■ 偏向的偏愛映画とにかくなんとか50本   −きな−

■順位はつけられないので製作年順です■

1.「會議は踊る」(31年独:エリック・シャレル)
     ドイツ語の勉強のために見た。ドイツ語は忘れ果てたが、映画は残った。

2.「フリークス」(32年米:トッド・ブラウニング)
     いまでは決して作れない映画。

3.「天井桟敷の人々」(45年仏:マルセル・カルネ)
     ねぇナタリー?それは口にしてはいけないのよ・・・。

4.「欲望という名の電車」(51年米:エリア・カザン)
     M・ブランドのせいでその後のスタンリー役者がどれほど苦労していることか。

5.「道」(54年伊:フェデリコ・フェリーニ)
     トマトとジェラードがこんなに切ない小道具になるなんて。

6.「七年目の浮気」(55年米:ビリー・ワイルダー)
     彼女は、ただ「ああ涼しい♪」って思っただけだったのに・・・。

7.「素直な悪女」(56年仏:ロジェ・ヴァディム)
     あの日から、彼女はずっと「ソクラテス」を探してる。

8.「お熱いのがお好き」(59年米:ビリー・ワイルダー)
     どうもヘプバーンよりモンローになってしまう。

9.「生血を吸う女」(61年伊:ジョルジュ・フェローニ)
     子どもの頃午後のテレビで見ただけなのだが忘れられない。
     黒沢清のベストにも入っていてうれしい。
     ちなみに「生血」は「なまち」ではなく「いきち」である。

10.「大脱走」(63年米:ジョン・スタージェス)
     夫とふたりで何度も見た。その度に同じシーンで涙ぐむおバカ夫婦。

11.「2000人の狂人」(64年米:H・G・ルイス)
     青く晴れた空、バンジョーのBGMの中へらへらと行われる村ぐるみの殺人。
     なぜか『瓶詰の地獄』を思い出す。

12.「ゴッドファーザー1・2」(72・74年米:F・F・コッポラ)
     いや、三部作なんですけど・・・ごめんなさい<第三部。

13.「緋牡丹博徒・仁義通します」(72年日:斎藤武市)
     やくざ映画の最終兵器は美しきぶきっちょさんだった。

14.「ルートヴィヒ/神々の黄昏」(72年独・仏・伊:ルキノ・ヴィスコンティ)
     完璧な美しさというものが、この世に確かにあるのだ。でもそれは儚い。

15.「追憶」(73年米:シドニー・ポラック)
     恋はいつかは終わるものなんだね。

16.「ジーザスクライスト・スーパースター」(73年米:ノーマン・ジェイドソン)
     でもやっぱりヘロデ王は市村正親!

17.「ハリーとトント」(74年米:ポール・マザースキー)
     じいさまロードムービー。愛しい茶トラのトント、愛すべき偏屈老人ハリー。

18.「バリー・リンドン」(75年米:スタンリー・キューブリック)
     キューブリックはこれがいちばん好きってヘンですか?

19.「こわれゆく女」(75年米:ジョン・カサデベス)
     スピネッリの『スター☆ガール』をふと思い出す。
     受け入れること・抱きしめること。

20.「サスペリア2」(75年伊:ダリオ・アルジェント)
     片思いの人と見た。冒頭血まみれのナイフが「ゴト!」。
     飛び上がった私を彼は「ふっ」と鼻で笑った。
     この人は決して私を好きになってはくれないのが分かった。

21.「グロリア」(80年米:ジョン・カサデベス)
     どんなに年をとってもハイヒールを履ける女でありたい。

22.「トッツィー」(82年米:シドニー・ポラック)
     それで楽になるなら女装だってなんだっていいじゃない。

23.「人魚伝説」(84年日:池田敏春)
     「あずみ」も真っ青。

24.「アマデウス」(84年米:ミロシュ・フォアマン)
     モーツァルトはこのサントラなら大好き。舞台より映画のサリエリが切ない。

25.「スプラッシュ」(84年米:ロン・ハワード)
     ロブスターは殻ごといただくのがツゥ。

26.「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(84年米:セルジオ・レオーネ)
     「ゴッドファーザー」と時々こんがらがるのはデ・ニーロのせいか私のせいか。

