マエヘススメ

 

アタシタチ ズット トモダチノママ ナノカナ

昨晩 ユウコが呟いた 言葉(フレイズ)

僕は曇り空見上げ 繰り返す

トモダチノママ? 呪文のように繰り返す 繰り返す

 

僕らは いったいどんなきっかけで

こんなにも 近づいたのだろう

壁に貼られた そう幾枚ものフォトグラフィア

ピースサイン ふくれっ面 笑顔×3

 

始まりは ただのクラスメイト

共通項といえば 他愛のないことばかり

野球が好き ヒップホップ好き 歴史の授業が苦手

それが いつの間にか 週に三度は長電話

 

ボクハ ユウコノ カレシニナリタイ ソレトモ

ずっと 頭に浮かぶ 疑問(クエスチョン)

僕は鏡の中の僕に 問い返す

カレシニナリタイ? 答えを探して問い返す 問い返す

 

ユウコは いったいどんな決心で

あんなこと 訊いてきたのだろう

彼女と過ごした そう半年間のいろんな出来事

テーマパーク スタジアム 春・夏・そして秋

 

僕たちは 今がターニングポイント

ここを間違えれば 2人の関係は終わり

友達じゃなく 恋人でもない ただのクラスメイトになる

それが 僕の中で 何度もよぎって邪魔をする

 

ぽつり またぽつりと 空から雫が 舞い落ちる

雫は表のアスファルトに当たり 小さな染みを作る

やがて雫は大きくなり 辺り一面を濡らしていく

きっと一過性の雨 そう 夏の夕立ち

 

雨の匂いがする

金属が濡れた時のような 独特のあの匂いだ

僕は部屋の中で一人 夕立の音を聴いている

 

ゆっくりと 頭の中がクールダウンされていく

雨音に癒しの効果があるというのも 嘘でもないみたいだ

そう まんざらでもない・・・心地よさがある

 

雨音が 止んだ

僕の中で何かが止んだ そう 雑音みたいなもの

僕は立ち上がる ドアを出る 自転車にまたがる

そして 思いにまかせて地面を力強く 力強く蹴った

 

空は 見る間に晴れ渡っていく

今なら きっと素直に答えを伝えられる

行く手には 七色の虹 僕にオイデと手招きする

 

アタシタチ ズット トモダチノママ ナノカナ

ボクハ ユウコノ カレシニナリタイ ソレトモ

 

僕はユウコに 僕の答えを届けに行こう

西の空 真っ赤に燃える 夕焼けを背負いながら

 

 

あとがき

 

えっと、もう真冬になろうとしてるのに、

この作品は思いっきり夏の情景です(笑)。

秋や冬の時期は夜の時間が長いので、

書きかけのままになっていた作品を

ふと思い立って仕上げることが良くあります。

男女が知り合ってから長くなると、

今の関係を壊すのにとても勇気がいります。

 

アナタにはいませんか?

今を壊すのが怖くて、告白できない誰かが・・

 

Update 2002/12/12

2002 Masato HIGA / HIGA Planning.

 

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