みんなでハッピーになるために、3つの柱を基本に据えました。

本物の素材をつかう
わたしたちが育った家庭では、すべてが安さ優先!マーガリンや化学調味料が当たり前でした。
おやつは駄菓子やスナック菓子。
たまの休みに母親が即席の「プリンの素」でつくってくれるプリンが、極上の手作りスイーツでした。
中学生になり、自分でお菓子を作るようになってからも、選ぶのはケーキ用マーガリンや植物性の生クリーム。
安かったし、それで十分、と思っていました。それなりにおいしいと感じていたのです。
でもある時、本物を食べて、その違いに驚きました。なんだか自分が騙されていたような感じ。
そうして、大人や社会に対する不信感でいっぱいだった子供の頃の気持ちを思い出しました。
もちろん、生きていくのはほんとに大変。
だから何か選ぶにもお財布との相談は欠かせないのですが、
「選ぶなら本物を」と決めてお菓子をつくってきました。

食品添加物はできるだけ避ける
食品添加物の使用量にも、もちろん安全基準はあります。
でもそれは、それぞれの物質について動物実験をした結果に、一定の安全率を掛けて算出された個別の数値。
さまざまな添加物を複合的に取り込んだときの影響については、誰もはっきりしたことを知りません。
この時代、食品添加物のほかにも、農薬や、放射線など、できれば避けたいものはたくさんあるわけなので
自分たちで避けられるものは避けようというのが基本姿勢です。

投票行動のつもりで食材を選ぶ
「ハッピー・マフィン・プロジェクト」が存続できるのも、
わたしたちの提供するものにお金を支払ってくださるお客様がいるからです。
立場がかわって、わたしたちが原材料を買うときも同じこと。
でもでも、たとえば卵の場合、はじめはちょっと迷いました。
エネルギー的な話は別として(でも、やっぱりこれって重要)
味に違いは出にくいわけで。。。
自分の家の食卓には何年も前から平飼い卵を選んでいたものの、
原価→価格はできるだけ抑えたかったのです。
けれど「みんなでハッピー」には、動物たちも含まれます。
商売となればたくさん買うことになる食材のなかで、未来への違いを意識しやすかったのが卵でした。
わたしたちが平飼い卵養鶏場に1票を投じることで
1円でも安い卵にするため一生狭いケージの中で過ごす鶏たちの飼育環境が見直され、
平飼いや放牧があたり前の世の中になったらどんなにいいだろうと思うのです。
現に昨今では、平飼い卵を使っているお店が珍しくなくなったし、近くのコープでも扱われるようになりました。
すごく嬉しいなあと思います。

そのような考え方で、基本の食材は次のものを選びました。

小麦粉・米粉
ポストハーベスト(収穫後に散布される農薬)の心配のない北海道産あるいは国内産。

さとう
クレープ生地とマフィンには、素焚糖。
生クリーム、氷みつ、果物の加工には十勝産のてんさいグラニュー糖。

乳製品
生乳から作られた北海道産のバター・純生クリーム、牛乳、
クリームチーズは、生乳を原料とするニュージーランド産(国産で適当なものが見つかりませんでした)。

たまご
ポストハーベストや遺伝子組み換えの心配のない餌を食べ、
平飼いで育てられている鶏の卵

その他
生地のパサツキなど老化を防いだり、食感を良くしたりするための乳化剤、
起泡剤などを含む業務用製品は一切、使っていません。

保存料を避けるため、チョコソースやカフェソース、キャラメルクリームは手作りです。
市販のジャム類も保存料無添加。
ドライフルーツは漂白剤を含まないもの。
マフィンやスコーンなどに使う膨張剤は、みょうばん(アルミ)不使用です。

良質なお菓子を低価格でお届けしたいから
クレープのお持ち帰りに使う紙トレー
(正確にはアシモールド容器といます。木材ではなく葦を原料にしています)以外、
包材にはお金をかけていません。

経営事情や価格との折り合いをつけるため、妥協もしながらの食材選び。。。
今後も試行錯誤を続けます。

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