謡いとお経
隣町の謡の会に出掛けて行った。そこには昔の勤務先の顔見知りもいて、居心地は悪くない。亡くなった会員の謡曲本を分けてもらった。近隣の町から集まってきているようで、特定の師匠に習った人が集まっているわけではなさそうだ。喉に自信がある人達ばかりで、あちこちの謡の会を掛け持ちしてしている。
もし素人がプロの謡いに近づくとしたら、大ノリが最も近づき易いのではと思う。平ノリや修羅ノリ、サシなどの拍不合謡いでは難しいだろう。これらは後述の通り、習えば習うほど奥深さを感じる。一方大ノリはわずかな努力でプロに近づけるのだからもったいない事だ。
謡曲を知らない人は直ぐにお経みたいというが、昔「お前の謡いはお経のようだ」と言われることは最大の侮辱だと聞いた事がある。謡曲の中にはお経や祝詞もあって、それらしく謡わねばならないところもあるが、そこ以外はメリハリのあるリズムで能に近づくように謡うのが理想と思っている。 閉じる Home |