No.14 VEGETABLE MANICOTTI



    さて、今回は記念すべき10個目のMRE試食となる、メニューNo.14 VEGETABLE MANICOTTIです。あの悪夢のパ
   スタアルフレッドソース
に続いて2つ目のベジタリアンメニューですが、まずはあまり聞き慣れないマニコッティについて。
    マニコッティとは大きなチューブ状のパスタの一種で、内部に挽き肉や野菜の具を詰め、トマトソースやチーズをかけ
   てオーブンで焼きあげるイタリアの家庭料理です。
言わば筒状のラザニアみたいなもんですね。安価な食材で一度にた
   くさん作る事が出来るので、イタリアではバーティー料理で人気があるそうです。日本ではなじみが薄いですが、大きめ
   の輸入食材店のパスタコーナーに行けば手に入るみたいです。また、蛇足ですが、Manicottiには“熱狂的な”という意
   味もあり、何だかイタリアの国民性がよく現れている様な気がしますね。

 





【内容】
1:CHEESE AND VEGETABLE MANICOTTI IN TOMATO SAUCE (チーズと野菜のマニコッティ トマトソース)
2:パウンドケーキ   3:ピーナッツバター   4:クラッカー
5:ポテトスティック   6:ローストピーナッツ  
7:粉末アイスティー   8:ウェットティッシュ
9:ティッシュパーパー    10:塩    11:マッチ
12:タバスコ    13:粒ガム    15:スプーン
16:加水式加熱剤







    まずはメインのレトルトを加熱剤にセットし、粉末ドリンクを用意します。今回はアクセサリーパケットの『粉末アイステ
   ィー』
が一つだけ、と言うのがちょっと残念。ちびちび飲まなきゃ…と思いつつ開封すると、あれ?何だか粉末が湿気て
   います。
今回のは2004年製造の、割と新しいロットなんですが。
    とりあえず掻き出した粉末をペットボトルに入れてシェイクしますが、ここでシェイクが過ぎた所為か、まるで黒ビール
   の様なアワアワのアイスティーになってしまいました。


    しかしこのアイスティー、良く見ると溶け残った粉末が泡の縁にひっついていて、どぎつい赤と青の色素がシミになっ
   ています。
うーん、成程、完全に着色料の色だったんですね。恐る恐る味見をしましたが、特に問題ありませんでした。


    次は『パウンドケーキ』ですが、あれ?これもいつもと違う。今までなら完全に空気を抜いたアルミパックにピッチリと
   密封されていたのですが、今回のは窒素でも封入しているのか、パッケージが膨らんで見た目にもつるんとしています。
   
良く見るとメーカーがSTERLING社からPANGEA社に変更になっています。包装が殆ど同じだったので、見落とす所で
   した。
    開封すると、甘く美味しそうなニオイがします。以前のSTERLING社のものは、ソーセージみたいな不思議なニオイが
   した
ものですが。一口齧ると、バターとバニラの芳醇な香りが口いっぱいに広がります。おおお、これは美味い!別の
   メニューでもバニラ風味のパウンドケーキを食べた事がありますが、今回の方が格段に香りが高いですね。しっとり感
   は従来通りですが、メーカーと封入方法を替えたせいなのか、香りの良さとふんわりした食感が増している気がしました。


    ここでメインのレトルトの様子を見てみると、人肌よりもちょっと暖かい程度。またしてもスカの加熱剤を引いてしまい
   ました。
仕方ないので、ガスストーブで湯煎にかけます。
    『ローストピーナッツ』を開封。市販されているものよりも一回り小粒のピーナッツですが、塩気とコク、独特のエグミも
   あってなかなか美味しいですね。


    しかしこのアイスティー、作ってからしばらくたっているのに、一向に泡と濁りが消えません。味こそいつもの粉末アイ
   スティーですが、なんか不気味だなあ。
    今回初めての『ポテトスティック』。パッケージを開けると、マッチ棒よりもやや太いサイズのポテトフライがざらざらと
   出て来ました。
ちょっと油っぽいですが、しっかり揚げてあってパリパリです。強めの塩気も効いていて、これはビール
   に合いそう。うん、美味しい事は美味しいのですが、これが食事か…。


    次は久々の『クラッカー』。何と今回は、全く割れていませんでした。製造後比較的新しいものとは言え、テキサスの
   ワーニック社で製造されて沖縄に渡り、そこからサープラスショップを経て私の元に送られてくるまで、余程丁重に扱わ
   れてきた模様です。相変わらず粉っぽいものの、サクサクと軽く食べる事が出来ました。    
    ここで『ピーナッツバター』。うーん、相変わらず固くて重い味。口の中にタミヤのチューブパテを流しこまれた様な感
   じです。飲み物が6オンス(約170ml)のアイスティーだけでは足りないなあ。


    いよいよメインの『CHEESE AND VEGETABLE MANICOTTI IN TOMATO SAUCE』です。開封すると、トマトソー
   スのいい香りが食欲を刺激します。うん、これは期待できそう。皿に空けると、封筒みたいになったマニコッティが真っ赤
   なトマトソースにまみれて出て来ました。
ほのかに漂うガーリックとバジルの香りがたまりません。
    スプーンで掬って一口。長期保存の戦闘糧食なのでアルデンテとはいかないものの、マニコッティ自体はぼってりとし
   て食べ応えは十分です。中の野菜は細かく挽いてあり、滑らかで舌に心地いい食感。しかしこのトマトソースは絶品だ
   なあ。
酸味と甘味のバランスが申し分なく、オニオンとガーリック、バジルの風味も生きていて、ちょっと戦闘糧食とは思
   えないリッチな味わいになっています。
ああ、このソースに茹でたてのペンネを絡めて、タバスコをかけて食べたいなあ。


    そうそう、タバスコ様の事を忘れていました。小瓶の半分ほどを振りかけると、さらに美味しくなりました。これ、よく冷
   えた酸味のある辛口の白ワインで食べたいですね。

    最後は、皿に残ったソースをクラッカーで掬って頂きました。うむむ、これも美味い!肉無しとは思えない、コクと旨み
   が濃厚な見事なメインディッシュでありました。

  
    トマトソースのMREはどれもハズレ無しですが、今回のはその中でも特に美味でした。総じてベジタリアンメニューは
   評判が悪いようですが、このベジタブルマニコッティは別格ですね。
機会があれば、是非とももう一度味わいたいメニュ
   ーです。
    ただ、やはりこのメニュー構成で粉末ドリンクが6オンスだけ、というのは寂しいものがありました。ポテトスティックやク
   ラッカー、特にピーナッツバター(特にコレ)は水分を要する食品ですし。まあ水はふんだんに用意されているでしょうから、
   それを飲めばいいだけなんですけどね。
    とにかく、メインの美味さが際立ったメニューでした。




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