くらしを楽しく豊かに

 愛子が雑用に追われ、このページをお休みしている間に季節は秋から春に変りました。

 先日(3月14日)、雪解けとその後の水はけを待っていた和雄が、ジャガイモの植えつけ準備のために農

園へ出かけ時、3株のハクサイを持って帰ってくれました。

 あの寒い冬を雪の下で耐えて、ゆっくりと少しずつ養分を蓄え、命を守ってきたハクサイです。「あなたは

偉いね」と労いの言葉をかけたくなりました。柔らかくて甘くなったハクサイは、寒の戻りの日の暖かい鍋物

で、私たちを楽しませてくれています。

 「山の家」を訪れてくださった方から、庭を埋めつくしそうに広がった「クリスマスローズが、元気に花を付

けていますよ」と、写真付きのメールが届きました。本当にありがとうございました。

 大阪の、我が家の庭ではツバキが今でも花をたくさん保ち、そのそばでユキヤナギが真っ白なかわいい

花をゆったりとゆらしています。そのそばに置いた植木鉢でチューリップが花首を伸ばして、今にも花の色

が伺えそうに育っています。

 今年の春は、息子の家族が暮らす青森の春のように、雪解けと共にすべての花がいっせいに開く「北国

の春」のようです。人間社会の愚かさを無視するように、自然は大きな流れの中で泰然と実に優しく・厳しく・

美しいと思いませんか。今年も、農園の暮らしを楽しみましょう。


  
 そ ぼ く          西 尾 勝 彦 (詩集・言の森)

  
いつからか

  素朴に 

  暮らしていきたいと

  思うようになりました

  飾らず

  あるがままを

  大切にしたいと

  思うようになりました

  そうすると

  雲を眺めるようになりました

  猫がなつくようになりました

  静けさを好むようになりました

  鳥の声は森に響くことを知りました

  けもの道がわかるようになりました

  野草の名前を覚えるようになりました

  朝の光は祝福であることを知りました

  人から道を尋ねられるようになりました

  遅さの値打ちを知る人たちに出合いました

  一日一日が違うことを知りました

  ゆっくり生きていくようになりました

  鹿の言葉が分るようになりました

  雨音が優しいことを知りました
 
  損得で動かなくなりました

  わたしはわたしになりました                      


寒過ぎた冬がやっと終わり、
         北国のように、いっきに春の訪れです!