『五辯の椿』 山本周五郎
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NHKのドラマから先に見て、面白かったけど最後がちょっと納得いかず原作もこんなつまらない終り方をさせるのだろかと思って読みました。大きな違いは実の父源次郎に対する復讐の姿勢。ドラマでは「いくらなんでも実の父を殺せず」終る感じだけど原作では「あえて殺さない」なのでした。
なるほどその方が「生きて罪を償わせる」という遺書どおりで納得が行き、クライマックスで源次郎を責め迫る場面も緊張感最高で目が離せません。ただ、両方とも最後はおしのが「お仕置きがこわくなり自害」というのは同じでこれはどんなもんかいとやや残念でした。
ドラマの方で良かったのは連続殺人事件で沸く江戸市中の様子や町方与力青木千之助の心情背景を細かく描き、4人目の殺人を原作にはない絵師(竹中直人)を登場させるなど、映像としてドラマチックな仕上がりになっていたことです。
しかし原作にある、おしのがもろ肌ぬぎで美しい胸を見せるとこは残念ながら出てきませんでした。あたりまえですが。