正しい奴隷の作り方

奴隷―

―自主性を失い、他者によって束縛使役されている者−




「ひっ、ぁ・・・・、あぁ・・・・・、もっ・・」
「・・・・・アリス」

先ほどから懸命に声を上げるも、それはもはや言葉として意味を成さない。
それでも、優しい愛撫をくれる火村の指は許す事無くアリスを苛んでなおも執拗に追い詰めていく。
限界を過ぎた快感は、ただただ、堪らない、堪らなく気持ちよくて、壮絶に苦しい。

「やぁっ・・・・、イっ・・・、ああっ・・・・・、んっ・・・・・」
「それじゃ、何時までたってもイケないだろ?・・・・ほら、アリス・・・」

ぐり、と親指で押し込めるように先端を引っかいてやるとアリスは背を反らせて震える。

その、白い背中に全身の血液が沸き立つような興奮を覚えた。


そうだ、アリス・・・・。
もっと、もっと俺に見せてくれ。
全てを、曝け出してしまえばいい。



理由なんてなんでもよかった。

通り過ぎる人の波にのまれてはぐれたから、とか。
胸元の開きすぎたシャツを着ていたから、とか。

・・・釣りを渡す店員に笑顔を見せたから、とか。


我ながら呆れるようなこじ付けの理由であっても。


仰向けに寝転んだ自分の上に跨る様にして銜え込むアリスは、火村の腹の上に手を着いて 懸命に腰を振っている。

「ふぁ、あっ・・・・、やぁ・・・・、うご、いっ・・・てっ・・・、あぁ」

がくがくと震える躰では思うように深く、いいところへの刺激が拾えないのだろう。
精一杯に広げた足も既に力が入らないようだ。

いつもなら下から突き上げてやる火村は、答える代わりに紅く腫れた胸の摘みを指で弾いてやった。

「ひゃっ・・・、あぁ・・・っ、ん・・・・」

途端にきゅう、と締め付ける内襞の動きに思わず腰を突き上げる。

「っ、・・・く、そっ・・・・」
「あああっ・・・、イぁ・・、アっ・・・・・、はぁ・・」

とろん、と何処か濁ったような淫蕩とした瞳は望んだ刺激を悦んでいるように見えて 訳のわからない、苛苛とした苛虐心が大いに揺さぶられる。


支配しているはずなのに、支配されているような気になる。

「アリスっ・・・・、言えって・・・。どうして、欲しい、のか・・・」

一瞬の躊躇を見せるものの、素直に視線を絡ませて紅い口で強請るアリスは、 大きな双眸を潤ませて、隠しきれない欲を滲ませていて。

堪らなく、官能的だ。


ああ。その顔を見るために、こうして、居るのかもしれない。

興奮した心の片隅で、ちらりとそんな風に思った。

「んっ・・・、あっ・・、おねが、い・・やぁ・・・、奥っ・・・・、突いてっ・・・ぇ・・」


くっと、腰を浮かせるとアリスの肘が折れる。

「はぁ・・・っ、んっ・・・・、ひむ、らぁ・・・・」

それでも、腰だけは擦り付けるようにグラインドさせては締め付けて離さない。
舌足らずに甘える様なアリスの声にすら、どうしようもなく煽られるのだ。

「ぉらっ・・・、アリ、ス・・・・」
「イぁ・・・っ・・、っくぅ・・・・!」

折れた肘を己の体に沿わせ、揺れる小さな腰を掴むと力任せに持ち上げては落とす。
同時に抉るように突き上げて穿つと、首筋に噛み付く。

「やぁっ、あああっ・・・・・、アっ・・・」

ぐずぐずと火村を飲み込む後腔は放ったもので満たされて、あふれ出した白濁を滴らせてはまた、呑み込む。
合わせた腹の間で、同じように粘着質の音をさせているアリス自身もまた、先端から止め処無く愛液を滴らせている。


気が、狂ったように、抱き合う。

もう迸るだけの精も尽きたのだろうに、それでも恍惚として達したアリスを仰向けに寝かせると そのまま硬いままの自身を捻じ込む。

「もっ・・・、む、り・・・・やぁ・・・」

そんな言葉、受け入れてなど、やらない。

半ば意識など飛んでいるのにも係わらず、それでも喘ぐアリスに容赦なく腰を打ち付ける。


「ぅあっ・・・・、ひむ、・・・ぁ・・、こわ、れるっ・・・、あっ・・・ああ!」
「ああっ・・・・、壊れち、まえ・・・、アリスっ・・・!」



壊れるくらいに、感じて、啼いて。
何処へも行けないくらいに、繋ぎとめておきたい。


全身に散った鬱血の痕も、余す事無く濡れた白い身体も。

何もかもを全て、奪いたい。

ぐちゅ、ぐちゃ、と淫猥な音と、普段とは違うアリスの声と。
ソレを聞いて火村はやっと安心するのだ。

此処に、捉えて繋いで居られる気がして。

「ああっ、も、・・・・イく、ぁ・・・・!」

呆れるくらい抱き合って、そうして、どろどろに蕩けて眠ろう。
動けない朝を、共に迎える為に。






「ん・・・・・」

ちり、と走った痛みに意識が浮上する。

指を動かすのも億劫な程の倦怠感に、アリスは深い息を吐いた。


ああ、満たされる。

隣では穏やかな寝息を立てる火村が居る。


月に一回くらいのペースで、彼はとことんアリスを嬲る。
なんや、かんや、と理由をつけては、互いに限界を超えるまで抱き合うのだ。

そんなときの火村は、いつだってどこか、怯えている様に見える。
無理強いして、アリスを捕らえて離さない、そう、言って薄く笑う。


強い言葉と、強い仕草とは別に。
瞳だけは、揺れているのだ。

それでも。
止められないのだろう。



・・・止められては、困るのだ。


限界まで求められるのを、アリスが望んでいるから。


そうして欲しい、と思ったときはわざと火村が難癖をつけやすいように、
危うく見えるように、振舞う。
さり気無く、悟られないように。


捉われているのは、アリスの方なのに。


囚われているのは、火村の方なのだ。

以前サイトにアップしていた物を再アップです。たま〜にこんな感じで暗めのがちらほらあったりなかったり。

Author by emi