リゾート海に誘われて

※このお話はフィクションです。



彬生は空港に向かって高速道路を走る車の中にいた。
快は少し不機嫌な顔で車を走らせていた。
「窓開けてもいい?」
彬生は快の返事を待たずに少しだけパワーウィンドゥを下ろした。
その瞬間強い風が快の長い髪をサラサラと乱した。
その髪を片手で抑えながら快は運転している。
「彬生。帰るのはいつだっけ?」
「ええと、3泊5日だから・・・5日後かな?」
「まだ少し時間はあるはずだな」
そう言うと快は車のハンドルを大きく回した。車は中央の斜線から外側の斜線へと移動していく。
やがて空港付近のインターチェンジの標識が見えてきた。
車はそのまま出口斜線に入っていき空港とは逆の方向に走りはじめた。
「快?!方向逆じゃ・・・!」
標識を振り返りながら彬生は少し慌てていた。
「5日も彬生を我慢させられるんだ。ギリギリまで一緒にいたい。」

快の不機嫌な理由はそのことだった。
彬生は今夜から修学旅行に出かけることになっている。
修学旅行は私立の高校だけに海外旅行が定番だった。
行き先は毎年変わるが、オーストラリアとマレーシアとハワイの候補の中で今年はハワイに決定した。
彬生は初めての海外旅行でうれしかったのだが、快にしてみれば彬生の初めての海外旅行に自分が連れて行きたかった。
彬生は快のかわりに快の書いた本を
何冊か鞄に入れてきた。
実は快はそのことを知らない。

空港までは各自自由集合だった。
そのために快は彬生を車で送ってきたのだった。
秀は一緒に空港まで行きたがっていた。
でも、明日から5日間も彬生を快から独占できるのだから出発前くらいは、と身を引いたのだった。

高速を降りてからしばらく車を走らせると
小高い山が見えてきた。
その山の麓の辺りで静かな林の横に快は車を止めた。
ハンドブレーキをひいてエンジンを切ると、待ちきれないように彬生に覆い被さって唇を塞いだ。
「・・んぁ・・ふ・・」
快の口づけは彬生の唇を強く吸い上げて、僅かに開いた唇の隙間から舌が入り込んでいく。
いつのまにか快の舌は彬生の口の奥まで探っている。息が止まりそうなほど強く唇を求められる。
やっと唇から離れた快の唇は頬から耳の中まで舐めまわす。
「あっ・・」
うなじの辺りにサワサワと感じながら手はいつの間にか快の中心に触れていた。
それは既に堅く勃ちあがっている。
「まだ時間は・・あるよ」
耳を舐めながら囁く快の言葉はまだ始まったばかりだと告げていた。
「やっ・・あ!」
耳から首筋へと這っていく快の舌は、いつの間にか空気にさらされている胸の乳首へとたどり着いた。
「うっ・・ふ・・」
そのまま強く吸い上げると声が漏れた。
彬生の頬に触れていた指先はもう片方の胸の尖っている部分をつまんで、更に尖らせる。
もう方本の手は制服のズボンを器用に下着ごと脱がしていた。
狭い車の中でさすがに窮屈になったのか快は彬生の座っていたシートを全開に倒した。
「あんっ!!・・やぁ・・」
その手で太股を開かれる。
露わになった彬生自身は既に熱をもって堅くなっている。
「や・・だ・・や・・め・・か・い」
彬生はその部分を隠そうと手を伸ばすが、快の手に払われる。
そのまま快の指先は彬生その部分を軽く握り触れてくる。
その焦れったさに彬生の腰が浮く。
「・・ん・・もっと・・」
「もっと、なに?」
快は乳首をくわえたまま意地悪く口元をつり上げて囁く。
振動が伝わって乳首が更に尖っている。
もう片方の指先は後孔を軽くなぞっている。
「あぁぁ、や・・かい!つ・・よ・・」
「聞こえないよ」
2人が付き合うようになってこのような行為は何度も行われてきた。
それでも彬生は恥ずかしさには慣れずに、快の意地の悪い問いかけには顔を背ける。
快はそんな彬生が可愛く愛おしい分だけ更にいじめたくなる。
首に巻いていた細いタイをシュルリと引き抜くと、彬生の両手首を縛り上げた。
「あっ!か・・い・・・」
自由を奪われた彬生は自分で触れることも許されない。
それなのに彬生自身の先からはとろとろと先走りがはしたなくあふれている。
「あきお、ほしいって言って」
快の顔を見つめて懇願するように首を振る。
「素直にならないと辛いのに・・・でもこれはお仕置きだね」
「な・・んの?」
快の手はまだ柔らかく前と後ろを同時に刺激する。
「5日も僕をひとりにするから・・・」
「っ!・・」
快は彬生の乳首の横を強く吸い上げた。
そのまま下肢へと舌を這わせていく。
中心に到達すると根本から先端に舐めていく。
「ん・・ふ・・」
はしたなく腰を振ってしまた彬生に快は口の中に彬生自身をくわえたまま話す。
「言ってあきお」
その舌の動きがたまらない。
自然と涙が流れてきた。
「お願い。快のがほ・・しい」
「やっと言ってくれたね」
快は中心から口を離すと、彬生の唇にキスをした。


2へ続く