札幌デジタル彫刻美術館 008 ブラック・スライド・マントラ

基本情報

[台帳番号]008
[作品名]ブラック・スライド・マントラ
[作 家]イサム・ノグチ
[設置年]1988年
[設置場所]大通西8丁目、大通公園
[所有者]札幌市市緑化推進部
[材質・構造] 本体材質 : 黒御影石 高360x横400x径**(cm)重さ80㌧
台座材質 : 花崗岩   高**x横**x幅**(cm)
[写 真]1 仲野三郎(No593) 3 松原安男
[記 事] 松原安男 

   

[解 説]
 1992.6.6除幕式。日系米国人で世界的な彫刻家、故イサム・ノグチの制作。高さ3.6㍍、巾4㍍、重さ80㌧。内部をくり抜いた階段を昇り、短い螺旋の坂を滑り降りてくる形。ノグチ氏が84歳で亡くなる直前の1988年秋、香川県牟礼町のアトリエで完成。札幌市が1億94万円で購入した(当初の構想より大きな作品となり、予算額の7千万円を超過した)。美術的評価額は5億円ともいわれる。南北の道路で分断されていた8丁目と9丁目の公園の東西をつなぎ、そこに作品を置きたいと札幌市に提案。市は交通止めに2年かけて実現した。既存の道路をつぶしてまで公園にする、それは、子ども達の遊び場と市民の憩いの空間を広げたいとの発想だった。「これはまだ完成ではない。子どもたちが何度もすべり、そのお尻でなじむようなかたちになって、初めて完成といえる」、ノグチは周囲のひとたちに、このような話をしていたという。
 元の原型は、1986年にヴェネツィア・ビンナーレでグランプリ候補になった白い大理石の「スライド・マントラ」。札幌の雪景色に合わせて、アフリカ産黒花崗岩15個のピースで、リメークされた。インドの天文台「YANTRA MANTRA」に因んで名づけられた。

008 ブラック・スライド・マントラ・正面

写真・ブラック・スライド・マントラ
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