台湾一周旅の記録

2011年04月
26日:
成田15時発、台北に17時半着後に台中へ移動し台中泊
27日:
台中(宝覚寺他)、北回帰線、台南(赤炭楼他)、高雄(澄清湖他)観光後に高雄泊
28日:
台東、三仙台、八仙洞、北回帰線、花蓮観光後に過連泊
29日:
峡谷見学後特急で台北へ、故宮博物院見学他、台北泊
30日:
午前中自由時間、12時半ホテル発、16時35分台北発、20時40分成田着

前書き
同年輩のゴルフ仲間に誘われて、JTB主催のこの旅(ツアー同行者計30人)に出かけた。大部分の旅は、自ら企画して航空券の手配もホテルの予約も自分でやって、スケジュールもマイペースののんびりした旅を楽しんできたので、この種のツアー参加は初めての経験となった。4泊5日で台湾を一周するという大変忙しい旅行のために、朝早くホテルを出発し、夜遅い時刻に次のホテルに到着するという些か厳しいスケジュールであったが、思いのほか疲れもなく、かつトラブルもなく終えることが出来て安堵した。
台湾は、かなり以前に、台北だけに二度立ち寄ったことはあるが、台湾観光旅行は初めてで、全てに新鮮な気持ちで接することが出来て、良い旅となった。

26日
仕事上の海外出張が100回前後、個人旅行で20回前後海外へ出かけているが、会社員時代はハイヤー利用が許されていたし、個人旅行の時は自家用車を使ってきたので、羽田又は成田にバスか鉄道などの公共交通手段を使って出かけたことは無い。今回は、ゴルフの予定もなく、単なる観光ツアーなので、荷物も着替えのみで、身軽な旅支度ということで、初めてJRを利用して成田に赴いた。

成田発は14時15分のCI017便、何故か30分遅れの出発と言う案内、実態はさらに遅れて15時過ぎに出発となった。後で分かったことだが、ツアー参加者(一人で参加の女性のご老人)の一人が出発時にトラブルを起こしたようだ。従って、台北到着も1時間遅れで、現地時間の17時半過ぎとなったが、台北でさらに問題が発生した。当ツアー参加者30人中29人が順調に入国手続きを終えて所定の集合場所に辿り着いたが、一人だけ行方不明。成田でもトラぶったご老人が飛行機は降りたようだが、荷物を受け取りに現れないという。何故1時間も現れなかったのかの理由も分からないままに約1時間空港で待たされて、台中行きのバスが出発出来たのは19時過ぎ、台中のPLAZA INTERNATIONAL HOTEL(通豪大飯店)には21時過ぎに到着と言う、初日から思いがけない事態となった。


27日
朝7時半に台中のホテルを出発して、台中(宝覚寺、日月潭湖、文武廟)、北回帰線、台南(赤茨(?)楼、延平郡王祠)、高雄(澄清湖、蓮池潭、寿山公園)の3市内観光。高雄で夕食後に六合二路の夜店を散策し、13時間半で約390KMを走破して21時頃に高雄のMETROPOLITAN HOTEL( 大都会酒店)にたどり着いた。何とも長時間のツアーとなった。ただ、思ったより疲れていないのが幸いである。この種のツアーに参加するのは初めてであるが、楽な面と拘束が煩わしい面と両方があって判断は難しい。 北回帰線より北側は亜熱帯、それより南は熱帯に近い気候になるようで、ヤシの木などの樹木の様子も多少違うようだ。

宝覚寺

日月潭

文武廟

北回帰線

赤茨(?)楼

延平郡王祠

澄清湖

蓮池潭 
28日
7時半過ぎに高雄のホテルを出発して、西海岸を南下し、ほぼ台湾の南端近くから山越えで台東へ向かう。途中で昼食休みのほか、三仙台、八仙洞、北回帰線などを巡ってから午後5時過ぎに花蓮に到着。5時半から先住民族のショーを一時間見たのち、MARSHAL HOTEL(統帥大飯店)に7時前にチェックインした。今日は、昨日と違って観光場所は少なく、バスでの移動(350キロメートル)が大部分であった。東海岸沿いの地方は、先住民族の主体で人口も極端に少なく、町や村も殆どない。西海岸とは全く異なる光景だ。

