その爆撃力は、とてつもないエネルギーを発し、爆心地(投下された場所)から半径数キロ圏内では、猛烈な閃光と衝撃波が押し寄せた。
木造家屋はもちろんのこと、鉄筋コンクリート製の建物さえも全壊させた。
核爆発が起こった際に、恐怖の悪魔は目覚める。放射線である。
核燃料に使われているウランなどから発せられる放射線は目では
見えない。しかし、この強力な電磁波の性質にも似た放射線がもた
らす被害は想像を絶するものだった。
爆心地に居た人々は強力な熱線を浴び「炭」になり…
爆心地から離れた人々も皮膚のほとんどが溶け、剥がれ落ちた…
強力な熱線が体を貫通し、内臓を冒された人々は水を求め近くの
川に飛び込んだものの、皆、もがき苦しみながら亡くなっていった…
強い放射線を浴びた人々は「被爆者」と呼ばれる。
大量に被爆すると、体内の正常な細胞組織や体細胞を作る際の
遺伝子(DNA)が破壊され、健全な体を保てなくなる。
この影響により、当時、運良く生き延びた人々も、数年後には癌や
白血病などを発症し、生涯にわたり「重度の病」と向き合いながら
苦悩の人生を強いられる。 若くして急死した人も大勢いた。
それに加え、最愛の両親との離別や我が子を失った親の悲しみ…
自ら築きあげてきた財産や人生の崩壊など…
世界で唯一の被爆国、日本の過去と現実を忘れてはならない。