詐欺会社に騙される

必死に内職を探す

届いた教材はテキストとCDがセットになっていました。それぞれの内容は次のようなものです。

「タイピング・スキル教本」は、入力を早く正確に行なう方法についての解説で、CDにはレベルごとに練習問題が設定されていました。画面の指示に従って入力したり制限時間内に入力していって、徐々にレベルを上げていくようになっています。

「ビジネス書式のひな型」は、企業でよく使われる各種文書の例が記載されたテキストとCDです。各書式はCDに納められていて、それを土台にして文書を作成するわけですが、例えば「会社名」と「担当者名」との行間はいくらいくらとか細かく指定されているのにはびっくりしてしまいました。

「エクセル教本」は、帳票の入力や集計表の作成法のテキストです。これもCDには予めひな型が入っていて、テキストにある例題に従って該当する欄に文字や数字を打ち込んでいきます。

そして最後が「試験問題集」です。3~1級まで3段階のレベルに分かれていて、合格したレベルに応じて支給されるマージン(アルバイト代)の単価が異なるそうです。

3級を目指して

さっそく3級を目指して練習を始めました。会社の説明によると、遅い人でも3ヶ月以内には合格できるそうです。

まだ子供が小さいので目が離せずあまり連続した時間は取れませんが、お昼寝時や夜寝かしつけた後で集中的に取り組もうと思いました。

毎月第4金曜日にインターネット経由で試験をするそうなので、とりあえず3回以内に合格することが目標です。

3級のレベルは文字のベタ打ちで1時間に4,000文字です。とにかくひたすら入力していけばOKだそうです。ですが、その時点での私のレベルは、なんと、1時間で2,500文字という状況でした。

自分では結構早く入力できるほうではないかと、それまである程度の自信を持っていたのですが、いざ時間を計ってみると3級レベルには全然到達していないことが分かってとても落胆しました。

ちょっと自信を失いかけましたが、そんな落ち込んでるようなヒマなんてありません。なんとか早めに合格してローン代以上のお金を稼がなくてはなりませんから。

実はそうやって支払いのことを考えていたら、やはり金利がもったいないという気持ちが次第に強くなってきました。だって金利だけで30万円近くなるのですから。

そこでもう1度主人に相談してみたら、一括で払ってしまったほうがいいという結論になったのです。そこでクレジット会社に連絡して金額を聞き、一括で振り込んでしまいました。

実は、これが最大の失敗だったのです。

会社が倒産!

実はA社は倒産しました。

わたしがそれを知ったのは、1回目の試験を受ける手続きをしようと会社に連絡をした時です。教材が届いてから既に2週間以上経過していました。

電話をすると「現在使われておりません」の案内テープが流れるだけでした。本当は会社の所在地まで出向いて確認したかったのですが、わたしが住んでいる場所は首都圏からかなり遠い地方なものですから、旅費だけでもかなりの負担になってしまいます。

とにかく、お金を払っているのにまだ何の見返りも受けていないので、なんとかお金を取り返さなければいけません。そこでクレジット会社に事情を説明してお金を返してもらおうと思いました。

急いでクレジット会社に連絡をしてみると、衝撃的な回答が返ってきました。支払ったお金は、なんと1円も返せないというのです。

詳しく事情を聞いているうちに手がブルブルと震えてきました。細かいところまで覚えていませんが、その時言われたのは、おそらくこんな内容だったと思います。

【1】わたしとA社との取り引き名目は「本」の売買契約である。

【2】通信販売なのでクーリング・オフの制度はない。

【3】既にわたしは全ての商品を受領済みなので、A社には何ら債務の残りは存在していない。

この3点です。要するに、A社が債務を履行してしまった以上、クレジット会社にも責任は存在しない、という理屈のようです。

このように伝えられ、手元に残ったA社との契約書を確認してみると、確かに商品名は「パソコン教本」となっていて、それ以外の内職仕事の紹介などについては一切触れていませんでした。

しかし、A社から届いた資料を改めて確認してみると、中にはっきりと「試験に合格後、データ入力の仕事を紹介します」という文章が書かれてあります。

そこで、再度クレジット会社に問い合わせてみました。でも結局もらった回答は前回と同じ、「クレジット契約で立て替えたお金は【本】に対してであって、仕事のあっせんについては関知しておりません」というものでした。

すっかり落胆して体じゅうの力が抜けてしまったので、今度は主人に「消費者センター」に電話してもらいました。そこでもやっぱりクレジット会社と似たような回答で、会社が倒産してしまった以上、もうどうしようもないとのことでした。

ああ、なんということでしょう。インターネットで儲けるどころか、逆に大損してしまったのです。やっぱり、育児中の主婦が在宅で儲けるなんて甘い考えだったのでしょうか。

少なくとも半年後くらいには、家で仕事をしながら毎月10万円なんて夢を見ていたものが、いきなり奈落の底へ突き落とされてしまってしばらくは何も考えるような気力はありませんでした。

>> 起業してどうなったのかへ続く


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