水を加えた加熱剤が勢いよく反応しているのを確かめて、まずは粉末ドリンクから作りましょう。今回封入
されていたのは、LEMON−LIME。ああ、これ美味しいんですよね。ちなみにこの時期(試食は8月に行いま
した)は、既定の12オンス(約340cc)よりも若干多めの水で溶かした方が個人的に好みです。ポスターカラー
を溶かしたような色合いですが、これもMREの味わいの一つと言えるでしょう。
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もう一方、アクセサリーパケットに封入されていたのはICED TEA。これも粉末の割には意外といいお味で、
冷たくしても温めてもイケます。今回は二つともあっさりすっきり味の粉末ドリンクなので、幸先がいいなあ。
さて、続いてはRAISINS OSMOTIC。どうやらドライレーズンの様ですが、このOSMOTICって何だろう。調
べてみると、“浸透・浸透圧”という意味でした。今一つピンと来ませんが、レーズンを乾燥させる過程で何か
を染み込ませた、という解釈でいいのかな?
とりあえず開封してみると、んん〜、なんだかやけに湿った真っ黒なレーズンが、ぼとぼととこぼれ落ちて
参りました。
しかしこの黒さはただ事ではありません。普通のレーズンはもっと紫がかっているのに、こちらはまるでイ
カスミにでも漬け込んだ様な黒光り。なんだか安物の昆布の佃煮みたいです。一体どういう遊び方をすれば
ここまで黒くなるのか(何が?)と問いただしたい気分ですが、とにかくひとつ食べてみましょう。
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うぐぐ、なんじゃこりゃ。はっきり言って滅茶苦茶甘いのですが、堅気の甘さではないこの化学薬品の様な
味わい。いったい何を浸透させたのか分かりませんが、体調の危機を感じさせる明らかにヤバい味だった
ので、3粒ほど食べて残りは捨ててしまいました・・・。
むかむかする胃腸をレモンライムドリンクでなだめつつ、VEGETABLE PATTY IN BARBEQUE SAUCE
のレトルトを開封。甘酸っぱいバーベキューソースの香りが鼻腔をくすぐり、これは美味しそうだなあ。
レトルトの中からは、長方形のハンバーグがずるりと出てきました。照り照りのソースが実に美味そう。ま
ずはハンバーガーらしく、2枚のスナックブレッドに挟んで食べてみましょう。
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一本のスプーンで大きなハンバーグをスナックブレッドに乗せるのはコツが要りましたが、これは見た目も
なかなか。両手でしっかりと挟み込み、大口をあけてかぶりつきます。
ほほう、なるほど。これは結構いけますよ。トンカツソースとケチャップを混ぜたような甘酸っぱくとろりとし
たソースが、ほんのり甘いスナックブレッドにとてもよく合います。
肝心の野菜ハンバーグはかなりみっしりと詰まった食感で、やや固めのスナックブレッドと合わさって、口
中でむぐむぐむぐむぐと噛みまくる感覚が新しいですね。確かにこれなら、間違う事なきハンバーガーと言え
るでしょう。
しかしこれは面白い!お世辞にもお上品とは言えない食事ではありますが、戦闘糧食にそんなものを求め
るのは世界広しと言えどフランス軍ぐらいでしょう。それよりもこの、両手でわし掴みにしてかぶりつく快楽!
これぞハンバーガーですね。戦闘糧食でこれは素晴らしい!
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またこの甘酸っぱいBBQソースがいい出来で、スナックブレッド特有の干し草の様な饐えた風味(私は好
きですが)を上手い具合に誤魔化して、苦手な人でも食べやすくなっています。洋食風の味わいもあり、白
ご飯にもよく合う気がするなあ。
モソモソした食感のスナックブレッドが口の中の水分をかなり持って行くのですが、BBQソースの酸味が
いい具合に唾液の分泌を促して、思ったより食べやすくなるのも好印象。戦場では真水が貴重になる場合
もあるでしょうから、このあたりは実戦の中で磨き抜かれたMREならではと言えます。
スナックブレッド2枚で野菜ハンバーグを挟むと、実に40oを超える厚さ。細身の携帯電話の幅ぐらいあ
ります。それぞれの味のハーモニーも素晴らしく、いやーこれは食べてて楽しいなあ。
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もちろん別々に食べるのもアリです。むしろこちらの方が、スナックブレッドや野菜ハンバーグ単体の味が
際立ちますね。試しに野菜ハンバーグだけを食べてみましたが、うーん、これが野菜だけで出来ているとは
・・・。どうやら大豆を主原料とした『畑のハンバーグ』の様ですが、食感は柔らかいサラミソーセージみたい
ですし、黙って出されたら普通に肉だと思うでしょう。
というか、MREで使用している成形肉はどれもこんな食感なんですよね(笑)。言われなければ、本当に野
菜だとは気付かないだろうなあ。
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最後はCHOCOLATE BANANA NUT MUFFIN TOP。最後のトップの意味が分かりませんが、チョコバナ
ナ風味のナッツ入りマフィンです。見た目はクッキーみたいに平べったく、まるで焼き立てのほっこりマフィン
をサンボ浅子が踏んづけたみたい。
一口食べてみますが、うーん、しつこい!甘い!はっきり言って私が苦手なタイプのお菓子ですが、これが
不思議なくらいするりと食べてしまいました。チョコ&バナナという相性の良さのお陰なのかな?今回は粉末
ドリンクがすっきりさっぱり味だったと言う事もあり、驚くほど美味しく頂けました。
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いやー、今回はかなりのスグレモノメニューでした。レーズンだけが狂気を感じさせる味わいでしたが、そ
れを補ってあまりあるベジタブルハンバーガーだったので、非常に満足度の高い食事になりました。意外に
イケたマフィンの美味しさもありましたが、やはりこの爽やか系の粉末ドリンクに助けられたところが大きか
ったでしょう。
あえて一つだけケチをつけるとすれば、マスタードの小袋があれば、この野菜ハンバーガーをより一層美
味しく頂けたと思うのですが、よく考えたらタバスコ様がいたんですね。あああああああ、これを足せばもっ
と美味しくなっただろうなあ。勿体ない事をしてしまいました。
とは言え、タバスコ様のお力を借りずとも十分美味かったのですから、むしろ彼が役に立たなかった事を
喜ぶべきなのかもしれません。出番がない事が最高の仕事。これは、軍隊そのものについても言える事で
すね。またひとつ、タバスコ様に勉強させて頂きました。押忍。
![](vbbs14.jpg)
それにしても、いい加減『ベジタリアンメニューはマズイ』という中傷を受けるのは、終わりにするべきでしょ
う。そう言う意味では、ベジタリアンメニューを終わらせたメニュー、ベジタリアンメニューのリーサルウェポン
と言っても過言ではないメニューでありました。
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