台湾南端地区の海岸

八仙洞

北回帰線

先住民族と共に踊る
29日
蓮のホテルを7時15分出発、近郷の大峡谷(太魯閣峡谷)を訪問、大理石(太魯閣峡谷等のある台湾の東側一帯は太平洋の海底が隆起して出来た地形で大理石、メノ−他の宝石の産地となっている)の加工処理の工場見学、ショッピング(カラスミ購入)後に、早めの昼食をとり在来線の特急列車で12時15分に花蓮を発ち、台北へ向かい午後2時15分に台北に到着。
台北では、忠烈の衛兵交代式や故宮博物院ほかを見学、民芸品店に立ち寄った後にHOWARD PLAZA HOTEL TAIPEI (福華大飯店台北)に午後7時過ぎ到着。夜のオプションツアーは止めて、ホテル近くの一般食堂でビールを飲みながら夕食。

太魯閣峡谷・1

太魯閣峡谷・2

太魯閣峡谷・3(タロイモ?)

太魯閣峡谷・4

忠烈の正門と衛兵

忠烈の衛兵交代式
30日
午前中のオプションツアーは止めてホテルでゆっくりした後、MRTを利用して台北駅まで出かけてみた。台北の乗客(特に若い女性たち)のマナーの良さ(乗車したら即座に席を譲ってくれる)に触れる。前夜の夕食をとった食堂で簡単な昼食後12時半にホテル発、途中DFSに立ち寄ってから空港へ。台北発16時35分発、成田20時40分着のCI106便で帰国、22時40分頃に帰宅、慌ただしいツアーは終わった。思ったよりも疲れは少ない。

ホテル近くの街路樹(楠と椰子)

台北駅

あとがき<記憶に残った事など>

この旅を通じて感じたこと、知り得たこと等を下記のように順不同で記録してみたい。

1.ツアー全般
この種のツアーに参加したのは初めてであったが、ただガイドに着いていけばよいということで、何時ものように自らレンタカーを運転したり、列車やバスを乗り継ぐという煩わしさもなく、楽な旅となったことは事実である。ただ、5日間で台湾を一周するという欲張った旅程のために、毎日朝早くホテルを出発し、夜遅く次のホテルに到着するという、些かしんどい旅程となったことは致し方ないことか。安い料金で、効率よく、楽な旅をするにはツアーは最も効率的ということを実感できた。

また、この旅を楽しいものとしてくれたのは、ガイドの荷永吉君の力によるところも大きいと言えよう。日本にもいたことがあるという40歳前後の彼は、日本語も上手く、5日間にわたって少しの疲れも見せず、嫌な顔をすることもなく、頻繁にダジャレを交えながらの名ガイドで、我々を退屈させることはなかった。彼の憧れは、仕事から帰宅した時に、「お風呂を先にしますか? お食事が先ですか?」と優しく問いかける日本の妻の姿であるとのことで、台湾ではそのような優しい妻の対応に出会えることは望めないと嘆くことしきり。


2.ホテルと食事など
ホテルは、一般コースよりも少し上の「グレードアッププラン」を選択したので、台中のPLAZA INTERNATIONAL(4星)を除いた3ホテル(高雄のMETROPOLITAN HOTEL(大都会酒店)、花蓮のMARSHAL HOTEL(統帥大飯店)、HOWARD PLAZA HOTEL TAIPEI (福華大飯店台北))が5星で、部屋の広さもベッドの大きさも十分で、予想以上に快適であった。また、4星の評価のPLAZA INTERNATIONALは部屋の広さもベッドの大きさも他のホテルよりも大きいほどで決して格下という感じは無かった。ただ、4ホテルとも部屋数が230〜600もある大型ホテルであるが、楽天トラベルでは取り扱っていないようで、楽天のサイトでは発見できなかった。

食事は、2回の機内食のほかに、台湾旅行中に4回朝食を含めて計9回の食事がついていたが、当然ながらビュッフェ形式の朝食(他の旅で経験したよりも質、品数共に少し劣る)を除いては全て品数も豊富な中華料理。馴染みの料理で量も十分で、連れ食い現象で食べ過ぎてしまい、5日の旅行で体重も1Kg以上増えたようだ。


3.天候
台湾訪問は、常々、日本の寒い冬の時期が最適と考えていたが、今冬は体調のこともあって、2月には沖縄旅行で寒さを逃れただけで、台湾訪問の機会は予想外の4月末になってしまった。北回帰線より北は亜熱帯、北回帰線より南は熱帯と言われている台湾では、この時期は日本の真夏に近いのではと危惧していたが、旅行中は朝が25,26℃、昼が28,29℃と旅行には快適な気温で、雨に遭遇することもなく、マズマズの選択であったと言えよう。なお、台湾北部の台北と南部の高雄では気温差が2℃前後はあるようである。
ところで、今年の台湾は寒かったという話題は耳にしていたが、1月16日には台北で5年ぶりに雪がちらついたということを帰国後に知った。沖縄よりも少し南に位置する台北おいて雪とは!!


