北風吹く日は・・・

-kitakaze fukuhiha-

 

外は 風が吹いています

ごうごうと とても大きな音がしています

 

僕ん家の猫は ソファで丸くなって

時折 耳をピクリとさせながら

気持ちよさそうに 眠っています

 

僕もそんな猫を見ているうちに

ふわぁ・・と 小さくアクビが出てきました

 

外は まだまだ風がやみそうにありません

 

窓の外で 葉のすっかり落ちた木々が

強い強い風にあおられて 凍えています

 

こんな日は 僕の家を訪れて来る人もいない

 

だけどもしも もしも誰かが訪ねてきてくれたら

僕は どんな風にその人をもてなそうかなぁ

 

「やぁ、いらっしゃい。さあ、急いで中へお入り」

 

寒さで強張った顔が 笑顔を取り戻せるように

太陽のような笑顔で 部屋に迎え入れてあげよう

 

「外は寒かっただろうに 良く来てくれたね

 ここへ来るだけでも ホントに大変だったろうね」

 

長旅に疲れて 奥まで冷え切っている体を

芯から暖めるように スープを出してもてなそう

 

たいした具も入っていないスープだけれど

僕のまごころだけは たくさん詰まっているんだ

 

「もう行くのかい? 外はあんなに風が吹いているのに

 まだまだ先は長いのかい? 気を付けてお行き」

 

これから 長い道のりを歩くキミのために

僕は一枚のコートを用意してあげよう

 

旅のつらさが 少しでも和らぐように

外を吹き荒れている 冷たい風から少しでも

ほんの少しでも キミを守ってあげられるように

 

僕は 暖炉の前でうとうとしながら

なんとなしに そんなことを思い浮かべていました

 

外はあい変わらずの 強い風

ソファの上の猫が ひとつ 寝返りをうちました

2002.01.27

 

あとがき

 

この頃、毎日寒い日が続いていますね。

俺の住んでいる街でも、風がとても厳しいです。

こんな日は、温もりが恋しくなります。

人の優しさに触れてみたくなります。

とりあえず、そんな人達に癒しを与えたい。

・・・なんて、ね(笑)

 

Update 2002/02/02

2002 Masato HIGA / HIGA Planning.

 

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