「ふんだ。いいですよもう。監督の心はこれでスッキリしたでしょうさ。だったらそれでもういいですさ。ふんだ」

レヴィ笑み「でまあ、内容については何も言いませんよ。相変わらずわけわからなくて理解していないですし」
ネムコ笑み「カプ論争も内容についてのことのように思いますけど、まあいいでしょう」
レヴィ笑み「さっきも言ったけどアニメーションの、あるいはジャンルを超えて創作物全体を通しての一つの極致だと思います。見ることのできる環境があれば見ておくべき作品じゃないでしょうか」
ネムコ笑み「わけわからない描写も楽しみましょう」
レヴィ笑み「一つの才能という意味でも、一つの才能の下に集った大勢の努力という意味でも、人間とはここまでのことができるのかと嘆息してしまう作品です。一つ一つの描写に圧倒されます。こういうものを見ることができるのが人生の価値かもしれませんね」
ネムコ笑み「絶賛ですね」
レヴィ笑み「ただまあ、『Q』よりはとんがってなかったかもしれないですね。多少はわかりやすいというか、わからないんだけど、バランスはとれていたと思います」
ネムコ笑み「完結編なので、色々な謎が明かされていきますからね」
レヴィ笑み「多少明かされたところで何も理解できないんですけどね。考察をするとか設定を集めるとかするか、あるいは理解することをあきらめるかする必要はあると思います。ああ、多分、テレビシリーズや旧劇は見といたほうがより楽しめたんだろうと思います。この新劇場版、リブート作品だとは捉えないほうがいいですね。続きですよ」
ネムコ笑み「前のは見てないんですよね」
レヴィ笑み「断片的に見た……けどあまり覚えていないんです。当時から訳の分からない作品でしたし。でも、なんとなく思い返してみて、やっぱりちゃんと完結させたかったのは監督の方だと思うんですよね。昔の視聴者のモヤモヤを晴らそうというためではなく」
ネムコ笑み「確か、救いのない終わり方でしたよね」
レヴィ笑み「『まごころを君に』でちゃんと完結していたとは思うんですけど、監督様も不本意なところがあったんじゃないでしょうか。今回、特にこの映画は、エヴァを終わらせるという強い意思が込められていたと思います」

レヴィ笑み「色々書いてきて多少は冷静になりましたけど、やっぱりなんだかなあという思いは残りますね」
ネムコ笑み「最高の作品なだけに、スッキリした気持ちになれないのが本当に悔しいですね」
レヴィ笑み「ああいう終わり方じゃないとちゃんとしたメッセージにはならないというのはわかりますけど…。でもなあ、力の込められた素晴らしい映画なだけに、ラストシーンのことばかり思い返さざるを得ない状態っていうのは、本当に悔しい。なんでこんなことになるんだ。もっと戦闘シーンとか、キャラの心情とか、色々思い返して余韻に浸りたかった」
ネムコ笑み「これも監督様の意図通りなんでしょうねえ。弱いオタクの心くらいはわかっているでしょうから」
レヴィ笑み「最高の監督だからというより、創作者なら誰でもそのくらいのことはわかっているでしょう。分かっていてそういう描写をするわけです。全くねえ。これだからエゴイストってやつは…」
ネムコ笑み「でも楽しかったでしょう?」
レヴィ笑み「監督様が満足したならもうそれでいいです。私は弱いオタクですけど、いつも通り、適当に消化して前を向いて生きていきます。楽しかったです。最高の映画でした。ありがとうございました」

2021年11月16日記述

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