27.「シド&ナンシー」(86年英:アレックス・コックス)
      ラストシーンのためなら何度でも見ます。

28.「愛と宿命の泉」(86年仏:クロード・ベリ)
      誰も考えつかなかった、ハンカチの正しい使い方。

29.「ベルリン・天使の詩」(87年独・仏:ヴィム・ヴェンダース)
      図書館には天使がいる。だけど続編は見たくない。

30.「スタンド・バイ・ミー」(86年米:ロブ・ライナー)
      「それから二人は大人になった 仕事も 住む所も遠くはなれて
      あうことも はなすこともなかった」(西原理恵子『やまもとくんとまぶだち』)

31.「ラスト・エンペラー完全版」(87年英・中・伊:ベルナルド・ベルトルッチ)
      「Open the Door!」けれども彼は自らの手で「扉」を押し開くことは出来なかった。

32.「芙蓉鎮」(87年中:謝晋シェ・チン)
      友人が中国で米豆腐を食べてきた。
      思い入れが強すぎたのか味はビミョーだったらしい。

33.「危険な関係」(88年米:スティーブン・フリアーズ)
      この原作と『サド侯爵夫人』(三島由紀夫)は悪口の宝庫。

34.「バクダット・カフェ」(88年独:パーシー・アドロン)
      ♪ブレンダ〜ブレンダ♪さぁ、ショーの始まりだよ。

35.「トーチソング・トリロジー」(88年米:ポール・ボガード)
      この後のゲイヒストリーを考えるとまた泣けてくる。

36.「死霊の罠」(88年日:池田敏春)
       これと「人魚〜」の共通項は、血まみれ・辻褄関係なし・そして清水宏。

37.「コックと泥棒、妻とその愛人」(89年英・仏:ピーター・グリーナウェイ)
      汚物にまみれた二人は、もう一組のアダムとイヴなのかもしれない。

38.「二十世紀少年読本」(89年日:林海象)
      趣味に走ってなにが悪い(笑)

39.「シェルタリング・スカイ」(90年英:ベルナルド・ベルトルッチ)
      夫とは仲良しだと思う。生まれ変わってもまた巡り会いたいと思う。
      なのにこの映画が身につまされるのはなぜだろう。

40.「レッド・オクトーバーを追え」(90年米:ジョン・マクティアナン)
      「見ろ!艦長が追い上げている!」笑いどころなのになぜか切ない。

41.「フィッシャー・キング」(91年米:テリー・ギリアム)
      一瞬の舞踏会。束の間の永遠。再び歩きだすのに必要なもの。
      彼の「ラ・マンチャ」を見るまでは死ねない。

42.「あの夏、いちばん静かな海」(91年日本:北野武)
      エンドロールにまんまとやられた。

43.「紅夢」(91年中・香港:張芸諜チェン・イーモウ)
      「これだから女の嫉妬は恐ろしい」と言える男の方がずっと怖い。

44.「ラスト・オブ・モヒカン」(92年米:マイケル・マン)
      いい男が荒野を走る、これすなわち映画なり。
      (でもホントはウンカスが主役じゃないのか)

45.「ソナチネ」(93年日:北野武)
      バカで愛しい砂浜の人間紙相撲。

46.「プリシラ」(94年豪:ステファン・エリオット)
      彼らがどこかの空の下で元気なら、また明日も生きていける。

47.「エビータ」(96年米:アラン・パーカー)
      「ジーザス〜」とこれ、日本語でならなりきりで歌えてしまう。

48.「ラリー・フリント」(96年米:ミロシュ・フォアマン)
      「ラリィ?」なんといってもアリシアが愛しい。

49.「ガダカ」(97年米:アンドリュー・ニコル)
      「努力はせつない」(橋本治『天使のウィンク』)

50.「LAコンフィデンシャル」(97年米:カーティス・ハンソン)
      どうか次は『ブラック・ダリア』を!


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