きりえの基本
きりえの作品を作ろうとするとまず題材を決めます。そうしてものの重なりによる遠近感
や立体感のある構図を選びます。きりえでは線が他のどこかとつながっていなければならな
いという制約があるためにどんな風景でもきりえにできるわけではありません。日本建築の屋根瓦
や格子模様などはきりえらしさが表現しやすいと思います。
きりえの基本は光と影・白と黒という対照的な関係から成り立っていますが,白黒のきり
えをつくる場合と彩色するきりえをつくるとではおのずと影の部分の割合は変わってきます。
(1)白と黒のバランス
きりえの場合は白と黒の対比が強烈なので画面の中にしめる白と黒のバランスが重要になってきます。
一般的には,白が多くなれば明るくなり,黒が多くなると暗くなりますがが,黒い部分がやや多めのとき、きりえ本来の美しさが
出てくると思われます。
また、一本調子の線ばかりではなく、黒い面を有効に使うことも大切です。
(2)白黒で仕あげるとき
光と影に注意しながら影の部分を加えていくことで立体感や量感を出し,白黒の持つ迫力を表現していきます。
(3)彩色してしあげるとき
影の部分が少なくても遠近感は表現できますが,より効果的な黒の使い方を考えると引き締まったきりえになります。
(4)白と黒の組み合わせ
一枚の原画でも白と黒に分けるで書いたように組み合わせを変えるだけで感じの違ったきりえをつくることができます。
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