とろとろお月さん

「アリス、卵。要るか?」


色づき始めた京都からの電話は開口一番、卵だった。

「は?卵がどないしたって?」
「いや、婆ちゃんが頂き物で卵をしこたま貰ったんだ。
産み立て新鮮、栄養価満点、美味いと3拍子そろった玉子屋の卵。
美味い、美味いけどいくらなんでも喰い切れねぇ」



そうして、大阪へ玉子のデリバリーサービスだ。


週末、届ける。泊るから宜しく。


何が宜しく、か。

「タマゴ…」


そうして、私はスーパーに居る。


すこし奮発して生クリーム。牧場の特製?
高!…でも、美味いやろなぁ。

牛乳とゼラチン。

ああ、銀杏も忘れずに。



お出汁はあご入り。頂き物の出汁パックは本当に便利だ。

アリスはかまぼこを入れるのが好き。
火村は茸入りが好き。

蒸し器を出して準備万端。


「ほれ、卵便だ」

寒そうに身を寄せる仕草をかわして玉子を受け取る。

割ると綺麗な黄色、こんもりした白身。

「綺麗なタマゴやねぇ…」

ついでに作る、あっためたミルクに生クリーム、タマゴ入れて掻き回す。
丁寧にこしたら…バニラエッセンス。溶かしたゼラチン。

小さなココット皿に入れて冷蔵庫へ。


一方で―。

出汁を混ぜたら具を沈める。
沸かしたお湯、蒸し器セッティング完了!


つまみは…。


取り出したシュウマイ。
焼いたホッケ。


「お、新米か?」
「そうや。つんつんしてて旨いで」


出汁を使ったお味噌汁は赤味噌と白味噌のブレンド。
具は…シンプルにお揚げ。


手際良く並べて蒸し上がった器に彩りの緑。


「アリス、デザートは?」


期待する瞳は子供のそれと同じ。


「もちろん。滑らか舌触り、とろっと濃厚な…」


「「 プリン 」」


まずは目の前のごちそう、ご賞味あれ。

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Author by emi