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ディパーテッド

<ウィキペディア>


レヴィ笑み「映画『ディパーテッド』見ました」
ネムコ笑み「マーティン・スコセッシ監督の映画ですね。ギャングと警察、双方が双方にスパイを送り込んで、それぞれ追ったり追われたりする様子を描きます。香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク作品ですね」

レヴィ笑み「まず前置きしておくと、私は以前にこの映画を視聴していました。ただ地上波テレビだったこともあって、どうもカットシーンが多かったように感じたので、再見したいとはずっと思っていたんですよね。今回それが叶いました。あとリメイク元の『インファナル・アフェア』も視聴済みです」
ネムコ笑み「再見してどうでしたか」
レヴィ汗「んー」
ネムコ困り「あれ」
レヴィ汗「私は基本的にスコセッシ監督のことは尊敬しているんですけどね。ただ、どうも詰め切れていないというか、いつもあと一歩が足りないと感じさせる監督さんだとも思っています。この映画も、どうもそんな感じだったという気がします」
ネムコ笑み「具体的には?」
レヴィ困り「具体的に、いえるわけないです。悪いところなんて、一つもないですよ。演技もすごいと思うし、ストーリーもいいと思うし、演出もいいと思う。これはもう感覚としかいいようがない。具体的に言うなら、どういう画面を何秒映すかとか、セリフ回しがどうだとか、音楽をどういう音量で流すかだとか、そういう話になっちゃう。そんなもの私自身にもわかるわけなくて、だから監督さんがこうしたいと思って決定したものが、私の感性に強く訴えかけてこなかったということです」
ネムコ汗「それはかなり厳しい意見なのでは」
レヴィ困り「相当無茶苦茶言ってるなと、私自身思います。面白かったか、満足したかでいえば、そりゃ面白かったし大満足ですよ。ただ、生きててよかったとか、これは人間の為せる一つの到達点だとか、そこまでは感じなかったという話です」
ネムコ困り「はい」
レヴィ笑み「私はスコセッシ監督のことは尊敬していますから。そんな安易に最高だったなんて言いません。尊敬しているからこそ、もっともっとと求めてしまう、人間そういうものらしいです」
ネムコ笑み「尊敬していることにしておけば理不尽なこと言ってもいいと思ってませんかね?」

ネムコ笑み「初見でないことや、『インファナル・アフェア』を見ていることが評価に関係しているのではないですか」
レヴィ笑み「正直それはあると思います。初見の衝撃は和らいでますし、ストーリーもなんとなくは覚えていますからね。『インファナル・アフェア』も、あれは良かったですよ。緊張感がすさまじかった。その記憶があるから、その記憶と比較してしまって、あれ、もっとすごくなかったっけ、と思ってしまう。これは実際にそうなのかもしれないし、記憶が美化しているだけかもしれない。だから公平な評価ができているとは思えないですね」
ネムコ笑み「人の感想なんていい加減なものですからね」

ネムコ笑み「再見した理由のことを聞きましょう。カットされたシーンまで、全編ちゃんと堪能できましたか」
レヴィ笑み「たぶん……」
ネムコ笑み「たぶんて」
レヴィ笑み「いやー人の記憶なんて曖昧なものですから。序盤は記憶にないシーンが多かったと思うんですけど、どうでしょうね。なんとなく、ニコルソンがそんなに活躍してなかった気がするんですよね。今回ちゃんとニコルソンを堪能できました。それくらいかな。ああ、地上波の時に、ディカプリオと女医さんの関係がもしかしたらカットされたのかもしれないな、と思ったんですけど、ちゃんとありましたね。ある意味、それだけ確認したかったわけです。私が見落としていたわけではなく、多分地上波の時にはなかったと思うんですけど、そこまで直接的なシーンでもなかったので、時間の都合でカットしたのでしょうね」
ネムコ笑み「そこまで大事な話でもないですから」
レヴィ笑み「いやー、主人公二人以外が、しかも善良な人間が嘘をついているのがいいんですよ」

ネムコ笑み「ラストがリメイク元と真逆の展開になりますね」
レヴィ笑み「ある意味、リメイク元のテーマの全否定ですね」
ネムコ笑み「いえいえ」
レヴィ笑み「東と西の違いでしょうか。それとも、日本でも違うでしょうか。日本でのリメイク版『ダブル・フェイス』は見ていないのです。とはいえ、折角リメイクするのだから、テーマくらいは変えないと、ほんと豪華俳優陣の演技を楽しむだけの映画になっちゃいますよ。私はむしろ『ディパーテッド』のラストのほうが収まりがいいと思います。というかたぶん香港でもそうだと思いますけど。ああ、だとしたらテーマ性が色濃く出ているのは『インファナル・アフェア』の方だということになりますね。映画、というか創作物というものは、いかに特殊を描くか、ということだと思いますので。単に特殊なだけではだめだと思いますけど。より視聴者に、ん? と訴えかけるのがどちらかといえば……」
ネムコ笑み「これもう『インファナル・アフェア』を褒める会じゃないですか」

レヴィ笑み「もう終わりますよ。ディカプリオもマット・デイモンもニコルソンも、特にディカプリオかな、みんなよかったと思います。ただ、まあ、リメイクですからね。緊張感のあるマフィア映画が見たいなら、リメイク元でいいように思います。何度も言うように、スコセッシは基本的に好きですよ」
ネムコ笑み「そもそも今回、全部見るつもりもなくなんとなく見始めてだけなんですよね」
レヴィ笑み「それで結局全部見てしまいましたからね。今回も充分満足しました。綺麗にまとまったいい作品だと思います」

2021年7月29日作成

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