きっと君は美の女神に気に入られたんだね
だから、ほかの神様は君に嫉妬して君の運命をめちゃくちゃにしちゃったんだ


世界で一番綺麗な〈あお〉


<青>が好き
どこまでも高く澄んだ青
秋の空
春の泉
優しい空の〈青〉

<蒼>が好き
どこまでも深くて暗い蒼
夜の海
夏の干し草
夕暮れ間近の霧の〈蒼〉

<藍>も好き
どこまでも鮮やかに濃い〈藍〉
ツユクサ
タデアイ
日の落ちきった空の〈藍〉

澄んだ〈青〉
くすんだ〈蒼〉
鮮やかな〈藍〉
優しく変化する空の〈あお〉
激しく変化する海の〈あお〉

でもボクは何よりも綺麗な<あお>を知ってる
空より優しく
海より激しい
それはすべてを拒絶して
それはすべてを魅了する
全く見たことのない〈あお〉

〈青〉 〈蒼〉 〈藍〉

そのどれともおんなじで
そのどれとも違う〈あお〉

――君だけの、色

ねえ、きっとキミはその〈あお〉で美の女神さえも虜にしてしまったんだ
だから嫉妬した神様たちが君の運命をめちゃくちゃにしちゃったんだね

神様に嫉妬させるほど相手を虜にする君の〈あお〉

あの日、ボクは世界で一番綺麗な〈あお〉を見つけた