4.北回帰線と植物、果物など
北緯23℃26分近傍を通過する北回帰線より北は亜熱帯と言われており、台北の街路樹は椰子の一種と楠の木が主体。また、亜熱帯の台中市近傍では檳榔椰子が多く、台南市や、高雄市へ近づくとココナツ椰子が多くなったように思う。また、バナナと共に名産物であるアップルマンゴウやパパイヤ等の果物も南側の方が多く栽培されている。

意外だったのは、上記の太魯閣峡谷・3(タロイモ?)の写真に収めた野生のタロイモらしき植物。ガイドに確認したら、「タロイモだろう」とのことであったが、本当であるかどうかは定かでない。ただ、台中ではタロイモが盛んに栽培されていて、タロイモ饅頭も台湾名物になっていることから、野生のタロイモがあっても不思議ではなかろう。

さらに、上記した以外でもライチやナツメほか台湾名産品は多くあるが、自分にとって意外な産物は梅。梅茶その他多くの梅の加工品がお土産品として市販され、チャイナエアーラインの機体に描かれたマークにも梅の花が使われていることを今回初めて知った。


5.台湾人は檳榔(ビンロウ)が好き
檳榔椰子の果実は、「カミ煙草」のような嗜好品の一つで、噛んでいると唾液が真っ赤になるという。その唾を路上に吐き出すために衛生上の問題はあるというが、台湾人はこの檳榔が大好きなようである。檳榔椰子の木も台中、台南地方ではかなり多く栽培されているようで、車窓からもその光景がかなり目につ。台北を除くほとんどの市中で、街路に接したガラス張りの小部屋で派手な衣装の若い娘が売り子として働いている姿(店に「小悪女」の名前をつけたりしている)をよく目にする。40年前後前まで、千葉の海岸線の道端で展開されていた「ハマグリ売り」の娘の姿を思い起こさせる光景である。この派手な売り子の風紀上の問題などで、台北では販売規制されているらしいが、他の場所では数十メートル毎か、それ以内で看板が目につき、かなりの数にのぼる。
なお、宮崎県の青島や、我が故郷の鹿児島県の志布志湾の批榔島(無人島)等に自生しているビロウは、ビンロウと同じくヤシ科の常緑樹であるが、ビンロウとは別種である。


6.新高山(ニイタカヤマ)
北回帰線の近くに位置し、標高が富士山より高い3,952mもある台湾で一番高い山である玉山は、日本統治時代には新高山と呼ばれて、日本の国立公園にも指定されていたらしい。1941年12月の日米開戦の日時を告げる暗号電文「ニイタカヤマノボレー二〇八」のニイタカヤマはこの山とも言われているらしい。写真で見るところでは、なかなかの名山で観光ツアーもあるらしいが、今回の旅でこの玉山を目にすることが出来なかったのは残念である。


7.ロングステイ候補地?
退職後の海外でのロングステイ先として、マンション賃貸料や物価の安さ(東南アジアとしては治安も安定している)などのあってマレーシアの人気が上昇しているようであるが、台湾南部(台南など)もその候補地として人気が出てきているという。台北と違って、台湾南部では100平方メートル程度の家具付きマンションが、マレーシアと同じように45,000円程度で借りられるという。今回は、ゴルフ場に関しても、その他の事項についても特別の情報を得ることは無かったが、気候や衛生上の問題、国民性、物価等を勘案して冬場の3カ月程度を過す場所としては適地ではないかという感触は得たので、別途調査目的で訪問してみたいという考えも湧いてきた。<地方都市で、英語、日本語がどれだけ通じるかは不明>


8.お土産は「カラスミ」だけ
お薦めの台湾土産は種々あろうが、今回は「カラスミ」だけに関心があって、その他は殆ど目を向けることもなかった。「ドライマンゴウ」と「ドライナツメ」を少々買ったほかは、1枚約4000円の「カラスミ」を6枚買ったのがお土産の全て。