焼きそば・茄子いため・おにぎり

２０１５・０７．２６

　　　　　　　前回の訪問からわずか二週間後、大阪から３７０㎞の道のりを越えて再びやってきました日本海食堂。例
　　　　　　によって１１３０の開店前に現着したのですが、あれ？広い駐車場に、今日は車が何台も入っていますよ。よ
　　　　　　く見ると古い小型車が３台混じっていて、木陰に椅子を出してのんびりバカンス風。もしかして店主さんの旧
　　　　　　車仲間の人達かな。北陸の短い夏、朝から特にどこかへ行くあてもなく、顔馴染みの店先に勝手に集まって
　　　　　　だらだら・・・か。なんとなく羨ましいやるせなさが漂っています。
　　　　　　　それにしても、開店時刻の１１３０になってもまだ開かないのが実に日本海食堂らしいなあ。この頃には玄
　　　　　　関の前に数人のお客さんがたむろし始めます。みんなこの店のファンですね。
　　　　　　　１１４１、開店。外が暑かったので空調の効いた店内が快適です。とりあえず焼きそばと、おにぎりを１つ。
　　　　　　あともう一品いっとこうかな。今日もショーケースに沢山のおかずが並んでいますが、黒板にある本日のお勧
　　　　　　めの茄子いため、これ行っときましょう。今が一番美味しい時期ですし、地元産の茄子なら嬉しいなあ。
　　　　　　　いつもの席に着き、冷たいお茶を飲んでひと息。私の他には土木作業員風が２人、あとなんかやたらとマ
　　　　　　ニアっぽい空気を漂わせている１人客が二組。マニア風のうちの一人は、先程からしきりに店内の様子を携
　　　　　　帯ゲーム機みたいなので撮影しています。撮ったその場で自分のブログにＵＰしてるのかな。
　　　　　　　しばらくして、焼きそばとおにぎり、茄子いためがやってきました。おおお、これが日本海食堂の焼きそば。
　　　　　　まずは一口頂いてみましょう。

　　　　　　　ん？んんんん～？これ、どこかで食べた様な・・・っていうか、私が自作する焼きそばとほとんど同じ味では
　　　　　　ないですか（笑）！恐らく私が普段使っているのと全く同じソースが、ここ日本海食堂でも使われているのでし
　　　　　　ょう。いや、私のは基本的にビールに合わせるので、出来上がりはもう少し塩胡椒が強めかな。炒め加減も
　　　　　　理想的というか、私が作るのとまるっきり同じなのがとても不思議な感じです。
　　　　　　　具は豚バラ肉とキャベツ、あとピーマン、ニンジン、もやし。そう言えば昨年富山駐屯地の屋台で食べた焼
　　　　　　きそばにもピーマンとニンジンが入っていましたが、これは富山風なんでしょうか。私の焼きそばは豚バラ肉
　　　　　　とキャベツだけのシンプルなものなので、こういう華やかな焼きそばもいいですね。

　　　　　　　野菜の炒め加減はしゃきしゃきで、豚肉の脂と甘酸っぱいソースを浴びて炒められた中華麺も実に美味。
　　　　　　何の文句もないよく出来た焼きそばですが、自分が作るのとほぼ同じ味と言うのがなんとも微妙・・・。満足度
　　　　　　は非常に高のに、どうにも外で食べている気がしません。とても美味しいのですが、これはがっかりと言って
　　　　　　いいのかなあ。あまりに勝手な言い分なのは百も承知ですが・・・うーん。。
　　　　　　　ツーアウト満塁、一打サヨナラ負けの大ピンチという局面で注文通りにギリギリのコースを突いて完璧な見
　　　　　　逃し三振をとったピッチャーに対して、
　　　　　　　「いや、やっぱり今のはちょっと違うだろ」
　　　　　　　なんてとても言えないキャッチャーの気持ちというか、うーん・・・。

　　　　　　　続いては茄子いため行ってみましょう。ほほう、富山らしい水気の多い味噌で、炒め煮風になっています。
　　　　　　味噌だれに茄子の濃紺が溶けだして、ぱっと見凶暴そうな色合いなのが非常に食欲をそそりますね。まず
　　　　　　はひと口です。
　　　　　　　ほほう、思ったよりも甘い味わいで、これはご飯にぴったり。うーん、おにぎりではなく白ご飯にすべきだっ
　　　　　　たかも。この５倍の量を、どんぶり飯でわしわしとかき込みたくなります。
　　　　　　　茄子の身肉はしっとりと均一で、水気もたっぷりなのが旬の味ですね。ピーマンの青臭い香りも一皿の上
　　　　　　に眩しい夏の陽射しを感じさせ、まさにこの季節を代表する味わい。トッピングの紅ショウガが意外でしたが、
　　　　　　独特の酸味で全体の甘い味わいをきゅっと引き締めています。

　　　　　　　三角おにぎりにはたっぷりのおぼろ昆布がまぶされ、中の梅肉との相性も上々。茄子いためには白ご飯
　　　　　　を合わせるべきだったか・・・という後悔を一蹴する爽やかな酸味が、これまた実に夏向きの味わいだなあ。
　　　　　　最後は皿に残った昆布の切れ端までちびちびつまんで食べてしまいました。

　　　　　　　ここでマニア風が注文したオムライスが登場。ほほう、イカリング揚げやフライドポテト、生野菜もたっぷり
　　　　　　でとても美味しそう。次はあれにするかな。
　　　　　　　お、調理場から若い女性店員が出て来て、ホールのお手伝いを始めました。古びた店内が急に華やかな
　　　　　　雰囲気に・・・ならないのは、既に店内のあちこちにキレイなモデルさんを使った等身大パネルが突っ立って
　　　　　　いるせいですね（笑）。忍者屋敷じゃあるまいし、普通こんなの置かないだろ、食堂に（笑）。
　　　　　　　それにしても、焼きそばは微妙だったなあ。とは言え、私の作るのとほぼ同じ焼きそばが出て来ると思うと、
　　　　　　この日本海食堂との縁がますます深まった様な気がして、それはそれで悪くないですね。
　　　　　　　支払いを済ませて店を出ると、夏の強烈な日差しに目眩がします。クーラーをガンガンに効かせて、バア
　　　　　　サマの待つ氷見へと車を走らせました。

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