プッツマイスター(モルタル職人)
被災した福島原発に放水する機材として、プッツマイスター社のコンクリートポンプ車を使用するという。高圧放水車が出動した時に、コンクリートポンプ車を思い出したが、プッツマイスター社の機械を使う事までは思いつかなかった。カタログで知っている程度だったが、我ながら不覚だった。
コンクリートポンプ車とは、一般にトラックのシャーシにコンクリートを圧送するポンプと、コンクリートを打設するための配管付の折りたたみ式ブームを備えた建設機械を指す。ブームが付かないものもある。日本国内でも数社が製造している。しかし、今回福島原発に投入されるような大型機は製造していない。
今回使用のような大型機の場合はトレーラー構造にする必要がある。機動性が悪く、移動するたびに申請が必要だ。そんな機械は超大型プロジェクトでもない限り必要ない。だから日本には輸入機が数台あるだけなのだろう。
ポンプの構造だが、ピストン式とスクィーズ式がある。ピストン式は2本のシリンダにコンクリートを交互に吸入・吐出する方式だ。吸入・吐出を切替えるバルブが肝で、昔は各社が様々な方式を開発していた。中でもプッツマイスター社のバルブはHPに象が出てくる通り、象の鼻を連想するJ型の吐出管を2本のシリンダ間に揺動させる機構だった。シンプルで独創的だった。80年代にはドイツの同業を企業買収してブームなどレパートリーを広げた。 原発への放水は多いに期待はしてるが、コンクリート用ポンプを水に使用する事には懸念している。それは水の潤滑性の無さだ。コンクリートも同様だが、長時間の使用に耐えられるとは思わない。別に水用のポンプを用意して、ブームの配管に繋ぐべきだろう。それに、ホッパーに一旦受けるのでは、制御が複雑だ。 (2011/3/22) 戻る Home |